「六角棒スパナ」の版間の差分

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製品の一部には、上の写真のように長辺の先端が「ボールポイント」と呼ばれる丸い形状の物がある。これはボルトに対してレンチをまっすぐな角度で差し込むことが出来ない場合に、斜めに差し込んだ状態(約30度まで可能)での作業を可能にする工夫である。ただし接触面が少ないため強いトルクをかけると先端が破損する恐れがあるので注意が必要である。[[トルクス]]ボルトには、専用のトルクス用のLハンドルレンチを使用する。
製品の一部には、上の写真のように長辺の先端が「ボールポイント」と呼ばれる丸い形状の物がある。これはボルトに対してレンチをまっすぐな角度で差し込むことが出来ない場合に、斜めに差し込んだ状態(約30度まで可能)での作業を可能にする工夫である。ただし接触面が少ないため強いトルクをかけると先端が破損する恐れがあるので注意が必要である。[[トルクス]]ボルトには、専用のトルクス用のLハンドルレンチを使用する。


ボールポイント六角レンチは[[1964年]]にアメリカのボンダス (BONDHUS) 社ジョン・ボンダスの発明で考案、特許が取得され1967年より販売されている。
ボールポイント六角レンチは[[1964年]]にアメリカのボンダス (BONDHUS) 社ジョン・ボンダスの発明で考案、特許が取得され1967年より販売されている。


== 主なメーカー ==
== 主なメーカー ==

2011年9月23日 (金) 14:14時点における版

六角棒スパナのセット
ボールポイント六角棒スパナの斜め使用
トルクス用Lハンドルレンチ
キャップボルト

六角棒スパナ (ろっかくぼうスパナ、: hex key)は、正六角形の穴を持つ六角穴付きボルト(キャップボルト)や六角穴付き止めねじを固定、または緩めるための工具。主に自転車家具の金属部分などに使用する工具。六角棒レンチ六角レンチヘキサゴンレンチ、メカニックの現場ではヘックスとも呼ばれる。

歴史

記録された最初の開発は、フィラデルフィアStandard Pressed Steel Company(SPS)によって、1911年に実施された[1]

なお、ソケットの先端に六角棒スパナが設けられ、ラチェットハンドルなどと組み合わせて使用するものは六角ビットソケットなどと呼ばれ区別されている。

キャップボルトは現在多くの工業製品に使われているが、構成部品の締結に極めて多くの割合で用いられている自転車業界では六角棒スパナを親しみを込めてアーレンキー またはアレンキー(Allen Key)、アレンレンチ(Allen wrench) という名称で呼んでいる。ただし、一般的にはあまり使われない用語である。アメリカの工具メーカーAllen Manufacturing Companyがこの工具を普及させた事に由来しているとされる[2]。アレンレンチ(Allen wrench)は、1943年にコネチカットのハートフォードにあるAllen Manufacturing Company社(現在は、 アメリカのダナハーグループDanaher Groupのブランド)の商標になっている[3][4]

日本工業規格ではJIS B4648「六角棒スパナ」 Hexagon socket screw keys として規格化されている。

特徴

差し込んだときにレンチとボルトの接触面積が大きいうえ、プラスおよびマイナスドライバーとは異なり、ぴったり対応したサイズしか使用できないため、ボルトが壊れにくく、大きな力をかけられる。六角穴の対辺幅でサイズが決められており、ミリサイズとインチサイズがある。

材質はクロム・バナジウム鋼、クロムモリブデン鋼が全体熱処理され43から53HRCと高くしてある。これは六角棒の曲り部の強度を得る為である。近年(2010年頃)では、この曲り部のしなりを無くする為に丸棒形状として、先端部を削り出して六角としている製品も現れている[5]、その他に先端がマグネット機能付やカラーメッキをしてサイズを判りやすく色分けするなど各社工夫を凝らしている。また表面は黒染め、ニッケルメッキ、クロムメッキなどの処理がされている。錆に強い、マルテンサイト系ステンレス製もある[6]PBスイスツールズの製品は、硬質クロムメッキが施され防錆だけでなく表面硬度も格段に高くなっている[7]

使用方法

携帯用のコンパクトな製品以外は、たいてい長辺と短辺からなるL字形をしている。ボルトをしっかり固定したり、固く締まったボルトを緩めるときなど、大きな力が必要なときは、短辺をボルトに六角穴の底まで完全に差し込み、長辺を持って回す。深さ途中までの差し込みは、スパナの斜め掛けと同じくレンチが外れたり六角穴の角を潰す事になる。逆に力はそれほど必要なく、早回し作業をしたい場合には、長辺を差し込んでドライバーのようにすばやく回す。レンチの長手寸法はJIS規格で決められているが、呼び5以上のサイズについては長辺側のスパナ長さではボルトの必要締め付けトルクを得られないので、パイプを補助具としてレンチの根元まで差し込んで使用する[8]。レンチの角部が摩耗により潰れてきた時には、潰れた部分を角のある部分まで研磨すれば新品として使用できる。但し、研磨時にレンチの焼きが戻らない様に熱くなりすぎないよう注意をする事。

製品の一部には、上の写真のように長辺の先端が「ボールポイント」と呼ばれる丸い形状の物がある。これはボルトに対してレンチをまっすぐな角度で差し込むことが出来ない場合に、斜めに差し込んだ状態(約30度まで可能)での作業を可能にする工夫である。ただし接触面が少ないため強いトルクをかけると先端が破損する恐れがあるので注意が必要である。トルクスボルトには、専用のトルクス用のLハンドルレンチを使用する。

ボールポイント六角レンチは1964年にアメリカのボンダス (BONDHUS) 社ジョン・ボンダスの発明で考案、特許が取得され1967年より販売されている。

主なメーカー

脚注

  1. ^ eHow Development
  2. ^ 『作業工具のツカイカタ』81頁、2002年8月25日13版発行、株式会社大河出版
  3. ^ Thomas Dutton『The Hand Tool Manual』P.22、TSTC Publishing
  4. ^ The History of the Allen Wrench
  5. ^ KTCボールポイントL型ヘキサゴンレンチ
  6. ^ 『DIY道具の便利帳』37頁、2010年9月11日発行、株式会社大泉書店
  7. ^ 『通のツール箱』23頁、2005年6月25日発行、株式会社二玄社
  8. ^ 『作業工具のツカイカタ』80頁、2002年8月25日13版発行、株式会社大河出版

参考文献

  • 『工具の本2010』2010年3月5日発行、学研パブリッシング。
  • 『The Hand Tool Manual』Thomas Dutton、TSTC Publishing。
  • Who invented the Allen Key?

関連項目