「ミー・アンド・マイガール」の版間の差分
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*2003年3月2日~30日/[[帝国劇場]]/演出:[[山田和也]] |
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2018年2月25日 (日) 00:38時点における版
ミー・アンド・マイガール (Me And My Girl) は、1930年代のロンドンを舞台にしたミュージカル。
概要
ロンドンの下町・ランベスで育った名門貴族の御落胤ビルが、後継ぎとして一人前の紳士に仕立てられる。そして彼の同じくランベスの恋人サリーは、ビルの伯母にあたるマリアから、下町出身ということや礼儀作法がなっていないことなどで認めてもらえない上、その一人前になっていくビルを見て、サリー自身も「自分は釣り合わない」と思い、ランベスに帰ってしまった。そこでビルの伯父にあたるジョン卿が、サリーも一人前のレディにすることで、マリアに認めてもらうことができ、晴れてビルとサリーはお屋敷で共に暮らすことができるようになった、という物語。イギリスのミュージックホールの音楽をベースにしたテンポの良い音楽、小気味よいタップダンス、出演者が客席で歌い踊る場面などで構成された娯楽作品。
1937年に英ロンドンで初演され、『マイ・フェア・レディ』の男性版とも言われる(だが、結局最後にはビルもサリーもそれぞれ一人前の紳士淑女になるので、男女共である)。因みに、名前のみ出てくるが、「マイ・フェア・レディ」の主人公ともいえる「ヒギンズ教授」がサリーを一人前のレディにしたという設定になっている。コメディアンのルピノ・レインに当て書きされたとされ、初演ではルピノ自身が主役のビルを演じた。ルピノの体当たり演技が評判となりロングラン公演となった。ルピノは1937年の初演をはじめ、1941年、1945年、1949年と再演版でもビル役を務めている。
1985年リバイバル上演ではロバート・リンゼイが主役のビルを担当。1986年には、米ニューヨークのブロードウェーにも上陸した。
あらすじ
1930年代後半の英国。
由緒正しい名門貴族ヘアフォード伯爵家では、跡継ぎを残さないまま当主が亡くなり、伯爵家の後継者探しが問題となっていた。当主の遺言は、若い頃のあやまちで出来た一人息子ウィリアム(通称ビル)の行方を捜し出し、彼が貴族に相応しい人間ならば爵位と全財産を継がせ、そうでなければ年金を受け取らせて隠居するというものだった。
この問題を話し合う為に、親戚一同(当主の妹・公爵夫人マリア、その姪ジャッキー、公爵夫人の甥ジェラルド、親族のバターズビー卿、バターズビー夫人、ジャスパー・トリング卿、そして後見人の男爵ジョン卿)が伯爵邸に集まる。
だが、パーチェスター弁護士が見つけてきたビルは無教養で品のないがさつな下町青年。ジョン卿はビルを認めないが、遺言執行人の公爵夫人・マリアはビルを紳士に仕立てるべく厳しい後継ぎ教育を施す。
ヘアフォード家の爵位と財産が転がり込むものと思っていたジャッキーは、あっさりと遊び者のジェラルドを見限り、色仕掛けでビルに迫る。ところが、ビルには恋人サリーがおり、一途な愛を貫くビルはジャッキーに容易になびかない。
一方、マリアのスパルタ教育で日に日に貴族らしくなっていくビルの姿を見て、サリーは不釣り合いな自分から身を引こうとして、ビルに恥をかかせ嫌われるようにし向ける。そんな彼女にジョン卿はある取引を持ちかける…。
主な登場人物
- ビル(ウィリアム)・スナイブスン(主人公。ロンドンの下町ランベスで見つかったヘアフォード伯爵の世継ぎ)
- サリー・スミス(ヒロイン。ビルの恋人。魚市場で働く)
- ジョン・トレメイン卿(マリアの友人で遺言の執行人)
- ディーン・マリア公爵夫人(ビルの叔母。遺言の執行人)
- ジェラルド・ボリングブローグ(マリアの甥。ジャッキーのフィアンセ)
- ジャクリーン(ジャッキー)・カーストン(マリアの姪。財産目当てにビルを誘惑する)
- パーチェスター(ヘアフォード家の弁護士)
- ヘザーセット(ヘアフォード家の執事)
- バターズビー卿(親族の一人)
- レディ・バターズビー(バターズビー卿夫人)
- ジャスパー・ストリング卿(マリアの友人)
- セリア・ワーシントン・ワーシントン(英国で最も古い家柄のひとつ)
- アナスタシア・ブラウン夫人(ランベスの下宿の女将)
- ランベス・キング、ランベス・クイーン
- ボッブ・パーキング(ビルの友人)
日本での上演
宝塚版
- 1987年 - 1988年・月組公演
- 宝塚大劇場と東京宝塚劇場にて上演後、11月から翌年の3月にかけて、宝塚大劇場・中日劇場・東京宝塚劇場で上演。宝塚歌劇で同一の組によるロングラン記録を樹立。
- 潤色・演出は小原弘稔が担当。
- 12月の宝塚大劇場公演では、ビル役を涼風真世、ジャッキー役を剣幸が務める役替わり公演も上演された。
- 11月の新人公演では、当時研一(入団1年目)の天海祐希が主演に抜擢された。
- UCC上島珈琲が協賛し、歌劇団初の冠公演として上演された。以後の上演全てにUCC上島珈琲が協賛で参加している。
- 1995年 - 1996年・月組公演
- 宝塚大劇場と東京宝塚劇場で上演。トップスターの天海祐希とトップ娘役の麻乃佳世退団公演。
- 翌年は、中日劇場で選抜メンバーにて上演。久世星佳・風花舞のトップコンビのプレお披露目公演。
- 潤色・演出を担当してた小原が前年に逝去したため、初演時の演出助手だった三木章雄が潤色・演出を担当。以降は、三木が潤色・演出を担当している。
- 2008年・月組公演
- 宝塚大劇場と東京宝塚劇場で上演。大劇場公演は、宝塚歌劇団94期生が初舞台で、トップ娘役の彩乃かなみ・月組組長の出雲綾の退団公演。
- 本公演はジャッキー役を城咲あいと明日海りおが役替わりで務めた。
- こちらはUCC上島珈琲に加え、シャディも協賛に参加。
- 8月には博多座にて選抜メンバーにて上演。当時2番手男役の霧矢大夢が主演、相手役には羽桜しずくが抜擢された。
- 博多座公演では、ジェラルド役とジャッキー役を龍真咲と明日海が役替わりで務めた。
- 2009年・花組公演
- 梅田芸術劇場で選抜メンバーにて上演。初めて月組以外の組での上演された。
- ジョン卿役を壮一帆と愛音羽麗が、ジェラルド役を愛音と朝夏まなとが、ジャッキー役を壮と朝夏がそれぞれ役替わりで務めた。
- 2016年・花組公演
- 宝塚大劇場と東京宝塚劇場で上演[1]。
- ジョン卿役を芹香斗亜と瀬戸かずやが、マリア役を桜咲彩花と仙名彩世が、ジェラルド役を芹香と水美舞斗が、ジャッキー役を柚香光と鳳月杏が、パーチェスター役を柚香と鳳真由で役替わり上演する[2]。
- 新人公演は、ビル、サリー、ジョン郷、マリアがダブルキャストで、宝塚と東京で1幕2幕を入れ替えて上演、ジェラルドとジャッキーは宝塚と東京でキャストを入れ替えての上演となる[3]。
- 東京宝塚劇場での千秋楽は映画館でのライブビューイングも実施された[4]。
キャスト(宝塚版)
年・月は、宝塚大劇場公演時のものである。
1987年5月月組 | 同11月月組 | 1995年月組[17] | 2008年月組[17] | 2016年花組 | |
---|---|---|---|---|---|
ビル | 涼風真世 | 天海祐希 | 水夏希(一幕) 成瀬こうき(二幕) |
明日海りお | 優波慧(一幕・宝塚 / 二幕・東京) 綺城ひか理(二幕・宝塚 / 一幕・東京) |
サリー | 朝凪鈴 | 檀ひとみ | 千ほさち(一幕) 水沢葉月(二幕) |
羽桜しずく | 城妃美伶(一幕・宝塚 / 二幕・東京) 音くり寿(二幕・宝塚 / 一幕・東京) |
ジョン卿 | 若央りさ | 久世星佳 | 水月静(一幕) 彩輝直(二幕) |
流輝一斗(一幕) 光月るう(二幕) |
亜蓮冬馬(一幕・宝塚 / 二幕・東京) 飛龍つかさ(二幕・宝塚 / 一幕・東京) |
マリア | 淀都 | 星野瞳(一幕) 那津乃咲(二幕) |
彩星りおん(一幕) 羽咲まな(二幕) |
春妃うらら(一幕・宝塚 / 二幕・東京) 乙羽映見(二幕・宝塚 / 一幕・東京) | |
ジェラルド | 久世星佳 | 轟悠 | 大和悠河(一幕) 大空祐飛(二幕) |
紫門ゆりや(一幕) 宇月颯(二幕) |
聖乃あすか(宝塚) 帆純まひろ(東京) |
ジャッキー | 檀ひとみ | 若央りさ | 樹里咲穂(一幕) 華月あや(二幕) |
蘭乃はな | 帆純まひろ(宝塚) 聖乃あすか(東京) |
パーチェスター | 波音みちる | 嘉月絵理 | 五十鈴ひかり(一幕) 美翔かずき(二幕) |
矢吹世奈 | |
ヘザーセット | 美輪さいこ[18] | 祐輝薫 | 華央あみり(一幕) 海桐望(二幕) |
澄月菜音 | |
バターズビー卿 | 大峯麻友 | 舞音梓 | 沢希理寿 | 紅羽真希 | |
レディ・バターズビー | 梨花ますみ | 山吹紗世 | 紗蘭えりか | 更紗那知 | |
ジャスパー卿 | 八汐祐季 | 高翔みず希 | 彩央寿音 | 千幸あき | |
ワーシントン夫人 | 千田真弓 | 高牟礼あゆ | 白雪さち花 | 雛リリカ | |
ソフィア・ブライトン | 舞希彩 | 南城ひかり | 琴音和葉 | 桜花りな | |
ランベス・キング | 幸風イレネ | 越乃リュウ | 瑞羽奏都 | 七輝かおる | |
ランベス・クイーン | 雪邑響子 | 瑠菜まり | 玲実くれあ | 朝月希和 | |
ブラウン夫人 | 並樹かおり | 逢原せりか | 夏月都 | 若草萌香 | |
ボッブ・パーキング | いつき吟夏 | 大鷹つばさ | 響れおな | 桜舞しおん |
東宝版
この節の加筆が望まれています。 |
キャスト(東宝版)
2003年 | 2006年 | 2009年 | |
---|---|---|---|
ビル | 唐沢寿明 | 井上芳雄 | |
サリー | 木村佳乃 | 笹本玲奈 | |
ジョン卿 | 村井国夫 | 草刈正雄 | |
マリア | 初風諄 | 涼風真世 | |
ジェラルド | 本間憲一 | ||
ジャッキー | 涼風真世 | 純名りさ | 貴城けい |
パーチェスター | 武岡淳一 | ||
バターズビー卿 | 山賀教弘 | 阿部裕 | |
レディ・バターズビー | 白木美貴子 | 福麻むつ美 | |
ジャスパー卿 | 花房徹 | ||
ブラウン夫人 | 有希九美 | 伊東弘美 |
脚注
- ^ “宝塚、「ME AND MY GIRL」を花組で来春再演”. スポーツ報知 (2015年8月28日). 2015年10月1日閲覧。
- ^ “花組公演『ME AND MY GIRL』主な配役と役替わりについて”. 宝塚歌劇団公式サイト (2015年12月4日). 2015年12月7日閲覧。
- ^ “花組公演『ME AND MY GIRL』新人公演主な配役と役替わりについて”. 宝塚歌劇団 (2016年3月19日). 2016年3月22日閲覧。
- ^ “宝塚花組「ME AND MY GIRL」千秋楽を全国映画館でライブビューイング”. ステージナタリー. (2016年6月14日) 2016年6月14日閲覧。
- ^ 中日劇場公演
- ^ 博多座公演
- ^ 梅田芸術劇場メインホール公演
- ^ 梅田芸術劇場メインホール公演
- ^ a b 宝塚大劇場の1987年12月5・12・19日の11時(JST)公演に於いて、涼風がビル、剣がジャッキーという役替わり公演が行われた
- ^ a b c ジョン卿とジェラルドとジャッキーの役替わり
- ^ a b ジョン卿とジェラルドの役替わり。
- ^ a b ダブルキャスト。
- ^ a b c d ジェラルドとジャッキーの役替わり
- ^ a b ジャッキーとソフィアの役替わり
- ^ a b ジャッキーとパーチェスターの役替わり。
- ^ a b パーチェスターとヘザーセットの役替わり
- ^ a b 一幕と二幕で役替わりあり
- ^ 1988年3月の東京宝塚劇場公演では美輪休演のため、いつき吟夏が代役