「パイレーツ・オブ・カリビアンの登場人物」の版間の差分

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2015年9月18日 (金) 08:27時点における版

パイレーツ・オブ・カリビアンの登場人物( - とうじょうじんぶつ)では、映画『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズの登場人物について記述する。

役名表記は「役者/日本語吹き替え版」とする。

主要人物

ジャック・スパロウ (Jack Sparrow)
演:ジョニー・デップ/平田広明
シリーズ通しての主人公。選ばれし9人の“伝説の海賊”の1人。伝説の海賊の証である「銀貨」は、モロッコのビーズと古代タイの金貨。
ウィル・ターナー (Will Turner)
演:オーランド・ブルームディラン・スミス(幼少期)/平川大輔内山昂輝(幼少期)
第1作から第3作の準主人公。本名ウィリアム・ターナー・ジュニア (William Turner Jr.)。「靴紐の(ブーツストラップ)ビル」として知られる海賊のビル・ターナーの一人息子。
幼い頃にビルが失踪してしまい、彼は自身が海賊の息子だということを知らずに幼少時代を過ごす。幼少時代はイギリスで母親と暮らしていたが、母親の死後ジャマイカ行きの船に乗り込んだ。しかしその船がブラックパール号に襲われ、漂流していた所をエリザベスに発見され一命をとりとめる。以来ポート・ロイヤル鍛冶屋として働いていた。エリザベスと恋に落ち、最終的には第3作で結婚した。剣術に長けており、さらわれたエリザベスを助けるため自ら海賊船に乗るなど勇敢な一面を見せる。実直、真面目な性格のため、ジャックに利用される事もあったが、両者は固い絆で結ばれている。
第3作では父親を助け出すためにベケット卿と交渉を行うなどした。デイヴィ・ジョーンズに胸を剣で貫かれてしまうが、息絶える寸前にジャックの手助けによってデイヴィ・ジョーンズの心臓を刺し、父親によって心臓を取り出され新しくフライング・ダッチマン号の船長として復活、ブラックパール号とともにベケット卿の乗るエンデバー号を挟み撃ちにして撃破した。
フライング・ダッチマン号の船長になったため、10年に1度しか陸に上がることができなくなってしまった。第3作のラストで、エリザベスとウィルの息子と思われる子供が海岸で待ち、海の向こうからダッチマン号に乗ったウィルが現れて映画が終了する。
エリザベス・スワン (Elizabeth Swann)
演:キーラ・ナイトレイルシンダ・ドライゼク(幼少期)/弓場沙織最上莉奈(幼少期)
第1作から第3作のメインヒロイン。ウェザビー・スワン総督の一人娘。
父親の勧めによりジェームズ・ノリントンとの結婚が迫られていた。しかし、ウィル・ターナーと恋に落ち、婚約した。ヘクター・バルボッサにさらわれてしまったり、『デッドマンズ・チェスト』ではジャックを助けた罪で監禁されたりするなどした。
また、デッドマンズチェストの後半では船に迫るクラーケンと戦い、囮にするべくジャックに手錠を掛けた。このためにジャックはクラーケンに飲み込まれてしまうが、『ワールド・エンド』で助け出された。
『ワールド・エンド』では父がベケット卿に殺されたことを知り、サオ・フェンが敵の襲撃を受け致命傷を負った時、エンプレス号の船長へ任命された。その上、海賊長達が集まって会議を行うブレズレンコートで、ジャックの票によって海賊王に選出された。その後、デイヴィ・ジョーンズとの戦いの際中、船上でバルボッサの読み上げでウィル・ターナーと結婚した。ウィルがデイヴィ・ジョーンズに刺されて死んで行くのを看取ったが、ウィルから離れなかったためジャックがウィルから離し、船の帆で空中へ脱出させた。ブラックパール号に戻り、ウィルとフライング・ダッチマン号が海底から復活を遂げたのを見ると、砲撃開始の合図に参加し、ベケット卿の乗るエンデバー号を撃沈した。最後にはブラック・パール号を降り、1日をウィルと過ごした後、夕日の沈む中でフライング・ダッチマン号とともに水平線へ消えるウィルを見届けた。10年後、生まれた子供と共にウィルと再会を果たす。
彼女は活発で元気よく、自立心強い性格として描かれている。もともとはおしとやかな女性だったのだが、シリーズ3作品を通して勇敢な海賊へと変貌を遂げていった。海賊となったのちも、婚約者であるウィル・ターナーや父親のウェザビー・スワンへの愛情は変わらない。大の酒嫌いで、理由は彼女曰く「お酒は最高に立派なはずの男性を最低のクズにする悪い飲み物だから」とのこと(第1作では、実際に無人島で火を起こして酒を樽ごと放り投げて、狼煙にしていた)。ジャック・スパロウとはポート・ロイヤルで初めて出会い、自分を人質にとり海軍から逃げて行ったことに反感を抱いたが、その反面、自分の命を助けてくれたことに感謝の気持ちを持ち、うまくはいかないが彼が捕まるのを阻止しようと試みるような一面を持つ。
『ワールド・エンド』ではウィルに教えてもらった剣術を利用し、敵から自分の身を守るようになり、自然と2刀流で戦えるようにもなる。巧みな戦略を立ててして敵を倒し、ジャックにより海賊王となったのちもリーダーとしての力量も示してゆく。天性の才能にあふれた強い女性である。
ヘクター・バルボッサ (Hector Barbossa)
演:ジェフリー・ラッシュ/壤晴彦
全部で9人いる伝説の海賊の1人で、カスピ海の王として知られている。かつてはジャック・スパロウが船長を務めるブラックパール号の船員(一等航海士)だった。しかしある晩、ジャックを船員とともに騙して船を乗っ取り、以降は自分が船長となる。その後、アステカの金貨を見つけて使い呆けたが、その金貨の呪いにかかってしまい、他の船員とともに10年間不死身の身体となって海を彷徨っていた。好物は林檎とカスピ海原産のキャビア。伝説の海賊の証である「銀貨」は、ラゲッティの義眼。
常時ペットである猿のジャック・ザ・モンキーを肩につれている。第1作ではジャックとエリザベスを孤島に置き去りにするなどした。その後呪いが解けた瞬間にジャックの銃撃によって死亡する。第2作にはティア・ダルマの魔術によって復活。
第3作では、船を先導してジャック・スパロウを探しに出た。サオ・フェンに会い、伝説の海賊たちが集まったブレズレンコートでは司会と解説の役割を果たしている。また、船上でデイヴィ・ジョーンズやベケット卿の船団と闘っている最中、船長権限でウィルとエリザベスを結婚させた。
ベケット卿に勝利した後、バルボッサは再びブラックパール号の船長となった。このとき、ジャックとギブスをトルトゥーガに置き去りにして、サオ・フェンの海図を独り占めしようと考えたが、ジャックにより肝心の中心部分が切り抜かれていた。
第4作では、黒ひげとの戦闘でブラックパール号と片脚を失い、その復讐のために英国王ジョージ2世に仕える私掠海賊となってジャックの前に現れる。ジョージ2世の命令でスペイン王よりも先に命の泉を発見するため、ジャックの持っていた地図の内容を覚えていたジョシャミー・ギブスを連れて航海に出かける。島に到着した後はジャックと再会してスペイン人相手に共闘し、そして自分が英国王に仕えている本当の理由を明らかにした。その後、生命の泉での戦いでモウドクフキヤガエルの毒を塗った剣で黒ひげを刺し殺し、彼の死後は代わりにアン女王の復讐号の船長となる。ちなみに、片足を失った後に着けている義足は、中に酒を入れられるようになっている。

ブラックパール号

ジョシャミー・ギブス航海士 (Joshamee Gibbs)
演:ケヴィン・R・マクナリー/青森伸
ジャックの右腕的存在で航海士。裏切りが常である海賊たちの関係の中、常にジャックを信じ、彼の味方でいようとする。酒好き。ジャックからは、「ギブス君(Mr.Gibbs)」とよく呼ばれる。古来より伝わる海の伝説を数多く知っており、その解説役の一面を兼ね合わせている。
元英国海軍の軍人で、その頃から酒を入れた携帯ボトルをずっと愛用している。
第1作では幼少期のエリザベス・スワンが英国からポートロイヤルに来る航海の際にジェームズ・ノリントンの部下となっていた。その10年後にはなぜかトルトゥーガにおり、汚い身なりで豚に囲まれて眠っていた。ジャックとの再開後は仲間になり、船員として活躍。
第4作ではロンドンで捕まって裁判にかけられていたところをジャックに救出されるも、その後英国海軍に囚われ、バルボッサを命の泉へと案内することとなる。
ラゲッティとピンテル (Ragetti & Pintel)
演:マッケンジー・クルック(ラゲッティ)、リー・アレンバーグ(ピンテル)/高宮俊介(ラゲッティ)、佐々木梅治(ピンテル)
バルボッサの手下。ジャック曰く「ノッポとチビ」。ラゲッティは右目が木製義眼の海賊、ピンテルは頭の剥げた髭面の海賊。ピンテルはエリザベスに対して「hello, puppy.(やぁ、お嬢ちゃん)」とよく言う。二人とも下っ端だが、ジャックが船長をしていた頃からの古参である。
第1作では、二人ともアステカの金貨によって呪われ、満たされる事のない欲望と死ねない身体になっており、バルボッサの配下としてジャック・スパロウ達と戦ったが、英国海軍との戦闘中に呪いが解けてしまったために他の仲間同様降伏し、ポートロイヤルに監禁された。
第2作ではポートロイヤルの鍵の番をしている犬を手なずけて脱獄、その後浜辺に止められていたブラックパール号を奪おうとするが、ペレゴストス族がジャックを追いかけて大挙して迫ってきたため、その場の勢いでジャックの手下になり、第3作でもウィル達とともに世界の果てへと向かう。第2作からは呪いが解けて不死身では無くなったため行動が慎重になっている。
第3作ではラゲッティの義眼がバルボッサの「銀貨」であることが判明、さらにそれらにカリプソを解放するための力が秘められていることが判明した。その際消失したため、以降彼は代わりに眼帯を付けている。
コメディリリーフのキャラクターとして描かれているが、フライング・ダッチマン号の船員達と互角以上に渡り合えることからそこそこ強いと思われる。また、バルボッサから「銀貨」を託されていたことから、それなりに信頼のおかれた部下であったことがわかる。
両者は『スター・ウォーズ・シリーズ』のR2-D2C-3PO的な役割である事が公式で判明しているが、性格的にはそのモデルとなった『隠し砦の三悪人』の太平と又七に近い。
猿のジャック (Jack the monkey)
バルボッサの飼っているシロガオオマキザル。第1作のラストシーンでアステカの金貨を盗み、再び不死身の猿になる。第2作以降もブラックパール号に乗船しており、しょっちゅうジャックにいたずらをする。逆に、ジャックはストレス発散の一環としてしょっちゅう彼を銃で撃つ。ラゲッティの義眼が気になるらしく、ラゲッティが居る時はいつも奪っている。第3作では微力ながら戦闘にも参加し、仲間の危機を何度も救っている。第4作では、ブラックパール号やコットンのオウムと共に瓶の中へ閉じ込められている。
マーティ(Marty)
演:マーティン・クレッバ→ジェームズ・アーノルド・テイラー
第1作の途中からジャックと共に同行する小柄な海賊。ブラックパールでは主に見張りをする。
コットン (Cotton)
演:デイヴィッド・ベイリー
第1作で途中からジャックと共に同行する老いた海賊。舌を切られて話せないので、肩に止まっているオウムが彼の代わりに話している。ブラックパールでは主に舵取りをする。
アナマリア(Anamaria)
演:ゾーイ・サルダナ/湯屋敦子
マーティやコットンと同じく、途中からジャックと共に同行する男勝りの女海賊。一人称は「俺」。彼女の台詞によると、「ジャックには船の借しがある」らしい(ちなみにその船は、ジャックが初めてポートロイヤルに現れた時に沈没してしまったもの)。他の二人とは異なり、第2作以降は登場しない。

英国海軍・東インド会社

カトラー・ベケット(Cutler Beckett)
演:トム・ホランダー/横島亘
東インド貿易会社の権力者。会社の利益を第一に考えている。口癖は「It's just good business.」(字幕では「損のない商取引を」、吹き替え版では「全ては利益のため」と訳された)。ベケット卿という風に称号をつけて呼ばれる場合もある。
映画では第2作から登場したが、キャラクターの設定では第1作以前に、ジャックと面識があったという。その昔ベケットはジャックを雇っていて、ある日奴隷船を運搬する役割を命じた。しかし、ジャックは船に乗っているのが奴隷だとわかると運ぶのをやめ、乗っていた奴隷たちをアフリカ大陸で解放した。これに激怒したベケットはジャックの船を沈め、海賊を意味する「P」の焼印を押すよう命じた。
安定した通商を妨げる海賊達の根絶やしを目論む。狡猾で頭の切れるベケットは、ノリントンが持ってきたデイヴィ・ジョーンズの心臓を使ってジョーンズの弱みを握ることを考えた。一方でノリントンには昇格を持ちかけた。
第3作では、冒頭で海賊容疑で逮捕した大勢の人々を絞首刑にするよう砦で命じた。その後エンデバー号を基点にして、ジョーンズに父親を拘留されているウィルやサオ・フェンらと交渉を進める等した。後半では東インド会社所属の大艦隊を率いて登場。デイヴィ・ジョーンズ率いるフライング・ダッチマン号がジャックらによって沈められたのを見た後、勝利を確信して単艦でブラックパール号に接近していくが、海の中から復活したウィルが率いるダッチマン号とブラックパール号に挟まれ、エンデバー号は両側から激しい砲撃を受ける。まさかの反撃に完全に動転してしまった彼は、部下から指示を求められても呆然とした顔で「It's just...good business(損のない商取引を/全ては利益のため)」としか呟かなかった。そして、乗員が次々と船を捨てていく中、彼は炎の中に消えていった。
ジェームズ・ノリントン (James Norrington)
演:ジャック・ダヴェンポート/森田順平
エリザベスに求婚する英国海軍士官。周辺海域の最高責任者であり、海賊を討伐する職責を負っている。平和を乱す海賊を疎ましく思っている。厳密にいうとその役職は提督(Admiral)ではなく、それより若干格下の司令官の代将(Commodore)である。
エリザベスに好意を抱いており、結婚を迫ったが、エリザベスはウィルに気があったため三角関係となった。だが最終的にはエリザベスのウィルへの思いを知り,潔く身を引いた。また、ジャックを処刑するはずだったが、作品の最後で見逃している。
第2作に入る前に、一度海でハリケーンにあって部下を失ったことが原因で、階級をはく奪されてしまっていた。よって第2作では登場した時は惨めに落ちぶれた姿で登場する。その後デイヴィ・ジョーンズの心臓が入った宝箱をめぐってウィルやジャックと闘うこととなる。結局ノリントンは心臓を手に入れ、ベケット卿のもとへ届ける。ベケット卿は昇進をちらつかせて心臓を手に入れた。
第3作では、ベケット卿によって東インド会社の一員となっていた。しかし自分の行いが原因で力を得たベケット卿の非道ともいえる行いを目の当たりにし、内心ではベケット卿に心臓を提供してしまった事への後悔と罪悪感を抱き続けていた。
その為、最後はエリザベス・スワンをデイヴィ・ジョーンズの船から逃がすために裏切り、ブートストラップ・ビルに刺され、デイヴィ・ジョーンズに(魂を代償にした契約を持ちかける意味で)「死ぬのが怖いか」と問われるが、これを拒絶して剣でデイヴィ・ジョーンズを刺し、直後に絶命した。
ウェザビー・スワン (Weatherby Swann)
演:ジョナサン・プライス/村松康雄
イギリス帝国ポート・ロイヤル総督。エリザベスの父親。おてんばな娘には頭が上がらない。ジェームズ・ノリントンよりも上席であるが行政職である総督には軍人である提督への命令権はない、このため海軍が捕縛した海賊の処遇には関与できないことになっている。小心者だが娘思い。
第2作では娘を脱走させようとしたため、ベケット卿に捕縛されてしまい、ベケット卿にその座を奪われてしまう。
第3作ではデイヴィ・ジョーンズの心臓の秘密について感づいたため殺され、娘と悲しい別れをすることになる。
マートッグとムルロイ(Murtogg & Mullroy)
演:ジャイルズ・ニュー(マートッグ)、アンガス・バーネット(ムルロイ)/石井隆夫(マートッグ)、石住昭彦(ムルロイ)
ポートロイヤルにてイギリス帝国の船舶の警備をしているユーモラスな海兵。初めは2人ともジャックと話しているが、途中から理屈っぽい言い合いを始めてジャックを見失う傾向にある。ラゲッティとピンテル同様に、緊迫する雰囲気を和ませる役回りを担っている。
第2作には登場しないが、第3作に再登場。マーサーに指示されてデイビィ・ジョーンズの心臓の入った箱を見張っていたが、ブラックパール号とフライング・ダッチマン号が戦った際に、どさくさに紛れてブラックパール号に乗り移る。その後、軍服を脱いで海賊風の服に着替え船員のふりをし、最後は本当に海賊になってバルボッサの手下になる。
マーサー(Mercer)
演:デイヴィッド・スコフィールド
ベケット卿の忠実な部下で殺し屋。冷酷かつ冷静な人物で、ノリントンの死後は、彼に代わってフライング・ダッチマン号の指揮を取る。最後は、船を取り戻す機会をうかがっていたジョーンズによって無理やり心臓を止められ絶命する。

伝説の海賊

世界各地に拠点を構える選ばれし9人の“伝説の海賊”達。

ジャック・スパロウ
カリブ海の王。
ヘクター・バルボッサ
カスピ海の王。
サオ・フェン (Sao Feng)
演:チョウ・ユンファ/磯部勉
第3作に登場。シンガポールを拠点に南シナ海を統べる中国海賊の長。選ばれし9人の“伝説の海賊”の1人。“デイヴィ・ジョーンズの墓場”(デイヴィ・ジョーンズ・ロッカー)への唯一の手掛かりとなる海図を持っている。
シンガポールを拠点に活動する中国の海賊で長い髭が特徴で、ジャック・スパロウがいるとされる世界の果てを示す海図を持っていたことから、バルボッサ率いるブラックパール号の船員たちが地図を求めてフェンのもとを訪れた。
その後カリプソを人間の体から解放しようとするバルボッサと手を結び、逃げた時の担保としてエリザベスを引き渡すように要求した。エリザベスはこの要求をのんだ。この時サオ・フェンはエリザベスの体にカリプソが封印されていると勘違いしていた。その後エンプレス号を奇襲してきたフライング・ダッチマン号の砲弾を受け、木の破片が胸に突き刺さり致命傷を負う。そして、エリザベスにエンプレス号の船長の証である翡翠の首飾りと船長の権限を託し、息絶えた。
中国語では「嘯風啸风、xiào fēng)」と書く。伝説の海賊の証である「銀貨」は、翡翠の首飾り。
エリザベス・スワン
サオ・フェンから海賊長の座を託された。
キャプテン・シュヴァル (Capitaine Chevalle)
演:マーセル・ユーレス
第3作に登場。地中海の王。フランスの貿易都市マルセイユ出身。顔に白粉をつけ貴族的な振る舞いをしているが、これにより海賊仲間からは嫌われている。彼は、ヨーロッパの裕福で弱い貿易船や、メキシコからスペインに戻る財宝を積んだ船団を略奪の対象にしている。主に、新世界(アメリカ周辺)のカリブ海に面したフランス植民地(モントセラトハイチ等)と旧世界(ヨーロッパ)の間で取引を行なっている。旗艦は大砲を16門搭載したファンシー号。伝説の海賊の証である「銀貨」は、スペードのクイーン。
ミストレス・チン (Mistress Ching)
演:タカヨ・フィッシャー/片岡富枝
第3作に登場。太平洋の王。夫の死後、中国の海賊を束ねる。盲目ながら9人の中では唯一の女海賊である。何百隻もの船からなる艦隊を指揮し、日本と中国の間での密輸貿易によって不当に利益を得ている。捕らえた敵の首を刎ねたり拷問することで知られている。上海を拠点として、恐怖による圧制で中国沖を支配している。旗艦は艦載する大砲の数も名前も不明。感情的になると叫ぶ癖がある。伝説の海賊の証である「銀貨」は、眼鏡。
吹替えや字幕での名前は「マダム・チン」。
アモンド・ザ・コルセア (Ammand The Corsair)
演:ガッサン・マスード
第3作に登場。黒海の王。北アフリカ沿岸を中心に活動し、黒海に栄えるバーバリー海賊を使って、キリスト教徒の乗る貿易船に海賊行為を行なっている。オスマン帝国と連合して、トルコからモロッコを超える地域の支配をたくらむ。また、コルセアと呼ばれる国家公認の組織化された海賊船の一団を持つ。旗艦は大砲を10門搭載したジーベック艦のSeref号。伝説の海賊の証である「銀貨」は、ブランデーの盃。
ジェントルマン・ジョカルト (Gentleman Jocard)
演:ハキーム・ケイ=カジム
第3作に登場。大西洋の王。ニューオリンズの奴隷出身海賊。ミシシッピ川メキシコ湾の両方へアクセス出来るニューオリンズの港を拠点としている。彼の人生の多くが神秘と超自然で満ちている。ジョカルトと言う名前は、彼が奴隷生活から逃げた後、元の主人から取ったものである。旗艦は大砲を22門搭載したフリゲート艦のレンジャー号。伝説の海賊の証である「銀貨」は、タバコカッター。
スペインのビジャヌエバ (Villeneuva Of SPAIN)
演:セルジオ・カルデロン/広瀬正志
第3作に登場。アドリア海の王。7つの海を旅して、フィリピン南米の港への道を開いた。キャプテン・シュヴァルと競っている。バーバリー海賊(コルセア)と一緒に海賊行為のために外洋で剣を交える。海賊引退後は、ヨーロッパ貴族の一員となった。旗艦は大砲を44門搭載するセンチュリオン号。伝説の海賊の証である「銀貨」は、割れたボトルの首。
スリ・スンバジ (Sri Sumbhajee)
演:マーシャル・マネシュ
第3作に登場。インド洋の王でヒンドゥー教の僧でもある。自身の甲高い地声を隠すため、会話をする際は手下を通して喋らせている。領海を移動する金持ちの商船から略奪し、アラブ世界とインドの間で取引している。また、劇中での描写は無いものの超能力を使って戦うことが知られている。旗艦は大砲を8門搭載するOtter号。伝説の海賊の証である「銀貨」は、子牛の角の嗅ぎタバコ入れ。

フライング・ダッチマン号

デイヴィ・ジョーンズ (Davy Jones)
演:ビル・ナイ/大塚芳忠
第2作から登場。タコの姿をした幽霊船「フライング・ダッチマン号」の船長である。右手の人差し指がタコの足で左腕が蟹の鋏であり、右足が蟹の足である。「ディヴィ・ジョーンズの監獄」 は英語で「海の底」を表す慣用句で、名前はここからとられている。
彼に魂を売る契約を結ぶことで、死を先延ばしできたり何かと交換できたりする。そしてその契約期限が切れると、彼のフライング・ダッチマン号の船員として100年奴隷として働くことになる。ジャック・スパロウは過去にジョーンズに魂を売って13年間ブラックパール号の船長になることが約束された。第2作ではジャックに100人の奴隷を連れてくるか、100年間奴隷としてフライング・ダッチマン号で働くかを迫った。
彼は昔、海の女神カリプソに恋をしていた。しかしカリプソはジョーンズを愛していなかった為ジョーンズは失恋し、恋の苦しみに耐えられず自分の心臓を抉り出して、宝箱に納めた。その後彼はカリプソから死んだ人間を天国へ送るという使命を命じられた。しかしその使命を拒んだために深海生物の姿に変えられてしまった。なお、ジョーンズの人間時の姿は『ワールド・エンド』でワンシーンのみ登場する。彼は死にかけの水夫を見つけては自分の船員(奴隷)にしている。
心臓が体外にあるため不死身である。ジョーンズの心臓は宝箱(デッドマンズ・チェスト)の中に納められており、クルーセル島に隠されている。またその箱の鍵はジョーンズ自身がタコひげの中に隠しもっている。ジョーンズを殺すか従わせるかして彼との契約から逃れるためには、宝箱と鍵が必要なのである。
第2作では、ジェームズ・ノリントンの手によって、ジョーンズの心臓はカトラー・ベケット卿の手に渡っている。
第3作では心臓を所持しているベケット卿により協力を強いられ、渋々彼に従う。ブラックパール号との戦いのさ中、自分の心臓の入った宝箱の鍵を持っているマーサーを殺し、再びダッチマン号の船長となる。その後宝箱を盗んだジャックとの激闘の末、宝箱をウィルに奪われそれを取り返すためにエリザベスウィルを戦闘不能にする。父親の安否を盾にウィルを脅迫するが、逆に宝箱を開け心臓を取り出したジャックに脅される。しかし、最後の選択としてウィルの胸を剣で突き刺した。その後、ジャックが折れた剣をウィルに持たせて心臓を刺し、ジョーンズはカリプソの名前をつぶやきながら巨大な渦の中に落ちて行った。
モデルは、実在するカリブの海賊、黒髭ことエドワード・ティーチだと言われている。彼はその名の通り髭が濃くて髪も長く、その伸ばした黒髪と髭を何本も編み下げて垂らしていたと言う。
フライング・ダッチマン号の設定は、イギリスに伝わる幽霊船フライング・ダッチマンの伝承と、この伝承を題材にしたワーグナーのオペラ『さまよえるオランダ人』と共通点が多い。
その他、デイヴィとカリプソとの関係は同じディズニーの作品であるアニメ『ガーゴイルズ』のデモーナとマクベスをモデルにしている。マクベスも本作で目的のためにデイヴィと同じく魂を売り渡しており、信じていたはずのデモーナに裏切られている。デイヴィもマクベスと同様に信じていたカリプソに裏切られている。マクベスもデイヴィと同様にデモーナと相打ちにならない限り不死身である。同様にカリプソが牢獄でデイヴィと再会するシーンはデモーナと娘のアンジェラが牢獄で再会するシーンがモデルとされている。
ビル・ターナー(ウィリアム・ターナー・シニア) (William "Bill" Turner Sr.)
演:ステラン・スカルスガルド/柴田秀勝
ウィルの父親。通称「靴ひもの(ブーツストラップ)ビル(Bootstrap Bill)」。顔や体にヒトデフジツボサンゴ礁のような魚介類がくっついている。
第2作から登場した。昔バルボッサの反乱に唯一反対したため、バルボッサによって靴紐に砲弾を括り付けられ海へ落とされた。だが、その時アステカの金貨の呪いが掛かっていたため死ななかった。そのあとにデイヴィ・ジョーンズに拾われて、契約を交わしフライング・ダッチマン号の船員となる。第2作ではジャックの13年間の契約が切れた事を伝えに行くため、ジョーンズの使者としてジャックのもとに送り出される。その後、フライング・ダッチマン号に乗り込んできたウィルと再会。その夜ジョーンズの宝箱の鍵を盗むウィルに協力し、ウィルを船から脱出させる。その後、自分の罪がバレてしまいジョーンズによって独房に閉じ込められる。
第3作では深海生物化が激しく進行しており、既に船の一部になりかけていた上に、思考回路もほとんど消え失せていた。船上での戦いでは息子のウィルの顔も覚えておらず、ただウィルに襲い掛かるだけであった。しかし、最終的にウィルのことを思い出し、デイヴィ・ジョーンズに飛びかかった。その後ジョーンズはウィルによって心臓を刺されたため、ウィルを新しい船長にするために心臓をえぐりだした。ウィルはその後船とともに復活し、ビルを含む船員は人間の姿へと戻った。ベケット卿を倒した後、新たなフライング・ダッチマン号の操舵手(吹き替えでは「舵取り」)として、船長となった息子のウィルについていく。
マッカス(Maccus)
演:ダーモット・カーネイ→ステファン・スタントン/広瀬正志
フライング・ダッチマン号の乗組員の一人。顔は殆どシュモクザメと化し、背中からは背骨の様に足の生えた海老の腹が突き出ている。武器は主に斧。
ハドラス(Hadras)
演:ホークワン・トセ
頭が巻貝になっており、顔が180度回転すると大きなヤドカリが出てくる。普通の人間より首が弱いらしく、ジャックが投げたヤシの実で頭が捥げた。頭と胴体は意識を共有していないらしい(頭を置き去りに身体だけ船に帰るなど)。第3作で、落ちてきたチェストにより頭が胴体にめり込んで、そのまま渦に落ち死亡。武器は主にナックルダスター。
コレニコ(Koleniko)
演:クライブ・アシュボーン
上半身が殆どフグになっている乗組員。武器は主に剣。
パリフィコ(Palifico)
演:ウィンストン・エリーズ
身体がサンゴで眼球が無く、代わりに線虫が生えている乗組員。口らしき部分が見当たらないが、ジャックがクラーケンに倒された際、「船と沈んで逝く船長…(The captain goes down with his ship.)」と言葉を発している。二刀流。
グリーンベアード(Greenbeard)
顔が殆どワニのようになり、人間の原型を留めていない乗組員。首を「パキッ」と鳴らすように傾ける癖がある。全身が明らかに他の船員よりも大量の海草に覆われており、ギリースーツのようになっている。小説版では甲板長を務めるが、映画版では獣のような声しか上げられないので操舵手になっている。第3作ではシンガポール海賊の一人を完膚無きまでに痛めつけていた。
ジミー・レッグス(Jimmy Legs)
演:クリストファー・アダムソン/斎藤志郎
フライング・ダッチマン号の甲板長。デザイン画では操舵手。
クランカー(Clanker)
演:アンディ・ベックウィズ
髪の毛が海草の乗組員。ジャックによって渦に突き落とされ死亡。
ペンロッド(Penrod)
演:ピーター・ドナルド・バダラメンティ2世
身体が殆ど海老と化してしまい、人間の面影が右腕にしかない乗組員。ブラックパール号におけるマーティの様な立ち位置。
ウィバーン(Wyvern)
身体が船壁と同化している乗組員。普段は意識がなく、右腕は常にランタンを掲げている。

アン女王の復讐号

黒ひげ (Blackbeard)
演:イアン・マクシェーン/勝部演之
第4作で登場する海賊。「アン女王の復讐号」(Queen Anne's Revenge)の船長。本名はエドワード・ティーチ
一般の船乗りだけでなく海賊からも恐れられる史上最恐の海賊。アトランティスで鍛えられたと伝えられる「トリトンの剣」と呼ばれるカットラスを持ち、さらにその剣に埋め込まれた宝石の力によって、潮の流れ・風の流れも自由に操る事ができる。その為、彼は自他関係なく船を操り、風が無くとも自由に動かせる。さらにブードゥー教の秘儀らしき術の心得があり、呪いの人形を作ったり殺した部下をゾンビとして復活させ永久に仕えさせている。戦った相手の船を小さくし瓶に入れ集めている。冷酷無比な性格で、指示に背き勝手な行動をした船員は、娘のアンジェリカの訴えさえも無視して容赦なく殺す。第3作から第4作の間にバルボッサと戦闘し、ブラックパール号と片脚を奪った。
「2週間後に「義足の男」に殺害される」という予言を受け、それを回避するべく生命の泉を探す。遂に生命の泉にたどり着くも、バルボッサ率いるイギリス海軍とスペイン軍が現れ交戦。その最中、「義足の男」バルボッサに猛毒を塗った剣で背後から刺された。その後、命を取り戻す為にアンジェリカを犠牲にして生命の泉の水を飲むが、それはジャックの策略で、実はアンジェリカに命を与える水であった。そのためアンジェリカは助かったが、自身は泉に寿命と肉体を奪われ死亡した。
アンジェリカ (Angelica)
演:ペネロペ・クルス/本田貴子
第4作で登場する女海賊。「アン女王の復讐号」の航海士で、黒ひげの娘。かつては修道女で、ジャックとは恋愛関係にあった。
ジャック・スパロウを騙って「アン女王の復讐号」の乗組員を集め、さらに生命の泉の在り処を知るジャック本人も捕え、父である黒ひげを死の予言から救おうとする。
父の死後は全てを失い、ジャックに自決用の弾が入った拳銃を渡され、無人島に置き去りにされた(その拳銃でジャックを撃つが、外してしまった)。その後、無人島に流れ着いたジャックのブードゥー人形を拾い、笑みを見せるシーンがある。

その他

エドワード・ティーグ (Edward Teague)[1]
演:キース・リチャーズ/小林清志
ジャック・スパロウの父。大海賊モーガンとバーソロミュー[2]が書き記した「海賊の」の番人。第3作から登場。
掟の従いに忠実であり、掟を犯す者は誰であろうが容赦しないため、9人の伝説の海賊達からも恐れられている。妻の干し首(頭部のミイラ)を携帯している。旗艦はミステリアス・レディ号。第4作では、ロンドンでジャックと再会し、「生命の泉」における儀式の準備についてアドバイスをした。
ティア・ダルマ (Tia Dalma)
演:ナオミ・ハリス/高乃麗
ブードゥー教の預言者。第2作から登場。
家の中は白い蛇など色々な怪しい物体で溢れ返っている。昔からジャックと関係があった。正体は海の女神カリプソであり、過去にデイヴィ・ジョーンズと再会する約束を破り、激昂したジョーンズと彼と取引をした9人の伝説の海賊達によって、人間の体に封じられた。
第2作の最後では自宅に来たウィル達に、クラーケンに飲み込まれたジャックを、世界の果てへ赴いて助け出そうと提案し、魔術で復活させたバルボッサを紹介する。
第3作で彼女の正体が判明する。難破船島で行われた評議会の後、バルボッサ達によって解放の呪文を唱えられ、ようやく解放された。ウィルに裏切り者がジョーンズだと告げられると、神々の言葉で海賊を侮辱し、無数のカニに分裂して海へと消えた。その後、急に天候が悪化し、海には巨大な渦ができ、ジョーンズはそれがカリプソの仕業だと考えた。
タイ・フアン (Tai Huang)
演:レジー・リー
サオ・フェンの手下。ジャック・スパロウ救出の旅に同行する。

脚注

  1. ^ 名前は小説「自由の代償」第2章より。
  2. ^ バーソロミュー・ロバーツまたはバルトロメウ・ポルトゥゲス英語版と思われる。