「国道425号」の版間の差分

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牛回越区間の路線状況、地理を加筆
和歌山県区間の路線状況、地理加筆
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== 概要 ==
== 概要 ==
[[紀伊半島]]の海岸沿いに走る国道42号に対し、紀伊半島の和歌山県側の御坊市と、三重県側の尾鷲市を東西にショートカットして[[紀伊山地]]を山越えする道路である<ref name="松波2008">[[#酷道をゆく|松波成行 2008]], pp. 14-15.</ref>。路線の途中は、[[奈良県]]吉野地方南部の[[十津川村]]、[[下北山村]]を横断し、吉野を南北に縦貫する[[国道168号]]、[[国道169号|169号]]と交差する。御坊市〜龍神村を除いて道路改良がほとんど進んでいない国道として知られており、俗に言う「[[酷道]]」のひとつにあげられている{{sfn|佐藤健太郎|2014|pp=76-78}}。
[[紀伊半島]]の海岸沿いに走る国道42号に対し、紀伊半島の和歌山県側の御坊市と、三重県側の尾鷲市を東西にショートカットして[[紀伊山地]]を山越えする道路である<ref name="松波2008">[[#酷道をゆく|松波成行 2008]], pp. 14-15.</ref>。路線の途中は、[[奈良県]]吉野地方南部の[[十津川村]]、[[下北山村]]を横断し、吉野を南北に縦貫する[[国道168号]]、[[国道169号|169号]]と交差する。御坊市〜田辺市を除いて道路改良がほとんど進んでいない国道として知られており、俗に言う「[[酷道]]」のひとつにあげられている{{sfn|佐藤健太郎|2014|pp=76-78}}。
=== 路線データ ===
=== 路線データ ===
一般国道の路線を指定する政令<ref>{{Cite web|url=http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S40/S40SE058.html|title=一般国道の路線を指定する政令(昭和40年3月29日政令第58号)|work=法令データ提供システム|publisher=[[総務省]][[行政管理局]]|accessdate=2012年10月31日}}</ref>に基づく起終点および経過地は次のとおり。
一般国道の路線を指定する政令<ref>{{Cite web|url=http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S40/S40SE058.html|title=一般国道の路線を指定する政令(昭和40年3月29日政令第58号)|work=法令データ提供システム|publisher=[[総務省]][[行政管理局]]|accessdate=2012年10月31日}}</ref>に基づく起終点および経過地は次のとおり。
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御坊市及び印南町内の一部区間を除き、全線に渡り離合困難な場所が多く、かつ[[ガードレール]]が設置されていない箇所も多い上に<ref name="松波2008"/>、悪路で落石や路肩崩落等の災害も多い。特に奈良・和歌山県境の[[牛廻越]]を含む区間は、国道昇格以前は[[林道]]であったことから1車線の狭隘道路が続き<ref name="松波2008"/>、近畿では[[国道308号]]の[[暗峠]]、[[国道477号]]の百井別れと並び酷道のひとつにあげられている。[[岐阜県]]の[[国道418号]]や[[四国]]の[[国道439号]]と並ぶ{{要出典範囲|「'''日本三大酷道路線'''」とまで言われる|date=2013年2月}}こともある。交差する抜け道が少ないうえ、対向不能な区間があったり、沿線に店舗やガソリンスタンドがほとんど見当たらない状況などから、運転に十分に慣れていない者は安易に通行しないほうが良いと評されるほどである{{sfn|佐藤健太郎|2014|pp=76-78}}<ref name="渡辺2008p17">[[#酷道をゆく|渡辺郁麻 2008]], p. 17.</ref>。
御坊市及び印南町内の一部区間を除き、全線に渡り離合困難な場所が多く、かつ[[ガードレール]]が設置されていない箇所も多い上に<ref name="松波2008"/>、悪路で落石や路肩崩落等の災害も多い。特に奈良・和歌山県境の[[牛廻越]]を含む区間は、国道昇格以前は[[林道]]であったことから1車線の狭隘道路が続き<ref name="松波2008"/>、近畿では[[国道308号]]の[[暗峠]]、[[国道477号]]の百井別れと並び酷道のひとつにあげられている。[[岐阜県]]の[[国道418号]]や[[四国]]の[[国道439号]]と並ぶ{{要出典範囲|「'''日本三大酷道路線'''」とまで言われる|date=2013年2月}}こともある。交差する抜け道が少ないうえ、対向不能な区間があったり、沿線に店舗やガソリンスタンドがほとんど見当たらない状況などから、運転に十分に慣れていない者は安易に通行しないほうが良いと評されるほどである{{sfn|佐藤健太郎|2014|pp=76-78}}<ref name="渡辺2008p17">[[#酷道をゆく|渡辺郁麻 2008]], p. 17.</ref>。


路線のほとんどは2車線に満たない林道のような狭隘路が続くが、[[尾鷲北インターチェンジ]](IC)入口付近と、沿線の下北山役場周辺2車線道路がある<ref name="渡辺2008p18">[[#酷道をゆく|渡辺郁麻 2008]], p. 18.</ref>。奈良県十津川村から田辺市にかけて山間部の集落を結ぶ区間は、道路幅は1〜1.5車線の狭隘路が続いており、路面には落石・落木が散乱している場合もあり、災害防止対策のための落石防止ネットが山側の断崖に張られている<ref name="渡辺2008p17"/><ref name="渡辺2008p18"/>。また、路肩も弱い状態であることから過去に路肩崩落が起こった場所の痕跡も見られる<ref name="渡辺2008p18"/>。特に、十津川・龍神間の牛廻越を前後する道路は、国道425号最大の難所ともいわれる山道で、谷側にはガードレール未設置のところがほとんどで、道幅1車線の道路は退避場も少なく、道端に「転落死亡事故多し」と掲げられた警告看板が設置されている<ref name="渡辺2008p17"/>。
路線のほとんどは2車線に満たない林道のような狭隘路が続くが、[[尾鷲北インターチェンジ]](IC)入口付近と、沿線の下北山役場周辺、和歌山県の印南町から御坊市にかけて2車線道路がある<ref name="渡辺2008p1618">[[#酷道をゆく|渡辺郁麻 2008]], pp. 16,18.</ref>。奈良県十津川村から田辺市にかけて山間部の集落を結ぶ区間は、道路幅は1〜1.5車線の狭隘路が続いており、路面には落石・落木が散乱している場合もあり、災害防止対策のための落石防止ネットが山側の断崖に張られている<ref name="渡辺2008p1718">">[[#酷道をゆく|渡辺郁麻 2008]], pp. 17-18.</ref>。また、路肩も弱い状態であることから過去に路肩崩落が起こった場所の痕跡も見られる<ref name="渡辺2008p18">酷道をゆく|渡辺郁麻 2008]], p. 18.</ref>。特に、十津川・龍神間の牛廻越を前後する道路は、国道425号最大の難所ともいわれる山道で、谷側にはガードレール未設置のところがほとんどで、道幅1車線の道路は退避場も少なく、道端に「転落死亡事故多し」と掲げられた警告看板が設置されている<ref name="渡辺2008p17"/>。和歌山県内の区間は、福井バイパスや切目川バイパスなどのバイパス道路などを中心に改良済の2車線道路が続くが、印南町上洞地区より山側の区間に大型車通行不能な1車線の狭隘路がある<ref name="渡辺2008p16">酷道をゆく|渡辺郁麻 2008]], p. 16.</ref>。


[[土砂災害]]を原因とする死亡事故が過去に何度か発生しており、近年では[[2006年]](平成18年)[[12月16日]]19時半頃に奈良県吉野郡十津川村小山手で土砂崩れによる同村内の当時22歳男性運転の自動車転落死亡事故が発生している。
[[土砂災害]]を原因とする死亡事故が過去に何度か発生しており、近年では[[2006年]](平成18年)[[12月16日]]19時半頃に奈良県吉野郡十津川村小山手で土砂崩れによる同村内の当時22歳男性運転の自動車転落死亡事故が発生している{{要出典|date=2016年7月24日 (日) 07:04 (UTC)}}


全線に渡り、土砂災害やその復旧のための通行規制が行われることがあるため、通行前に道路規制情報を確認すべき状況である<ref>[http://www.douro.pref.mie.jp/ 三重県道路規制情報]</ref><ref>{{cite web|url=http://www2.wagamachi-guide.com/naradouro/map.asp?dtp=1&fid=105-001_0003&mpx=135%2E650209665&mpy=33%2E96365496|title=奈良県道路規制情報|publisher=奈良県|accessdate=2013-08-19}}</ref>。
全線に渡り、土砂災害やその復旧のための通行規制が行われることがあるため、通行前に道路規制情報を確認すべき状況である<ref>[http://www.douro.pref.mie.jp/ 三重県道路規制情報]</ref><ref>{{cite web|url=http://www2.wagamachi-guide.com/naradouro/map.asp?dtp=1&fid=105-001_0003&mpx=135%2E650209665&mpy=33%2E96365496|title=奈良県道路規制情報|publisher=奈良県|accessdate=2013-08-19}}</ref>。
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=== 道路改良 ===
=== 道路改良 ===
{{出典の明記|section=1|date=2010年8月|ソートキー=道国425}}<!--[[Wikipedia:検証可能性]]を満たす出典が示されていない記述が多くあるため。-->
{{出典の明記|section=1|date=2010年8月|ソートキー=道国425}}<!--[[Wikipedia:検証可能性]]を満たす出典が示されていない記述が多くあるため。-->
;; 尾鷲北インター線
* '''尾鷲北インター線'''
:: 尾鷲北(おわせきた)インター線は、起点から尾鷲市坂場西町にかけて建設された延長392.4mの道路である<ref name="mie2007-98" /><ref>{{Cite web|url=http://www.pref.mie.lg.jp/DOROKI/HP/siryo/douro.htm|title=三重県の道路/県管理道路一覧|publisher=三重県県土整備部|accessdate=2012年10月31日}}</ref>。起点から[[紀勢自動車道]][[尾鷲北インターチェンジ|尾鷲北IC]]までは尾鷲[[都市計画道路]]3・4・5尾鷲北インター線に位置づけられており<ref>{{Cite web|url=http://www.pref.mie.lg.jp/TOSHIKI/HP/toshi/newmp/21owase.pdf|format=PDF|title=尾鷲都市計画 都市計画区域の整備、開発及び保全の方針 計画書|page=18|publisher=三重県|accessdate=2012年10月31日}}</ref>、同ICへのアクセス道路として2006年(平成18年)度に事業着手した<ref>{{Cite web|url=http://www.pref.mie.lg.jp/JIGYOS/HP/yotei11/09owase/d09304.pdf|format=PDF|title=平成23年度 当初予算 公共事業評価システム - 一般国道425号尾鷲北インター線|publisher=三重県|accessdate=2012年10月31日}}</ref>。その後は現道の拡幅を経て[[2011年]](平成23年)[[11月11日]]に倉ノ谷交差点に通ずる終点側の供用を開始<ref>道路の区域変更及びその関係図面の縦覧(平成22年三重県告示第175号第14){{PDFlink|[http://www.pref.mie.lg.jp/PDF2/KENKOHO/H22/T-H220326-2174.pdf 『三重県公報』第2174号]}} (2010年3月26日). pp.4-7</ref><ref>道路の供用開始及びその関係図面の縦覧(平成23年三重県告示第711号){{PDFlink|[http://www.pref.mie.lg.jp/PDF2/KENKOHO/H23/T-H231111-2342.pdf 『三重県公報』第2342号]}} (2011年11月11日). p.3</ref>し、尾鷲北ICの供用開始に先立って[[2012年]](平成24年)[[1月27日]]に完成供用した<ref>道路の供用開始及びその関係図面の縦覧(平成24年三重県告示第82号){{PDFlink|[http://www.pref.mie.lg.jp/PDF2/KENKOHO/H24/T-H240127-2362.pdf 『三重県公報』第2362号]}} (2012年1月27日). p.16</ref><ref>{{Cite web|url=http://www.pref.mie.lg.jp/DOROKI/HP/housin/09owase.pdf|format=PDF|title=尾鷲事務所 平成23年度 道路事業計画|publisher=三重県|accessdate=2012年10月31日}}</ref>。かつて[[旧道]]は最小幅員3.8mの狭小な道路であり<ref name="mie2007-98" />、起点から終点方向への一方通行区間となっていた<ref>『スーパーマップルデジタル10』[[昭文社]] (2009年7月)。</ref>が、南側を迂回する新道を建設することで当該区間を解消した<ref>『スーパーマップルデジタル13』[[昭文社]] (2012年7月)。</ref>。
*: 尾鷲北(おわせきた)インター線は、起点から尾鷲市坂場西町にかけて建設された延長392.4mの道路である<ref name="mie2007-98" /><ref>{{Cite web|url=http://www.pref.mie.lg.jp/DOROKI/HP/siryo/douro.htm|title=三重県の道路/県管理道路一覧|publisher=三重県県土整備部|accessdate=2012年10月31日}}</ref>。起点から[[紀勢自動車道]][[尾鷲北インターチェンジ|尾鷲北IC]]までは尾鷲[[都市計画道路]]3・4・5尾鷲北インター線に位置づけられており<ref>{{Cite web|url=http://www.pref.mie.lg.jp/TOSHIKI/HP/toshi/newmp/21owase.pdf|format=PDF|title=尾鷲都市計画 都市計画区域の整備、開発及び保全の方針 計画書|page=18|publisher=三重県|accessdate=2012年10月31日}}</ref>、同ICへのアクセス道路として2006年(平成18年)度に事業着手した<ref>{{Cite web|url=http://www.pref.mie.lg.jp/JIGYOS/HP/yotei11/09owase/d09304.pdf|format=PDF|title=平成23年度 当初予算 公共事業評価システム - 一般国道425号尾鷲北インター線|publisher=三重県|accessdate=2012年10月31日}}</ref>。その後は現道の拡幅を経て[[2011年]](平成23年)[[11月11日]]に倉ノ谷交差点に通ずる終点側の供用を開始<ref>道路の区域変更及びその関係図面の縦覧(平成22年三重県告示第175号第14){{PDFlink|[http://www.pref.mie.lg.jp/PDF2/KENKOHO/H22/T-H220326-2174.pdf 『三重県公報』第2174号]}} (2010年3月26日). pp.4-7</ref><ref>道路の供用開始及びその関係図面の縦覧(平成23年三重県告示第711号){{PDFlink|[http://www.pref.mie.lg.jp/PDF2/KENKOHO/H23/T-H231111-2342.pdf 『三重県公報』第2342号]}} (2011年11月11日). p.3</ref>し、尾鷲北ICの供用開始に先立って[[2012年]](平成24年)[[1月27日]]に完成供用した<ref>道路の供用開始及びその関係図面の縦覧(平成24年三重県告示第82号){{PDFlink|[http://www.pref.mie.lg.jp/PDF2/KENKOHO/H24/T-H240127-2362.pdf 『三重県公報』第2362号]}} (2012年1月27日). p.16</ref><ref>{{Cite web|url=http://www.pref.mie.lg.jp/DOROKI/HP/housin/09owase.pdf|format=PDF|title=尾鷲事務所 平成23年度 道路事業計画|publisher=三重県|accessdate=2012年10月31日}}</ref>。かつて[[旧道]]は最小幅員3.8mの狭小な道路であり<ref name="mie2007-98" />、起点から終点方向への一方通行区間となっていた<ref>『スーパーマップルデジタル10』[[昭文社]] (2009年7月)。</ref>が、南側を迂回する新道を建設することで当該区間を解消した<ref>『スーパーマップルデジタル13』[[昭文社]] (2012年7月)。</ref>。


* '''寺垣内道路'''
* '''寺垣内道路'''
:奈良県吉野郡下北山村大字寺垣内にあるバイパス道路で、渓谷沿いの隘路を寺垣内トンネルによって短絡・拡幅するもの<ref name="R425-nara">[http://www.pref.nara.jp/sogo/ayumi/plan_kai_1_1.html 幹線道路の開通・改良](奈良県)の「この10年間に開通した主な道路」の項を参照</ref>。2000年11月開通<ref>[http://www.pref.nara.jp/sogo/ayumi/p10years_12.html 県政10年の歩み「年表」&gt;&gt; 平成12年] - 奈良県</ref>。
*:奈良県吉野郡下北山村大字寺垣内にあるバイパス道路で、渓谷沿いの隘路を寺垣内トンネルによって短絡・拡幅するもの<ref name="R425-nara">[http://www.pref.nara.jp/sogo/ayumi/plan_kai_1_1.html 幹線道路の開通・改良](奈良県)の「この10年間に開通した主な道路」の項を参照</ref>。2000年11月開通<ref>[http://www.pref.nara.jp/sogo/ayumi/p10years_12.html 県政10年の歩み「年表」&gt;&gt; 平成12年] - 奈良県</ref>。
* '''蕨尾バイパス'''
* '''蕨尾バイパス'''
:奈良県吉野郡十津川村にあるバイパス道路<ref name="R425-nara"/>。1998年7月開通<ref>[http://www.pref.nara.jp/sogo/ayumi/p10years_10.html 県政10年の歩み「年表」&gt;&gt; 平成10年] - 奈良県</ref>。
*:奈良県吉野郡十津川村にあるバイパス道路<ref name="R425-nara"/>。1998年7月開通<ref>[http://www.pref.nara.jp/sogo/ayumi/p10years_10.html 県政10年の歩み「年表」&gt;&gt; 平成10年] - 奈良県</ref>。
* '''広井原'''(ひろいはら)'''バイパス'''
* '''広井原'''(ひろいはら)'''バイパス'''
:和歌山県田辺市龍神村廣井原にある全長2.3kmの道路。幅員7.0m(両側2車線)。1988年7月に広井原トンネルが完成し、同年供用を開始した<ref name="R425">供用当初は国道371号のみ指定されていた</ref>。なお、同区間は[[国道371号]]との重複区間となっている。旧道は狭隘路であった。
*:和歌山県田辺市龍神村廣井原にある全長2.3kmの道路。幅員7.0m(両側2車線)。1988年7月に広井原トンネルが完成し、同年供用を開始した<ref name="R425">供用当初は国道371号のみ指定されていた</ref>。なお、同区間は[[国道371号]]との重複区間となっている。旧道は狭隘路であった。
* '''宮代'''(みやしろ)'''バイパス'''
* '''宮代'''(みやしろ)'''バイパス'''
:和歌山県田辺市龍神村宮代にある全長1.5kmの道路。幅員7.0m(両側2車線)。1987年6月に宮代トンネルが完成し、同年に広井原バイパスとともに供用を開始した<ref name="R425"/>。なお、同区間は国道371号との重複区間となっている。旧道は狭隘路であった。
*:和歌山県田辺市龍神村宮代にある全長1.5kmの道路。幅員7.0m(両側2車線)。1987年6月に宮代トンネルが完成し、同年に広井原バイパスとともに供用を開始した<ref name="R425"/>。なお、同区間は国道371号との重複区間となっている。旧道は狭隘路であった。
* '''福井バイパス'''<ref>[http://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/080200/fukui.html 一般国道425号 福井バイパス] - 和歌山県(2010年8月31日閲覧)</ref>
* '''福井バイパス'''<ref>[http://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/080200/fukui.html 一般国道425号 福井バイパス] - 和歌山県(2010年8月31日閲覧)</ref>
:和歌山県田辺市龍神村柳瀬と同村福井を結ぶ全長2.4kmの道路。幅員9.75m(トンネル・橋梁部は9.0m)で往復2車線。2010年8月28日に全区間供用開始<ref>[http://www.pref.wakayama.lg.jp/chiji/press/220803/220803_5.pdf 一般国道425号『福井バイパス』の供用開始] - 和歌山県</ref>。なお、本バイパスは全区間にわたり[[和歌山県道29号田辺龍神線|県道29号田辺龍神線]]との重複区間、甲斐ノ川地区側の0.3kmが[[国道424号]]との重複区間になっている。
*:和歌山県田辺市龍神村柳瀬と同村福井を結ぶ全長2.4kmの道路。幅員9.75m(トンネル・橋梁部は9.0m)で往復2車線。2010年8月28日に全区間供用開始<ref>[http://www.pref.wakayama.lg.jp/chiji/press/220803/220803_5.pdf 一般国道425号『福井バイパス』の供用開始] - 和歌山県</ref>。なお、本バイパスは全区間にわたり[[和歌山県道29号田辺龍神線|県道29号田辺龍神線]]との重複区間、甲斐ノ川地区側の0.3kmが[[国道424号]]との重複区間になっている。
* '''甲斐ノ川'''(かいのがわ)'''バイパス'''
* '''甲斐ノ川'''(かいのがわ)'''バイパス'''
:和歌山県田辺市龍神村福井と同村甲斐ノ川を結ぶ全長2.0kmの道路。1997年に供用を開始した。なお、同区間は国道424号・[[和歌山県道29号田辺龍神線|県道29号田辺龍神線]]との重複区間となっている。
*:和歌山県田辺市龍神村福井と同村甲斐ノ川を結ぶ全長2.0kmの道路。1997年に供用を開始した。なお、同区間は国道424号・[[和歌山県道29号田辺龍神線|県道29号田辺龍神線]]との重複区間となっている。
* '''切目川バイパス'''
* '''切目川バイパス'''
:切目川ダム建設に伴い和歌山県印南町上洞と同町田ノ垣内間の道路を付け替えるとともに拡幅する事業で、全長3.62km、幅員7m(トンネル部は6.5m)。2010年8月22日に一部区間が供用開始された<ref>[http://www.pref.wakayama.lg.jp/chiji/press/220803/220803_4.pdf 一般国道425号『切目川バイパス』(切目川ダム付替国道)高串〜田ノ垣内間の供用開始] - 和歌山県</ref>。
*:切目川ダム建設に伴い和歌山県印南町上洞と同町田ノ垣内間の道路を付け替えるとともに拡幅する事業で、全長3.62km、幅員7m(トンネル部は6.5m)。2010年8月22日に一部区間が供用開始された<ref>[http://www.pref.wakayama.lg.jp/chiji/press/220803/220803_4.pdf 一般国道425号『切目川バイパス』(切目川ダム付替国道)高串〜田ノ垣内間の供用開始] - 和歌山県</ref>。
* '''大峠拡幅'''
* '''大峠拡幅'''
:和歌山県印南町印南原の大峠トンネルとその前後の区間が狭隘なため、特殊改良事業としてバイパス(幅員9.8m、全長740m)を整備したもの。2008年3月19日に新大峠トンネル(L=231m)を含む全線の供用を開始した<ref>[http://www.agara.co.jp/modules/dailynews/article.php?storyid=142584 新大峠トンネルが開通 通行の安全・利便性向上へ] - 紀伊民報</ref>。
*:和歌山県印南町印南原の大峠トンネルとその前後の区間が狭隘なため、特殊改良事業としてバイパス(幅員9.8m、全長740m)を整備したもの。2008年3月19日に新大峠トンネル(L=231m)を含む全線の供用を開始した<ref>[http://www.agara.co.jp/modules/dailynews/article.php?storyid=142584 新大峠トンネルが開通 通行の安全・利便性向上へ] - 紀伊民報</ref>。
* '''王子川谷拡幅'''(おうじがわたにかくふく)
* '''王子川谷拡幅'''(おうじがわたにかくふく)
:御坊市塩屋町北塩屋(旧道分岐点) - 印南町印南原(稲原トンネル東側の[[和歌山県道28号印南原印南線|県道28号]]交点)間の全長6.8kmの道路拡幅事業。幅員7.0〜9.75m(往復2車線)。最後まで未改良だった阪和道西側 - 第二工業団地南交差点付近の区間が2010年6月30日に開通し、全線の供用を開始した<ref>[http://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/130500/documents/r424.pdf 一般国道425号『王子川谷拡幅』の供用開始] - 和歌山県</ref>。
*:御坊市塩屋町北塩屋(旧道分岐点) - 印南町印南原(稲原トンネル東側の[[和歌山県道28号印南原印南線|県道28号]]交点)間の全長6.8kmの道路拡幅事業。幅員7.0〜9.75m(往復2車線)。最後まで未改良だった阪和道西側 - 第二工業団地南交差点付近の区間が2010年6月30日に開通し、全線の供用を開始した<ref>[http://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/130500/documents/r424.pdf 一般国道425号『王子川谷拡幅』の供用開始] - 和歌山県</ref>。


=== 別名 ===
=== 別名 ===
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== 地理 ==
== 地理 ==
[[File:Ikehara Dam survey.jpg|thumb|池原ダム。ダム本体の最上部の道路は、国道425号に指定されている。]]
[[File:Ikehara Dam survey.jpg|thumb|[[池原ダム]]。ダム本体の最上部の道路は、国道425号に指定されている。]]
国道425号は、ほぼ全線に渡り紀伊山地の険しい山肌にへばりつくように道が続いている<ref name="渡辺2008p16"/>。
起点がある三重県尾鷲市中心街から勾配が大きい坂道で高度を上げ、クチスボダムがある又口川や、[[熊野川]]水系の支流である古川が造る渓谷崖に沿って道路が走る<ref name="渡辺2008p19"/>。


起点がある三重県尾鷲市中心街([[国道42号]]分岐)から勾配が大きい坂道で高度を上げ、クチスボダムがある又口川や、[[熊野川]]水系の古川が造る渓谷崖に沿って道路が走る<ref name="渡辺2008p19"/>。
奈良県に入ると、古川にある坂本ダムや池原ダムがつくるダム湖(池原貯水池)の沿岸に沿って、山肌を張り付くように道路が走る<ref name="渡辺2008p19"/>。池原貯水池に架かる備後橋のたもとで林道備後川線が分岐し、さらに進むと池原ダム本体の上を国道は走り、その数百m先で[[国道169号]]と合流する<ref name="渡辺2008p19"/>。


国道169号から分岐する上池原交差点から明神池までの区間は大きな高低差があり、大きなヘアピンカーブがあるつづら折れで高度を稼<ref name="渡辺2008p18"/>下北山村から十津川村の村境にある白谷トンネルを前後して、集落がない谷筋の断崖路が続く<ref name="渡辺2008p18"/>。十津川村では、まばらにある小規模集落を結ぶ生活道路になっており、和歌山県境に近い迫西川集落は小学校もあることから集落周辺が通学路にもなっている<ref name="渡辺2008p17"/>。
奈良県に入ると、古川にある坂本ダムや[[池原ダム]]がつくるダム湖([[池原ダム#池原貯水池|池原貯水池]])の沿岸に沿って、山肌を張り付くように道路が走る<ref name="渡辺2008p19"/>。池原貯水池に架かる備後橋のたもとで林道備後川線が分岐し、さらに進むと池原ダム本体の上を国道は走り、その数百m先で[[国道169号]]と合流する<ref name="渡辺2008p19"/>。国道169号から分岐する上池原交差点から明神池までの区間は大きな高低差があり、大きなヘアピンカーブがある[[つづら折れ]]で高度を稼いでおり<ref name="渡辺2008p18"/>、さらにその先の下北山村から十津川村の村境にある白谷トンネルを前後して、集落がない谷筋の断崖路が続く<ref name="渡辺2008p18"/>。十津川村では、まばらにある小規模集落を結ぶ生活道路になっており、和歌山県境に近い迫西川集落は小学校もあることから集落周辺が通学路にもなっている<ref name="渡辺2008p17"/>。


奈良・和歌山県境の牛廻越とよばれる峠を越えると、和歌山県側は小又川の谷筋に沿って、ほとんど集落が無い山間部の道が10km以上続く<ref name="渡辺2008p17"/>。
奈良・和歌山県境の[[牛廻越]]とよばれる峠を越えると、和歌山県側は[[日高川]]水系の小又川の谷筋に沿って、ほとんど集落が無い山間部の道が10km以上続く<ref name="渡辺2008p17"/>。和歌山県印南町は切目川の谷沿いの道で、深山峠と大峠を越えて終点のある御坊市の中心市街地(国道42号交点)へと通じる


=== 通過する自治体 ===
=== 通過する自治体 ===

2016年7月24日 (日) 07:06時点における版

日本の道路 > 一般国道 > 国道425号
一般国道
国道425号標識
国道425号
路線延長 191.9 km(総延長)
175.3 km(実延長)
制定年 1982年指定
起点 三重県尾鷲市
坂場交差点(北緯34度4分42.81秒 東経136度11分24.19秒
主な
経由都市
奈良県吉野郡十津川村
終点 和歌山県御坊市
塩屋交差点(北緯33度52分6.76秒 東経135度9分37.17秒
接続する
主な道路
記法
国道42号
国道169号
国道168号
国道371号
国道424号
テンプレート(ノート 使い方) PJ道路
起点となる国道42号との坂場交差点(三重県尾鷲市)、すぐ西側で紀勢自動車道尾鷲北インターチェンジに接続する
ファイル:Ushimawashigoe.JPG
牛廻越
十津川村上葛川地区:このような風景と狭路が全区間の大半にわたって続く。
尾鷲市・起点の北場交差点付近。この旧道は一方通行であったが、現在は尾鷲北ICへアクセスする街路が開通し、そちらに国道指定が移された。
下北山村・白谷トンネル付近(2005年4月5日)

国道425号(こくどう425ごう)は、三重県尾鷲市から和歌山県御坊市に至る一般国道である。

概要

紀伊半島の海岸沿いに走る国道42号に対し、紀伊半島の和歌山県側の御坊市と、三重県側の尾鷲市を東西にショートカットして紀伊山地を山越えする道路である[1]。路線の途中は、奈良県吉野地方南部の十津川村下北山村を横断し、吉野を南北に縦貫する国道168号169号と交差する。御坊市〜田辺市を除いて道路改良がほとんど進んでいない国道として知られており、俗に言う「酷道」のひとつにあげられている[2]

路線データ

一般国道の路線を指定する政令[3]に基づく起終点および経過地は次のとおり。

歴史

県道時代の路線

  • 尾鷲市 - 下北山村池原ダム
    • 三重県道37号・奈良県道29号尾鷲上池原線(主要地方道1971年(昭和46年)6月26日 - 1982年(昭和57年)3月31日)
  • 下北山村池原 - 十津川村小原滝
    • 奈良県道33号吉野熊野国立公園折立線(主要地方道。1977年(昭和52年)3月28日 - 1982年(昭和57年)3月31日)
  • 十津川村十津川温泉 - 旧龍神村古宮
    • 和歌山県道9号・奈良県道32号田辺十津川線(主要地方道。1977年(昭和52年)3月28日 - 1993年(平成5年)3月31日)
  • 旧龍神村西 - 御坊市
    • 主要地方道御坊龍神線(1977年(昭和52年)4月1日 - 1982年(昭和57年)3月31日)

路線状況

御坊市及び印南町内の一部区間を除き、全線に渡り離合困難な場所が多く、かつガードレールが設置されていない箇所も多い上に[1]、悪路で落石や路肩崩落等の災害も多い。特に奈良・和歌山県境の牛廻越を含む区間は、国道昇格以前は林道であったことから1車線の狭隘道路が続き[1]、近畿では国道308号暗峠国道477号の百井別れと並び酷道のひとつにあげられている。岐阜県国道418号四国国道439号と並ぶ日本三大酷道路線」とまで言われる[要出典]こともある。交差する抜け道が少ないうえ、対向不能な区間があったり、沿線に店舗やガソリンスタンドがほとんど見当たらない状況などから、運転に十分に慣れていない者は安易に通行しないほうが良いと評されるほどである[2][9]

路線のほとんどは2車線に満たない林道のような狭隘路が続くが、尾鷲北インターチェンジ(IC)入口付近と、沿線の下北山役場周辺、和歌山県の印南町から御坊市にかけて2車線道路がある[10]。奈良県十津川村から田辺市にかけて山間部の集落を結ぶ区間は、道路幅は1〜1.5車線の狭隘路が続いており、路面には落石・落木が散乱している場合もあり、災害防止対策のための落石防止ネットが山側の断崖に張られている[11]。また、路肩も弱い状態であることから過去に路肩崩落が起こった場所の痕跡も見られる[12]。特に、十津川・龍神間の牛廻越を前後する道路は、国道425号最大の難所ともいわれる山道で、谷側にはガードレール未設置のところがほとんどで、道幅1車線の道路は退避場も少なく、道端に「転落死亡事故多し」と掲げられた警告看板が設置されている[9]。和歌山県内の区間は、福井バイパスや切目川バイパスなどのバイパス道路などを中心に改良済の2車線道路が続くが、印南町上洞地区より山側の区間に大型車通行不能な1車線の狭隘路がある[13]

土砂災害を原因とする死亡事故が過去に何度か発生しており、近年では2006年(平成18年)12月16日19時半頃に奈良県吉野郡十津川村小山手で土砂崩れによる同村内の当時22歳男性運転の自動車転落死亡事故が発生している[要出典]

全線に渡り、土砂災害やその復旧のための通行規制が行われることがあるため、通行前に道路規制情報を確認すべき状況である[14][15]

道路改良

  • 尾鷲北インター線
    尾鷲北(おわせきた)インター線は、起点から尾鷲市坂場西町にかけて建設された延長392.4mの道路である[16][17]。起点から紀勢自動車道尾鷲北ICまでは尾鷲都市計画道路3・4・5尾鷲北インター線に位置づけられており[18]、同ICへのアクセス道路として2006年(平成18年)度に事業着手した[19]。その後は現道の拡幅を経て2011年(平成23年)11月11日に倉ノ谷交差点に通ずる終点側の供用を開始[20][21]し、尾鷲北ICの供用開始に先立って2012年(平成24年)1月27日に完成供用した[22][23]。かつて旧道は最小幅員3.8mの狭小な道路であり[16]、起点から終点方向への一方通行区間となっていた[24]が、南側を迂回する新道を建設することで当該区間を解消した[25]
  • 寺垣内道路
    奈良県吉野郡下北山村大字寺垣内にあるバイパス道路で、渓谷沿いの隘路を寺垣内トンネルによって短絡・拡幅するもの[26]。2000年11月開通[27]
  • 蕨尾バイパス
    奈良県吉野郡十津川村にあるバイパス道路[26]。1998年7月開通[28]
  • 広井原(ひろいはら)バイパス
    和歌山県田辺市龍神村廣井原にある全長2.3kmの道路。幅員7.0m(両側2車線)。1988年7月に広井原トンネルが完成し、同年供用を開始した[29]。なお、同区間は国道371号との重複区間となっている。旧道は狭隘路であった。
  • 宮代(みやしろ)バイパス
    和歌山県田辺市龍神村宮代にある全長1.5kmの道路。幅員7.0m(両側2車線)。1987年6月に宮代トンネルが完成し、同年に広井原バイパスとともに供用を開始した[29]。なお、同区間は国道371号との重複区間となっている。旧道は狭隘路であった。
  • 福井バイパス[30]
    和歌山県田辺市龍神村柳瀬と同村福井を結ぶ全長2.4kmの道路。幅員9.75m(トンネル・橋梁部は9.0m)で往復2車線。2010年8月28日に全区間供用開始[31]。なお、本バイパスは全区間にわたり県道29号田辺龍神線との重複区間、甲斐ノ川地区側の0.3kmが国道424号との重複区間になっている。
  • 甲斐ノ川(かいのがわ)バイパス
    和歌山県田辺市龍神村福井と同村甲斐ノ川を結ぶ全長2.0kmの道路。1997年に供用を開始した。なお、同区間は国道424号・県道29号田辺龍神線との重複区間となっている。
  • 切目川バイパス
    切目川ダム建設に伴い和歌山県印南町上洞と同町田ノ垣内間の道路を付け替えるとともに拡幅する事業で、全長3.62km、幅員7m(トンネル部は6.5m)。2010年8月22日に一部区間が供用開始された[32]
  • 大峠拡幅
    和歌山県印南町印南原の大峠トンネルとその前後の区間が狭隘なため、特殊改良事業としてバイパス(幅員9.8m、全長740m)を整備したもの。2008年3月19日に新大峠トンネル(L=231m)を含む全線の供用を開始した[33]
  • 王子川谷拡幅(おうじがわたにかくふく)
    御坊市塩屋町北塩屋(旧道分岐点) - 印南町印南原(稲原トンネル東側の県道28号交点)間の全長6.8kmの道路拡幅事業。幅員7.0〜9.75m(往復2車線)。最後まで未改良だった阪和道西側 - 第二工業団地南交差点付近の区間が2010年6月30日に開通し、全線の供用を開始した[34]

別名

  • 龍神街道

重複区間

道路施設

  • 坂下トンネル(三重県尾鷲市):自動車のすれ違いが出来ないほど幅員が狭く、通行車両の高さ制限規制がある[35]
  • 八幡トンネル(尾鷲市)
  • 不動橋(坂本貯水池、奈良県吉野郡上北山村)
  • 出合橋(坂本貯水池、吉野郡上北山村)
  • 備後橋(池原貯水池、吉野郡下北山村):池原ダムがつくる池原貯水池(備後川)に架かる赤い吊橋[35]
  • 白谷トンネル(吉野郡下北山村 - 同郡十津川村):国道425号ではよく見られる幅1.5車線のトンネル[12]
  • 新西川トンネル(吉野郡十津川村)
  • 小又川トンネル(和歌山県田辺市)
  • 六地蔵トンネル(福井バイパス、田辺市)
  • 上福井トンネル(福井バイパス、田辺市)
  • 下福井トンネル(福井バイパス、田辺市)
  • 真妻トンネル(切目川バイパス、日高郡印南町)
  • 高串トンネル(切目川バイパス、日高郡印南町)
  • 新大峠トンネル(日高郡印南町)

地理

池原ダム。ダム本体の最上部の道路は、国道425号に指定されている。

国道425号は、ほぼ全線に渡り紀伊山地の険しい山肌にへばりつくように道が続いている[13]

起点がある三重県尾鷲市中心街(国道42号分岐)から勾配が大きい坂道で高度を上げ、クチスボダムがある又口川や、熊野川水系の古川が造る渓谷崖に沿って道路が走る[35]

奈良県に入ると、古川にある坂本ダムや池原ダムがつくるダム湖(池原貯水池)の沿岸に沿って、山肌を張り付くように道路が走る[35]。池原貯水池に架かる備後橋のたもとで林道備後川線が分岐し、さらに進むと池原ダム本体の上を国道は走り、その数百m先で国道169号と合流する[35]。国道169号から分岐する上池原交差点から明神池までの区間は大きな高低差があり、大きなヘアピンカーブがあるつづら折れで高度を稼いでおり[12]、さらにその先の下北山村から十津川村の村境にある白谷トンネルを前後して、集落がない谷筋の断崖路が続く[12]。十津川村では、まばらにある小規模集落を結ぶ生活道路になっており、和歌山県境に近い迫西川集落は小学校もあることから集落周辺が通学路にもなっている[9]

奈良・和歌山県境の牛廻越とよばれる峠を越えると、和歌山県側は日高川水系の小又川の谷筋に沿って、ほとんど集落が無い山間部の道が10km以上続く[9]。和歌山県印南町は切目川の谷沿いの道で、深山峠と大峠を越えて終点のある御坊市の中心市街地(国道42号交点)へと通じる。

通過する自治体

交差する道路

交差する道路 交差する場所 備考
国道42号 三重県 尾鷲市 坂場
紀勢自動車道尾鷲北IC 坂場西
国道169号 奈良県 吉野郡 下北山村 池原 ※ここから下北山村上池原まで国道169号と重複
国道169号 上池原
国道168号 十津川村 ※ここから十津川村ワラビ尾まで国道168号と重複
国道168号 ワラビ尾
国道371号 和歌山県 田辺市 (龍神村湯ノ又) ※ここから田辺市龍神村西まで国道371号と重複
国道371号 (龍神村西)
和歌山県道29号田辺龍神線 (龍神村柳瀬)
国道424号 (龍神村福井) ※ここから龍神村小家まで国道424号と重複
国道424号 (龍神村小家)
和歌山県道27号日高印南線 日高郡 印南町 (美里)
和歌山県道30号田辺印南線 (古井)
和歌山県道28号印南原印南線 (印南原)
和歌山県道28号印南原印南線 稲原
国道42号 御坊市 塩屋

※ 交差する場所の括弧書きは地名、それ以外は交差点名で表示

脚注

出典

  1. ^ a b c 松波成行 2008, pp. 14-15.
  2. ^ a b 佐藤健太郎 2014, pp. 76–78.
  3. ^ 一般国道の路線を指定する政令(昭和40年3月29日政令第58号)”. 法令データ提供システム. 総務省行政管理局. 2012年10月31日閲覧。
  4. ^ 道路統計年報2011 - II. 道路の現況 表26”. 国土交通省道路局. p. 24. 2012年10月31日閲覧。
  5. ^ 一般国道の指定区間を指定する政令(昭和33年6月2日政令第164号)”. 法令データ提供システム. 総務省行政管理局. 2012年10月31日閲覧。
  6. ^ a b 一般国道の路線を指定する政令の一部を改正する政令(昭和56年4月30日政令第153号)”. 法庫. 2012年10月31日閲覧。
  7. ^ マップル広域版 pp.58-59
  8. ^ 一般国道の路線を指定する政令の一部を改正する政令(平成4年4月3日政令第104号)”. 法庫. 2012年10月30日閲覧。
  9. ^ a b c d 渡辺郁麻 2008, p. 17.
  10. ^ 渡辺郁麻 2008, pp. 16,18.
  11. ^ ">渡辺郁麻 2008, pp. 17-18.
  12. ^ a b c d 酷道をゆく|渡辺郁麻 2008]], p. 18.
  13. ^ a b 酷道をゆく|渡辺郁麻 2008]], p. 16.
  14. ^ 三重県道路規制情報
  15. ^ 奈良県道路規制情報”. 奈良県. 2013年8月19日閲覧。
  16. ^ a b 道路の区域変更及びその関係図面の縦覧(平成19年三重県告示第98号第12)『三重県公報』第1853号 (PDF) (2007年2月9日). pp.9-12
  17. ^ 三重県の道路/県管理道路一覧”. 三重県県土整備部. 2012年10月31日閲覧。
  18. ^ 尾鷲都市計画 都市計画区域の整備、開発及び保全の方針 計画書” (PDF). 三重県. p. 18. 2012年10月31日閲覧。
  19. ^ 平成23年度 当初予算 公共事業評価システム - 一般国道425号尾鷲北インター線” (PDF). 三重県. 2012年10月31日閲覧。
  20. ^ 道路の区域変更及びその関係図面の縦覧(平成22年三重県告示第175号第14)『三重県公報』第2174号 (PDF) (2010年3月26日). pp.4-7
  21. ^ 道路の供用開始及びその関係図面の縦覧(平成23年三重県告示第711号)『三重県公報』第2342号 (PDF) (2011年11月11日). p.3
  22. ^ 道路の供用開始及びその関係図面の縦覧(平成24年三重県告示第82号)『三重県公報』第2362号 (PDF) (2012年1月27日). p.16
  23. ^ 尾鷲事務所 平成23年度 道路事業計画” (PDF). 三重県. 2012年10月31日閲覧。
  24. ^ 『スーパーマップルデジタル10』昭文社 (2009年7月)。
  25. ^ 『スーパーマップルデジタル13』昭文社 (2012年7月)。
  26. ^ a b 幹線道路の開通・改良(奈良県)の「この10年間に開通した主な道路」の項を参照
  27. ^ 県政10年の歩み「年表」>> 平成12年 - 奈良県
  28. ^ 県政10年の歩み「年表」>> 平成10年 - 奈良県
  29. ^ a b 供用当初は国道371号のみ指定されていた
  30. ^ 一般国道425号 福井バイパス - 和歌山県(2010年8月31日閲覧)
  31. ^ 一般国道425号『福井バイパス』の供用開始 - 和歌山県
  32. ^ 一般国道425号『切目川バイパス』(切目川ダム付替国道)高串〜田ノ垣内間の供用開始 - 和歌山県
  33. ^ 新大峠トンネルが開通 通行の安全・利便性向上へ - 紀伊民報
  34. ^ 一般国道425号『王子川谷拡幅』の供用開始 - 和歌山県
  35. ^ a b c d e 渡辺郁麻 2008, p.19.

注釈

  1. ^ a b c d 2005年5月1日に田辺市ほか2町2村が合併して田辺市発足。
  2. ^ 2010年4月1日現在

参考文献

  • 佐藤健太郎『ふしぎな国道』講談社〈講談社現代新書〉、2014年。ISBN 978-4-06-288282-8 
  • 松波成行、渡辺郁麻「国道425号」『酷道をゆく』、イカロス出版、2008年3月20日、14-19頁、ISBN 978-4-86320-025-8 
  • 『マップル広域版-全日本道路地図』昭文社. 1992年5月第10版. ISBN 4-398-30030-9

関連項目