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[[画像:Chorizo1.jpg|thumb|チョリソ (1/4ほど切り取られている)]]
[[画像:Palacioschorizo.jpg|thumb|スペイン産のチョリソ]]


'''チョリソ''' ('''Chorizo''') は[[スペイン]]発祥の[[豚肉]]の[[腸詰]]の[[ソーセージ]]である。日本では'''チョリソー'''、'''チョリーゾ'''とも発音され、豚の[[挽肉]]と[[香辛料|スパイス]]から作られる。
'''チョリソ''' ('''Chorizo''') は[[スペイン]]・[[イベリア半島]]発祥の[[豚肉]]の[[腸詰]]の[[ソーセージ]]。日本では'''チョリソー'''、'''チョリーゾ'''とも発音され、豚の[[挽肉]]と[[香辛料|スパイス]]から作られる。


== 概要 ==
細かく刻んだ豚肉に[[塩]]を混ぜ、[[ニンニク]]や[[パプリカ]]などの[[香辛料]]を加えて[[腸]]に詰め、干して作る。パプリカをたっぷり使うため、赤い色をしていることが多い。
たいていは豚肉が用いられるが、に[[牛肉]]・[[鶏肉]]・[[羊肉]]で作られることもある。
細かく刻んだ豚肉に[[塩]]を混ぜ、[[ニンニク]]や[[パプリカ]]などの[[香辛料]]を加えて[[腸]]に詰め、干して作る。パプリカをっぷり使うため、赤色をしていることが多い。また、辛さに応じてピカンテまたはドゥルセに分類される。多くの場合は豚肉が用いられるが、ごく一部に[[牛肉]]・[[鶏肉]]・[[羊肉]]で作られたものもある。


[[スペイン料理]]を特徴づける食材であり生のままスライスしてボカディージョ([[:es:Bocadillo (pan)|Bocadillo]])の具、[[酒]]などの[[おつまみ]](タパ)したり、[[サンドイッチ]]はさんで食べる。具材として用いる際には、腸詰めの形をそのまま使うのではなく、細かく切ったり中身を取り出してほぐして使うこともしばしば行なわれる。また、[[レンズマメ]]や[[ヒヨコマメ]]などの[[豆|豆類]]と一緒に煮込んで煮込み料理のガルバンサーダ([[:es:Garbanzada|Garbanzada]])、コシード([[:es:Cocido|Cocido]])や、[[ファバーダ]]、ポタヘ([[:es:Potaje|Potaje]])などの具材に使用したり、カルド([[:es:Caldo|Caldo]])などのスープにも入れられる。
煮物に入れられるなど、[[スペイン料理]]を特徴づける重要な食材となっている。[[16世紀]]にスペインが[[ラテンアメリカ|中南米]]を征服してからは、この食文化は中南米にも伝わり根付いた。今ではチョリソは[[メキシコ料理]]などの中南米の食文化にも欠かせないものとなっている。例えば、[[メキシコ]]では[[トルティーヤ]]にチョリソを挟んで食べることが多い。


[[16世紀]]にスペインが[[ラテンアメリカ|中南米]]を征服して以降、このチョリソ[[中南米]]にも伝わり根付いた。今では[[メキシコ料理]]などの中南米の食文化にも欠かせないものとなっている。例えば、[[メキシコ]]では[[トルティーヤ]]や[[ブリトー]]にチョリソを挟んで食べることが多い。また、特に[[トルーカ]]でチョリソ作りが盛んであり、[[トマティーヨ]]、[[コリアンダー]]、[[唐辛子]]、[[ニンニク]]を入れた、緑のチョリソーが名産である
現在[[日本]]で入手できるチョリソの多くは強い辛みを持つが、スペインのチョリソは辛みが少ない。これは、チョリソがメキシコに伝わってから[[唐辛子]]系の調味料が多く使われるようになり、日本にはメキシコの料理として紹介されたためである。このため日本では「チョリソとは辛いソーセージである」という認識を持つ人が少なくないが、今でもスペインではこの辛くないチョリソが一般的である。


日本ではチョリソの商品名で市販されているソーセージ、単に辛く味付けしたウィンナー・ソーセージある多い。これはあくまで辛いウインナーであって、チョリソとは全く異なる。
現在[[日本]]入手できるチョリソの多く強い辛みを持つメキシコ風のものが多い(本来のスペイン分のチョリソは辛みが少ない)。チョリソの商品名で市販されているソーセージの一部には、本来のチョリソとはまったく異なる、単に辛く味付けしたウィンナー・ソーセージあるため注意必要である。

チョリソは、スライスしてボカディージョ([[:es:Bocadillo (pan)|Bocadillo]])の具にしたり、[[酒]]などの[[おつまみ]](タパ)てそのまま食すことも多いが、小さいものやチョリソ・クリオージョなどは焼いたり、また上記のよう様々な料理の具材としても用いられる。具材として用いる際には、腸詰めの形をそのまま使うのではなく、細かく切ったり中身を取り出してほぐして使うこともしばしば行なわれる。[[レンズマメ]]や[[ヒヨコマメ]]などの[[豆|豆類]]と一緒に煮込んで煮込み料理のガルバンサーダ([[:es:Garbanzada|Garbanzada]])、コシード([[:es:Cocido|Cocido]])や、[[ファバーダ]]、ポタヘ([[:es:Potaje|Potaje]])などの具材に使用したり、カルド([[:es:Caldo|Caldo]])などのスープにも入れられる。


== 関連項目 ==
== 関連項目 ==

2012年9月7日 (金) 13:30時点における版

スペイン産のチョリソ

チョリソ (Chorizo) はスペインイベリア半島発祥の豚肉腸詰ソーセージ。日本ではチョリソーチョリーゾとも発音され、豚の挽肉スパイスから作られる。

概要

細かく刻んだ豚肉にを混ぜ、ニンニクパプリカなどの香辛料を加えてに詰め、干して作る。パプリカをたっぷり使うため、赤い色をしていることが多い。また、辛さに応じてピカンテまたはドゥルセに分類される。多くの場合は豚肉が用いられるが、ごく一部に牛肉鶏肉羊肉で作られたものもある。

スペイン料理を特徴づける食材であり、生のままスライスしてボカディージョ(Bocadillo)の具や、などのおつまみ(タパ)にしたり、サンドイッチにはさんで食べる。具材として用いる際には、腸詰めの形をそのまま使うのではなく、細かく切ったり中身を取り出してほぐして使うこともしばしば行なわれる。また、レンズマメヒヨコマメなどの豆類と一緒に煮込んで煮込み料理のガルバンサーダ(Garbanzada)、コシード(Cocido)や、ファバーダ、ポタヘ(Potaje)などの具材に使用したり、カルド(Caldo)などのスープにも入れられる。

16世紀にスペインが中南米を征服して以降、このチョリソは中南米にも伝わり根付いた。今ではメキシコ料理などの中南米の食文化にも欠かせないものとなっている。例えば、メキシコではトルティーヤブリトーにチョリソを挟んで食べることが多い。また、特にトルーカでチョリソ作りが盛んであり、トマティーヨコリアンダー唐辛子ニンニクを入れた、緑のチョリソーが名産である。

現在日本で入手できるチョリソの多くは強い辛みを持つメキシコ風のものが多い(本来のスペイン分のチョリソは辛みが少ない)。チョリソの商品名で市販されているソーセージの一部には、本来のチョリソとはまったく異なる、単に辛く味付けしたウィンナー・ソーセージもあるため注意が必要である。

関連項目