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なお、牧野(1961)は変種についても述べているが、現在の文献では取り上げているものがない。
なお、牧野(1961)は変種についても述べているが、現在の文献では取り上げているものがない。


== 利 ==
== 利 ==
日本では単なる雑草として扱われる。
日本では単なる雑草として扱われる。


中国では積雪草と呼んで、全草を解熱・利尿・止血薬として用いる<ref>寺林(1997),p.100</ref>。
中国では積雪草と呼ばれ、全草を解熱・利尿・止血薬として用いる<ref>寺林(1997),p.100</ref>。

ベトナムでは「rau má」と呼ばれ薬用に用いるほか、日本の[[青汁]]のような健康飲料として、鍋料理やカイン(ベトナム南部の酸味のあるスープ)の材料として用いられる<ref>{{cite web|url=http://caynhalavuon.net/p/uong-nuoc-rau-ma-hang-ngay-co-tot-khong.html|title=Chữa bệnh » Cây thuốc nam » Uống nước rau má hàng ngày có tốt không ?|accessdate=2016年10月8日}}</ref>


==出典==
==出典==

2016年10月8日 (土) 08:18時点における版

ツボクサ
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
階級なし : コア真正双子葉類 core eudicots
階級なし : キク類 asterids
階級なし : キキョウ類 campanulids
: セリ目 Apiales
: セリ科 Apiaceae
: ツボクサ属 Centella
: ツボクサ C. asiatica
学名
Centella asiatica (L.) Urban
和名
ツボクサ

ツボクサ学名:Centella asiatica)は、セリ科の植物の一つ。別名ゴツコラ(gotu kola)。 チドメグサに姿が多少似るが、大きくて丈夫。

特徴

地表を這い回る多年生草本[1]。全体にやや硬く、無毛または多少の毛がある。また、茎や葉柄が往々にして赤みを帯びる。

茎は長く地上を這い、節があってそこから根を出す。節ごとに短い茎が出て、数枚の葉をまとめて出す。葉は長い葉柄があって立ち、葉身は円状腎臓形で円頭、基部は心形、つまりフキの葉のような形になる。葉は形3cm程度で表面は滑らかでややつやがあり、縁は鋭い鋸歯が並ぶ。

花期は夏、葉柄から1(-2)本の花茎を伸ばし、先端に1個の花序を付ける。ただし花茎はごく短いため、花序は葉より下、葉の付け根付近に生じる。花序は2-5個の小花が頭状に集まったもので、その基部には舟形の総苞片が2枚あり、これは宿在性である。花弁は上面が淡紅紫色、下面が白い。葯は暗紫色。果実はやや扁平な平円形で長さ3mm。

和名は壺草[2]で、坪は庭の意とのこと。つまり、庭や道ばたに生える植物を意味すると牧野は述べ、同時に靫に似ているので命名されたものでないと触れている。また、別名にクツクサがあり、これは葉の形が馬のわら靴に似るためであろうとしている。

分布と生育環境

日本では本州の関東以西から琉球、小笠原にわたって見られ、国外では朝鮮、中国から熱帯アジア、南アフリカ、アメリカに分布する。道ばたや野原などに普通に見られる。

分類

本属には約20種があるが、日本では本種のみが知られる。他に紛らわしいものはない。

なお、牧野(1961)は変種についても述べているが、現在の文献では取り上げているものがない。

利用

日本では単なる雑草として扱われる。

中国では「積雪草」と呼ばれ、全草を解熱・利尿・止血薬として用いる[3]

ベトナムでは「rau má」と呼ばれ薬用に用いるほか、日本の青汁のような健康飲料として、鍋料理やカイン(ベトナム南部の酸味のあるスープ)の材料として用いられる[4]

出典

  1. ^ 以下、佐竹他(1999),p.278および牧野(1961),p.434
  2. ^ 寺林(1997)は坪草野路をあてているが、意味は同じである。
  3. ^ 寺林(1997),p.100
  4. ^ Chữa bệnh » Cây thuốc nam » Uống nước rau má hàng ngày có tốt không ?”. 2016年10月8日閲覧。

参考文献

  • 佐竹義輔・大井次三郎・北村四郎他『日本の野生植物 草本II 離弁花類』(新装板),(1999),平凡社
  • 牧野富太郎、『牧野 新日本植物圖鑑』、(1961)、図鑑の北隆館
  • 寺林進、「チドメグサ」:『朝日百科 植物の世界 3』、(1997)、朝日新聞社:p.99-100