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* 『神経症Ⅱ』 霜山徳爾訳 ISBN 4622080052、以上の5冊は新版〈フランクル・セレクション〉
* 『神経症Ⅱ』 霜山徳爾訳 ISBN 4622080052、以上の5冊は新版〈フランクル・セレクション〉


* 『それでも人生にイエスと言う』 山田邦男、松田美佳訳 ISBN 4393363604。※以下9冊は[[春秋社]] 
* 『それでも人生にイエスと言う』 山田邦男、松田美佳訳 ISBN 4393363604。※以下9冊は[[春秋社]]
* 『宿命を超えて、自己を越えて』 山田邦男、松田美佳訳 ISBN 4393364163
* 『宿命を超えて、自己を越えて』 山田邦男、松田美佳訳 ISBN 4393364163
* 『「生きる意味」を求めて』 諸富祥彦監訳、上嶋洋一・松岡世利子訳  ISBN 4393364198
* 『「生きる意味」を求めて』 諸富祥彦監訳、上嶋洋一・松岡世利子訳  ISBN 4393364198
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* 『人間とは何か 実存的精神療法』 山田邦男監訳、岡本哲雄・雨宮徹・今井伸和訳、2011年 (「死と愛」増補改訂版) ISBN 4393365100  
* 『人間とは何か 実存的精神療法』 山田邦男監訳、岡本哲雄・雨宮徹・今井伸和訳、2011年 (「死と愛」増補改訂版) ISBN 4393365100  


* 『生きがい喪失の悩み 現代の精神療法』 中村友太郎訳 エンデルレ書店、1982年(講演集、巻末に詳細な書誌)/[[講談社学術文庫]](改訂版)、2014年
* 『生きがい喪失の悩み <small>現代の精神療法</small>』 中村友太郎訳エンデルレ書店、1982年(講演集、巻末に詳細な書誌)/[[講談社学術文庫]](改訂版)、2014年
* 『絶望から希望を導くために <small>ロゴセラピーの思想と実践</small>』 広岡義之訳、[[青土社]]、2015年


== 研究・関連書 ==
== 研究・関連書 ==

2015年10月18日 (日) 12:48時点における版

Viktor Frankl
ヴィクトール・フランクル
生誕 (1905-03-26) 1905年3月26日
 オーストリア ウィーン レオポルトシュタット
死没 1997年9月2日(1997-09-02)(92歳)
 オーストリア ウィーン
国籍  オーストリア
職業 精神科医、心理学者
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ヴィクトール・エミール・フランクル(Viktor Emil Frankl、1905年3月26日 - 1997年9月2日)は、オーストリア精神科医心理学者。著作は多数あり日本語訳も多く重版されており、特に『夜と霧』で知られる。

来歴

1905年ウィーンに生まれる。ウィーン大学在学中よりアドラーフロイトに師事し、精神医学を学ぶ。

ウィーン大学医学部精神科教授、ウィーン市立病院神経科部長を兼任する。「第三ウィーン学派」として、また独自の「実存分析」を唱え、ドイツ語圏では元々知られていた。フランクルの理論にはマックス・シェーラーの影響が濃く、マルティン・ハイデッガーの体系を汲む。精神科医として有名であるが、脳外科医としての腕前も一級であった。

1933年から、ウィーンの精神病院で女性の自殺患者部門の責任者を務めていたが、ナチスによる1938年のドイツのオーストリア併合で、ユダヤ人がドイツ人を治療することが禁じられ、任を解かれた。1941年12月に結婚したが、その9ヶ月後に家族と共に強制収容所テレージエンシュタットに収容され、父はここで死亡し、母と妻は別の収容所に移されて死亡した。フランクルは1944年10月にアウシュビッツに送られたが、3日後にテュルクハイムに移送され、1945年4月にアメリカ軍により解放された。その後1946年にウィーンの神経科病院に呼ばれ、1971年まで勤務した。1947年に再婚している。

強制収容所での体験をもとに著した『夜と霧』は、日本語を含め17カ国語に翻訳され、60年以上にわたって読み継がれている。発行部数は、(20世紀内の)英語版だけでも累計900万部に及び、1991年のアメリカ国会図書館の調査で「私の人生に最も影響を与えた本」のベストテンに入ったという[1]。他に読売新聞による2000年の「読者の選ぶ21世紀に伝えるあの一冊」のアンケート調査で、翻訳ドキュメント部門第3位となったとされる。

よく誤解されるが、フランクルのロゴセラピーは収容所体験を基に考え出されたものではなく、収容される時点ですでにその理論はほぼ完成されており、はからずも収容所体験が理論の正当性を検証することとなった[2]

極限的な体験を経て生き残った人であるが、ユーモアとウィットを愛する快活な人柄であった。学会出席関連などでたびたび日本にも訪れていた。

著作(主な日本語訳)

  • 『それでも人生にイエスと言う』 山田邦男、松田美佳訳 ISBN 4393363604。※以下9冊は春秋社
  • 『宿命を超えて、自己を越えて』 山田邦男、松田美佳訳 ISBN 4393364163
  • 『「生きる意味」を求めて』 諸富祥彦監訳、上嶋洋一・松岡世利子訳  ISBN 4393364198
  • 『制約されざる人間』 山田邦男監訳  ISBN 439336418X
  • 『意味への意思』 山田邦男監訳 ISBN 4393364201  
  • 『意味による癒し ロゴセラピー』 山田邦男監訳 ISBN 4393364694
  • 『苦悩する人間』 山田邦男、松田美佳訳 ISBN 4393364732 
  • 『フランクル回想録―20世紀を生きて』 山田邦男訳、1998年、新装版2011年(証言による回想記) ISBN 4393365194  
  • 『人間とは何か 実存的精神療法』 山田邦男監訳、岡本哲雄・雨宮徹・今井伸和訳、2011年 (「死と愛」増補改訂版) ISBN 4393365100  
  • 『生きがい喪失の悩み 現代の精神療法』 中村友太郎訳、エンデルレ書店、1982年(講演集、巻末に詳細な書誌)/講談社学術文庫(改訂版)、2014年
  • 『絶望から希望を導くために ロゴセラピーの思想と実践』 広岡義之訳、青土社、2015年

研究・関連書

  • 『人生があなたを待っている 夜と霧を越えて』(全2巻、赤坂桃子訳、みすず書房、2006年)
 著者ハドン・クリングバーグ・ジュニアは、アメリカの臨床心理学者
  • 『人生の意味と神 信仰をめぐる対話』(芝田豊彦・広岡義之訳、新教出版社、2014年)
フランクルとユダヤ教神学者ピンハス・ラピーデとの対話
  • 『現代思想 imago 総特集ヴィクトール・E・フランクル それでも人生にイエスと言うために』(青土社、2013年3月)
  • 諸富祥彦 『ビクトール・フランクル 絶望の果てに光がある』 (ベストセラーズ〈ワニ文庫〉、2013年)
  • 諸富祥彦訳著 『『夜と霧』ビクトール・フランクルの言葉』 (コスモス・ライブラリー、2012年)
  • 諸富祥彦 『生きる意味 ビクトール・フランクル22の言葉』 (ベストセラーズ、2010年)
  • 諸富祥彦 『どんな時も、人生に“YES”と言う フランクル心理学の絶対的人生肯定法』 (大和出版、1999年)
    • 改題 『どんな時も、人生には意味がある フランクル心理学のメッセージ』(PHP文庫、2006年)
  • 諸富祥彦 『フランクル心理学入門 どんな時も人生には意味がある』(コスモスライブラリー、1997年) 
  • 山田邦男編 『フランクルを学ぶ人のために』(世界思想社、2002年)
  • 山田邦男 『生きる意味への問い―V・E・フランクルをめぐって』(佼成出版社、1999年)
  • 山田邦男 『苦しみの中でこそ、あなたは輝く フランクル人生論』(PHPエディターズ・グループ、2009年)
  • 山田邦男 『フランクルとの〈対話〉 苦境を生きる哲学』(春秋社、2013年)
  • 斉藤啓一 『フランクルに学ぶ』(日本教文社、2000年)
  • 宮地正卓 『運命・自由・愛―フランクルの生きる意味随想』(中央法規出版、2002年)  
  • 広岡義之 『フランクル教育学への招待』(風間書房、2008年)
  • 北杜夫 『夜と霧の隅で』 (新潮文庫)ほか。第43回(昭和35年)芥川賞受賞作品

出典・脚注

  1. ^ 諸富祥彦 『生きていくことの意味』、p.32 (PHP新書、2000年)
  2. ^ 諸富祥彦『フランクル心理学入門どんな時も人生には意味がある』、p.21(コスモス・ライブラリー、1997年)

関連用語