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'''ハワイ語'''({{Lang-haw|ʻŌlelo Hawaiʻi}})は、[[オーストロネシア語族]]に属し、[[ハワイ諸島]]先住民の[[ポリネシア人]]であるハワイ人の先祖代々の言語である。[[英語]]とともに[[ハワイ州]]の公用語に指定されている。特徴として、例えばWIKIPE'''D'''IAがWIKIPE'''K'''IAとなる等、本来「t」と「k」を区別しない点などが挙げられる。近縁の[[ポリネシア語]]と同様に、用いられる[[音素]]が非常に少ないことである(後述する[[#ハワイ語のアルファベット]]の章を参照のこと)。この音素の「t」の発音は[[ハワイ諸島]]の[[カウアイ島]]側の地域で一般的であり、「k」の発音は[[ハワイ島]](Big island)側の地域で用いられる{{要出典|date=2011年8月|title=★異音として前舌母音の後では t になる、という話を聞いたことがあります。}}。 |
'''ハワイ語'''({{Lang-haw|ʻŌlelo Hawaiʻi}})は、[[オーストロネシア語族]]に属し、[[ハワイ諸島]]先住民の[[ポリネシア人]]であるハワイ人の先祖代々の言語である。[[英語]]とともに[[ハワイ州]]の公用語に指定されている。特徴として、例えばWIKIPE'''D'''IAがWIKIPE'''K'''IAとなる等、本来「t」と「k」を区別しない点などが挙げられる。近縁の[[ポリネシア語]]と同様に、用いられる[[音素]]が非常に少ないことである(後述する[[#ハワイ語のアルファベット]]の章を参照のこと)。この音素の「t」の発音は[[ハワイ諸島]]の[[カウアイ島]]側の地域で一般的であり、「k」の発音は[[ハワイ島]](Big island)側の地域で用いられる{{要出典|date=2011年8月|title=★異音として前舌母音の後では t になる、という話を聞いたことがあります。}}。 |
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ハワイ語は、[[サモア語]]、[[マオリ語]]などの[[ポリネシア語]]とごく近い関係にあり、 |
ハワイ語は、[[サモア語]]、[[マオリ語]]などの[[ポリネシア語]]とごく近い関係にあり、[[マレー諸島]]や[[マダガスカル]]の言語ともやや遠いが、「親類関係」にあたる。 |
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ハワイアン・[[クレオール]]とも呼ばれるハワイの混成語は[[英語]]を元にした地域言語であり、ハワイ語や、[[製糖]]・[[パイナップル]]栽培等の為に雇われた[[日本人]]や[[中国人]]を主とする移住民が持ち込んだ、[[アジア]]の言語からも一部の語彙を借用している。 |
ハワイアン・[[クレオール]]とも呼ばれるハワイの混成語は[[英語]]を元にした地域言語であり、ハワイ語や、[[製糖]]・[[パイナップル]]栽培等の為に雇われた[[日本人]]や[[中国人]]を主とする移住民が持ち込んだ、[[アジア]]の言語からも一部の語彙を借用している。 |
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ハワイ語も上記特徴にもれない。 |
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表記系においては、[[サモア語]]や[[タヒチ語]]などと同様、音素とアルファベットがほぼ完全に一対一対応している。 |
表記系においては、[[サモア語]]や[[タヒチ語]]などと同様、音素とアルファベットがほぼ完全に一対一対応している。 |
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ハワイ語に用いるアルファベット({{lang|haw|ka |
ハワイ語に用いるアルファベット({{lang|haw|ka pīʻāpā Hawaiʻi}} ; カピーッアーパーハワイッイ)は以下の13字<ref>[[ニューギニア]]の[[ロトカス語]](11文字)、[[ピラハー語]](10文字)などとともに、最も構成字種数の少ない表記系のひとつであるとされる。</ref>。 |
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長母音は[[マクロン]](ハワイ語: {{lang|haw|kahakō}} ; カハコー)を使って表す。 |
長母音は[[マクロン]](ハワイ語: {{lang|haw|kahakō}} ; カハコー)を使って表す。 |
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*[[母音]] : {{lang|haw|a, e, i, o, u}} |
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*[[子音]] : {{lang|haw|p, k, m, n, w, l, h, ʻ}} |
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これらの音価はおおむね字のとおりだが、[[アポストロフィ]]に似た文字「{{lang|haw| |
これらの音価はおおむね字のとおりだが、[[アポストロフィ]]に似た文字「{{lang|haw|[[ʻ]]}}」は、オキナ({{lang|haw|ʻokina}} ; 後述)と呼ばれる[[声門閉鎖音]] {{IPA|ʔ}} である。 |
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音素の少なさから多くの[[異音]]が許されている。たとえば {{ipa|k}} は[[前舌母音]]の前で {{IPA|t}} 音に調音されることがよくあるし、{{ipa|w}} が {{IPA|v}} に近く発音されることも多い。 |
音素の少なさから多くの[[異音]]が許されている。たとえば {{ipa|k}} は[[前舌母音]]の前で {{IPA|t}} 音に調音されることがよくあるし、{{ipa|w}} が {{IPA|v}} に近く発音されることも多い。 |
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ハワイ語は、[[言語類型論]]において「[[摩擦音]]が1つしかない言語ではその摩擦音は [s] である」という説の反証でもある(ハワイ語唯一の摩擦音は [h] )。 |
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=== オキナ === |
=== オキナ === |
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ハワイ語の表記に用いられるアポストロフィに似た形の字母のこと。子音の一種・[[声門閉鎖音]] {{IPA|ʔ}} を表す文字である。 |
ハワイ語の表記に用いられるアポストロフィに似た形の字母のこと。子音の一種・[[声門閉鎖音]] {{IPA|ʔ}} を表す文字である。 |
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たとえば、「ハワイ」「オアフ」の本来の発音はそれぞれ {{IPA|ha.ˈvai.ʔi}}<ref>カナで表すなら「ハワイッイ」「ハヴァイッイ」。ただし4拍で発音すること。日本語風に「ッ」で1拍とってはいけない。</ref>、{{IPA|o.ˈʔa.hu}} ([[国際音声記号|IPA]])であるが、これをそれぞれ {{lang|haw| |
たとえば、「ハワイ」「オアフ」の本来の発音はそれぞれ {{IPA|ha.ˈvai.ʔi}}<ref>カナで表すなら「ハワイッイ」「ハヴァイッイ」。ただし4拍で発音すること。日本語風に「ッ」で1拍とってはいけない。</ref>、{{IPA|o.ˈʔa.hu}} ([[国際音声記号|IPA]])であるが、これをそれぞれ {{lang|haw|Hawaiʻi}}、{{lang|haw|Oʻahu}} のように綴る。 |
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[[ユニコード]]などでは正式には「{{lang|haw|ʻ}}」(U+02BB)を用いるが、対応していない[[フォント]]や[[ウェブブラウザ]]では正しく表示されないので、シングルクォートの開き「‘」(&#x2018;)が妥協案。左に傾いた引用符「`」 (backtick) や下が太い引用符を使うこともしばしばある。 |
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== 広く知られたハワイ語 == |
== 広く知られたハワイ語の語句 == |
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*{{仮リンク|アロハ (挨拶)|label=アロハ|haw|aloha|preserve=1}} |
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*{{仮リンク|アロハ・オエ|haw|Aloha ʻOe|preserve=1}} - ハワイ王国の歌。 |
*{{仮リンク|アロハ・オエ|haw|Aloha ʻOe|preserve=1}} - ハワイ王国の歌。 |
2015年7月5日 (日) 04:20時点における版
ハワイ語 | |
---|---|
ʻŌlelo Hawaiʻi | |
話される国 | アメリカ |
話者数 | 1000から2000人 |
話者数の順位 | 100位以下 |
言語系統 | |
表記体系 | ラテン文字 |
公的地位 | |
公用語 | ハワイ州 |
言語コード | |
ISO 639-2 |
haw |
ISO 639-3 |
haw |
消滅危険度評価 | |
Critically endangered (Moseley 2010) |
ハワイ語(ハワイ語: ʻŌlelo Hawaiʻi)は、オーストロネシア語族に属し、ハワイ諸島先住民のポリネシア人であるハワイ人の先祖代々の言語である。英語とともにハワイ州の公用語に指定されている。特徴として、例えばWIKIPEDIAがWIKIPEKIAとなる等、本来「t」と「k」を区別しない点などが挙げられる。近縁のポリネシア語と同様に、用いられる音素が非常に少ないことである(後述する#ハワイ語のアルファベットの章を参照のこと)。この音素の「t」の発音はハワイ諸島のカウアイ島側の地域で一般的であり、「k」の発音はハワイ島(Big island)側の地域で用いられる[要出典]。
ハワイ語は、サモア語、マオリ語などのポリネシア語とごく近い関係にあり、マレー諸島やマダガスカルの言語ともやや遠いが、「親類関係」にあたる。
ハワイアン・クレオールとも呼ばれるハワイの混成語は英語を元にした地域言語であり、ハワイ語や、製糖・パイナップル栽培等の為に雇われた日本人や中国人を主とする移住民が持ち込んだ、アジアの言語からも一部の語彙を借用している。
ハワイ語のISO言語コードは haw である。
ハワイ語の現状
消滅の危機
ハワイ語は現在では消滅危機言語である。ハワイ諸島のほとんどの地域ではハワイ語は英語にとってかわられており、日常会話にはもはや使われてはいない。例外的に、ニイハウ島ではいまだ日常会話にもハワイ語を使っているが、それはニイハウ島が個人的に所有されている島であり、外部からの訪問を厳しく制限しているためである。
さまざまな理由により、ハワイ語を話す者の数は1900年ごろの約3万7千人から現在は約1千人にまで減少した。現在生存するハワイ語を母語とする話者の半分は70歳から80歳である。
ハワイ語復興運動
伝統あるハワイ語を復興しようとするハワイ先住民の努力は、ここ十数年のうちに増加してきている。ハワイ語を次の世代に残そうとする家族の子供たちのために、現在ハワイ語による没入法(イマージョン教育)を行う学校が開校されている。また、ローカルラジオ局ナショナル・パブリック・ラジオは「きょうのハワイ語」(Hawaiian word of the day)という番組を放送している。
先住民系のハワイ人は第二言語としてハワイ語の学習を行っているが、モデルとする母語話者がおらず、ハワイ語のつづりも英語の音価に基づいて表記され英語の語順が用いられている。また、19世紀初期まで話されていた純粋なハワイ語を復活させようという人々と、英語や混成語との100年以上にわたる接触によって形作られたハワイ語で育った人々との緊張関係も見られる。
また現在、ハワイ語はハワイ州の公用語の一つとされている。1970年代に公民権運動が盛んになったころからハワイ語の初等・中等教育も盛んになり、例えはハワイ島ヒロでは「ナーヴァヒー校」(Nāwahī School)ができて、ハワイ語で幼稚園から高校まで600人を教育しているような例もある[1]。
音声体系とアルファベット
一般にポリネシアの言語の音声体系はシンプルである。以下のような特徴が一般的。
- 母音は a, e, i, o, u の5種類で、それぞれに長短の区別がある。
- 子音音素の数は少なめで、8 - 11個程度である。
- 音節末に子音が来ない。2重子音は存在しない。母音、子音を V, C とすると、音節は V または CV の形のみ。
ハワイ語も上記特徴にもれない。 表記系においては、サモア語やタヒチ語などと同様、音素とアルファベットがほぼ完全に一対一対応している。 ハワイ語に用いるアルファベット(ka pīʻāpā Hawaiʻi ; カピーッアーパーハワイッイ)は以下の13字[2]。 長母音はマクロン(ハワイ語: kahakō ; カハコー)を使って表す。
これらの音価はおおむね字のとおりだが、アポストロフィに似た文字「ʻ」は、オキナ(ʻokina ; 後述)と呼ばれる声門閉鎖音 [ʔ] である。
長音には必ずアクセントが置かれる。英語のように長さによって母音の音色が変わることはない。
音素の少なさから多くの異音が許されている。たとえば /k/ は前舌母音の前で [t] 音に調音されることがよくあるし、/w/ が [v] に近く発音されることも多い。
ハワイ語は、言語類型論において「摩擦音が1つしかない言語ではその摩擦音は [s] である」という説の反証でもある(ハワイ語唯一の摩擦音は [h] )。
オキナ
ハワイ語の表記に用いられるアポストロフィに似た形の字母のこと。子音の一種・声門閉鎖音 [ʔ] を表す文字である。
たとえば、「ハワイ」「オアフ」の本来の発音はそれぞれ [ha.ˈvai.ʔi][3]、[o.ˈʔa.hu] (IPA)であるが、これをそれぞれ Hawaiʻi、Oʻahu のように綴る。
ユニコードなどでは正式には「ʻ」(U+02BB)を用いるが、対応していないフォントやウェブブラウザでは正しく表示されないので、シングルクォートの開き「‘」(‘)が妥協案。左に傾いた引用符「`」 (backtick) や下が太い引用符を使うこともしばしばある。
広く知られたハワイ語の語句
- アロハ
- アロハ・オエ - ハワイ王国の歌。
- ウィキウィキ - WikipediaなどのWikiの語源である。
- ウクレレ
- オハナ - 家族を意味する。ただし広い意味で使われる。
- フラ
- ホクレア - 古代のポリネシアで用いられていた木造船。
- ロミロミ
- ホ・オポノポノ
- アア溶岩、パホイホイ溶岩
他、ハワイ諸島のうちニイハウ島以東の全島の島名、およびそれら各島の地名の多くはハワイ語である。かつては北西ハワイ諸島の各島にもハワイ語名があった。
書籍
- 木村由香 著『まずはこれだけ ハワイ語』 国際語学社 ISBN 978-4-87731-576-4
- 同上 『はじめてのハワイ語』 小学館
- 同上(監修) 『いっそイラストハワイ単語帳』 小学館