「ジュリエット型潜水艦」の版間の差分
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[[1950年代]]、ソ連海軍の戦力は[[アメリカ海軍]]に比べ劣勢であり、特にアメリカが誇る[[航空母艦|空母]]打撃部隊([[機動部隊]])や水上戦闘艦隊は[[ソビエト連邦|ソ連]]にとって重大な脅威であった。これに対抗すべく、ソ連海軍は対艦ミサイル[[飽和攻撃]]による米艦隊殲滅作戦を企てた。そのため、大量の[[巡航ミサイル]]の運用・発射が可能な[[巡洋艦]]・[[駆逐艦]]・潜水艦などが必要となった。 |
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このため、ソ連海軍は巡航ミサイル潜水艦を構想し、まず実験台として、[[ズールー型潜水艦]]の一部に[[スカッド| |
このため、ソ連海軍は巡航ミサイル潜水艦を構想し、まず実験台として、[[ズールー型潜水艦]]の一部に[[スカッド|R-11]]ミサイルを搭載し、その可能性を検証した。次いで、本格的な巡航ミサイル潜水艦として開発されたのが、651型潜水艦であった。651型は、[[核弾頭]]を装備した艦対艦巡航ミサイル4発を搭載し、対米艦隊ミサイル飽和攻撃部隊の一角を担った。搭載兵装として、当初は慣性誘導型[[対艦ミサイル]]の[[P-5 (ミサイル)|P-5]]、[[P-6 (ミサイル)|P-6]]を搭載していたが、後に衛星誘導型の[[P-500 (ミサイル)|P-500]]に変更されている。 |
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本型は技術的特徴としては、船体構造に[[磁場]]の発生を低下させるために[[オーステナイト]](γ鋼)製の船体構造材を採用し、静粛性向上のため50mmの硬質ゴム製吸音タイルを船体に貼り付けた。居住性も在来艦より改善され、寝台は乗組員1人につき1台の割合で配置され、空気浄化装置、空調設備も完備していた。 |
本型は技術的特徴としては、船体構造に[[磁場]]の発生を低下させるために[[オーステナイト]](γ鋼)製の船体構造材を採用し、静粛性向上のため50mmの硬質ゴム製吸音タイルを船体に貼り付けた。居住性も在来艦より改善され、寝台は乗組員1人につき1台の割合で配置され、空気浄化装置、空調設備も完備していた。 |
2012年3月23日 (金) 05:21時点における版
艦級概観 | |
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運用: | ソビエト連邦海軍 ロシア海軍 |
前級 : | ウィスキー型潜水艦 |
次級: | エコー1型原子力潜水艦 |
就役期間: | 1963年–1994年 |
計画数: | 35隻 |
完工数: | 16隻 |
引退数: | 16隻 |
仕様諸元 | |
種別: | ジュリエット型潜水艦 |
排水量: |
浮上時:3,174ロングトン (3,225 t) 潜航時:4,137ロングトン (4,203 t) |
長さ: | 90 m (281 ft 9 in) |
幅: | 10 m (31 ft 2 in) |
喫水: | 7 m (23 ft) |
推進: |
2基の4,000 shp (3.0 MW) D-43 と 1基の1,750 shp (1.30 MW) 2D-42 ディーゼル機関, 2基の3,000 shp (2.2 MW) PG-141 主機関と 2基の500 shp (0.37 MW) PG-140 静粛電動機, 2基のスクリュー |
速力: |
浮上時:16.8 kn (31.1 km/h), 潜航時:18ノット (33 km/h)(試験時) |
航続距離: |
浮上時:8 knで航行時9,000 海里 (15 km/hで航行時17,000 ), 潜航時:7 knで航行時18,000 海里 (13 km/hで航行時33,000 km) 追加燃料, 潜航時:2.74 knで航行時810海里 (5.07 km/hで航行時1,500 km) |
航海日数: | 800時間潜航, 90日間航海 |
潜航深度: |
235 m (775 ft) 試験, 365 m (1200 ft) 設計上 |
乗員: | 82人 (士官12人, 准士官16人, 水兵54人) |
兵装: | 4基のSS-N-3 シャドック (P-5 または P-6), または SS-N-12 サンドボックス (P-500 4K-80 バザーリト) 核巡航ミサイル, 6門の533 mm (21-inch) 選手魚雷発射管 魚雷18本, 4門の 400 mm (16-inch) 艦尾魚雷発射管と魚雷4本 |
ジュリエット型潜水艦(ジュリエットがたせんすいかん Juliett class submarine)は、ソヴィエト/ロシア海軍の通常動力型潜水艦である。ソ連初の本格的な巡航ミサイル潜水艦として開発された。
ジュリエット型の名称はNATOコードネームであり、ソ連海軍の計画名は651型潜水艦(Подводные лодки проекта 651)である。
概要
1950年代、ソ連海軍の戦力はアメリカ海軍に比べ劣勢であり、特にアメリカが誇る空母打撃部隊(機動部隊)や水上戦闘艦隊はソ連にとって重大な脅威であった。これに対抗すべく、ソ連海軍は対艦ミサイル飽和攻撃による米艦隊殲滅作戦を企てた。そのため、大量の巡航ミサイルの運用・発射が可能な巡洋艦・駆逐艦・潜水艦などが必要となった。
このため、ソ連海軍は巡航ミサイル潜水艦を構想し、まず実験台として、ズールー型潜水艦の一部にR-11ミサイルを搭載し、その可能性を検証した。次いで、本格的な巡航ミサイル潜水艦として開発されたのが、651型潜水艦であった。651型は、核弾頭を装備した艦対艦巡航ミサイル4発を搭載し、対米艦隊ミサイル飽和攻撃部隊の一角を担った。搭載兵装として、当初は慣性誘導型対艦ミサイルのP-5、P-6を搭載していたが、後に衛星誘導型のP-500に変更されている。
本型は技術的特徴としては、船体構造に磁場の発生を低下させるためにオーステナイト(γ鋼)製の船体構造材を採用し、静粛性向上のため50mmの硬質ゴム製吸音タイルを船体に貼り付けた。居住性も在来艦より改善され、寝台は乗組員1人につき1台の割合で配置され、空気浄化装置、空調設備も完備していた。
1960年から建造が開始され、当初は36隻の建造が予定されたが、より高性能な巡航ミサイル原子力潜水艦であるエコー型の完成により、16隻で建造は中止された。
諸元
種類 | 巡航ミサイル潜水艦 |
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建造計画 | 第651号計画 |
NATOコード | Juliet |
基準排水量 | 水上3174t、水中4137t |
寸法 | 全長85.9m、全幅9.7m、喫水6.9m |
速力 | 水上16ノット、水中14ノット |
可潜深度 | 240m |
乗組員 | 82名 |
主機 | ディーゼル発動機(4000馬力)、電動機(3000馬力)、2軸推進 |
兵装 | 533mm発射管(艦首6門、艦尾4門)、巡航ミサイル4発 |
関連項目
脚注
外部リンク
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