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== 生態 ==
== 生態 ==
[[海洋]]や[[流氷]]の上などに生息する。群れは形成せず、単独で生活する。[[天敵]]としては[[シャチ]]や[[ヒョウアザラシ]](主に幼獣を食べるが成獣を襲うこともある)が挙げられる。ヒョウアザラシに襲われ、平行な2本の傷跡を持つ個体も多い。
[[海洋]]や[[流氷]]の上などに生息する。群れは形成せず、単独で生活する。[[天敵]]としては[[サカマタ]]や[[ヒョウアザラシ]](主に幼獣を食べるが成獣を襲うこともある)が挙げられる。ヒョウアザラシに襲われ、平行な2本の傷跡を持つ個体も多い。


食性は動物食で、主に[[ナンキョクオキアミ]]を食べるが、[[軟体動物]]、[[魚類]]なども食べる。夜間に表層に浮かぶオキアミを海水ごと口に入れ、臼歯で濾しとり歯の隙間から海水を排出して食べる。名前と異なり[[カニ]]は食べない。
食性は動物食で、主に[[ナンキョクオキアミ]]を食べるが、[[軟体動物]]、[[魚類]]なども食べる。夜間に表層に浮かぶオキアミを海水ごと口に入れ、臼歯で濾しとり歯の隙間から海水を排出して食べる。名前と異なり[[カニ]]は食べない。

2013年11月5日 (火) 16:14時点における版

カニクイアザラシ
カニクイアザラシ
カニクイアザラシ Lobodon carcinophagus
保全状況評価
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 哺乳綱 Mammalia
: ネコ目 Carnivora
: アザラシ科 Phocidae
亜科 : ミナミアザラシ亜科 Monachinae
: ナンキョクアザラシ族
Lobodontini
: カニクイアザラシ属 Lobodon
Gray, 1844
: カニクイアザラシ
L. carcinophagus
学名
Lobodon carcinophagus
(Hombron & Jacquinot, 1842)
和名
カニクイアザラシ
英名
Crabeater seal

カニクイアザラシ(蟹食海豹、Lobodon carcinophagus)は、動物界脊索動物門哺乳綱ネコ目(食肉目)アザラシ科カニクイアザラシ属に分類されるアザラシ。本種のみでカニクイアザラシ属を構成する。

分布

南極大陸周辺。

形態

体長220-230cm。体重200-300kg。体形は細長い。全身は淡灰色の体毛で被われる。

頭部は小型。歯列は門歯が上顎2本、下顎2-4本、犬歯上下2本ずつ、小臼歯上下8本ずつ、大臼歯上下2本ずつの計28-30本の歯を持つ。咬頭は複雑な形状で隙間が多く、主な獲物であるオキアミを水ごと口に含んだ後にオキアミだけ濾し取るのに適している。

新生児の体重は約25kgだが、授乳期間を終えると約120kgまで急増する。

生態

海洋流氷の上などに生息する。群れは形成せず、単独で生活する。天敵としてはサカマタヒョウアザラシ(主に幼獣を食べるが成獣を襲うこともある)が挙げられる。ヒョウアザラシに襲われ、平行な2本の傷跡を持つ個体も多い。

食性は動物食で、主にナンキョクオキアミを食べるが、軟体動物魚類なども食べる。夜間に表層に浮かぶオキアミを海水ごと口に入れ、臼歯で濾しとり歯の隙間から海水を排出して食べる。名前と異なりカニは食べない。

繁殖形態は胎生。オスは氷上でメスの頸部や肩部に噛みつき、交尾を迫る。主に氷上で9-10月に1回に1頭の幼獣を産む。授乳期間は約2-4週間。この際メスと幼獣、オス(血縁とは限らない)からなる小規模な群れ(家族群)を形成する。オスは授乳期間中もメスに交尾を迫るが、メスは激しく抵抗する。授乳期間を終えると幼獣は外敵から身を守るため、群れを形成する。メスは生後2-4年で性成熟する。寿命はオスが30年以上で、メスは約36年。

人間との関係

メスは20世紀半ばには約4年で性成熟していたが、近年は2年半で性成熟する。これは競合相手であったクジラが乱獲により激減したため、それに伴い獲物の量が増加したことが原因と考えられている。

画像

関連項目

参考文献

外部リンク