「ほんやら洞 (喫茶店)」の版間の差分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
削除された内容 追加された内容
→‎国分寺の「ほんやら洞」: 個人サイトや、ウィキペディアの記事は典拠にできません。「Wikipedia:検証可能性」をご覧下さい。
Garakmiu2 (会話 | 投稿記録)
出典、外部リンク追加
30行目: 30行目:
== 国分寺の「ほんやら洞」 ==
== 国分寺の「ほんやら洞」 ==
{{出典の明記|date=2016年4月|section=1}}
{{出典の明記|date=2016年4月|section=1}}
[[国分寺市]]の店は、京都・出町柳の店舗づくりの中心メンバーだった[[早川正洋]]が同様のコンセプトでつくり、[[1974年]](昭和49年)頃に[[中山容]]が買い取ったものである。京都の店のコンセプトを熟知する[[シンガーソングライター]]の[[中山ラビ]]が[[1977年]](昭和52年)から経営し、[[作家]]の[[花村萬月]]、[[漫画家]]の[[いしかわじゅん]]らが常連だったことでそれぞれの読者から注目を集めた。いしかわは、中山ラビをモデルにして自作の漫画のキャラクターを書いている。
[[国分寺市]]の店は、京都・出町柳の店舗づくりの中心メンバーだった[[早川正洋]]が同様のコンセプトでつくり、[[1974年]](昭和49年)頃に[[中山容]]が買い取ったものである。2014年現在の店主は[[シンガーソングライター]]の[[中山ラビ]]で<ref>[[古賀絵里子]]、[http://www.bs-tbs.co.jp/onnasakaba/shop/153.html #153 国分寺「ほんやら洞」](2014年2月8日)、[[おんな酒場放浪記]]、[[BS-TBS]]、2016年4月26日閲覧。</ref>、京都の店のコンセプトを熟知する彼女が[[1977年]](昭和52年)から経営し、[[作家]]の[[花村萬月]]、[[漫画家]]の[[いしかわじゅん]]らが常連だったことでそれぞれの読者から注目を集めた。いしかわは、中山ラビをモデルにして自作の漫画のキャラクターを書いている。


[[画家]]の[[牧野伊三夫]]が店の看板をつくっており、これまで若手の美術家の個展などの会場となることもあった。
[[画家]]の[[牧野伊三夫]]が店の看板をつくっており、これまで若手の美術家の個展などの会場となることもあった。
39行目: 39行目:


== 参考文献 ==
== 参考文献 ==
* 『ほんやら洞の詩人たち 自前の文化をもとめて』 - 片桐ユズル他(晶文社、1979年)
* 『ほんやら洞の詩人たち - 自前の文化をもとめて』 - 片桐ユズル他(晶文社、1979年)
* 『ほんやら洞の詩人たち』CD - 朗読=片桐ユズル、有馬敲、秋山基夫(avex io、2003年)
* 『ほんやら洞の詩人たち』CD - 朗読=片桐ユズル、有馬敲、秋山基夫(avex io、2003年)


46行目: 46行目:


== 外部リンク ==
== 外部リンク ==
* [http://www.honyarado-kai.com/ ほんやら洞・甲斐扶佐義 HONYARADO/KAI FUSAYOSHI's Web Site]
* 京都出町柳・ほんやら洞
** [http://www.honyarado-kai.com/ ほんやら洞・甲斐扶佐義 HONYARADO/KAI FUSAYOSHI's Web Site]
* [http://kaifusayoshi.website/ Kai Fusayoshi Website - 甲斐扶佐義ホームページ]
** [http://kaifusayoshi.website/ Kai Fusayoshi Website - 甲斐扶佐義ホームページ]
* 東京国分寺・ほんやら洞
** [http://kokubunjimonogatari.com/gourmet/884.html [国分寺のグルメ情報]ほんやら洞 - 【国分寺物語】] - 一般社団法人ニッポニア・ニッポン
** [http://kokubunjimonogatari.com/history/honyarado.html 「ほんやら洞」 - 歴史と文化の物語り vol.2-【国分寺物語】]


{{デフォルトソート:ほんやらとう}}
{{デフォルトソート:ほんやらとう}}

2016年4月27日 (水) 08:53時点における版

ほんやら洞(ほんやらどう)は、京都府京都市東京都国分寺市などにある喫茶店。各店の名称は、多くの場合、つげ義春の短編漫画「ほんやら洞のべんさん」(初出:1967年6月『ガロ』)[1]に由来する[2]

概要

「ほんやら洞」を名乗る喫茶店のルーツとなった京都市出町柳の店は、1972年昭和47年)に開業した。2階に文化活動のためのスペースを備えるこの店は、多くの詩人や美術家、音楽家、文化人たちによって利用され、文化の発信拠点となった。文化を意識した店づくりは、今日のブックカフェ、ギャラリーカフェなどに代表されるカフェ文化の先駆けとなるものでもあった。

国分寺の「ほんやら洞」は、京都・出町柳の店に関わったメンバーによって開設・経営されており、出町柳の店と共通する文化性・開放性を特徴としている。

また、経営母体が単一ではないが、京都・西陣[3]にも姉妹店があり、店の2階はギャラリーになっている。

京都・出町柳の「ほんやら洞」

伝説の喫茶店

京都市出町柳上京区今出川通寺町西入ル、現在の経営者は甲斐扶佐義)の「ほんやら洞」は、休業中だった喫茶店を買取って、1972年(昭和47年)春、シンガーソングライター岡林信康[4]ミュージシャン文化人、市民たちの募金と労務提供[5]によって、開店された。

この店では、詩人たちが自作の詩の朗読を行い、その録音がレコードや書籍となったことやシンガーソングライター岡林信康中川五郎浅川マキらのライブが行われ、吉田拓郎下田逸郎が顔を見せた[6]こと、当時よく読まれていた音楽雑誌に同店のスタッフであった古川豪や早川正洋の日記が連載された[7][8]ことなどによって、来店経験がなくても、店の名前や存在を知る人も少なくない。

文化の発信拠点として

この店には、ライブラリー兼会議室として設けられた2階スペースがあり、開店以来、文化人らのミーティング、美術家たちの個展、シンガーソングライター岡林信康中川五郎浅川マキらのライブなどに利用されてきた。

『ほんやら洞の詩人たち』出版

この2階スペースには、1970年代ボブ・ディラン楽曲の訳詞者である中山容片桐ユズル秋山基夫有馬敲らオーラル派と呼ばれる詩人たちが集まり、しばしば自作詩の朗読を行った。そのなかから『ほんやら洞の詩人たち』[9]という朗読レコードが1975年(昭和50年)に制作され、1979年(昭和54年)には同名の本が生まれた。

1970年代の京都の新名所

同店は、1970年代の京都の新名所のひとつとなり、中山ラビ[10]や女優の鮎川いずみらも客として顔を見せた[11]

同店は、当時すでに下火となりつつあった学生運動関西フォークに関わる学生・若者らにとっての名所[12][13][14]となり、様々な文献にその名前が残され、語り草となっている。

火災により全焼

2015年1月16日、同店より出火、建物を全焼した[15]

国分寺の「ほんやら洞」

国分寺市の店は、京都・出町柳の店舗づくりの中心メンバーだった早川正洋が同様のコンセプトでつくり、1974年(昭和49年)頃に中山容が買い取ったものである。2014年現在の店主はシンガーソングライター中山ラビ[16]、京都の店のコンセプトを熟知する彼女が1977年(昭和52年)から経営し、作家花村萬月漫画家いしかわじゅんらが常連だったことでそれぞれの読者から注目を集めた。いしかわは、中山ラビをモデルにして自作の漫画のキャラクターを書いている。

画家牧野伊三夫が店の看板をつくっており、これまで若手の美術家の個展などの会場となることもあった。

脚注

  1. ^ ほんやら洞」の元々の意味は、秋田県の「かまくら」と同様の新潟県・魚沼地方の伝統行事、またはそのなかでつくられる雪洞のこと。
  2. ^ 「ほんやら洞の由来」 ほんやら洞・甲斐扶佐義のホームページ参照。なお、ほんやら洞かまくらの伝統行事のある新潟県、長野県にも、同名の喫茶店・旅行者向けの宿舎がある。
  3. ^ 前掲「ほんやら洞の由来」
  4. ^ 他に、室謙二早川正洋中尾ハジメ甲斐扶佐義中山容片桐ユズルら協力した。
  5. ^ 『就職しないで生きるには』1998年、晶文社)- レイモンド・マンゴー訳者 中山容の「あとがき」
  6. ^ 「まえがき」 - 甲斐扶佐義 京都ほんやら洞'68〜'74 連載1
  7. ^ 古川豪プロフィール
  8. ^ 中山ラビ参考資料
  9. ^ 「シンボルはめだたなくてはならない,とすると……?」 - 片桐ユズル(『思想の科学』1975年4月号掲載)
  10. ^ 中山ラビリンク説明 ラビWebです内
  11. ^ 「まえがき」 - 甲斐扶佐義 京都ほんやら洞'68〜'74 連載1
  12. ^ 「新版 京都音楽空間」書評 2007年5月6日『京都新聞』
  13. ^ 〈ぷらっと沿線紀行〉「学生街 ときめき始発駅 叡山電鉄 出町柳駅」 asahi.com 関西 2008年6月7日
  14. ^ 古川豪によれば、「過激派の温床になっているとか、あらぬ噂がたった」というので、「救済コンサート」が開かれたという。
  15. ^ 京都「ほんやら洞」が全焼…フォーク文化の拠点2015年1月16日 YOMIURI ONLINE(同日閲覧)
  16. ^ 古賀絵里子#153 国分寺「ほんやら洞」(2014年2月8日)、おんな酒場放浪記BS-TBS、2016年4月26日閲覧。

参考文献

  • 『ほんやら洞の詩人たち - 自前の文化をもとめて』 - 片桐ユズル他(晶文社、1979年)
  • 『ほんやら洞の詩人たち』CD - 朗読=片桐ユズル、有馬敲、秋山基夫(avex io、2003年)

関連項目

外部リンク