「この世の果て」の版間の差分

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== 各話タイトル・視聴率 ==
== 各話タイトル・視聴率 ==
*本放送ではサブタイトルは表示されなかったが、ビデオ版ではタイトルロゴと話数表記の後にサブタイトルが表示される。
#雨のシンデレラ 24.1%
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#目の見えぬ純愛 25.1%
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2010年11月12日 (金) 22:31時点における版

この世の果て

  1. スキーター・デイヴィスの代表曲。en:The End of the World (Skeeter Davis song)
  2. 日本のテレビドラマのタイトル - 本項にて詳述

この世の果て
ジャンル テレビドラマ
脚本 野島伸司
演出 中江功、林徹
出演者 鈴木保奈美
三上博史
桜井幸子
豊川悦司
横山めぐみ
大浦龍宇一
吉行和子
製作
プロデューサー 大多亮
制作 フジテレビ
放送
音声形式ステレオ放送
放送国・地域日本の旗 日本
放送期間1994年1月10日 - 3月28日
放送時間毎週月曜日21:00 - 21:54
放送枠フジテレビ月曜9時枠の連続ドラマ
放送分54分
回数12
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この世の果て』は、1994年1月10日から3月28日までフジテレビ系列月9枠で放送されたテレビドラマ。全12回。平均視聴率22.9%、最高視聴率25.3%。全ての回で20%以上の視聴率を記録している。

概要

都会の絶望の果てで出会った、孤独なホステス砂田まりあと孤独な天才ピアニスト高村士郎の究極の愛を描いた悲劇。オープニングとエンディングは士郎がまりあに語りかける形でナレーションが入る。メインキャスト全員が孤独であり、悲しい過去、心の傷をかかえており、この枠としては珍しい重厚な人間ドラマが描かれている。

鈴木保奈美と横山めぐみの初の汚れ役であり、その暗い演技が放送当時話題になった。

野島作品の中でも特に暗い作品と言われているが、作品自体の評価は高いとされる。

1994年10月21日に、ビデオ全4巻が発売された。2001年からCSフジテレビ721で、デジタルリマスター版が放送開始、さらに2010年7月には、同じフジテレビTWOにて、従来のSD画質映像HD画質に近づけた「超解像リマスター版」として放送が開始された。

最終回はフジテレビオンエア版が20分延長であったが、ルミと井野が殺害した佐々木を埋めるシーンなど、いくつかの場面がカットされて1時間枠に収められている。現在も地方で再放送される場合は、このカットされたバージョンの最終回が放送されることが多い。DVD化は、2010年現在実現していない。

フジテレビのヒットメーカー大多亮が単独プロデュースで手掛けた最後の作品でもある。

キャスト


注意:以降の記述には物語・作品・登場人物に関するネタバレが含まれます。免責事項もお読みください。


砂田まりあ:鈴木保奈美
妹の手術費用を貯めるため、昼は郵便局員、夜はホステスとして働く。ヘビースモーカー。幼い頃、父に愛されていないと感じ、父を殺そうと家を放火した。父は死んだが、家にいないと思っていた妹・ななは盲目に。そのため常に暗い表情をしている。ななの目から光を失った自分を責め続け、どんなことをしてもななの目を治すと心に誓っている。
言葉遣いが荒く、時々激昂するが、妹・ななと士郎には自己犠牲的な愛をささげる。やがて士郎の子を妊娠するが、言い出せないまま二人の仲はすれ違い、士郎はルミの元で覚せい剤なしではいられない体に。そんな士郎に暴力を振るわれ、流産してしまう。士郎を助け出し、覚せい剤がぬけたことを機会に士郎に別れを告げ、征司と結婚する決意をする。
高村士郎:三上博史
ひき逃げに遭い、警察に通報してくれたまりあと恋に落ちる。始めは記憶喪失のふりをし、素性を隠していたが実は世界的に有名なピアニストだった。幼い頃から妻・百合子の父に預けられピアニストとしての教育を受け、ピアノを弾く機械のような生活を送っていた。しかし、自ら左手を傷つけ、ピアニスト生命を絶つ。妻と離婚し、資産も名誉も捨ててまりあと暮らし始めてからは、過去のプライドと栄光が捨てられず自暴自棄になり、覚せい剤におぼれる。
砂田なな:桜井幸子
まりあの妹。自宅の火事が原因で盲目に。少々幼さが残るが障害を感じさせない健気な性格。村井夫妻が営む花屋で働きながら一人暮らし。村井夫妻からは養子縁組の話を度々持ちかけられる。ある日、コンビニ強盗が逃走するところに遭遇。口封じに暴行されかけていたところを助けてくれた純と恋に落ち、交際。純がコンビニ強盗をしたと告白したのをきっかけに二人は別れ、村井の息子・道夫に心引かれてゆく。家に訪ねてきた元警察官の祖父から初めて祖父たちの力で、まりあの放火事件は当時伏せられ、事故ということにされたのを知る。
神矢征司:豊川悦司
経済界のプリンス、KAMIYAグループ御曹司。中学生の頃、本妻との間に子供ができなかった神矢の跡取りとして神矢家に。地位も名声も金も好きなように動かせるが、母を捨てた父を恨む気持ちも手伝い、愛を信じることができない。常に孤独を感じており、女を口説いて落ちるかどうかの賭けを部下としていた。
三島純:大浦龍宇一
自動車整備工場に勤めている。赤ん坊の頃コインロッカーに捨てられていた天涯孤独の青年。顔の左側はやけど跡で覆われている。京子の弟とコンビニ強盗をした時に衝突したななに顔を見られたと勘違い。ななが盲目であることを知り、安堵するが、仲間がななを暴行しようとしていたところを助ける。勤務先に刑事がやってきたことで解雇され、セメント工場で働くように。
加賀美ルミ:横山めぐみ
まりあが働く「花葡萄」に大勢の客を従えて店がえしてきたホステス。趣味は陶芸。ある男を誘惑し、貢がせた自慢話を控え室でホステスたちに聞かせていたが、その男は店のNo.1・京子が暮らしていた男だった。中学生の頃、ボーイフレンドとデート中に見知らぬ男たちに襲われ、暴行された時にボーイフレンドが逃げ出してしまった。それからは愛や永遠という言葉を聞くと頭痛がするようになり、セックスをしても感じなくなった。
砂田夕子:吉行和子
まりあとななの母、現在は居酒屋経営。廃人同然の元シナリオライター・葛木和也との間にまりあをみごもっていたが、それを承知してくれた砂田と結婚するが、まりあがおこした火事で死別。最後まで砂田を愛せなかった。5年前に偶然再会した葛木をこっそりと匿い、最期を看取ると後追い自殺する。遺言により角膜はななに移植される。第1-11話の出演。
吉田潔:清水紘治
ななの主治医。人の情を信じることをしない。まりあには高額の金を出せば角膜移植を優先的に受けさせると何度も言っている。偽善や人の善意を嫌う人物であり、「一度でいい、人が死ぬとわかっていながら溺れる人を助ける姿が見てみたい」とまりあに言うが、自分の目の前で車に飛び込んだまりあを見て驚愕する。
ななの角膜移植手術後、結婚式の前日に交通事故にあい、20年間植物状態になっている妻をまりあに対面させた。
佐々木実:小木茂光
娘を探して京都から上京し、夕子の店で働き始める料理人。実は探しているのは自分を破綻させ、妻を殺害する原因を作ったルミであった。服役を終えてすぐにルミを探すために上京した。ルミと士郎が暮らし始めたことを知り、士郎と別れるようにまりあに忠告する。ルミに毒を盛られ絶命する間際に、ルミの顔に硫酸をかける。第4-11話の出演。
高村百合子:高樹澪
士郎の妻。士郎の愛よりも士郎のピアニストとしての地位や手に興味がある。行方不明になった夫の士郎を探し出すが、目の前で士郎は左手を傷つけた。後に離婚する。第1 - 4話の出演。
二村浩一:加藤善博
百合子から雇われた元刑事の探偵。まりあと士郎の恋愛に興味を持ち、士郎を見つけてもしばらくは百合子に居所を知らせず、士郎に失踪やまりあとの暮らしを聞いていた。後にまりあから依頼を受け、覚せい剤漬けになりヤクザから追われる士郎を救い出す。第1 - 4話、第11話の出演。
田辺京子:秋本奈緒美
クラブ「花葡萄」No.1ホステス。入店間もないまりあと客の前で大喧嘩をするが、後に友人に。バイセクシャルの男と暮らし、一緒に店を開くために金を貯めていたが破局。男は京子と貯めた金を使い後に花葡萄へ移籍してきたルミに貢いでいたことを知る。弟が強盗で逮捕され服役することが決まると、故郷へ帰った。第1-6話の出演。
大前喬:塩見三省
征司の部下、孤独な征司の心の支えになっている。
村井良雄:鶴田忍
ななが勤める花屋の店主。ななを気に入り、資産も名義変更し相続させる約束で養子縁組する。一人息子・道夫がいて、勘当しており何年も会っていなかったが、ななを養子縁組すると、突然道夫が姿を現す。第1-10話の出演。
村井早苗:茅島成美
良雄の妻。第1-10話の出演。
村井道夫:沢向要士
良雄と早苗の一人息子。勘当されているが、借金を支払うために養女になり、両親の財産相続をすることになったななに近づく。婚姻届にボランティア参加のサインだと偽りサインさせ、ななを殺そうとするが、後を追ってきた純により捕まえられる。第5-10話の出演。
井野仁:松田勝
ルミとは長い付き合いのあるバーのマスター。怪力の大男。裏社会にも通じており、ルミに覚せい剤を分ける。ルミがまりあを殺そうとすると、わざと弾の入っていない銃を渡し、自分の目をつぶし「お前の顔、見えない、どこかで静かに暮らそう」とルミに告白。第6話から登場。
三浦博実:土屋久美子
道夫に借金をさせている派手な女。調布市のボランティアだと嘘をつき、道夫と共にななを殺そうとする。道夫と共に純に捕まえられる。第6-10話の出演。

スタッフ

主題歌

各話タイトル・視聴率

  • 本放送ではサブタイトルは表示されなかったが、ビデオ版ではタイトルロゴと話数表記の後にサブタイトルが表示される。
  1. 雨のシンデレラ 24.1%
  2. 目の見えぬ純愛 25.1%
  3. 愛と死の十字架 24.4%
  4. 流血の運命 21.9%
  5. 愛だけを信じて 23.1%
  6. すれ違う心 22.0%
  7. 引き裂かれた姉妹 25.3%
  8. その愛を失う時 22.6%
  9. 小さな命が消える 21.2%
  10. 盲目の妹に光を 21.6%
  11. 愛する者の死 20.1%
  12. 未来を君に捧げる 23.7%

関連商品

  • この世の果て Vol.1~Vol.4 (フジテレビ、1994年10月21日発売)
  • 野島伸司「この世の果て」(幻冬舎文庫)ISBN 4877284931
フジテレビ系 月曜9時枠の連続ドラマ
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