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2011年3月16日 (水) 11:44時点における版

HE-AAC(High-Efficiency Advanced Audio Coding)は、オーディオの圧縮符号化の国際標準化方式であるMPEG-4 AACの拡張仕様であり、MPEG-4 Audio (ISO/IEC 14496-3)においてAACバージョン3として標準化された。

概要

HE-AACでは、Coding Technologiesがmp3PROで採用している Spectral Band Replication(SBR)技術をAACに組み込むことにより、再生帯域を拡大して主に低ビットレートでの圧縮効率を大幅に向上させている。これによりHE-AACは、MPEG-4 AAC Plus SBRや、Coding Technologiesの登録商標であるaacPlusなどの名称でも呼ばれている。

iTunes 9以降やWinampSonicStage等で無料でエンコードが可能である。また『着うたフル』に使用されているコーデックとしても有名。

技術

HE-AACでは、そのレートより若干低いAAC音声データに SBR と呼ばれる部分を追加して記録している。 行程は、はじめに高周波数部分において、圧縮後のサンプリングレートで失われる周波数以上を抜き出す。このとき、エンコード部分に収まる部分との関連性を調べ、SBR部分の情報として圧縮する。その後、低サンプリングレートで通常通りAACとして圧縮を行う。 そして、この二つのデータをセットにして記録する。 デコードする時にはまず、AACをデコードした上で、SBRを使い高音域を予測して生成したデータを合成し、再生を行う。

互換性

HE-AACのデータは、ベースとなるAAC部分に、拡張データであるSBR部分を上乗せする形で符号化されるため、従来のAACしか再生できないプレイヤーでも、音質は劣るもののAAC部分だけを再生できる、という特徴がある。

音質

高音域と中低音を分離した結果、「48kbps程度のレートでCDの音質を実現している」とされるが、一方では「それ以上はビットレートを上げても大して音質が向上しない」性質も併せ持つ。

また、高音域の成分が複雑に入っている音は高音域のノイズが目立ちにくいが、高音域の成分がある程度単調な音ではノイズが乗っているように聞こえることがある(これはSBRの特徴であり、ビットレートを上げてもそれほど改善しない)。

したがって、再生帯域の幅が狭いJ-POP演歌を含む歌謡曲ハードロックトランスなどに向いているが、一方で再生帯域の幅が広いジャズクラシックなどには不向きである。

種類

HE-AACにもいくつかの種類が存在する。しかし、1バイトを除いてほぼ同一であるので、機能に差はない。

ただし、下位互換であるAAC形式のコンテナにはiTunesなどで使用される拡張子がM4Aのものと、Winampなどで使用される拡張子がAACのもの(特にAACPlusと呼ばれる)に互換性がないため注意が必要である。

このため両者の拡張子のみを書き換えても正常に読み込みできないことがある。(特にAACのファイルはau Music Portでは読み込めない)

他にMP4フォーマット(拡張子MP4・3GP)が使用されることがあり、アプリケーションやデバイスによって対応状況が異なる。

MPEG-2 Audio AAC Bandwidth (MPEG-2 HE-AAC)
MPEG-2の構造・用途を用いたHE-AAC。SD-Audio及びモバHO!に使われている(AAC+SBRという名で呼ばれている)
MPEG-4 Audio AAC Bandwidth (MPEG-4 HE-AAC)
MPEG-4の構造・用途を用いたHE-AAC。現在あるものは殆どこちらの規格。

利用例

関連項目

外部リンク