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陸上競技における「走者」との異同
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== 概要 ==
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[[日本]]の[[道路交通法]]上では[[道路]]の上を[[車両]]によらない方法で移動している人のことを意味する。さらに下のような場合も歩行者となる。
[[日本]]の[[道路交通法]]上では[[道路]]の上を[[車両]]によらない方法で移動している人のことを意味する。
そもそも歩行者と
*自転車に乗るのが困難であって、その場所に行くことがやむをえない者
*電車に乗ったからなど、自転車に乗れないにも拘らずその場所に行かざるを得ない者
*車に乗って行った場合であって、歩行体制を取らざるを得ない者
*目などが不自由であって、自転車に乗れない者
のことを指す。
さらに下のような場合も歩行者となる。
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<!---==歩行者の保護==
==歩行者の保護==
歩行者は、サイクリストなどの自転車利用者から優先される立場にある。自転車が追い越そうとして歩行者に怪我をさせた場合、歩行者側の発言は不問になる。
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== 走者と歩行者 ==
== 走者と歩行者 ==

2013年8月1日 (木) 10:09時点における版

歩行者(ほこうしゃ)とは、歩いている人のことを指す。

概要

日本道路交通法上では道路の上を車両によらない方法で移動している人のことを意味する。 そもそも歩行者とは

  • 自転車に乗るのが困難であって、その場所に行くことがやむをえない者
  • 電車に乗ったからなど、自転車に乗れないにも拘らずその場所に行かざるを得ない者
  • 車に乗って行った場合であって、歩行体制を取らざるを得ない者
  • 目などが不自由であって、自転車に乗れない者

のことを指す。 さらに下のような場合も歩行者となる。

  1. 身体障害者用の車いす歩行補助車等又は小児用の車を通行させている者
  2. 自動二輪車、二輪の原動機付自転車又は二輪若しくは三輪の自転車側車付きのもの及び他の車両を牽引しているもの以外)を押して歩いている者

(道路交通法第二条第3項、一部要約)

ただし、上記2.の場合、エンジンがかかっているもの、側車付きのもの、他の車両を牽引しているものは、押して歩いていても歩行者とはみなされないことになっている。また、リヤカーを引いている人は一見歩行者だが、上記の定義から言えば、歩行者ではなく、自転車と同じ軽車両運転者である。

交通規則

歩行者も道路においては、道路交通法の適用を受ける。主な規則を以下に挙げる。歩行者は交通上の弱者とされることが多いが、道路を通行する以上は同法などのルールをきちんと守る必要がある。場合によっては歩行者も交通事故の加害者となりうるのである。

信号機に従う義務(第7条)
信号機の表示に従わなければならない。信号機の表示の意味は道路交通法施行令で規定されている。なお、警察官の手信号は信号機の表示よりも優先する。その他詳細は信号機の項目も参照のこと。
  • 青色の灯火
    • 人の形の記号を有する青色の灯火を含む。歩行者は、進行することができる。なお、法令上は「青色」とされているが、実際の色調については青緑~緑などの差異がある。
  • 黄色の灯火
    • 人の形の記号を有する青色の灯火の点滅を含む。歩行者は、道路の横断を始めてはならず、また、道路を横断している歩行者は、すみやかに、その横断を終わるか、又は横断をやめて引き返さなければならない。
  • 赤色の灯火
    • 人の形の記号を有する赤色の灯火を含む。歩行者は、道路を横断してはならない。
  • 黄色の灯火の点滅および赤色の灯火の点滅
    • 歩行者は、他の交通に注意して進行することができる。
通行止め(第8条)
「通行止め」(301)、「歩行者通行止め」(331) の道路標識がある場合など。なお、「指定方向外進行禁止」の道路標識等は歩行者には適用されない。
対面交通の原則(第10条第1項)
  • 歩道または路側帯(以下「歩道等」)と車道の区別の無い道路においては、道路の右側端に寄って通行しなければならない。路側帯の幅員が歩行者の通行に十分でない場合(幅が著しく狭いために路側帯をはみ出さなければ通行不可能な場合など)も同様である。
  • 道路の右側端が柵のない崖で危険であるなどやむを得ない場合には、道路の左側端に寄って通行できる。
  • なお、この原則は、道路の片側のいずれかまたは両側に、歩道または路側帯(歩行者の通行に十分な幅員を有するもの)のいずれかが存在する場合には適用されない。そのような場合には次の歩道等通行の原則が適用される。
歩道等通行の原則(第10条第2項)
道路の片側のいずれかまたは両側に、歩道または路側帯(歩行者の通行に十分な幅員を有するもの)のいずれかが存在する場合には、そのいずれかの歩道等を通行しなければならない。道路または車道を横断する場合、歩道等が道路工事等や駐停車車両等により塞がって通行できない場合は、この原則の限りではない。また、歩道等の上を通行している限りにおいては、道路全体で見て右側の歩道等を通行する義務は存在しない。
行列(第11条)
学生生徒の隊列、葬列その他の行列及び歩行者の通行を妨げるおそれのある者で、次に該当する行列等は、歩行者の通行を妨げるおそれがあるなどため、歩道や路側帯ではなく、車道をその右側端(自転車道が設けられている車道では、自転車道以外の部分の右側端。以下同じ)に寄って通行しなければならないとされる。
  • 拳銃を除く鉄砲を携帯した自衛隊の行列(100人未満のものを除く)
  • のぼり等を携帯し、かつ、これらによつて気勢を張る行列(100人未満のものを除く)
  • キリンその他大きな動物をひいている者又はその者の参加する行列
また、これらに該当しない行列は、車道をその右側端に寄って通行することができるとされる。
事実上は、児童等による遠足の行列は、危険性が高いため歩道や路側帯を通行させることがほとんどであり、またデモ行進等による行列は警察による交通規制・誘導を伴い車道を通行をする事が多い。行列が自然発生的に車道を通行しようとする場合は自動車との事故に遭遇する危険性が高い(なお、その場合も自動車の運転者の責任は免れないので注意が必要である)。
横断歩道による横断(第12条第1項)
道路を横断しようとする時に、近くに横断歩道がある場合には、その場所まで通行してから横断しなければならない。「近く」とは、判例によると30メートル程度よりも近くにある場合とされている。
斜め横断の禁止(第12条第2項)
スクランブル交差点など、斜め横断可(201の2)の道路標示がある場合を除いては、道路を斜めに横断してはならない。
車両等前後での横断の禁止(第13条第1項)
車両等の直前または直後を横断してはならない。ただし、横断歩道により横断する場合、信号機等に従い横断する場合はこの限りではない。
  • 他の車両等側から見て、車両等の陰から飛び出す形になり、危険であるため、直前・直後の横断が禁止される。バイクや自転車の直前または直後でも横断禁止である。
  • また、車両等の停止・徐行あるいは進行中の区別はなく、いずれにせよ車両等の陰から飛び出す形になるため、横断禁止である。進行中の車両等の直前を横断するのは、いわゆる飛び出しであるが、禁止される。ただし、この規定は車両等側の前方注意義務を直ちに否定するものではない。
「歩行者横断禁止」(332) の道路標識
横断禁止場所(第13条第2項)
「歩行者横断禁止」(332) の道路標識がある場所では、道路を横断してはならない。なお、横断歩道での横断のみ許可する場合には「横断歩道を除く」等の補助標識が付いている。
適用除外
歩行者専用道路や、構造上車両等が入ることを予定していない道路(階段エスカレータ動く歩道地下街、屋内、構内その他歩行者通路等)においては、上記「右側通行の原則」~「横断禁止場所」の規定は適用除外となる。
専用道路の通行禁止(道路法第48条の11、第48条の15、高速自動車国道法第17条)
「自動車専用」(325)、「自転車専用」(325の2)の道路標識等がある道路を通行してはならない。なお、「歩行者専用」(325の4)の道路標識等、「自転車及び歩行者専用」(325の3)の道路標識等がある道路においてはもとより通行できる。歩行者専用道路を参照。
泥酔歩行の禁止(第76条第4項)
飲酒運転が禁止されていることは周知のことであるが、歩行者が「道路において、酒に酔って交通の妨害となるような程度にふらつくこと」も禁止されている。
  • 泥酔歩行が禁止されている理由としては、次のような事柄があげられる。
    • 歩道や路側帯を通行中のその他の歩行者に迷惑である。
    • 無意識のうちに、高速道路に入り込む。
    • いきなり車道に飛び出してきて、避けようとした二輪車が転倒し、乗員が重傷を負う。 など

歩行者の保護

歩行者は、サイクリストなどの自転車利用者から優先される立場にある。自転車が追い越そうとして歩行者に怪我をさせた場合、歩行者側の発言は不問になる。

走者と歩行者

陸上競技の走種目における走者(ランナー)は、道路交通法上は歩行者の扱いを受ける[1]。なお、競技運営上の実務文書では「走者」を競技者のこととし、「歩行者」を「車両」と同等の競技者以外の一般通行者として扱うことがある[2]

関連項目

出典

  1. ^ 「陸上競技連盟・安全対策ガイドライン」p11
  2. ^ 例:「第29回日本平桜マラソン:開催要項」競技規則