「対角化」の版間の差分
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(数値的対角化手法) |
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=== 自己共役行列は対角化可能 === |
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;(証明) |
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N が対角化可能であれば正規行列であることは明らか。N が正規行列であれば N は対角化可能であることを示す。 |
N が対角化可能であれば正規行列であることは明らか。N が正規行列であれば N は対角化可能であることを示す。 |
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:<math>R = \frac{N + N^*}{2} , J = \frac{N - N^{*}}{2i}</math> |
:<math>R = \frac{N + N^*}{2} , J = \frac{N - N^{*}}{2i}</math> |
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と正方行列 R と J を定める。このとき R , J は自己共役行列となることから対角化可能。 |
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:<math>N = R + iJ , N^{*} = R - iJ</math> |
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であることから、R , J が同時対角化可能であることを示せば良い。 |
であることから、R , J が同時対角化可能であることを示せば良い。 |
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:<math>R^{2} + J^{2} + iJR - iRJ = R^{2} + J^{2} - iJR + iRJ</math> |
:<math>R^{2} + J^{2} + iJR - iRJ = R^{2} + J^{2} - iJR + iRJ</math> |
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:<math>iJR - iRJ = - iJR + iRJ</math> すなわち、<math>[R , J] = 0</math> |
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したがって、R と J は同時対角化可能であり、N は対角化可能■ |
したがって、R と J は同時対角化可能であり、N は対角化可能■ |
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== 脚注 == |
== 脚注 == |
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2013年10月9日 (水) 16:05時点における版
対角化(たいかくか、英: diagonalization[1])は、正方行列を適当な線形変換によりもとの行列と同値な対角行列に帰着させること。あるいは、ベクトル空間の線形写像に対し、空間の基底を取り替え、その作用が常にある方向(固有空間)へのスカラー倍(固有値)として現れるようにすること。対角化により変換において本質的には無駄な計算を省くことで計算量を大幅に減らすことが出来る。
概要
n 次正方行列 A に対して、 n 次対角行列 D と正則な n 次正方行列 U が存在して、
とできるとき、行列 A は対角化可能であるという。このとき、 であるから、 D の対角成分には A の固有値がならび、その他の非対角成分はすべて 0 となる。
A の固有値を重複を許さず、 とするとき、A が対角化可能であるための必要十分条件は、
かつ、各項が各固有値の重複度と等しいことである。ここで、 は n 次単位行列を表す。 は固有値 の固有空間であるから、この条件はベクトル空間の基底として A の固有ベクトルが取れることを意味している。
A が実対称行列のとき、A は常に対角化可能であり、U として直交行列を取ることができる。また A がユニタリー行列 U を用いて対角化できるためには、 A が正規行列であることが必要十分である。正規行列の中で応用上重要なクラスとして、対称行列とエルミート行列がある。
正方行列の対角化可能条件
自己共役行列は対角化可能
対角化可能行列とは正規行列である
テープリッツ(Toeplitz)の定理 正方行列 N が対角化可能 ⇔ N は正規行列(N*N = NN*)
- (証明)
N が対角化可能であれば正規行列であることは明らか。N が正規行列であれば N は対角化可能であることを示す。
と正方行列 R と J を定める。このとき R , J は自己共役行列となることから対角化可能。
であることから、R , J が同時対角化可能であることを示せば良い。
より
- すなわち、
したがって、R と J は同時対角化可能であり、N は対角化可能■
脚注
参考文献
- 佐武 一郎『線型代数学』裳華房、1974年。
- 新井 朝雄『ヒルベルト空間と量子力学』共立出版〈共立講座21世紀の数学〉、1997年。
関連項目
外部リンク
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