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*放送大学のFM放送は、授業は原則としてモノラル放送であるが、広報番組「大学の窓」などの一部番組はステレオで放送される。

放送大学のFM放送は、授業はモノラル放送であるが、広報番組「大学の窓」だけはステレオで放送される。


== 脚注 ==
== 脚注 ==

2010年12月18日 (土) 01:51時点における版

放送大学
正門と校舎
大学設置 1983年
創立 1981年
学校種別 私立
設置者 放送大学学園
本部所在地 千葉県千葉市美浜区若葉2-11
キャンパス 本部
学習センター50か所
サテライトスペース7か所
学部 教養学部
研究科 文化科学研究科
ウェブサイト http://www.ouj.ac.jp/
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放送大学(ほうそうだいがく、英語: The Open University of Japan)は、千葉県千葉市美浜区若葉2-11に本部を置く日本私立大学1981年創立、1983年大学設置。大学の略称放大

概観

大学全体

1981年、「放送」を通じて日本各地へ教育および生涯学習の機会を設けるという趣旨で放送大学学園法(昭和56年法律第80号、以下、旧法と言う)が制定された。旧法に基づいて特殊法人である放送大学学園(以下、旧法人と言う)が1983年に設置した大学が放送大学である。

旧法人は国(国立大学法人及び独立行政法人国立高等専門学校機構を含む)、地方公共団体(公立大学法人を含む)、学校法人のいずれにも該当しない大学であった。このため、放送大学は、国立学校公立学校私立学校のいずれにも該当しない特殊な大学であった。2002年には「特殊法人等整理合理化計画」に伴い、放送大学の設置者を「特別な学校法人」とするため、旧法を改正した放送大学学園法(平成14年法律第156号、以下、新法と言う)が施行された。新法第3条の規定により、現在の放送大学は、特殊な学校法人である放送大学学園(以下、新法人と言う)が設置する私立学校となっている(詳しくは放送大学学園放送大学学園法を参照)。なお、文部科学省のホームページでは国立大学となっていたこともあり(現在は「放送大学」として独立に分類されている[3])、表記の上では国立と同等の扱いをされることが多い[1]。 遠隔教育、生涯教育の公開大学として国際的にわかりやすい大学名とするため、2007年10月1日より大学名の英称を、The Open University of Japan(旧称:The University of the Air)と改めた。英称の変更前から用いられていたドメイン (u-air.ac.jp) については、2010年4月に新ドメイン(ouj.ac.jp)に変更された。また、この機に学内情報システムの刷新が行われ、以前より行われていたインターネットからの履修登録に加えて通信添削指導も一部Web上で行われるようになった。

教育および研究

放送大学は通信による教育を行う教育研究組織(「通信による教育を行う学部」および大学院の「通信による教育を行う研究科」)のみをおくことによって大学通信教育を行っており、一般的な観点からは、通信制大学と捉えられている[2]。放送大学の教育放送授業面接授業の2つの形態の授業によって行われ、放送授業によって卒業に必要な大半の単位を修得することとなっているのが特徴である。なお、テキストなどの教材は、財団法人放送大学教育振興会を通じて、学生以外の者も入手できる[3]

特色

10代から80代の7万9056人の学部生(選科・科目履修生含む)、5913人の大学院生(選科生・科目生・特別聴講生含む)、1602人の集中科目履修生が在籍している。開学以来、5万1015人の卒業生(教養学部)と、1989人の修了生(大学院)が卒業・修了している(卒業生数は放送大学公式HPより平成20年第2学期現在)。放送大学との大学間協定に基づき、単位相互協定を結ぶ大学も多く、他大学生のおよそ4292人が特別聴講学生として放送大学で学んでいる(学生数は放送大学公式HPより。在籍者数は平成20年度第2学期現在、卒業・修了生数は平成20年度3月末現在)。

放送大学本部は千葉県千葉市美浜区に所在する。放送大学の放送授業プログラムと呼ぶ放送番組は本部の専用スタジオにて収録されている。学生が所属する学習センター(Study Center,略称:SC)は、東京都に4か所、その他の道府県に各1か所、学習センターの分室的な役割を担うサテライトスペースは7道県に7か所設置されている(2008年3月現在)。学生は、このいずれかの学習センターまたはサテライトスペースに所属する。学習センター、サテライトスペースでは面接授業、単位認定試験と呼ぶ学期末試験、学習相談、卒業研究指導を受ける拠点となり、放送大学の学生は日本全国すべての学習センター、サテライトスペース、千葉本部の附属図書館を利用できる。学習センター、サテライトスペースでは学生証、在学証明書など各種証明書の発行、放送授業の再視聴、図書室の利用もできる。授業目的以外にも、各学習センター、サテライトスペースを拠点とするサークル活動に参加して親睦を深める学生も多い。

本学に就職課もしくは就職支援課は設置されておらず、大学による就職活動支援は学部・大学院ともに行われていない[4]

沿革

年表

基礎データ

所在地

  • 本部(千葉県千葉市美浜区若葉2-11)
  • 学習センター50か所
  • サテライトスペース7か所

象徴

シンボルマーク

学歌

那珂太郎作詞、柴田南雄作曲による「放送大学学歌」[8]のほか、小椋佳作詞作曲のイメージソング「と・も・た・ち」「人間の贅沢、ひとつ」[9]がつくられている。

マスコットキャラクター

2008年に、こうの史代のデザインによる[10]伝書鳩をモチーフとしたマスコットキャラクターが制定され、名称は公募により「まなぴー」となった[11]

教育および研究

組織

学部

2009年度から学部は教養学部のみ、学科は教養学科に改組、6コースから5コースに変更2008年度以前入学の学生も新コースに移行できる。 旧産業と技術専攻の学生は新社会と産業コースと新人間と文化コースを選択して移行できる。

  • 教養学部
    • 教養学科
      • 生活と福祉コース(旧 生活と福祉専攻)
      • 心理と教育コース(旧 発達と教育専攻)
      • 社会と産業コース(旧 社会と経済専攻、旧 産業と技術専攻)
      • 人間と文化コース(旧 人間の探究専攻、旧 産業と技術の情報系の一部)
      • 自然と環境コース(旧 自然の理解専攻)

大学院

大学院は、文化科学研究科の文化科学専攻の中に6つのプログラムが設けられている。

  • 文化科学研究科
    • 文化科学専攻(修士課程
      • 生活健康科学プログラム
      • 人間発達科学プログラム
      • 臨床心理学プログラム
      • 社会経営科学プログラム
      • 文化情報学プログラム
      • 自然環境科学プログラム

附属機関

附属図書館

1990年6月に放送大学本部に附属図書館が併設された(千葉学習センターと共に同じ構内にある)。附属図書館は約26万冊の蔵書のほか、放送大学の教科書に相当するすべての印刷教材、再視聴用のテープ・ディスクなどが備えている。放送大学の教職員・学生だけでなく、利用条件を満たせば一般人も利用可能である。放送大学の学生は、各学習センターやサテライトスペースの図書室を介して、附属図書館所蔵資料の貸出しを受けることができる。大学院修士全科生・学部全科履修生は、自宅への図書配送も有料で行っている。附属図書館に必要な資料や書籍がない場合、所定の利用条件のもとで国立国会図書館および他大学図書館への利用申込書を発行している。

各学習センター及びサテライトスペースには小規模な図書室を併設している。千葉学習センターは構内の附属図書館の近傍にあり学習センターとしての図書室を設けず、附属図書館を併用している。

教育

学習のシステム

放送大学は4月と10月を学習開始月とする2学期制の教育課程を編成している。そのため入学・卒業時期が年2回ある(修士全科生は4月入学の1回のみ)。授業科目の登録は学期ごと事前に行う。各授業科目(放送授業)は1学期15週間で完結する。

入学・卒業式典

放送大学の入学式典は毎年4月に各学習センター・サテライトスペースにて挙行される。

放送大学学位記授与式(卒業式典)は毎年3月に挙行される。過去には東京ベイNKホール幕張メッセを式典会場に使用してきたが、近年ではNHKホールを使用している。卒業式典には放送大学卒業生・大学院修了生が日本全国から出席し、文部科学大臣(またはその代理)ほか来賓も多く列席する大規模な式典になる。遠方からの出席者にはJTB主催の格安な宿泊プランが利用できる。卒業祝賀パーティー会場にはグランドプリンスホテル新高輪ホテルニューオータニなど、大規模施設が使用されている。
学位記授与式は各学習センター・サテライトスペースでも挙行される。卒業生・修了生はそのどちらか、または両方の式典に出席できる。学位記授与式の模様は後日、特別番組や大学の窓で放送される。

在籍種別

学部の課程については、いずれかの専攻に所属し卒業(学士(教養)の学位の取得)を目指す「全科履修生」(修業年限4年)と、自由に授業科目を履修する「選科履修生」(在学期間1年)・「科目履修生」(在学期間6ヶ月)の在籍種別がある。全科履修生として入学する際、それ以前に選科履修生・科目履修生として修得した単位の全てを全科履修生の卒業要件単位に含めることができる。

大学院の課程については、いずれかのプログラムに所属し修了(修士(学術)の学位の取得)を目指す「修士全科生」(修業年限2年)と、自由に授業科目を履修する「修士選科生」(在学期間1年)・「修士科目生」(在学期間6ヶ月)の在籍種別がある。修士全科生として入学する際、過去に修士選科生・修士科目生として修得した単位があれば、修得した単位の全てを修士全科生の修了要件となる単位に含めることができる。

また、協定を結んだ他大学の学生が単位修得のために放送大学に在籍する「特別聴講学生」という種別もある。

付記)学則[12]により、在学最長年限は10年である。この期間内に卒業できない場合には、退学の措置が取られる。また、4学期間授業料を払い込まないと(履修登録をしないために結果的に授業料が発生しない場合を含む)、除籍処分となる。ただし、退学・除籍いずれの場合も再入学を妨げず、再入学の際にこれまでの修業年数と取得済み履修単位は引き継がれる。

入学資格

学部の課程における全科履修生は高等学校中等教育学校などを卒業していること、あるいは高等学校卒業程度認定試験(旧・大学入学資格検定)の合格などが原則として必要であるが、選科履修生と科目履修生については、太平洋戦争などの戦前、戦中、戦後の混乱や経済的困難な状況によって初等教育を修了していない者などが在籍していることも考慮し、15歳以上であれば学歴は問わない。

一般的な大学入学資格(学歴、認定試験合格など)を有していない者も、選科履修生や科目履修生として入学し所定の単位を習得することによって全科履修生に移行し卒業を目指す課程が編成されている。

大学院課程修士選科生、修士科目生は、18歳以上ならば学歴は問わない。修士全科生には放送大学では唯一入学者選考(入学試験)がある。入学試験の内容は、1次選考は書類選考、2次選考は小論文と面接およびプログラムによっては英語による選考である。原則として22歳以上で放送大学および他の大学(短期大学を除く)を卒業していることが出願条件だが、放送大学による審査を受けることにより、大学(短期大学を除く)を卒業していなくても入学者選考の対象となる。

単位修得方法

放送授業(通常1科目2単位)については、配布されたテキスト(教科書)を読み込むとともに、テレビ・ラジオ放送または各学習センターに置いてある授業録画を視聴し理解を深めたうえで、学期末の単位認定試験に臨むこととなる。なお、だいたい半期の講義の半分が終了した時点で課せられる通信課題(レポート)を提出し、合格基準に達することが単位認定試験(学期末試験)の受験要件となる。学期末試験は通信ではなく、各学習センター等に出向いて実際に試験を受ける。

単位認定試験に合格すると修得単位が与えられる。単位認定試験で不合格となった場合は、次学期のみ再試験を受けることが可能で、この場合の授業料を支払う必要は無い。通信指導で受験資格が得られなかった場合も次学期に通信指導を提出し受験資格を得られる。

面接授業(スクーリング)での学習は、各学習センターまたはサテライトスペースにて受講する。面接授業は教員から直接教室内で指導を受け、各面接授業の合格基準(出席回数・試験による評価・レポートによる評価および、これらの総合評価)に達すると単位を修得できる(通常、面接授業の1科目は1単位。1時限あたりの85分の講義が8回分)。面接授業の「面接」とは演習を意味し、学生と教員が同一室内で講義または実習を進める形を指す。

全科履修生は、選択制の卒業研究卒業論文)により卒業に必要な単位を修得することもできる。このような学習方法で、所定の単位(124単位以上、外国語6単位の必修科目を含む)を修得すると、学部課程において大学卒業「学士(教養)」の学位が授与される。

学部・大学院課程ともに履修科目申請は毎学期ごと事前におこなう。受講料は1単位あたり学部で5,500円、大学院課程で11,000円、印刷教材の費用は授業料に含まれている。印刷教材は取り扱いのある一般書店、書店通販サイトでも購入可能(「教育および研究」の節参照)。なお、再履修などの理由で印刷教材の送付が不要な場合は授業料の割引制度がある。

大学院課程の学習方法は放送授業のほかに、修士全科生の場合、専攻内の6プログラムのいずれかに所属し、指導教員による研究指導(修士論文・特定課題研究(リサーチペーパー))を受ける。研究指導は直接指導のほか、電話・FAX・テレビ電話・電子メール・郵便などにより行われる。大学院課程の必要単位の修得(研究指導を含め30単位以上、臨床心理プログラムは34単位以上)、修士論文または特定課題研究の審査、および口答試験に合格すると、大学院修了「修士(学術)」の学位が授与される。なお、臨床心理プログラムのみ、学外施設での演習・実習が行われる

科目群履修認証制度(放送大学エキスパート)

放送大学では学んだ分野の成果について大学として評価を与える科目群認証制度があり、一定の科目を履修し単位を取得した者に、修得した科目群についての認証状を授与する制度がある。2006年度から開始された。2009年度から工学基礎プランが増えて23プランに増えた。

現代社会の探究
市民として社会に向き合うために社会学や経済学について基礎から高度な政策課題の分析までを学習し、現代の社会・経済の構造を理解する。
市民政策論
現代の市民生活において基本となる政治的教養と法的仕組みを学ぶことを目標とし、市民活動をサポートする。
生命人間科学
基本的な生命科学の知識、生命科学の応用分野の進展に関する理解を深める。
環境科学の基礎
環境について科学的側面からその基本的問題を考える。
数学と社会
数学・統計科目と社会系科目を学ぶことによって、その論理的理解の素養を身に着けることを目標とし、確かな数学力をもち社会科学を理解する人材を育てる。
エネルギー環境政策論
自然科学と社会科学にわたって総合的に考えることを教育目標とする。
次世代育成支援
青少年から若者まで、成長・発達のための社会環境整備などの問題に取り組む人材の養成を目的とする。
健康福祉運動指導者
介護予防に向けて健常人に対して、運動実践を促す指導者を育成する。
社会企画士
コミュニティのプラン(食・住・福祉、教育、文化、建築、都市など)、組織のプラン(組織運営、経済計画、政策など)、また社会全体のプランなどについて、社会的プランを科学的に形成できる能力を有する社会企画士を養成する。
※社会企画士は国家資格ではなく、放送大学が科目群認証制度の中で独自に授与する資格の名称である。
歴史系博物館活動
博物館学や歴史関連の科目を学ぶ中から、歴史を理解し、歴史文化遺産に関する知識を身につけ、近隣の地域文化を再発見する力を養うことを目標とする。

放送授業の受信

放送授業は、関東地区においてはテレビ放送とFMラジオ放送の2つで行われている。また、地上デジタル放送が2006年12月から開始された(周波数などについては、放送大学学園を参照のこと)。その他の地域では、CS放送の『スカパー!』およびケーブルテレビで配信されている。なお、2011年10月よりBSデジタルテレビジョン放送での放送開始を予定しており、これに伴い現在のスカパー!での放送は2012年3月末をもって終了する予定である。

また、放送授業を再び見たいときや見逃してしまった時には、学習センターで視聴することができる。一部の地域では図書館、生涯学習センターなどに放送教材を貸出、再視聴できる施設もある。学習センターでは、放送授業のビデオテープカセットテープCDDVDを貸出しており、自宅などで視聴することもできる[13]

なお、テレビで放送される授業とラジオで放送される授業はそれぞれ異なる科目(放送番組)群であり、卒業を目指すならば両方が視聴できることが事実上前提となる。

放送授業は早朝から深夜まで放送されている。通常授業番組のほか、集中放送授業、特別講義、科目選択ガイド、大学・大学院案内、大学の窓(15分間の放送大学情報番組)を放送している。授業と授業の間約1分間は風景などの映像が流れ、お知らせの字幕が出ることも多い。

大学の窓と一部の授業科目はハイビジョン制作である。 ラジオは、遠隔地での受信が可能なようにFMでもモノラルで放送されているが、大学の窓だけステレオ放送されている。また、bay-fmで週1回広報番組を放送している。

  • 放送時間帯
    • 「放送授業期間」(上半期は4 - 7月、下半期は10 - 翌年1月)
      • 日・月曜 6:00 - 24:15
      • 火曜 6:00 - 26:00
      • 水 - 土曜 5:15 - 26:00
    • 「ゆとりの期間」・「集中放送授業」
      • 毎日 6:00 - 24:00

※ゆとりの期間-上半期はゴールデンウィーク期間、下半期は年末年始期間に放送される特別番組の放送期間。
※集中放送授業-放送授業期間の復習(再放送)を主体として放送される。

放送授業の40%はインターネット経由で配信されている、2010年度現在、大学開講257科目中145科目、大学院開講73科目中40科目、テレビ科目の21%,ラジオ科目の97%が視聴できる。(体育実技、卒業研究を除く)

再生にはWindows Media Audio/Windows Media Videoが再生できる環境が必要(公式にはWindows Media Playerのみを対応としている)。

大学関係者と組織

組織

基本的組織について

本部組織について
  • 私立学校法および学校教育法の規定により、「学校法人に置かれる理事会」と「大学に置かれる教授会」からなる運営が行われている。
  • 現在の理事長は、御手洗康(元文部科学省事務次官)
  • 大学全体の組織は、放送教育を行う放送大学本部と学習センター、サテライトスペースに区分される。以下、本節内において、学習センター及びサテライトスペースは区分せず、一律に学習センターと記述する。
  • 本部組織には、放送教育を行う放送大学本部(製作スタジオ・研究室)、事務関連を扱う事務部門、印刷教材を作成する放送大学教育振興会総合研究大学院大学にも参加しているメディア教育開発センターの各部門からなる。放送大学本部からは、放送の形で、UHF帯を活用した地上波デジタル放送(首都圏の一部地域のみ)、スカイパーフェクTV!(無料放送)の形で全国へ配信が行われる。なお、メディア教育開発センターは独立行政法人であるが、元・国立大学共同利用機関、元・大学共同利用機関として放送教育などを研究する他大学からも研究利用が行われており、本学の研究所として、また全国の大学研究者に開かれた機関として研究を実施している。
  • その他の学内組織は、学長(大学責任者)、教授会教授准教授からなる。すべての専任教員に任期制(5年任期)が採用されている。ただし、教授にあっては二度、准教授にあっては一度だけ、業績審査の上で再任が認められている(再任の回数については例外規定あり[14])。
  • ティーチングアシスタント (TA) およびチューター制度は存在しないが、同学大学院修了者から選抜する形で、学部授業のティーチングアシスタントないしはチューターとして採用する計画が発表されている[15]。なお、学生サークルほか、近隣や職場などで同じ専攻を持つ学生同士で、相互扶助の形でレポートの作成等を実施している例もある。
学習センター組織について
  • 各学習センターには、所長、専任教員、客員教員、事務職員が配置されている(専任教員は南関東の学習センターの一部のみ)。客員教員は、近隣の大学から招かれている。また、専任教員、客員教員のほか、非常勤講師が各学習センターで開講される面接授業(スクーリング)を担当している。

カリキュラムの独自編成について

前述の組織内では、本学における一般的な就学について記載が行われているが、2007年度より独自カリキュラムが組まれるようになった。企業やその他組織で放送教育を活用する者向けのカリキュラムと生涯教育として放送教育を受ける者向けのカリキュラムである。

独自カリキュラムではあるが、学部を卒業すれば学士(教養)の学位を、大学院を修了すれば修士(学術)の学位を得られる。想定される受講者は、1.社会人となってから時間がたち、教育機会を失った者(いわゆる集団就職者など)や、様々な事情で高等学校を中退せざるを得なかった者、2.すでに社会人ではあるが、専門外・未経験の分野を自学自習したい人などである。大学卒業学位取得の支援プログラムとしての意味合いが強い[16]。最近では、単位制の私立の高等学校なども開設が行われ、就学支援が広がり始めている。

学内課外活動について

  • サークル活動やクラブ活動は、各学習センター毎に組織されている。
    • そのため、地域や地方ごとに様々なサークルが有る。大学関連の体育連盟などには加入していないため、スポーツ関係の団体競技などへは出場していない。しかし、スポーツサークルは存在する。また、休日等を利用してのサークル活動であるため、保健体育の授業と連動した活動が行われているサークル活動などもある。例:東京ではシティマラソンへの出場を目指した陸上サークルや都や区が実施する総合運動会などである。

同窓会について

  • 放送大学の同窓会は、各学習センター毎に組織されている。
    • 転勤や転居等により他の学習センターの地域に移った者に関しても、学習センター単位の同窓会では問題があるという指摘[要出典]があるため、インターネット等を活用して、現在では全学運営をはじめている。これは、大学院卒業生に関しても同じ。放送大学同窓会の全国組織として、放送大学同窓会連合会がある。

大学関係者一覧

施設

本部施設

千葉県および千葉市が事業を進めてきた、幕張新都心開発計画の内、教育文化地区に相当する箇所に設置。施設は、本部棟(放送センターおよび事務部門)と、メディア教育開発センターが置かれる研究棟、大学図書館、千葉学習センターと学生会館などがある。放送大学のコマーシャルでのロケハンに使われているのは学生会館である。

キャンパス

放送大学には講義や事務手続きを支援する学習センターが日本全国に50か所設置されている(2010年8月現在)。また、学習センターを補完するサテライトスペース(分室)は日本全国に7か所に設置されている(2010年8月現在)。学生は全国に所在する全ての学習センター、サテライトスペースの利用ができる。

学習センター

ファイル:広島大学千田キャンパス01.jpg
広島大学に併設された広島学習センター
大阪学習センター

学習センターは土曜日・日曜日も利用できる(月曜日・祝日は休み)。

サテライトスペース

学生会館

大学本部内(千葉学習センターが併設)に、学生や教職員の一時宿泊施設となる「セミナーハウス」が設けられている。セミナーハウスでは卒業研究指導、ゼミナールに通う学生や面接授業の受講生が利用できるほか、研修や実習、サークル活動などにも利用できる。セミナーハウス内には研修室が設置されている。 セミナーハウスは、研修室のほかに宿泊室があり、ビジネスホテルのような間取りでユニットバスもある。TV・ラジオの他にバスタオル・ボディーソープ・ドライヤーなどの設備もある。 放送大学学生教職員であれば大学本部への申請で最大6連泊まで使用でき、1泊1,500円と格安で利用できるが、最寄駅から遠く、アクセスが悪いのが難点であるとされるが、実際は放送大学に関連して主に利用するので支障とはならない。

Wiki関係他プロジェクトリンク

その他

  • 首都圏のFMラジオ3局(bayfmFM NACK5fm yokohama)で「放送大学 PRESENTS MANABEES CAFE」を放送している。
  • 放送大学のFM放送は、授業は原則としてモノラル放送であるが、広報番組「大学の窓」などの一部番組はステレオで放送される。

脚注

  1. ^ なお、当校と提携している京都府京都国際建築技術専門学校(現・京都建築大学校)では2007年から2009年にかけて「国立大学の卒業資格も取れる」「放送大学は多くの企業に国立大学と認知されている」という旨の宣伝(テレビ新聞広告)を行っていた。2010年現在も同校のHPには「企業より国立大同等と認められる放送大学」などと記載されている。
  2. ^ ただし、には「通信制大学」という用語はない
  3. ^ 放送大学教育振興会では、学習センター及びサテライトスペースを設置している地域の書店への配本も行っている。入手が難しい場合には、インターネットや最寄りの書店から注文すれば入手可能である。なお、地域の書店への配本は取り扱い書籍量が少ないため地域の代表的な書店に限っている。これは再販制度の書籍[1]であり、また本学の教科書を含め一般に教科書は責任販売制[2]のためである。
  4. ^ 本学で単位を取得して、単位互換協定を締結した大学へ再入学し就職する学生も居ると言われる。なお、本学の場合には、単科履修生として入学して履修基準に定める単位を取得し年齢要件を満たせば、義務教育の中学校卒業者、更には高等学校中退者も、学士取得を目的とした全科履修での転向可能の措置を取っている。放送大学以外では一般に高等学校へ(再)入学して卒業要件を満たすか、大学入学検定試験に合格した後、大学入学試験を受験し大学へ入学するというプロセスが必要されるものが多いが、この措置は本学設置の時期に行われた審議会の答申によって、本学のカリキュラムは生涯教育に位置づけられているためである。従い、本学では就職支援等を実施は行われないが、本学を活用し必要な単位取得などの資格を得て、その上で就職支援のある他の大学へ入学や編入することも可能である。
  5. ^ 放送大学、平成元年544人卒業”. 文部科学省. 2008年12月30日閲覧。
  6. ^ 平成14年12月13日法律第156号、附則抄、第1条
  7. ^ 特別な学校法人への設置形態の変更について2010-01-27 閲覧
  8. ^ 放送大学>大学概要>放送大学学歌・放送大学イメージソング(2009年2月1日閲覧)参照。
  9. ^ CDとして2008年5月28日にユニバーサル・ミュージックより発売(JANコード4988005517005、品番POCS-5020)。近況報告小椋佳公式サイト「小椋佳倶楽部」、2009年2月1日閲覧)にも情報がある。
  10. ^ パンフレット「放送大学教養学部大学案内(2009年度第1学期)」(2008年10月作成)3ページ。
  11. ^ 放送大学>大学概要>放送大学にイメージキャラクターが誕生しました!” (HTML). 放送大学. 2008年12月29日閲覧。
  12. ^ 放送大学学園規程集
  13. ^ 学習センターの場合には、本学が設置した学習センターと、地方自治体から要請を受けて設置をしたサテライトスペースがある。放送教材の貸出を行っていない施設は、ブランチ試験場と呼ばれる単位認定試験のみを実施している施設である。ブランチ試験場設置の目的は、学習センターやサテライトだけでは単位認定試験などを行う際に収容できる人数に限りがあることや、地方など交通事象の良くない場所で学習を行っている学生が単位認定を受けやすくするために設けられているものである。将来は、ブランチ試験場などもサテライトと同じ陣容や規模へと充実を図り、日本全国で教育が受けられるようにする予定である。
  14. ^ 著しく大学運営や研究などで業績を上げた場合にのみ適用される。ただし、招請研究者の場合には、適用されない。
  15. ^ 放送大学発行のパンフレット「アクション・プラン 2008」(2008年1月1日発行)より。
  16. ^ なるべく、分かりやすくをモットーに授業編成を行う。事実として、総合科目(教養科目)に相当する教科は、高等学校卒業を前提としないことを目的に行わなければならないという内規がある。そのため、印刷教材や放送教材にも様々な工夫を取り入れている。

関連項目

公式サイト

参考文献

  • 加除式 六法全書 -学校基本法関連-, ぎょうせい
  • 放送大学 入学案内一式, 2007年度版 春期・秋期入学, 放送大学
  • 中央高等教育審議会資料, 文部科学省
  • その他、インターネットのBlogやホームページなど。

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