「興玉神」の版間の差分

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== 交通 ==
== 交通 ==
;宇治橋前までの交通手段
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* [[東海旅客鉄道|JR]][[参宮線]]・[[近畿日本鉄道|近鉄]][[近鉄山田線|山田線]][[伊勢市駅]]南口(JR側)または近鉄山田線・[[近鉄鳥羽線|鳥羽線]][[宇治山田駅]]より三重交通バスに15分ほど乗車、内宮前下車<ref name="mkr">三重県観光連盟"[http://www.kankomie.or.jp/spot/detail_2937.html 伊勢神宮(内宮)の観光施設・周辺情報 - 観光三重]"(2013年9月12日閲覧。)</ref>。近鉄鳥羽線[[五十鈴川駅]]からも三重交通バスで内宮前へ行くことが可能である。
* [[伊勢自動車道]][[伊勢西インターチェンジ|伊勢西IC]]より[[三重県道32号伊勢磯部線]](御木本道路)を南へ約5分または[[伊勢インターチェンジ|伊勢IC]]より[[国道23号]]を南へ約5分、付近に[[駐車場]]あり<ref name="mkr"/>。
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2016年1月12日 (火) 04:30時点における版

興玉神・宮比神・屋乃波比伎神

興玉神と宮比神の古殿地(2016年1月)
遷宮が行われると、中央の岩が興玉神として祀られる。
所在地 三重県伊勢市宇治館町1 内宮御正宮内
位置 北緯34度30分43.6秒 東経136度44分12.7秒 / 北緯34.512111度 東経136.736861度 / 34.512111; 136.736861 (興玉神)座標: 北緯34度30分43.6秒 東経136度44分12.7秒 / 北緯34.512111度 東経136.736861度 / 34.512111; 136.736861 (興玉神)
主祭神 興玉神:興玉神
宮比神:宮比神
屋乃波比伎神:屋乃波比伎神
社格 皇大神宮末社
創建 平安時代
本殿の様式 なし
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内宮の拝殿(この奥に3社が鎮座する)

興玉神(おきたまのかみ)は、三重県伊勢市に所在する伊勢神宮皇大神宮(内宮)の所管社およびその祭神。内宮の御垣内に鎮座する[1]。本項目では、興玉神と同じく正宮御垣内に鎮座する、内宮所管社の宮比神(みやびのかみ)および屋乃波比伎神(やのはひきのかみ)についても記述する。

3社とも社殿を持たない神社であり、祭神は内宮の守護神である[1]

概要

三重県伊勢市宇治館町、内宮の御垣内に鎮座する[1]。御垣内には一般参拝者が立ち入ることはできない[1]ため、付近の参道から遥拝する[2]。内宮の御垣内にあるため、式年遷宮で内宮が遷御するのに合わせて、20年に1度、3社も移動する[3]

3社のうち、興玉神と宮比神は同じ石畳の上に祀られている[2]。ただし、興玉神は西向きに、宮比神は北向きに鎮座している[1]

興玉神

興玉神は、内宮の所管社30社のうち、滝祭神に次ぐ第2位である。御垣内の西北隅にある石畳の上に西向きに鎮座する[1][2]。6月と12月の月次祭および10月の神嘗祭の際には、奉仕する者全員が、まず興玉神に誠心誠意奉仕することを祈念する[1]

祭神は社名と同じ興玉神(おきたまのかみ)[2]。正宮の守護神である[1]。『神名秘書』によれば、猿田彦大神またはその子孫である大田命の別名であるという[2]。鎌倉時代には宮域の地主神・猿田彦大神として興玉神を祀り、神嘗祭月次祭の御贄供進の際に祭祀が行われ、重視されてきた[3]

宮比神

宮比神は、内宮の所管社30社のうち、滝祭神・興玉神に次いで第3位である。御垣内の西北隅にある石畳の上に北向きに鎮座する[1][2]建久1190年 - 1198年)の年中行事に関する記録によれば、内物忌父ら(大物忌父・宮守物忌父・地祭物忌父ほか)が神饌を供する役目を担った[4]。御垣内の乾(北西)の方角にあり、内物忌父らが奉仕することは、巽(南東)の方角にあり、外物忌父らが奉仕する屋乃波比伎神と対照をなしていた[4]近世には外物忌父は絶えており、こうした対照は意味をなさなくなった[5]

祭神は社名と同じ宮比神(みやびのかみ)[2]。正宮の守護神である[1]。大宮売命(おおみやのめのみこと)または猿田彦大神のである天鈿女命の別名であるという[2]

屋乃波比伎神

屋乃波比伎神は、内宮の所管社30社のうち、滝祭神・興玉神・宮比神に次ぐ第5位である。御正宮の石階(せっかい)東側に、南向きに鎮座する[1]。興玉神・宮比神と同じく石畳の上に祀られており、板垣御門の外側に鎮座する[6]。建久の年中行事に関する記録によれば、外物忌父ら(荒祭物忌父・滝祭物忌父・風宮物忌父ほか)が神饌を供する役目を担った[4]。御垣内の巽(南東)の方角にあり、内物忌父らが奉仕することは、乾(北西)の方角にあり、内物忌父らが奉仕する宮比神と対照を成していた[4]。近世には外物忌父は絶えており、禰宜らが「矢乃箒神祭」を奉仕した[5]

祭神は社名と同じ屋乃波比伎神(やのはひきのかみ)[6]。正宮の神庭の守護神である[6]。『古事記』には須佐乃乎命(すさのおのみこと)の子である大年神の子の中に「波比伎神」がいる[6]。「矢乃波々岐神」とする文献もあるが、屋乃波比伎神と同じ神であろうと櫻井勝之進は述べている[7]

歴史

延暦23年(804年)の『延暦儀式帳』には記載されていないが、平安時代末期の文献には3社の名前が記されている[3]。興玉神・宮比神は現社名と同じであるが、屋乃波比伎神は「矢乃波々岐神」となっている[3]

興玉神・宮比神は寛文9年(1669年)以降、内宮の内玉垣外の北西の位置に鎮座したが、明治2年1869年/1870年)からは板垣内北西端に鎮座することとなった[3]

交通

宇治橋前までの交通手段

脚注

  1. ^ a b c d e f g h i j k 学研パブリッシング(2013):56ページ
  2. ^ a b c d e f g h 伊勢文化舎(2008):113ページ
  3. ^ a b c d e 福山ほか(1975):229ページ
  4. ^ a b c d 櫻井(1991):244ページ
  5. ^ a b 櫻井(1991):245ページ
  6. ^ a b c d 伊勢文化舎(2008):114ページ
  7. ^ 櫻井(1991):241ページ
  8. ^ a b 三重県観光連盟"伊勢神宮(内宮)の観光施設・周辺情報 - 観光三重"(2013年9月12日閲覧。)

参考文献

関連項目

外部リンク