「韻鏡」の版間の差分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
削除された内容 追加された内容
http://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=%E9%9F%BB%E9%8F%A1&action=submit
6行目: 6行目:


== 形式 ==
== 形式 ==
[[File:Yunjing title page.jpg|thumb|500px|left|『韻鏡』]]
[[画像:yunjing.jpg|600px|left]]<br style="clear: both;"/>
[[画像:yunjing.jpg|thumb|500px|left|『韻鏡』]]<br style="clear: both;"/>
『韻鏡』では『[[広韻]]』の206[[韻]]がのちに大きく[[十六摂]]にまとめられるよう配されており、それが[[韻頭]]の違い「[[等呼|呼]]」(開口呼と合口呼)などにより第一転から第四十三転までの43枚に分けられている。その内訳は通摂(2転)・江摂(1転)・止摂(7転)・遇摂(2転)・蟹摂(4転)・臻摂(4転)・山摂(4転)・效摂(2転)・果摂(2転)・仮摂(2転)・宕摂(2転)・梗摂(4転)・流摂(2転)・深摂(1転)・咸摂(3転)・曾摂(2転)である。1枚の転図は[[内外転]]および呼によって、右端に例えば「内転第一開」のように表題が示される。また横軸には[[声母]](頭子音)が[[五音|七音]]によって分けられ、さらに細かく[[清濁]]4類に分けられており、縦軸には[[韻母|韻]](主母音+韻尾/声調)が平上去入の[[四声]]によって分けられて『[[広韻]]』の韻目で示され、さらに細かく[[四等]]によって分けられている。その内部に『広韻』系の小韻代表字が置かれ、その位置によって発音が示されている。また存在しない音節は円が示されている。
『韻鏡』では『[[広韻]]』の206[[韻]]がのちに大きく[[十六摂]]にまとめられるよう配されており、それが[[韻頭]]の違い「[[等呼|呼]]」(開口呼と合口呼)などにより第一転から第四十三転までの43枚に分けられている。その内訳は通摂(2転)・江摂(1転)・止摂(7転)・遇摂(2転)・蟹摂(4転)・臻摂(4転)・山摂(4転)・效摂(2転)・果摂(2転)・仮摂(2転)・宕摂(2転)・梗摂(4転)・流摂(2転)・深摂(1転)・咸摂(3転)・曾摂(2転)である。1枚の転図は[[内外転]]および呼によって、右端に例えば「内転第一開」のように表題が示される。また横軸には[[声母]](頭子音)が[[五音|七音]]によって分けられ、さらに細かく[[清濁]]4類に分けられており、縦軸には[[韻母|韻]](主母音+韻尾/声調)が平上去入の[[四声]]によって分けられて『[[広韻]]』の韻目で示され、さらに細かく[[四等]]によって分けられている。その内部に『広韻』系の小韻代表字が置かれ、その位置によって発音が示されている。また存在しない音節は円が示されている。



2012年6月8日 (金) 12:25時点における版

韻鏡(いんきょう)とは韻図の一つ。現存する最古の韻図である。

概要

南宋張麟之が入手し、50年に及ぶ研究の後、序文をつけて刊行した(初刊1161年・第二刊1197年・第三刊1203年)。中国では早くに散佚したが、日本に残されており、清末になって清国でも模刻された。

形式

『韻鏡』
『韻鏡』


『韻鏡』では『広韻』の206がのちに大きく十六摂にまとめられるよう配されており、それが韻頭の違い「」(開口呼と合口呼)などにより第一転から第四十三転までの43枚に分けられている。その内訳は通摂(2転)・江摂(1転)・止摂(7転)・遇摂(2転)・蟹摂(4転)・臻摂(4転)・山摂(4転)・效摂(2転)・果摂(2転)・仮摂(2転)・宕摂(2転)・梗摂(4転)・流摂(2転)・深摂(1転)・咸摂(3転)・曾摂(2転)である。1枚の転図は内外転および呼によって、右端に例えば「内転第一開」のように表題が示される。また横軸には声母(頭子音)が七音によって分けられ、さらに細かく清濁4類に分けられており、縦軸には(主母音+韻尾/声調)が平上去入の四声によって分けられて『広韻』の韻目で示され、さらに細かく四等によって分けられている。その内部に『広韻』系の小韻代表字が置かれ、その位置によって発音が示されている。また存在しない音節は円が示されている。