「火車 (小説)」の版間の差分
Ambivalence (会話 | 投稿記録) 韓国での映画化について追記。 |
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2012年に韓国で『'''화차'''(火車)』として映画化されている。脚本・監督は[[ピョン・ヨンジュ]]、出演は[[イ・ソンギュン]]、[[キム・ミニ]]、[[チョ・ソンハ (俳優)|チョ・ソンハ]]。日本では劇場公開されず、『'''火車 HELPLESS'''』の邦題で、[[2013年]][[1月13日]]に[[WOWOW]]で放送 |
2012年に韓国で『'''화차'''(火車)』として映画化されている。脚本・監督は[[ピョン・ヨンジュ]]、出演は[[イ・ソンギュン]]、[[キム・ミニ]]、[[チョ・ソンハ (俳優)|チョ・ソンハ]]。日本では劇場公開されず、『'''火車 HELPLESS'''』の邦題で、[[2013年]][[1月13日]]に[[WOWOW]]で放送された<ref>{{Cite web|url=http://www.wowow.co.jp/pg_info/detail/102153/|title=火車 HELPLESS|映画|publisher=[[WOWOW]]|accessdate=2012-12-22}}</ref>他、同年[[2月6日]]に[[DVD]]が発売予定。原作と異なり、ヒロインの婚約者(原作の栗坂和也)を主人公とし、彼がヒロインの行方を最後まで追い続けるストーリーとなっている。また、休職中の刑事(原作の本間俊介)が「収賄で免職となった求職中の元刑事」、婚約者が「刑事の従弟で動物病院の院長」にそれぞれ設定変更されている他、結末が原作とは別のものになっている。 |
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== 脚注 == |
== 脚注 == |
2013年1月13日 (日) 11:52時点における版
火車 | ||
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著者 | 宮部みゆき | |
発行日 | 1992年7月15日 | |
発行元 | 双葉社 | |
ジャンル | 推理小説 | |
国 | 日本 | |
言語 | 日本語 | |
形態 | 上製本 | |
ページ数 | 358 | |
コード | ISBN 4575231177 | |
ウィキポータル 文学 | ||
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『火車』(かしゃ)は、宮部みゆきのミステリー小説、およびそれを原作としたテレビドラマ作品。
概要
社会問題としての消費者金融のありかたをテーマとしており、サラリーマン金融やカード破産などの借財に翻弄される女の生き様を、彼女のことを追い求める刑事の視点から描く。雑誌「小説推理」に1992年(平成4年)3月号から6月号にかけて連載され、1992年(平成4年)7月に双葉社より単行本が出版され、1998年(平成10年)1月に新潮文庫版が出版された。
第6回山本周五郎賞受賞。「このミステリーがすごい!」ベスト・オブ・ベスト第1位。2008年(平成20年)に賞創設から20年間の1位に輝いた。
書評家の青木知恵は、小説そのものの面白さだけでなく、生き急ぐ現代女性の姿を見つめて共感を得、ミステリに新しい女性読者を呼び寄せたと評価している[1]。
あらすじ
刑事・本間俊介は、犯人確保時に負った傷のために休職していた。そんな彼に、亡くなった妻・千鶴子の親戚で銀行員の栗坂和也が意外な事を頼み込む。謎の失踪を遂げた和也の婚約者・関根彰子を探し出して欲しいという。
和也の話によれば、クレジットカードを持っていないという彰子にカード作成を薦めたところ、審査の段階で彼女が自己破産経験者だということが判明した。事の真偽を問い詰められた彰子は、翌日には職場からも住まいからも姿を消していたとの事だった。
休職中で警察手帳も使えない本間は、彰子の親戚や雑誌記者を装って捜査を開始する。最初に彰子の勤め先を訪ね、社長から彰子の履歴書を見せられた本間は、写真を見て彼女の美貌に驚く。美しいながら、夜の仕事には染まらない清楚な雰囲気が漂っていた。次に、彰子の自己破産手続きに関わった弁護士を訪ねたところ、「関根彰子」は会社勤めの傍ら水商売に手を出しており、容貌の特徴は大きな八重歯だという。勤め先での関根彰子と自己破産した関根彰子は、名前が同じながら容貌も性格も素行も一致しないのだ。
和也の婚約者だった「関根彰子」は、本物の関根彰子に成りすました偽者ではないのか?
だとすると、その正体は?
また、本物の関根彰子はどうなったのか?
調べを進める本間は、都会での1人暮らしの夢からカード破産に陥る女性や、無理なマイホーム購入で離散に陥った一家、実家の借金が原因で追い詰められ、婚家を去らざるを得なかった女性など、借金に翻弄される人生を目の当たりにする。
登場人物
- 本間 俊介[2]
- 42歳、捜査一課刑事、休職中
- 本間 智
- 10歳、俊介の息子
- 本間 千鶴子
- 俊介の妻、故人
- 井坂 恒男
- 本間家の隣人
- カッちゃん
- 智の同級生
- 栗坂 和也
- 29歳、千鶴子のいとこの息子、銀行員
- 碇 貞夫
- 42歳、俊介の同僚
- 関根 彰子
- 偽の関根彰子が現れると同時に姿を消した女性。
- 新城 喬子
- 偽の関根彰子。婚約者を残し失踪した。
- 野村 一恵
- 彰子の同級生
- 本多 保
- 彰子の幼なじみ
- 本多 郁美
- 保の妻
- 関根 淑子
- 彰子の母、故人
- 溝口 悟郎
- 関根彰子の破産手続きをした弁護士[3]
- 今井 四郎
- 今井事務機の社長
- みっちゃん
- 今井事務機の事務員
- 澤木
- 溝口・高田弁護士事務所の事務員
- 青年
- 溝口・高田弁護士事務所の事務員
- 井坂 久恵
- 43歳、恒男の妻、デザイナー
- 片瀬 秀樹
- ローズライン管理課課長補佐
- 須藤 薫
- 喬子の友人
- 木村 こずえ
- 22歳、フリーター
- 倉田 康司
- 喬子の別れた夫
- 市木 かおり
- 喬子の元同居人
- 雑誌記者
- 本間の知人
- 宮城 富美江
- 彰子の知人
- 紺野
- 喫茶バッカスの店主
- 紺野 明美
- 紺野の娘
- 紺野 信子
- 紺野の妻、コーポ川口の大家
- 宮田 かなえ
- 美容室ロレアルサロンの従業員
- ママ
- ライハマのママ
- 菊池
- ライハマのバーテン
- マキ
- ライハマの店員
- 北村 真知子
- 理学療法士
- 境
- 宇都宮署の刑事
- 加藤
- 倉田不動産社員
テレビドラマ
ドラマ |
1994年版
1994年(平成6年)2月5日に土曜ワイド劇場枠で『火車 カード破産の女!』というタイトルでドラマ化された。映画でも高い実績を持つベテラン池広一夫が演出し、クライマックス一場面だけのために大きな喫茶店セットを組むなど、2時間ドラマ枠としては大作の構えとなっている。
出演
- 本間 俊介 - 三田村邦彦
- 新城 喬子 - 財前直見
- 関根 彰子 - 森口瑤子
- 本多 保 - 沢向要士
- 栗坂 和也 - 山下規介
- 木村 こずえ - 吉野真弓
- 本間 智 - 大畑俊
- 本多 郁美 - 菅原あき
- 片瀬 秀樹 - 畠山久
- 碇 貞夫 - 角野卓造
- 今井 四郎 - 奥野匡
- 弁護士 - 小沢象
- 倉田の母 - たうみあきこ
- 倉田 康司 - 船越英一郎
- 溝口 治子 - 山口果林
スタッフ
2011年版
2011年(平成23年)11月5日の21:00〜23:11に「宮部みゆき原作 ドラマスペシャル『火車』」として放送された。製作局は1994年(平成6年)版と同じテレビ朝日。土曜ワイド劇場と同じ時間枠だが、土曜ワイド劇場の作品ではなくスペシャルドラマ(特別番組)として放送された。視聴率17.0%。
出演
- 本間 俊介 - 上川隆也
- 新城 喬子[4] - 佐々木希
- 関根 彰子[5] - 田畑智子(少女期:高須瑠香)
- 碇 貞夫 - 寺脇康文
- 本多 保 - ゴリ(少年期:近藤那由汰)
- 栗原 和也 - 渡辺大
- 片瀬 秀樹 - 鈴木浩介
- 倉田 康司 - 高橋一生
- 須藤 薫 - 井上和香
- 木村 こずえ - 前田亜季
- 本間 智 - 山崎竜太郎
- 本間 千鶴子 - 園英子
- 浜田 ゆき(千鶴子の母) - 茅島成美
- 関根 淑子 - 前川恵美子
- 本多 郁美 - ちすん
- 今野 信子(関根彰子が住んでいたアパートの大家) - 藤真利子
- 葛原 明美(ライハマのママ) - 美保純
- 今井 四郎 - 金田明夫
- みっちゃん - 上間美緒
- 溝口 悟郎 - 笹野高史
- 森田 宏 - 長谷川朝晴
- 小沢 まさる - 谷口高史
- 宮田 かなえ - メイサツキ
- マスター - 草川祐馬
- 受付嬢 - 宇都宮まき
スタッフ
- 脚本:森下直
- 音楽:吉川清之
- 監督:橋本一
- プロダクション協力:東映太秦映画村
- チーフプロデューサー:五十嵐文郎(テレビ朝日)
- プロデューサー:川島誠史(テレビ朝日)、川瀬光(東映)、横塚孝弘(東映)
- 制作:テレビ朝日/東映
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映画
2012年に韓国で『화차(火車)』として映画化されている。脚本・監督はピョン・ヨンジュ、出演はイ・ソンギュン、キム・ミニ、チョ・ソンハ。日本では劇場公開されず、『火車 HELPLESS』の邦題で、2013年1月13日にWOWOWで放送された[6]他、同年2月6日にDVDが発売予定。原作と異なり、ヒロインの婚約者(原作の栗坂和也)を主人公とし、彼がヒロインの行方を最後まで追い続けるストーリーとなっている。また、休職中の刑事(原作の本間俊介)が「収賄で免職となった求職中の元刑事」、婚約者が「刑事の従弟で動物病院の院長」にそれぞれ設定変更されている他、結末が原作とは別のものになっている。