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== 表記 ==
== 表記 ==
[[国際音声記号]]では母音の後ろに記号 {{IPA|ː}} をつけて長母音を表す。短母音は何も記号をつけないことで表される。このほか、{{IPA|ˑ}}(半長音)と {{IPA| ̆}}(超短音、母音の上につける)の記号が用意されている。
[[国際音声記号]]では母音の後ろに記号 {{IPA|ː}} をつけて長母音を表す。短母音は何も記号をつけないことで表される。このほか、{{IPA|ˑ}}(半長音)と {{IPA| ̆}}(超短音、母音の上につける)の記号が用意されている。

==世界の言語に於ける長母音==
[[ヨーロッパ]]では、特に[[ゲルマン語派]]に属する言語([[ドイツ語]]、[[オランダ語]]など)は母音の長短を弁別する言語が多い。ただし、[[英語]]や[[アイスランド語]]では、歴史的には長母音と短母音が対応していたものの、長母音の発音が変化したこと([[大母音推移]]など)により、長短の対応関係が崩壊している。

一方、[[フランス語]]や[[スペイン語]]など[[ロマンス諸語]]は母音の長短の区別を失っている。アクセントなどの関係で長母音が現れることはあるが、これはあくまでも異音であり、意味の弁別に関与しない。


== 英語の長母音・短母音 ==
== 英語の長母音・短母音 ==

2015年3月11日 (水) 04:15時点における版

長母音(ちょうぼいん)とは、母音の持続時間が長いものをいう。これと対照的に持続時間が短いものは、短母音(たんぼいん)と呼ばれる。

概要

長短の違いで意味の弁別を行う言語があり、日本語はその代表的な例である。中にはエストニア語のように短・長・超長の三段階で意味を区別する言語もあるが、非常に珍しい。

アメリカ合衆国で用いられている英語では、アクセントがある緊張母音は長母音になるが、実際の長さ自体は意味の弁別に関与しない。

表記

国際音声記号では母音の後ろに記号 [ː] をつけて長母音を表す。短母音は何も記号をつけないことで表される。このほか、[ˑ](半長音)と [ ̆](超短音、母音の上につける)の記号が用意されている。

世界の言語に於ける長母音

ヨーロッパでは、特にゲルマン語派に属する言語(ドイツ語オランダ語など)は母音の長短を弁別する言語が多い。ただし、英語アイスランド語では、歴史的には長母音と短母音が対応していたものの、長母音の発音が変化したこと(大母音推移など)により、長短の対応関係が崩壊している。

一方、フランス語スペイン語などロマンス諸語は母音の長短の区別を失っている。アクセントなどの関係で長母音が現れることはあるが、これはあくまでも異音であり、意味の弁別に関与しない。

英語の長母音・短母音

英語において「long vowel」(長母音)というと、フォニックス教育の影響から、実際の発音の長短よりも、単語の中にあってその文字名と同じ読み方をされる a・e・i・o・u を指すことが多い。たとえば、baby の /eɪ/、meter の /iː/、tiny の /aɪ/、broken の /oʊ/、humor の /juː/ などは、この意味での「長母音」である。したがって音声学的には記号 [ː] で表される「長母音」であってもそう呼ばれない場合があり(短母音についても同様)、母音の長短について述べるときは混乱を招きやすい。

脚注