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'''郷土料理'''(きょうりょうり)とは、その地域に根付いた産物を使い、その地域独自の調理方法で作られ、地域で広く伝承されている地域固有の[[料理]]<ref>全国料理研究会柊会編『日本の郷土料理』(1974年)のまえがきは「郷土料理は、海の幸、山の幸に恵まれたそれぞれの地方で、材料・気候風土の特徴を十二分に生かした、日本人の食生活の知恵の結晶」と説明。向笠千恵子監修『郷土料理大図鑑』(2008年)は「郷土料理は、農山漁村のくらしのなかでうまれ育ち、その地域の伝統的な調理法で受け継がれ、現在もふるさとの味として食べられている料理」と説明。</ref><!--WP:EL上芳しくない典拠不詳・運営母体不明な検証可能性を満たさない/特筆性も危ういサイト:<ref>[http://www.ghzcomputers.com/rekisi/ 郷土料理の歴史を知ろう]</ref>--><ref>[http://www.tsuji.ac.jp/hp/jpn/ 辻調 郷土料理探訪]</ref>。地域振興・町おこし([[地域おこし]])のために作り上げもしくは宣伝を行う「[[ご当地グルメ]]」や特定の企業が提供する料理、[[土産菓子]]などとは異なる。
'''郷土料理'''(きょうりょうり)とは、その地域に根付いた産物を使い、その地域独自の調理方法で作られ、地域で広く伝承されている地域固有の[[料理]]<ref>全国料理研究会柊会編『日本の郷土料理』(1974年)のまえがきは「郷土料理は、海の幸、山の幸に恵まれたそれぞれの地方で、材料・気候風土の特徴を十二分に生かした、日本人の食生活の知恵の結晶」と説明。向笠千恵子監修『郷土料理大図鑑』(2008年)は「郷土料理は、農山漁村のくらしのなかでうまれ育ち、その地域の伝統的な調理法で受け継がれ、現在もふるさとの味として食べられている料理」と説明。</ref><!--WP:EL上芳しくない典拠不詳・運営母体不明な検証可能性を満たさない/特筆性も危ういサイト:<ref>[http://www.ghzcomputers.com/rekisi/ 郷土料理の歴史を知ろう]</ref>--><ref>[http://www.tsuji.ac.jp/hp/jpn/ 辻調 郷土料理探訪]</ref>。地域振興・町おこし([[地域おこし]])のために作り上げもしくは宣伝を行う「[[ご当地グルメ]]」や特定の企業が提供する料理、[[土産菓子]]などとは異なる。


== 概要 ==
== 概要 ==

2013年3月12日 (火) 03:05時点における版

郷土料理(きょうとりょうり)とは、その地域に根付いた産物を使い、その地域独自の調理方法で作られ、地域で広く伝承されている地域固有の料理[1][2]。地域振興・町おこし(地域おこし)のために作り上げもしくは宣伝を行う「ご当地グルメ」や特定の企業が提供する料理、土産菓子などとは異なる。

概要

郷土料理は、その地域から得られる食材を使っていることが主な特徴で、調理方法も他に見られない独特のものである。家庭料理と重なる事もあり、農業・山林業・漁業を生業としている土地の「ふるさと料理」となる事もある。

郷土料理は様々な理由に伴う地域色が色濃く強く出ている。気候風土や地理条件により得られる食品、調味料に制約があることが影響している場合が多く、また保存方法(→保存食)の違いによっても利用できる食材が異なる。また、気候によっては、発汗を促す香辛料を多用したり、生薬ハーブをとりいれ、より健康にすごせるように工夫がなされることも少なくない。

背景

来歴に歴史の影響が残るものも多く、地元の名士領主が郷土料理の発展に強く関与している場合もある。これらは地域の文化や歴史と不可分である傾向すら見られ、民俗学的にも様々な研究が成されている。調理方法や食材には、周辺地域の関与がみられる場合もあるほか、その地域に居付いた者が伝えたものもあり、地域の歴史や文化を伝えるものともなっている。

多くの場合、郷土料理に挙がるものはある程度の広がりをもつ地域ごとに根強く支持、継承されてきた料理群で構成されているが、交通輸送通信放送)が活発になった19世紀20世紀以降は、次第に様々な地域の郷土料理が都市部を中心に地方や他国の出身者が居付く・その他の地域の出身者が伝え広めるなどの形でや、更には「目新しい飲食店」として根付くなどの形で集められるようになり、また地域によって根付いている郷土料理に他の地方の郷土料理を取り入れるなど、地域に束縛されず様々な場所で様々に変化しながら楽しまれている様子も見られる。知名度を増した料理の一部はファーストフードなどに形を変えながら定着するといった現象も見られ、ピザなどが代表的(→ピザの歴史)だが、例えば近年の日本でイギリスのフィッシュアンドチップスコンビニエンスストアスナックメニューとして登場したりなどしている。

郷土料理の発達に於いては、その地域でしか賞味できない食材というものが多々影響している。これは保存が利かない食材や、逆に寒冷地や乾燥地など保存性がいいことで多用される食材もあるなど、地域の気候風土で他の食材が得られない場合に発達する食文化である。保存手段の存在しなかった生鮮食品(しかも賞味期限が短い)などはその地域で消費するしかないし、輸送の便が悪く他の食材では鮮度が著しく低下してしまうため、限られた食材を最大限に生かそうと地域で得られた食材と組み合わせ何とか食べられるよう創意工夫を凝らしたものも見られ、例えばワニ料理サメを使った料理)のように、食材の性質として保存性が優れていることから内陸地で利用が進んだ魚料理がある。

その一方で、上にも述べたとおり地域の権力者などが関与している場合もある。例えばナポリピッツァイタリアのピッツァ)の「マルゲリータ」のように時の権力者が甚く気に入った結果として名前に関連性が残されたものもみられる。こういった「歴史」はしばしば伝説のようなもので史実かどうか疑わしいものも無い訳ではないが、地域の料理には様々な伝説的逸話も付きまとう。時代によっては権力者が特定の食材を独占したり食用を禁止したりすることで代替食品が発達したり、新しい作物として栽培を奨励することによって利用が進んだりすることもある。ジャガイモなどイモ類ではその栽培の容易さもあって、世界各地の様々な地域で飢饉回避のために栽培が推奨されて広がったが、地域ごとにもともとある食文化の影響を受け、様々な調理法、調味法が採用されて多様性を見せている。

歴史

社会が近代化し食文化が大きく変化して行く中で、地域文化の衰退にも拠りこの郷土料理が失われる文化になっている場合や、他の文化の流入にもより原型が見えにくくなっている場合も出ている。ナショナリズム的な風潮の中ではこういった衰退文化の保存と維持に努める動きもあり、その延長や合流するといった形でスローフード地産地消といった動きも見られる。

脚注

  1. ^ 全国料理研究会柊会編『日本の郷土料理』(1974年)のまえがきは「郷土料理は、海の幸、山の幸に恵まれたそれぞれの地方で、材料・気候風土の特徴を十二分に生かした、日本人の食生活の知恵の結晶」と説明。向笠千恵子監修『郷土料理大図鑑』(2008年)は「郷土料理は、農山漁村のくらしのなかでうまれ育ち、その地域の伝統的な調理法で受け継がれ、現在もふるさとの味として食べられている料理」と説明。
  2. ^ 辻調 郷土料理探訪

参考文献

関連項目