「緑の政治」の版間の差分

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みどりの政治は[[環境保護]]・[[環境運動]]を端緒にして始まったが、その後[[平和]][[外交]]、[[人権]]、[[産業]]構造の転換([[持続可能な開発]])、[[教育]]、[[社会保障]]、[[労働]]、[[食料]]など幅広い[[社会問題]]に[[政策]]の領域広げ、平和で持続可能で[[社会正義]]のある新しいエコロジー社会をめざす総合的な政治理念発展をとげた。また環境問題には[[国境]]が存在しめ国際連帯にも熱心であるいっぽうで[[国家]]と関係において営利企業の自由を最優先する[[新自由主義]]的改革(およびその[[グローバル化]])、[[国民国家]]、[[ナショナリズ]]、軍事・治安国家化は批判的であり、この点で「も一つの世界は可能だ」を合言葉に[[世界社会フォーラム]]を開催する[[アルテルモンディアリスム]]とも密接に結びついている。
みどりの政治は保守派・左派双方の流れに由来する[[環境保護]]・[[環境運動]]を端緒にして始まったが、その後は主に[[平和]][[外交]]、[[人権]]、[[産業]]構造の転換([[持続可能な開発]])、[[教育]]、[[社会保障]]、[[労働]]、[[食料]]など幅広い[[社会問題]]に関心持つ左派的な色彩を強め、平和で持続可能で[[社会正義]]のある新しいエコロジー社会をめざす総合的な政治理念となた。思想は[[グローバルーン憲章]]にうたわれている。


[[国家]]との関係においては営利企業の自由を最優先する[[新自由主義]]的改革(およびその[[グローバル化]])、[[国家主義]]、軍事・治安国家化には批判的であり、この点で「もう一つの世界は可能だ」を合言葉に[[世界社会フォーラム]]を開催する[[アルテルモンディアリスム]]とも密接に結びついている。
「新しい社会運動」が源流にあることもあって、みどりの政治は既存の[[左派]]・[[右派]]の軸で分類されることには消極的な場合が多いが、[[新左翼]]や[[アナキスト]]からの参加者があったこともあり、ふつう[[中道左派]]から[[左翼]]の一形態として捉えられる。ただし[[現代]][[文明]]批判・脱物質主義や[[サブカルチャー]]への関心、エコロジー・先住民保護などの文脈から例えば[[代替医療]]や[[スピリチュアリティ]]といったものへの関心が強いことが多い(いわゆる「スピリチュアル・グリーン」に批判的なみどりの政治支持者もいるが)こともあって、[[無神論]]的な[[共産主義]](特に[[マルクス主義]])とは国家論や民主主義論などにおいて、ふつう一線を画するものと考えられている。

「新しい社会運動」が主な源流にとなっていることもあって、みどりの政治は既存の[[左派]]・[[右派]]の軸で分類されることには消極的な場合が多いが、[[新左翼]]や[[アナキスト]]からの参加者があったこともあり、ふつう[[中道左派]]から[[左翼]]の一形態として捉えられる。ただし、みどりの政治のもう一つの流れとして、[[緑の保守主義]]というものもある。ドイツ緑の党は初期には保守派を多く含んでいた経緯もあり、保守思想に依拠するみどりの政治の源流は、ナチス・ドイツ以前にさかのぼる。

みどりの政治支持者には[[現代]][[文明]]批判・脱物質主義や[[サブカルチャー]]への関心、エコロジー・先住民保護などの文脈から例えば[[代替医療]]や[[スピリチュアリティ]]といったものへの関心が強い人々をく含んで(いわゆる「スピリチュアル・グリーン」に批判的なみどりの政治支持者もいるが)こともあって、[[無神論]]的・近代[[合理主義]]的な[[共産主義]](特に[[マルクス主義]])とは国家論や民主主義論などにおいて、ふつう一線を画するものと考えられている。


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2011年5月19日 (木) 13:07時点における版

みどりの政治英語:Green Politics)とは、1970年代以降、世界的に環境主義エコロジー反原発反核反戦・反軍備拡張軍縮)、人種差別撤廃・少数民族保護、脱物質主義多文化主義消費者保護、参加型民主主義草の根民主主義も参照)、フェミニズム社会的弱者人権擁護といった「新しい社会運動」の風潮が進んでいく中で、1980年代にドイツで緑の党が躍進を遂げ、それに呼応するような形で、世界各地で出てきた経済成長企業の業績本位の考え方よりも、「公正持続可能社会」をより優先させようという政治姿勢である。

このような政治主張を基軸として新しい政党緑の党)を組織する動きは世界各地であるし(グローバルグリーンズも参照)、また既成政党のメンバーの中にも、アメリカ民主党アル・ゴアのように、このような政治観を単独で実現しようとする政治家もいる。

2001年グローバルグリーンズ憲章では、次の6大目標を定めた。

みどりの政治は保守派・左派双方の流れに由来する環境保護環境運動を端緒にして始まったが、その後は主に平和外交人権産業構造の転換(持続可能な開発)、教育社会保障労働食料など幅広い社会問題に関心を持つ左派的な色彩を強め、平和で持続可能で社会正義のある新しいエコロジー社会をめざす総合的な政治理念となった。この思想はグローバルグリーンズ憲章にうたわれている。

国家との関係においては営利企業の自由を最優先する新自由主義的改革(およびそのグローバル化)、国家主義、軍事・治安国家化には批判的であり、この点で「もう一つの世界は可能だ」を合言葉に世界社会フォーラムを開催するアルテルモンディアリスムとも密接に結びついている。

「新しい社会運動」が主な源流にとなっていることもあって、みどりの政治は既存の左派右派の軸で分類されることには消極的な場合が多いが、新左翼アナキストからの参加者があったこともあり、ふつう中道左派から左翼の一形態として捉えられる。ただし、みどりの政治のもう一つの流れとして、緑の保守主義というものもある。ドイツ緑の党は初期には保守派を多く含んでいた経緯もあり、保守思想に依拠するみどりの政治の源流は、ナチス・ドイツ以前にさかのぼる。

みどりの政治支持者には、現代文明批判・脱物質主義やサブカルチャーへの関心、エコロジー・先住民保護などの文脈から例えば代替医療スピリチュアリティといったものへの関心が強い人々を多く含んでいる(いわゆる「スピリチュアル・グリーン」に批判的なみどりの政治支持者もいるが)こともあって、無神論的・近代合理主義的な共産主義(特にマルクス主義)とは国家論や民主主義論などにおいて、ふつう一線を画するものと考えられている。