「フィップル」の版間の差分
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2013年4月13日 (土) 15:42時点における版
フィップル(fipple)はティン・ホイッスルやリコーダーのような木管楽器に共通して存在する歌口である。詰め栓を意味する。吹き込んだ空気を流し、振動させるために、狭い空気の通り道と尖った刃(リップ)を用いる。
フィップルという語句は、厳密には空気の通り道を作る主に木製のブロックを指す。
「フィップル・フルート」は言い換えれば、横吹きでなく縦吹きのフルートと云うことができる。
仕組み
付随しているリコーダー頭部の模式図で示している、木製のフィップル(A)は奏者の息が空気の通り道(B)に沿うように空気の流れを制約する。Bから出た息は、硬い刃のような構造(C:リップ)に導かれ、共鳴を起こすことで音が鳴る。このような種類の楽器の特徴としては、リップに当たる息の流れが固定されるので、奏者がフルートの場合に必要である、自らのアンブシュア(口形)によって吹き込む空気の束を調整をする必要が無く、ゆえに初心者でもそれ程練習することなく容易に、比較的良い音を鳴らすことができる。
一般的に歌口部分のボア(穴)の内径は、楽器中部のボアの内径の1/32であり、多くの場合長方形もしくは平らな菱形の断面をしている。
歴史
フィップル・フルートには長い歴史があり、リーズ市博物館には鉄器時代に羊の骨で作られたものの例がある。
L. E. マクロウ(L.E. McCullough)は現存する最も古いホイッスルは12世紀に遡ると記しているが、「Feadan の奏者についても、3世紀にまで遡るブレオン法典のアイルランド王の記述の中で言及されている」とも記している[1] 。スコットランド博物館に所蔵されているトゥスクルム・ホイッスル(Tusculum whistle)は、全長14 cm、真鍮または青銅製で6つの音孔を持っている楽器であり、14世紀や15世紀の陶器と共に発見された[2]。
リコーダーは14世紀あるいは15世紀に発展したと考えられているが、これには議論がある。ほとんどの場合その根拠となるのは絵画における楽器の描写である。現存する初期のリコーダーは、1940年にオランダのドルドレヒ(Dordrecht)の城の堀から発見された。これは15世紀初頭のものであるとされている。
フィップルを用いる楽器
- フラジオレット
- ゲムスホルン(Germshorn)
- オカリナは時にフィップル・フルートに分類されるが、楽器の構成部分として、息の流れを制約する空気の通り道を持たない。
- リコーダー
- ティン・ホイッスル
- ドゥヴォイニツェ(Dvojnice)
- フヤラ(Fujara)
- パイプオルガン
参考文献
- オックスフォード英語辞典: fipple, noun: the plug at the mouth of a wind-instrument, by which its volume was contracted.
- L.E. McCullough (1976年). Historical Notes on the Tinwhistle The Complete Irish Tin Whistle Tutor, Oak Publications. ISBN 0-8256-0340-4.
- Nigel Gatherer. The Scottish Whistle.
脚注
外部リンク