「ソード・ワールド2.0リプレイ from USA」の版間の差分

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:ドレイクバロンの息子として生まれながら、種族の証である魔剣を持たなかったため、できそこないとして扱われてきた。自ら剣を鍛えれば一人前になれるのではと考え、奴隷区画の人間の鍛冶師に弟子入りし、その孫娘とも親しくなったが、ある日兄ギュスターヴに呼ばれてみると彼女が食事として供されていた。アンセルムは激昂のあまり兄を斬りつけてそのまま出奔。ギュスターヴの脅威を訴えるために人族の領域へと足を踏み入れた。
:ドレイクバロンの息子として生まれながら、種族の証である魔剣を持たなかったため、できそこないとして扱われてきた。自ら剣を鍛えれば一人前になれるのではと考え、奴隷区画の人間の鍛冶師に弟子入りし、その孫娘とも親しくなったが、ある日兄ギュスターヴに呼ばれてみると彼女が食事として供されていた。アンセルムは激昂のあまり兄を斬りつけてそのまま出奔。ギュスターヴの脅威を訴えるために人族の領域へと足を踏み入れた。
:人族に受け入れられるように努力を重ね、今なお剣を鍛え続けるなど実直な性格だが、同族については激しい憎悪をむき出しにする。過去の経緯から、もはや人族を食することはない(できない)。
:人族に受け入れられるように努力を重ね、今なお剣を鍛え続けるなど実直な性格だが、同族については激しい憎悪をむき出しにする。過去の経緯から、もはや人族を食することはない(できない)。
:隠し特技として、ベレスファースト家に代々伝わる尋問法「悶絶油地獄」を習得している。その詳細はパンツ姿になった全身の肌に油を塗りたくって相手にぬめぬめとからみつくという恐ろしいものである<ref>[[トルコ]]の国技[[ヤールギュレシ]]が発想元。</ref>。アンセルムによれば父と兄、そして叔父のフィルゲンもこの尋問法を使うそうだが、彼の言うフィルゲンが『[[ソード・ワールド2.0リプレイ 新米女神の勇者たち|新米女神の勇者たち]]』に登場するドレイクと同一人物なのかは定かではない。
:隠し特技として、ベレスファースト家に代々伝わる尋問法「悶絶油地獄」を習得している。その詳細はパンツ姿になった全身の肌に油を塗りたくって相手にぬめぬめとからみつくという恐ろしいものである<ref>[[トルコ]]の国技[[ヤールギュレシ]]が発想元。なお、アンセルムのプレイヤーはネタ元として「新作の格闘ゲームの新キャラがヤールギュレシの使い手」という発言をしており、このキャラクターは[[ストリートファイターIV|スーパーストリートファイターIV]]の追加キャラ・[[ハカン]]であると推測される。</ref>。アンセルムによれば父と兄、そして叔父のフィルゲンもこの尋問法を使うそうだが、彼の言うフィルゲンが『[[ソード・ワールド2.0リプレイ 新米女神の勇者たち|新米女神の勇者たち]]』に登場するドレイクと同一人物なのかは定かではない。
;クリフォード(クリフ)
;クリフォード(クリフ)
:人間 / 男 / 17歳 【冒険者技能】マギテック、シューター、レンジャー
:人間 / 男 / 17歳 【冒険者技能】マギテック、シューター、レンジャー

2011年9月25日 (日) 14:27時点における版

『ソード・ワールド2.0リプレイ from USA』(ソード・ワールド2.0リプレイ フロム ユーエスエー)は、グループSNEによるテーブルトークRPG (TRPG) 「ソード・ワールド2.0」のリプレイ集である。ゲームマスター (GM) および執筆はベーテ・有理・黒崎。イラストレーターはH2SO4双葉ますみである。

概要

表題の通り、アメリカ合衆国 (USA) 出身のベーテ・有理・黒崎をGMに据え、彼の視点から見た異文化としての日本のTRPGの描写を交えた作品。黒崎によれば、TRPG発祥の地であるアメリカにはそもそもリプレイという文化は存在せず、インドア系の趣味を持つ子供はごく自然に周囲の年長者からTRPGを教わるという。元来は派生ジャンルであるコンピュータRPGのほうが先行して広く定着した日本において、TRPGを紹介するための読み物として発展したのがリプレイである。その影響があるためか日本人プレイヤーは、時に自ら不利な状況に身を置いてまでも仲間と協力して「物語を創る」ことを目指す傾向があるらしく、個々人の利益を追求するアメリカ式プレイに慣れていた黒崎が新鮮な驚きを覚える様子が1巻で描かれている。

上記のように本作ではGMの個性を強く打ち出しているため、黒崎自身もキャラクター化されてしばしば挿絵に登場する。また、各巻に双葉ますみの4コマ漫画が何話か挿入されており、GMとプレイヤーキャラクター (PC) たちの掛け合いがディフォルメされて描かれている[1]

舞台

《集いの国リオス》の第2の都市リリオがPCたちの拠点となる。リリオは鉱山運営に携わるドワーフ中心の「山派」、河川交易を取り締まるエルフ中心の「河派」、そしてどちらにも属さない「中庸派」の3勢力によって支配されている。中庸派を統括するのはリリオ評議会議長であるが、それぞれ副議長を務める山派と河派のトップが実質的に権力を握っているに等しい。中庸派の戦力として騎士団が存在するが、警邏隊が箔づけのためにそう名乗っているに過ぎず(議会制の国なのでそもそも騎士という身分がない)、山派・河派の私兵団の戦力を越えることも求められていないため、騎士団員は実直だが凡庸な人物ばかりである。

あらすじ

魔剣を持たないドレイクのアンセルムは、悪しき兄ギュスターヴの野望をつぶすため、クリフとともに人族の街リリオを目指していた。旅の途中で冒険者のエリヤ、ウィスト、ミケと知り合った彼らは、そのまま仲間に加わり、自らも冒険者となる。蛮族という出自を抱えつつも、アンセルムは少しずつリリオでの信頼を築いていく。しかしその間にも、リリオを狙うギュスターヴ配下の魔の手は容赦なく襲い来るのだった。アンセルムはいつか兄を越え、人族の中で生きていけるようになるのだろうか。

登場人物

プレイヤーキャラクター

アンセルム・ベレスファースト
ドレイク / 男 / 17歳 【冒険者技能】ファイター、コンジャラー
ドレイクバロンの息子として生まれながら、種族の証である魔剣を持たなかったため、できそこないとして扱われてきた。自ら剣を鍛えれば一人前になれるのではと考え、奴隷区画の人間の鍛冶師に弟子入りし、その孫娘とも親しくなったが、ある日兄ギュスターヴに呼ばれてみると彼女が食事として供されていた。アンセルムは激昂のあまり兄を斬りつけてそのまま出奔。ギュスターヴの脅威を訴えるために人族の領域へと足を踏み入れた。
人族に受け入れられるように努力を重ね、今なお剣を鍛え続けるなど実直な性格だが、同族については激しい憎悪をむき出しにする。過去の経緯から、もはや人族を食することはない(できない)。
隠し特技として、ベレスファースト家に代々伝わる尋問法「悶絶油地獄」を習得している。その詳細はパンツ姿になった全身の肌に油を塗りたくって相手にぬめぬめとからみつくという恐ろしいものである[2]。アンセルムによれば父と兄、そして叔父のフィルゲンもこの尋問法を使うそうだが、彼の言うフィルゲンが『新米女神の勇者たち』に登場するドレイクと同一人物なのかは定かではない。
クリフォード(クリフ)
人間 / 男 / 17歳 【冒険者技能】マギテック、シューター、レンジャー
騎士団の蛮族退治に魔動機師として参加したが、敗退して捕らえられていた。アンセルムによって救出されて以降、彼と行動を共にしている。
「姫騎士」に対して異様な執着を見せており、金属鎧をまとった美しい女性なら誰かれ構わず口説こうとする。味方であればエリヤ、敵であればセレネと、関心の抱き方にはまったく節操がない。命の恩人であるアンセルムを決して見捨てようとしないなど、実際には仲間内で一番のお人好しなのだが、普段の変態的言動がそうした美点を覆い隠している。
エリヤ・キングフィッシャー
人間 / 女 / 17歳 【冒険者技能】プリースト(ザイア)、ファイター
リリオの没落した旧家の出身。高位のザイア神官だった祖母にあこがれており、自らも弱者を守る盾となるべく、髪をバッサリと切り落して騎士団に入った。しかし女性を蔑視する上司を殴り飛ばしてしまい、退団の憂き目にあう。一介の冒険者となった現在でも、ザイア神官としての誓いは忘れていない。
眼と愛用のマニキュアの色にちなんで「翡翠の使い手」の異名を持つ。人の話を真に受ける傾向があり、クリフに振り回されることが多い。
ウィスタリア(ウィスト)
ナイトメア / 女 / 外見15 - 16歳 【冒険者技能】ソーサラー、フェアリーテイマー、セージ(1巻2話より)
やはり旧家の出身。ナイトメアという忌み子として生まれながらも、ほかに後継ぎがいなかったため男子として育てられた。弟が生まれたために用済みとなり、娼館に送られたが、教育だけを受けて客を取らされる前に逃げ出した。男装暮らしの名残で今でも一人称は「ボク」である。
世間知らずを自称するが、実際の言動はかなり現実的である。アンセルムに対してはなにかと辛辣な態度をとる。
ミケ・ルドルフ・タマ
グラスランナー / 女 / 15歳 【冒険者技能】スカウト、フェンサー
名前の由来となった友人2人とバンドを組む約束をしていたが、楽器購入資金のための仕事中に飛空船の上から川へと落下。溺れかけていたところをエリヤとウィストに助けられ、仲間となった。
種族の例にたがわず天真爛漫で、クリフに容赦なく突っ込みを入れる。

リリオの住人

ダルガー・ソーカック
PCたちが所属する冒険者の店〈酔いどれ山羊亭〉を経営するドワーフ。乾酪職人(チーズメイカー)の技能を有し、客に自作のチーズを食べてもらいたがっている。店名の由来でもある、ワインで洗い漬け込んだ山羊乳のチーズ「ドランクンゴート」が名物。
ウルゲン・アルマーク
リリオ評議会副議長にして山派のトップ。「鉱王」の異名を持つドワーフである。グレンダール神官長モリックの知らせを受けてアンセルムの人柄を見極めに現れ、課された試練を乗り越えた彼のことを認める。
イエルウェン・ドラヴリンダル
評議会副議長にして河派のトップ。スタイルの良いエルフ女性。目的のためなら手段を選ばない危険な人物である。
レンバート・スヴェイン
評議会議長。心労のあまりハゲかけた人間の中年男性。娘のレイナは騎士見習いであり、蛮族にさらわれかけたがアンセルムたちによって無事助けられた。
ルージュ
ルビーのように美しい鱗に包まれたリルドラケンで、「美しき鮮紅の竜人」の異名を持つ。レンバート議長の個人的な護衛であり、騎士団の特別顧問も務める。もともとリルドラケンの男女は異種族には区別しにくいが、ルージュの性別は誰も知らない。つやっぽいお姉さま口調でしゃべる。
ハルガン・ソーカック
鉱王ウルゲン配下の中でも虎の子とされる30人のドワーフソーサラー、その名も「ドワーフ爆炎特攻部隊」のリーダー。ファイアボールを連発しながら斧を振り回して進む彼らは驚異的な突破力を誇る。

蛮族

ギュスターヴ・ベレスファースト
アンセルムの兄。優秀だが残忍であり、常に不出来な弟をいじめ、ついにはアンセルムの最愛の女性を「夕食」にしてしまった。
トランプになぞらえた四札将(スートジェネラル)をはじめとする部下を抱えており、リリオに差し向けてくる。
セレネ
四札将のハートであり、「闇夜の姫騎士」の異名を持つナイトメア。迫害されてきた過去から人族を憎んでおり、蛮族にくみするダークナイトとなった。ギュスターヴとは単なる主従関係だが、セレネ自身は彼にあこがれていた。
アンセルムたちにレイナ誘拐を阻まれて捕縛された。牢内ではおとなしくしているが、彼女を「セレ姐さん」と呼んでつきまとってくるクリフに辟易している。冷酷な風を装っているが、尋問の巻き添えで散々な目にあわされたウィストを気遣うなど根はやさしい。
シャドウファング
四札将の監視者であり、必要に応じて粛清も行う暗殺者「ジョーカー」。セレネも知らなかったその正体は、軽視されやすい種族特性を活かして密偵として鍛えられた「コボルド・ニンジャマスター」だった。
捕らわれたセレネの抹殺に動くが、アンセルムたちに返り討ちにあう。彼の所持していた、合言葉に応じて刀身が見えにくくなる魔剣「幻刀・朧」は、ミケの手に渡った。
レーゼン
アンセルムの従兄。気位は高いが才覚には欠け、魔法も苦手としている。ギュスターヴから預かった兵力をみすみす失い、本人もクリフにとどめを刺される。

脚注

  1. ^ 4コマ漫画中のPCは異世界に生きる架空人物ではなく、プレイヤーの姿を描くためのアバターであり、メタフィクション的な表現になっている。
  2. ^ トルコの国技ヤールギュレシが発想元。なお、アンセルムのプレイヤーはネタ元として「新作の格闘ゲームの新キャラがヤールギュレシの使い手」という発言をしており、このキャラクターはスーパーストリートファイターIVの追加キャラ・ハカンであると推測される。

書誌情報

  • ソード・ワールド2.0リプレイ from USA (1) 蛮族英雄 -バルバロスヒーロー- ISBN 978-4-8291-4598-2
  • ソード・ワールド2.0リプレイ from USA (2) 姫騎士襲撃 -プリンセスナイト- ISBN 978-4-8291-4612-5
  • ソード・ワールド2.0リプレイ from USA (3) 竜魔争鳴 -ラヴコンフリクト- ISBN 978-4-8291-4626-2