「サッカー専用スタジアム」の版間の差分
m編集の要約なし |
編集の要約なし |
||
1行目: | 1行目: | ||
[[ファイル:Rose_Bowl_Stadium_satellite_view.png|thumb|right|300px|[[ロサンゼルス]]の[[ローズボウル (競技場)|ローズボウル]]。[[1994 FIFAワールドカップ|1994年のFIFAワールドカップ]]の決勝戦を実施した他、MLS開幕から暫く[[ロサンゼルス・ギャラクシー]]がホームスタジアムとして用いた。アメリカンフットボールのフィールドしか用意されていないためそのままのフィールドサイズでこれらの試合用いられた。]] |
|||
⚫ | '''サッカー専用スタジアム'''(サッカーせんようスタジアム、{{lang-en| |
||
[[ファイル:Gillette_Stadium.jpg|thumb|right|300px|[[フォックスボロ (マサチューセッツ州)|フォッスボロ]]の[[ジレット・スタジアム]]。NFLの[[ニューイングランド・ペイトリオッツ]]とMLSの[[ニューイングランド・レボリューション]]が共に使用するスタジアムで白い線でアメリカンフットボールのフィールドが、黄色い線でサッカーのフィールドが規定されている。特サイドライン間で余裕をもって人工芝が植えこまれておりアメリカンフットボールのスタジアムとしてはサッカーのフィールドに非常に配慮したスタジアムとなっている。ただし収容人数が68,000人もあり、MLSではかなり過大である。]] |
|||
[[ファイル:Toyota_Park_panorama,_8_June_2013.jpg|thumb|right|300px|[[シカゴ・ファイアー]]のホームスタジアムでサッカー専用スタジアムある[[トヨタパーク]]。上記2施設と比べてスタンドがはるかに小さいことが分かる(収容人数20,000人)。ゴール裏にステージがあり、コンサートの開催も可能である]] |
|||
⚫ | '''サッカー専用スタジアム'''(サッカーせんようスタジアム、{{lang-en-us|Soccer-specific Stadium}})は[[アメリカ合衆国]]の[[サッカー]]選手であり、アメリカ合衆国のサッカークラブや[[アメリカンフットボール]]クラブチームのオーナーを務めた{{仮リンク|ラマー・ハント|en|Lamar Hunt}}により提唱された用語である。フットボールといえば[[アメリカンフットボール]]ないしは[[カナディアンフットボール]]のことを指す北米においてサッカー専用スタジアムとは、{{仮リンク|多目的スタジアム|en|Multi-purpose stadium}}の内、サッカーの試合を開催するために特化したスポーツ用の[[スタジアム]]を指す。よく似た用語に球技専用スタジアムというものもあるが、こちらはサッカーや[[ラグビー]]など[[球技]]全般の使用を想定して建設されたスタジアムを指す。敷地や日程の関係上[[ラクロス]]や[[アメリカンフットボール]]、[[ラグビー]]の試合や[[コンサート]]に使用されることもあるが、サッカー専用スタジアムは基本的にサッカーの試合専用に建設されたスタジアムである。また、アメリカ合衆国のいくつかの施設(例: [[トヨタパーク]]、[[FCダラス・スタジアム]]、[[コロンバス・クルー・スタジアム]])ではスタジアム端の部分にステージが常設されているようなサッカー専用スタジアムも存在する。 |
||
サッカー専用スタジアムは設備や規模の面においてサッカーの試合に適した規格に整備してあることが一般的であり、スコアボード、ビデオスクリーン、VIPルーム、観客席用の屋根などが設けられている。サッカーのピッチは[[国際サッカー連盟|FIFA]]が規定する大きさ、具体的にはゴールライン間100-110m、サイドライン間64-75m<ref>{{cite web|url=http://www.fifa.com/mm/document/affederation/generic/81/42/36/lawsofthegame%5f2010%5f11%5fe.pdf |title=Laws of the Game 2010/2011 |publisher=FIFA |format=PDF |page=7 |accessdate=2013-05-14}}</ref>の大きさに整備されている<ref>公式の[[サッカー競技規則]]では、成人が行う試合においてはゴールライン間90-120m、サイドライン間45-90mの大きさのピッチの使用を認めているものの、国際試合ではより厳しい規定が適用されるためプロサッカーの試合を開催するようなスタジアムでは国際試合を開催できる規模のスタジアムにすることが多い。</ref>。これは[[アメリカンフットボール]]の国際試合を行う際のフィールドの大きさよりもゴールライン間で約10m、サイドライン間では15から20m大きく、[[カナディアンフットボール]]のスタジアムと比較するとゴールライン間はほぼ同等、サイドライン間は10mほど大きい。また、[[キャパシティ|収容人数]]は一般的に試合を間近で見ることができるように少なく設定していることが多く、アメリカ合衆国国内最上位リーグの[[メジャーリーグサッカー]](MLS)では18,000~30,000人、[[北米サッカーリーグ (2011-)|北米サッカーリーグ]](2部)もしくは[[USLプロフェッショナルリーグ]](3部)では5,000人から15,000人の間に収容人数を設定している。MLS開始当初に各チームが使用を余儀なくされていたアメリカンフットボール専用スタジアムの収容人数は一般的に6~8万人であり、[[USLプレミアデベロップメントリーグ]](4部)のチームが使用する競技場の収容人数は1,000~5,000人である。アメリカ合衆国初のサッカー専用スタジアムは[[オハイオ州]]・[[コロンバス (オハイオ州)|コロンバス]]に本拠地を置く[[コロンバス・クルー]]の[[コロンバス・クルー・スタジアム]]であり、カナダ初のサッカー専用スタジアムは[[トロントFC]]が本拠地を置く[[オンタリオ州]]・[[トロント]]の[[BMOフィールド]]であった。 |
サッカー専用スタジアムは設備や規模の面においてサッカーの試合に適した規格に整備してあることが一般的であり、スコアボード、ビデオスクリーン、VIPルーム、観客席用の屋根などが設けられている。サッカーのピッチは[[国際サッカー連盟|FIFA]]が規定する大きさ、具体的にはゴールライン間100-110m、サイドライン間64-75m<ref>{{cite web|url=http://www.fifa.com/mm/document/affederation/generic/81/42/36/lawsofthegame%5f2010%5f11%5fe.pdf |title=Laws of the Game 2010/2011 |publisher=FIFA |format=PDF |page=7 |accessdate=2013-05-14}}</ref>の大きさに整備されている<ref>公式の[[サッカー競技規則]]では、成人が行う試合においてはゴールライン間90-120m、サイドライン間45-90mの大きさのピッチの使用を認めているものの、国際試合ではより厳しい規定が適用されるためプロサッカーの試合を開催するようなスタジアムでは国際試合を開催できる規模のスタジアムにすることが多い。</ref>。これは[[アメリカンフットボール]]の国際試合を行う際のフィールドの大きさよりもゴールライン間で約10m、サイドライン間では15から20m大きく、[[カナディアンフットボール]]のスタジアムと比較するとゴールライン間はほぼ同等、サイドライン間は10mほど大きい。また、[[キャパシティ|収容人数]]は一般的に試合を間近で見ることができるように少なく設定していることが多く、アメリカ合衆国国内最上位リーグの[[メジャーリーグサッカー]](MLS)では18,000~30,000人、[[北米サッカーリーグ (2011-)|北米サッカーリーグ]](2部)もしくは[[USLプロフェッショナルリーグ]](3部)では5,000人から15,000人の間に収容人数を設定している。MLS開始当初に各チームが使用を余儀なくされていたアメリカンフットボール専用スタジアムの収容人数は一般的に6~8万人であり、[[USLプレミアデベロップメントリーグ]](4部)のチームが使用する競技場の収容人数は1,000~5,000人である。アメリカ合衆国初のサッカー専用スタジアムは[[オハイオ州]]・[[コロンバス (オハイオ州)|コロンバス]]に本拠地を置く[[コロンバス・クルー]]の[[コロンバス・クルー・スタジアム]]であり、カナダ初のサッカー専用スタジアムは[[トロントFC]]が本拠地を置く[[オンタリオ州]]・[[トロント]]の[[BMOフィールド]]であった。 |
||
16行目: | 19行目: | ||
{{デフォルトソート:さつかあせんようすたしあむ}} |
{{デフォルトソート:さつかあせんようすたしあむ}} |
||
[[Category:競技場]] |
[[Category:競技場]] |
||
[[Category:サッカー競技 |
[[Category:アメリカ合衆国のサッカー競技施設|*]] |
||
[[Category:サッカーの用語]] |
[[Category:サッカーの用語]] |
||
2015年2月22日 (日) 18:56時点における版
サッカー専用スタジアム(サッカーせんようスタジアム、アメリカ英語: Soccer-specific Stadium)はアメリカ合衆国のサッカー選手であり、アメリカ合衆国のサッカークラブやアメリカンフットボールクラブチームのオーナーを務めたラマー・ハントにより提唱された用語である。フットボールといえばアメリカンフットボールないしはカナディアンフットボールのことを指す北米においてサッカー専用スタジアムとは、多目的スタジアムの内、サッカーの試合を開催するために特化したスポーツ用のスタジアムを指す。よく似た用語に球技専用スタジアムというものもあるが、こちらはサッカーやラグビーなど球技全般の使用を想定して建設されたスタジアムを指す。敷地や日程の関係上ラクロスやアメリカンフットボール、ラグビーの試合やコンサートに使用されることもあるが、サッカー専用スタジアムは基本的にサッカーの試合専用に建設されたスタジアムである。また、アメリカ合衆国のいくつかの施設(例: トヨタパーク、FCダラス・スタジアム、コロンバス・クルー・スタジアム)ではスタジアム端の部分にステージが常設されているようなサッカー専用スタジアムも存在する。
サッカー専用スタジアムは設備や規模の面においてサッカーの試合に適した規格に整備してあることが一般的であり、スコアボード、ビデオスクリーン、VIPルーム、観客席用の屋根などが設けられている。サッカーのピッチはFIFAが規定する大きさ、具体的にはゴールライン間100-110m、サイドライン間64-75m[1]の大きさに整備されている[2]。これはアメリカンフットボールの国際試合を行う際のフィールドの大きさよりもゴールライン間で約10m、サイドライン間では15から20m大きく、カナディアンフットボールのスタジアムと比較するとゴールライン間はほぼ同等、サイドライン間は10mほど大きい。また、収容人数は一般的に試合を間近で見ることができるように少なく設定していることが多く、アメリカ合衆国国内最上位リーグのメジャーリーグサッカー(MLS)では18,000~30,000人、北米サッカーリーグ(2部)もしくはUSLプロフェッショナルリーグ(3部)では5,000人から15,000人の間に収容人数を設定している。MLS開始当初に各チームが使用を余儀なくされていたアメリカンフットボール専用スタジアムの収容人数は一般的に6~8万人であり、USLプレミアデベロップメントリーグ(4部)のチームが使用する競技場の収容人数は1,000~5,000人である。アメリカ合衆国初のサッカー専用スタジアムはオハイオ州・コロンバスに本拠地を置くコロンバス・クルーのコロンバス・クルー・スタジアムであり、カナダ初のサッカー専用スタジアムはトロントFCが本拠地を置くオンタリオ州・トロントのBMOフィールドであった。
北米においてサッカー専用スタジアムは1990年代に初めて使用が開始された。これ以前、アメリカ合衆国のプロサッカーでは主にアメリカンフットボール専用スタジアムを使用してサッカーの試合をしていたが、多くの場合スタジアムは観客数の面では規模が大きすぎ、かつサッカーのピッチの大きさという面では規模が小さいという問題を抱えていた。また、アメリカンフットボールのスタジアムは人工芝を用いていることが多かった。(当時、FIFAの規定ではサッカーの国際試合に人工芝のスタジアムを使用することは禁止されていた)新たに建設された野球場の多くは、収容人数が少なく競技を行うピッチが広いという面においてアメリカンフットボール専用スタジアムよりもサッカーの試合に使用するには都合が良かったものの、これらの野球場はアメリカ合衆国のプロサッカーリーグが活動している時期には一般的に野球チームが使用しており、使用許可が出ることは期待できなかった。従って、アメリカ合衆国のプロサッカーリーグではサッカー専用スタジアムの建設を始めることとなった。
「サッカー専用スタジアム」という用語は時に、サッカーが「フットボール」として知られる国で使用されることがあるが、「フットボール」という用語が一般的な国においては「サッカーのためのスタジアム」という概念がありふれたものであるため、「専用 (Specific)」という用語を用いて区別化をすることは一般的ではない。従って、アメリカ合衆国のアメリカンフットボールやオーストラリアのオージーフットボールなどのように、国内でサッカーよりも一般的な「フットボール」が存在する国、もしくは野球が盛んな国(日本や韓国、中国、台湾などの極東地域、メキシコやパナマなどの中央アメリカ、ドミニカ共和国やプエルトリコなどのカリブ海地域)で使用される用語となっている。また、これらサッカー専用スタジアムという用語を用いる国においても定義は地域によって少しずつ異なるが、一般的にピッチの周辺にオールウエザートラック[3](全天候型陸上トラック)が配置されていないスタジアムであるという特徴を有する。
関連項目
脚注
- ^ “Laws of the Game 2010/2011” (PDF). FIFA. p. 7. 2013年5月14日閲覧。
- ^ 公式のサッカー競技規則では、成人が行う試合においてはゴールライン間90-120m、サイドライン間45-90mの大きさのピッチの使用を認めているものの、国際試合ではより厳しい規定が適用されるためプロサッカーの試合を開催するようなスタジアムでは国際試合を開催できる規模のスタジアムにすることが多い。
- ^ オールウエザートラック - デジタル大辞泉の解説 コトバンク