「美貌の果実」の版間の差分

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; 都築貴英(つづき たかひで)
; 都築貴英(つづき たかひで)
: 総合酒販メーカー「リーベル社」の社長。商談のため訪ねた秋月ワイナリーに娘ともども入り浸るうちにすっかり馴染む。酒の会社の社長なのに酒に弱い。菜苗いわく「酔うと桜貝(のような赤ら顔)。」
: 総合酒販メーカー「リーベル社」の社長。商談のため訪ねた秋月ワイナリーに娘ともども入り浸るうちにすっかり馴染む。酒の会社の社長なのに酒に弱い。菜苗いわく「酔うと桜貝(のような赤ら顔)。」
: エピローグでは秋月菜苗と結婚し、東京へ単身赴任になってしまったことが語られている。また週末になると秋月ワイナリーに高速道路をかっとんでくるため、車も[[ターボチャージャー]]付きのものに買い替えている。
: エピローグでは秋月菜苗と結婚し、東京へ単身赴任になってしまったことが語られている。また週末になると秋月ワイナリーに行くため、高速道路をかっとんでくることから、車も[[ターボチャージャー]]付きのものに買い替えている。
; 都築七実(つづきななみ)
; 都築七実(つづき ななみ)
: 都築貴英の一人娘。父親と一緒に訪れた秋月ワイナリーで、菜苗と仲良くなった。彼女を母のように慕っている。菜苗と瓜二つ。
: 都築貴英の一人娘。父親と一緒に訪れた秋月ワイナリーで、菜苗と仲良くなった。彼女を母のように慕っている。菜苗と瓜二つ。
; [[行基]]
; [[行基]](ぎょうき)
: 歴史上の実在人物。本作には霊魂として登場する。
: 歴史上の実在人物。本作には霊魂として登場する。
: 奈良時代に[[甲州 (葡萄)|甲州葡萄]]の木が生えているのを発見したのは大僧行基であるという言い伝えがあり、本作もこれに基づく。
: 奈良時代に[[甲州 (葡萄)|甲州葡萄]]の木が生えているのを発見したのは大僧行基であるという言い伝えがあり、本作もこれに基づく。

2014年5月14日 (水) 23:49時点における版

美貌の果実』(びぼうのかじつ)は、白泉社花とゆめ」で連載されていた川原泉漫画作品。サブタイトルは「10月はゆがんでる」。

また、同作を表題作とする漫画短編集。

ストーリー

甲州で小さな独立ワイナリーを営む秋月家の母娘は途方に暮れていた。ふらっと訪れたグルメ評論家に絶賛されたせいで注文が殺到し、ワインの発送に追われた父と兄を交通事故で一度に失ったからだ。

そこへ、「恩返しをせんか」と行基の霊に叱咤された、秋月ワイナリー最古の葡萄の木に宿る葡萄の精が、この母娘を助けるために実体化した。

同じ頃、総合酒販メーカー「リーベル社」の社長、都築貴英も商談のため秋月ワイナリーを訪れた。しかし娘の七実が秋月家の菜苗と仲良くなったこともあり、商談そっちのけでワイン作りに勤しむ日々が続く。

葡萄の収穫期になり、リーベル社のライバルメーカーが商談のため秋月ワイナリーを訪れた。それは当時事業がうまくいっていなかったため、産まれたばかりの七実を置いて出て行った貴英の元妻だった。過去の傷に打ちひしがれた貴英は、もう秋月ワイナリーを訪れないと宣言する。しかし、これに反発した七実は家出のように出て行ってしまう。

闇の中迷子になった七実は崖から落ちそうになるが、葡萄野精の最後の力で助けられた。探しに来た一同が見つけた七実は太い葡萄の蔓によって宙吊りになっており、その手には彼が残した葡萄の種がしっかりと握られていた。

登場人物

秋月菜苗(あきづき ななえ)
秋月ワイナリーの「オピニオンリーダー or 家庭内実力者(いばりんぼ)」。お気楽極楽性分な一家のただ一人のしっかり者 (?) で、父兄を交通事故でなくしたあと母を助けワイン作りにいそしむ。
「リーベル社」社長令嬢・都築七実とは七実の父・貴英が親戚縁者を疑うほど瓜二つ。
エピローグでは都築貴英と結婚し正式に七実と親子になったこと、リーベル社と協業し秋月ワイナリーにはリーベル社からのお手伝いの人が来ていること(ただし、秋月ワイナリーの方針に従いお気楽極楽に生産)が語られている。
都築貴英(つづき たかひで)
総合酒販メーカー「リーベル社」の社長。商談のため訪ねた秋月ワイナリーに娘ともども入り浸るうちにすっかり馴染む。酒の会社の社長なのに酒に弱い。菜苗いわく「酔うと桜貝(のような赤ら顔)。」
エピローグでは秋月菜苗と結婚し、東京へ単身赴任になってしまったことが語られている。また週末になると秋月ワイナリーに行くため、高速道路をかっとんでくることから、車もターボチャージャー付きのものに買い替えている。
都築七実(つづき ななみ)
都築貴英の一人娘。父親と一緒に訪れた秋月ワイナリーで、菜苗と仲良くなった。彼女を母のように慕っている。菜苗と瓜二つ。
行基(ぎょうき)
歴史上の実在人物。本作には霊魂として登場する。
奈良時代に甲州葡萄の木が生えているのを発見したのは大僧行基であるという言い伝えがあり、本作もこれに基づく。
葡萄野精(ぶどうの せい)
秋月家の葡萄に宿っている美貌の精霊だが、惰眠をむさぼっているので行基様に叱られている。秋月家の危機に際し、恩返しの為にと実体化する。
行基様が大善寺山梨県東山梨郡勝沼町、作中では「Y県K町」、現甲州市)に植えた甲州葡萄の末裔にして、薬師如来様縁の葡萄樹の直系子孫。
秋月母娘に名前を問われた際に、「葡萄の精」と答えたのだが、それがそのまま苗字「葡萄野」と名前「精」であると勘違いされ「精さん」と呼ばれるようになる。
山本虹益(やまもと にじます)
グルメ評論家。ある時、フランスパンフォアグラチーズを小脇に抱えて秋月ワイナリーに試飲にやってきて、赤、白、ロゼとさんざん飲み倒した。後日、雑誌に派手にかつ親切に高評価に書いたおかげで、小規模ワイナリーであった秋月ワイナリーには異常な数の注文が殺到することになる。
エピローグにおいても、今年の秋月ワイナリーのワインの出来栄えを「大手(リーベル社)との協業があっても変わらぬ味」と賞賛している。
都築七実の母(つづきななみのはは)
かつて、リーベル社が経営困難になった際に、会社再建に追われる貴英と産まれたばかりの七実を捨て離婚。後に別の酒販メーカーの社長と再婚。七実が家出したときに、秋月家一同・貴英と一緒に七実を捜す。
無事に保護された七実から、「ありがとう、おばちゃん。」とお礼を言われ、自分のことを覚えていなかった事にショックを受け、その場を後にする。

コミックス

花とゆめコミックス
白泉社文庫