「リングアウト」の版間の差分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
削除された内容 追加された内容
4行目: 4行目:
リングが存在する格闘技においてはリングの上で戦うことが望ましい戦い方とされている。そのため、リングの外に出た場合、または出てから一定期間内にリングに戻れない場合、リングの外に出た競技者を敗北とすることが多い。両者ともリングの外に出ていた場合は[[引き分け]]とすることもある。[[プロレス]]の[[バトルロイヤル]]などでは、リングの外に出た瞬間に失格となる場合もある。
リングが存在する格闘技においてはリングの上で戦うことが望ましい戦い方とされている。そのため、リングの外に出た場合、または出てから一定期間内にリングに戻れない場合、リングの外に出た競技者を敗北とすることが多い。両者ともリングの外に出ていた場合は[[引き分け]]とすることもある。[[プロレス]]の[[バトルロイヤル]]などでは、リングの外に出た瞬間に失格となる場合もある。


[[ボクシング]]やプロレスでは、リングアウトはレフェリーが20カウントを数えた時に宣告されるのが一般的である(よく誤解されるが'''20秒ではない''')。[[全日本プロレス]]の[[PWF]]ルールや[[アメリカ合衆国|アメリカ]]の[[ハワイ]]地区では10カウントであるが、いずれにしても[[タイムキーパー]]が[[時計]]で計測するのではなくレフェリーがカウントをするものであり、したがって必ずしもカウント開始から一直線に進むとは限らない。リング内にいる選手やその[[セコンド]]が、場外の選手がリング内に戻るのを妨害した時に、カウントが止まったり[[リセット]]されたりするのは普通のことであり、それどころか明らかに数[[分]]間場外[[乱闘]]が続いていることすらよくあることである。全日本プロレスのベテラン[[レフェリー (プロレス)|レフェリー]]として親しまれた[[ジョー樋口]]はそのへんの事情について、「[[アブドーラ・ザ・ブッチャー|ブッチャー]]や[[ザ・シーク|シーク]]のような場外乱闘が生き甲斐のような人たちにたった10[[秒]]で何をしろと言うんですか。そこらへんをうまくやりくりするのもレフェリーの仕事なんです」と語っている。
[[ボクシング]]やプロレスでは、リングアウトはレフェリーが20カウントを数えた時に宣告されるのが一般的である(よく誤解されるが'''20秒ではない''')。[[全日本プロレス]]の[[PWF]]ルールや[[アメリカ合衆国|アメリカ]]の[[ハワイ]]地区、[[J-NETWORK]]では10カウントであるが、いずれにしても[[タイムキーパー]]が[[時計]]で計測するのではなくレフェリーがカウントをするものであり、したがって必ずしもカウント開始から一直線に進むとは限らない。リング内にいる選手やその[[セコンド]]が、場外の選手がリング内に戻るのを妨害した時に、カウントが止まったり[[リセット]]されたりするのは普通のことであり、それどころか明らかに数[[分]]間場外[[乱闘]]が続いていることすらよくあることである。全日本プロレスのベテラン[[レフェリー (プロレス)|レフェリー]]として親しまれた[[ジョー樋口]]はそのへんの事情について、「[[アブドーラ・ザ・ブッチャー|ブッチャー]]や[[ザ・シーク|シーク]]のような場外乱闘が生き甲斐のような人たちにたった10[[秒]]で何をしろと言うんですか。そこらへんをうまくやりくりするのもレフェリーの仕事なんです」と語っている。


なお、プロレスでは、リングアウト勝ちは[[ピンフォール|フォール]]勝ちや[[タップアウト|ギブアップ]]勝ちより劣り、両者リングアウトの引き分けは[[時間切れ]]引き分けより劣るというのが一般的な評価である。
なお、プロレスでは、リングアウト勝ちは[[ピンフォール|フォール]]勝ちや[[タップアウト|ギブアップ]]勝ちより劣り、両者リングアウトの引き分けは[[時間切れ]]引き分けより劣るというのが一般的な評価である。
11行目: 11行目:


ボクシングにおいてリングアウトが成立するのは、相手の有効打によるもののみであり、アクシデントでリングの外に出された場合は、試合を止めて選手がリングに戻るのを待つか、戻れなければリング内における偶然の負傷と同じ扱いになる。
ボクシングにおいてリングアウトが成立するのは、相手の有効打によるもののみであり、アクシデントでリングの外に出された場合は、試合を止めて選手がリングに戻るのを待つか、戻れなければリング内における偶然の負傷と同じ扱いになる。

[[K-1]]の場合、有効打によるダウンは取るもののカウントは取らない。J-NETWORKの場合、反則行為以外であれば加撃あるなし関わらずカウントに入る。


==関連項目==
==関連項目==

2011年3月8日 (火) 04:19時点における版

リングアウトとはリングが存在する格闘技において対戦中に競技者がリングの外にいる状態で決着すること。

概要

リングが存在する格闘技においてはリングの上で戦うことが望ましい戦い方とされている。そのため、リングの外に出た場合、または出てから一定期間内にリングに戻れない場合、リングの外に出た競技者を敗北とすることが多い。両者ともリングの外に出ていた場合は引き分けとすることもある。プロレスバトルロイヤルなどでは、リングの外に出た瞬間に失格となる場合もある。

ボクシングやプロレスでは、リングアウトはレフェリーが20カウントを数えた時に宣告されるのが一般的である(よく誤解されるが20秒ではない)。全日本プロレスPWFルールやアメリカハワイ地区、J-NETWORKでは10カウントであるが、いずれにしてもタイムキーパー時計で計測するのではなくレフェリーがカウントをするものであり、したがって必ずしもカウント開始から一直線に進むとは限らない。リング内にいる選手やそのセコンドが、場外の選手がリング内に戻るのを妨害した時に、カウントが止まったりリセットされたりするのは普通のことであり、それどころか明らかに数間場外乱闘が続いていることすらよくあることである。全日本プロレスのベテランレフェリーとして親しまれたジョー樋口はそのへんの事情について、「ブッチャーシークのような場外乱闘が生き甲斐のような人たちにたった10で何をしろと言うんですか。そこらへんをうまくやりくりするのもレフェリーの仕事なんです」と語っている。

なお、プロレスでは、リングアウト勝ちはフォール勝ちやギブアップ勝ちより劣り、両者リングアウトの引き分けは時間切れ引き分けより劣るというのが一般的な評価である。

また、プロレスのリングではリングの外側に場外フェンスと称して鉄柵を設けるのが普通であるが、1980年代新日本プロレスでは「場外フェンスの外に自ら出た場合・相手選手を意図的に出した場合はフェンスアウトとして反則負けになる」という規定があった。フェンスアウトで決着する試合は十分な攻防の無いまま終わる試合が多くファンの評判がすこぶる悪かったため、他の団体に広がることはなく、新日本でも数年間で廃止された。

ボクシングにおいてリングアウトが成立するのは、相手の有効打によるもののみであり、アクシデントでリングの外に出された場合は、試合を止めて選手がリングに戻るのを待つか、戻れなければリング内における偶然の負傷と同じ扱いになる。

K-1の場合、有効打によるダウンは取るもののカウントは取らない。J-NETWORKの場合、反則行為以外であれば加撃あるなし関わらずカウントに入る。

関連項目