「ヒンドゥー教徒」の版間の差分

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'''ヒンドゥー教徒'''(ヒンドゥーきょうと、Hindu)は、[[ヒンドゥー教]]の信者。

== 概要 ==
== 概要 ==
人数は[[キリスト教]]徒([[キリスト教徒|クリスチャン]])、[[ムスリム]]([[イスラム教]]徒)につづく。しかし、地域的には著しい偏りがあり、ヒンドゥー教徒の大半は[[南アジア]]に暮らしている。これはヒンドゥー教がインドに土着の信仰に由来するためであり、ヒンドゥー教と結びついた[[カースト]]制度がインドの外では受け入れられにくいためである。インドでは、近年もムスリムなどの[[異教徒]]とヒンドゥー教徒の暴力的な争いがしばしば発生している。

;地域やカーストによって信仰形態が著しく異なる
一般の'''ヒンドゥー教徒'''は、[[輪廻]][[転生]]などの宗教観念を共有しながらも、長い歴史を経て生活に深く根付いた習慣や[[身分]]([[カースト]])に従って多様な生活を送っている。日々の礼拝・儀礼や年中行事や冠婚葬祭の習慣はカーストや土地や信仰する神によって著しく異なる場合が多い。カーストによる[[差別]]は1950年に[[インド憲法|憲法]]で禁止されているが、それでもまだ根強く残っている。


; 多数の言語を話す人々に信仰されている
; 多数の言語を話す人々に信仰されている
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; アジア地域における信仰の広がり
; アジア地域における信仰の広がり
インドでは人口の81.4%を占める8億2760万人、[[ネパール]]では人口の過半数、[[バングラデシュ]]では人口の14%、[[スリランカ]]は15%が'''ヒンドゥー教徒'''である<ref>『インドを知る辞典』 23頁。</ref>。[[インドネシア]]の[[バリ島]]では人口の約9割が[[バリ・ヒンドゥー]]と呼ばれる独自の習合宗教を奉じ、[[マレーシア]]、[[シンガポール]]にも相当数のインド系住民に信仰されている。世界全体での信者数を比較してみるとヒンドゥー教徒は仏教徒よりも多くなる。信者が地域的に偏在していることもあって、日本では[[世界宗教]]ではなく[[民族宗教]]と考えられており、[[世界三大宗教]]の座を[[仏教]]に譲っている。
インドでは人口の81.4%を占める8億2760万人、[[ネパール]]では人口の過半数、[[バングラデシュ]]では人口の14%、[[スリランカ]]は15%が'''ヒンドゥー教徒'''である<ref>『インドを知る辞典』 23頁。</ref>。[[インドネシア]]の[[バリ島]]では人口の約9割が[[バリ・ヒンドゥー]]と呼ばれる独自の習合宗教を奉じ、[[マレーシア]]、[[シンガポール]]にも相当数のインド系住民に信仰されている。世界全体での信者数を比較してみるとヒンドゥー教徒は仏教徒よりも多くなる。


== 脚注==
== 脚注==

2018年5月26日 (土) 08:31時点における版

Template:Cleanup ヒンドゥー教徒とは、ヒンドゥー教に関して文化的、民族的、または宗教的に従う人を指す。[1]歴史的には、インド亜大陸の人々を地理的、文化的、そして後には宗教的に識別するために使用されてきた。[2]

ヒンドゥーという言葉の歴史的意味は時とともに進化してきた。ペルシャとギリシャが西暦前1千年のインダス地域に言及したことから始まった。[3]ヒンドゥーと言う用語は、インド亜大陸のシンドゥ(インダス)川周辺及びそれを超える地域に住んでいる人々を地理的、民族的、また文化的に識別する意味を持つ。[4]16世紀以降は、トルコ人やムスリム以外のインド亜大陸に住む人々のことを指すようになった。[5]

伝統的な衣装をまとったヒンドゥー教徒の子供

概要

多数の言語を話す人々に信仰されている

ヒンドゥー教の聖典ヴェーダ」は古代言語サンスクリット語で書かれている。しかし現在のインド人はサンスクリット語ではなく、各地の言語で生活しており、インドは多言語国家である。インド憲法で公式に認められた公用語は23言語、他に準公用語の英語がある。例えば世界遺産マハーバリプラムがあるタミル・ナードゥ州ではタミル語が使われ、隣のアーンドラ・プラデーシュ州(数多くの遺跡があるハイデラバードを州都とする)ではテルグ語が話されている。タミル語とテルグ語は言語も文字も違う。更にデリーの人はまた別の言葉ヒンディー語を話す。よってヒンドゥー教を「様々な言語を話す人々に信仰されている宗教である」ということも可能である。

アジア地域における信仰の広がり

インドでは人口の81.4%を占める8億2760万人、ネパールでは人口の過半数、バングラデシュでは人口の14%、スリランカは15%がヒンドゥー教徒である[6]インドネシアバリ島では人口の約9割がバリ・ヒンドゥーと呼ばれる独自の習合宗教を奉じ、マレーシアシンガポールにも相当数のインド系住民に信仰されている。世界全体での信者数を比較してみるとヒンドゥー教徒は仏教徒よりも多くなる。

脚注

  1. ^ Jeffery D. Long, ISBN 978-1845112738, pages35-37 (2007). A Vision for Hinduism. IB Tauris 
  2. ^ Brian Pennington (2007), ISBN 978-0195326000, pages 111-118. Was Hinduism Invented?Britons, Indians, and the Colonial Construction of Religion. Oxford University Press 
  3. ^ Flood 1996, p. 6.. Flood 1996, p. 6. 
  4. ^ John Stratton Hawley and Vasudha Narayanan (2006), ISBN 978-0520249141, pages 10-11. The Life of Hinduism. University of California Press 
  5. ^ John Stratton Hawley and Vasudha Narayanan (2006), ISBN 978-0520249141, pages 10-11. The Life of Hinduism. University of California Press 
  6. ^ 『インドを知る辞典』 23頁。

関連項目