「ディスレクシア」の版間の差分
20行目: | 20行目: | ||
イギリス国王・[[エリザベス2世 (イギリス女王)|エリザベス2世]]の孫である[[ベアトリス・マウントバッテン=ウィンザー|ベアトリス王女]]も自身がディスレクシアであることを2004年に公表しているが、学業では優秀な成績を残している。 |
イギリス国王・[[エリザベス2世 (イギリス女王)|エリザベス2世]]の孫である[[ベアトリス・マウントバッテン=ウィンザー|ベアトリス王女]]も自身がディスレクシアであることを2004年に公表しているが、学業では優秀な成績を残している。 |
||
[[オーランド・ブルーム]]は幼少期にディスレクシアで悩まされたが、聖書の朗読(なおオーランド自身は仏教徒を自称している。正確には新興宗教である創価学会の学会員である。)などで、現在では改善されつつある{{要出典}}。また、[[キーラ・ナイトレイ]]は、録音読書で学習したり色付き眼鏡をかけて文章の文字が混じって見えないように工夫し読書している。 |
[[オーランド・ブルーム]]は幼少期にディスレクシアで悩まされたが、聖書の朗読(なおオーランド自身は仏教徒を自称している。正確には新興宗教である創価学会の学会員である。)などで、現在では改善されつつある{{要出典|date=2009年2月}}。また、[[キーラ・ナイトレイ]]は、録音読書で学習したり色付き眼鏡をかけて文章の文字が混じって見えないように工夫し読書している。 |
||
古生物学者の[[ジャック・ホーナー]]も読字障害の一人とされる<ref name="nhk-special-theOriginOfDisease4" />。恐竜が鳥類に近い生き物であったことを証明し、映画ジュラシックパークの恐竜博士のモデルともなった人物。ジャック・ホーナーの読み書き能力は小学3年生程度で、読字障害への対応として普段は文書を一度コンピューターに打ち込み、読み上げソフトを使用し文書を聞き取るかたちで読んでいる。 |
古生物学者の[[ジャック・ホーナー]]も読字障害の一人とされる<ref name="nhk-special-theOriginOfDisease4" />。恐竜が鳥類に近い生き物であったことを証明し、映画ジュラシックパークの恐竜博士のモデルともなった人物。ジャック・ホーナーの読み書き能力は小学3年生程度で、読字障害への対応として普段は文書を一度コンピューターに打ち込み、読み上げソフトを使用し文書を聞き取るかたちで読んでいる。 |
2010年10月25日 (月) 19:17時点における版
ウィキペディアは医学的助言を提供しません。免責事項もお読みください。 |
この記事には独自研究が含まれているおそれがあります。 |
ディスレクシア(英語: Dyslexia、ディスレキシアとも)とは学習障害の一種である。失読症、難読症、識字障害、読字障害ともいう。1884年にルドルフ・ベルリン(Rudolf Berlin)によって報告され命名された。
概要
知的能力及び一般的な学習能力の脳内プロセスに特に異常がないにもかかわらず、書かれた文字を読むことができない、読めてもその意味が分からない(文字と意味両方ともそれぞれ単独には理解できていることに注意)などの症状が現れる。逆に意図した言葉を正確に文字に表すことができなくなる「書字表出障害(ディスグラフィア、Dysgraphia)」を伴うこともある。また簡単な計算ができない「計算障害」を伴うことも多い。左脳内の文字と意味の相関関係を司る特殊なプロセスに何らかの障害が発生していると考えられているが、はっきりした原因はまだ突き止められていない。なお家族性の発症例も古くから知られており、遺伝マーカーとの関連に関する研究も行われている。
なお日本では学習障害に関わる研究があまり進んでおらず、社会的な実態調査や実情把握事態がされていないのが現状である。 識字プロセスには文字や単語を構成する音に結びつけて分析する「音韻的処理」(ひらがな、カタカナ、アルファベットなど主に表音文字)から、単語、文章そのものからダイレクトに意味を理解する「正字法的処理」(漢字のような表意文字も含む)までいくつかの段階がある。ディスレクシアはそれらいろいろな段階での症例が報告されており、例えば2つの文字の違いが分からない、文字や単語の理解まで非常に時間がかかる、読むことはできるが書くことはできない(これは一般的な言語学習段階上の経験として覚えのある向きもあろう)、文字の並びが歪んで見える、文字自体が二重に見えるなどさまざまである。
現在は特に英語圏で問題とされており、アメリカ合衆国では人口のおよそ1割の人が何らかの程度でディスレクシアを抱えているとも言われる[1]。ディスレクシアは言語によっても現れ方が異なることが示唆されており、イタリア語など(文字がほぼ発音通りに綴られる)では英語やフランス語(綴りと発音の間に複雑な関係がある)より顕在化しにくい可能性が指摘されている。また日本語におけるディスレクシアの多くは、このような音韻に関係したディスレクシアとは異なるタイプとの見方もある。海外留学中の人が初めてディスレクシアと診断されたなどの例[1]もあり、英語教育の普及などによりこれから顕在化してくる可能性もある。今のところ日本では、成人のディスレクシアの判定法は確立されていない。
この障害を持つ人で大学などの通常の高等教育を受けている場合も少なくない。しかしながら現代の高等教育はその殆どが文字媒体により情報を交換する手段に頼っているので、制約が著しいことは否めない。現在では先端技術の開発により、論文もテキストファイルであれば読み上げたり、読みやすいフォントに変更して読み取ることができるようになっている。また書くことに関してはパソコンなどの活用により格段に表現がしやすくなっている。大学入試センターの試験も23年度からは発達障害を持つ人に対して試験時間の延長などの配慮が出来るようになる。他人に顕著ではないこれらの症例であるために、社会的に思わぬ差別や蔑視、阻害を受けることも少なくない。そのため、彼らの権利を擁護する団体が国内、国外問わず活動している。
現在では視覚・聴覚能力の訓練や体性感覚と関連付けた学習、神経生理学的研究によって、障害を克服できた例が増えてきている。映画俳優のトム・クルーズが、ディスレクシアを抱えていたことを告白したこともあった[2]。
スウェーデン国王のカール16世グスタフは、自分の名前すら満足に書くことができなかった。その子供である長女のヴィクトリア王女や、長男のカール・フィリップ王子も同障害であった(国王及びその子女がディスレクシアを抱えていることについては、1997年にシルヴィア王妃がテレビ番組のインタビューの中で正式に認めている)。これらの事例から、家系的にそういうものがあるのではという見方もある。
イギリス国王・エリザベス2世の孫であるベアトリス王女も自身がディスレクシアであることを2004年に公表しているが、学業では優秀な成績を残している。
オーランド・ブルームは幼少期にディスレクシアで悩まされたが、聖書の朗読(なおオーランド自身は仏教徒を自称している。正確には新興宗教である創価学会の学会員である。)などで、現在では改善されつつある[要出典]。また、キーラ・ナイトレイは、録音読書で学習したり色付き眼鏡をかけて文章の文字が混じって見えないように工夫し読書している。
古生物学者のジャック・ホーナーも読字障害の一人とされる[1]。恐竜が鳥類に近い生き物であったことを証明し、映画ジュラシックパークの恐竜博士のモデルともなった人物。ジャック・ホーナーの読み書き能力は小学3年生程度で、読字障害への対応として普段は文書を一度コンピューターに打ち込み、読み上げソフトを使用し文書を聞き取るかたちで読んでいる。
一方でディスレクシアの人は一般人に比べて映像・立体の認識能力に優れていると言われ、工学や芸術の分野で優れた才能を発揮している者も多い。これは左脳の機能障害を補う形で右脳が活性化しているためと考えられており、最近では困難さの克服と共にこうした能力を伸長させる試みも行われている。
その他、アルベルト・アインシュタイン、トーマス・エジソン、アントニオ・ガウディ、パブロ・ピカソ、オーギュスト・ロダン、レオナルド・ダ・ヴィンチ、ウォルト・ディズニー、ウォルフガング・アマデウス・モーツァルト、ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン、ジョージ・ワシントン、ジョン・F・ケネディ、ミケランジェロ・ブオナローティ、フランク・ロイド・ライトなどもディスレクシアだったといわれている。
対策
これらの障害を抱えた人をサポートするために、文字そのものを音声化して理解させる工夫が行われている。例えば、コンピューター上の画面でテキスト(文字)を人工音声で読み上げさせることは簡単にできる(Text to Speech, TTS)。その際、読み上げさせるソフトによっては、読み上げ箇所を反転表示できるため、読み補助としても効果がある。教科書バリアフリー法や著作権法の改正により、デジタル化された教科書をそのまま読み上げさせることも可能になっている。
ディスレクシアと思われている著名人・歴史上の人物
- アビシェーク・バッチャン[3](俳優)
- オーランド・ブルーム[4](俳優)
- ジェレミー・ボンダーマン[5](野球選手)
- リチャード・ブランソン[6](実業家)
- エリン・ブロコビッチ[7](パラリーガル)
- カール16世グスタフ[8](スウェーデン国王)
- スティーブン・J・キャネル[9](テレビプロデューサー・脚本家・小説家)
- シェール[10](歌手・女優)
- アンダーソン・クーパー[11](アンカーマン)
- トム・クルーズ[12](俳優)
- サミュエル・R・ディレイニー[13](小説家・SF作家)
- パトリック・デンプシー[14](俳優)
- ジョセフ・ファインズ[15](俳優)
- ノエル・ギャラガー[16](ミュージシャン)
- ウーピー・ゴールドバーグ[17](女優・コメディアン・歌手)
- マイク・グラベル[18](元アメリカ合衆国連邦上院議員)
- アンソニー・ホプキンス[19](俳優)
- ジョン・アーヴィング[20](作家)
- ブルース・ジェンナー[21](俳優・元陸上選手)
- イングヴァル・カンプラード[22](IKEA創業者)
- キアヌ・リーブス[23](俳優)
- キーラ・ナイトレイ[24](女優)
- サルマ・ハエック[23](女優)
- ジェイ・レノ[25](コメディアン)
- ジェイミー・オリヴァー[26](料理人)
- ジョン・レノン[23](歌手・シンガーソングライター・ギタリスト)
- オジー・オズボーン[27](ミュージシャン)
- ダニエル・パウター[28](ミュージシャン)
- トーマス・エジソン[23](発明家)
- ガイ・リッチー[29](映画監督・脚本家)
- リチャード・ロジャース[30](建築家)
- リー・ライアン[31](歌手)
- レオナルド・ダヴィンチ[23](画家など)
- ブライアン・シンガー[32](映画監督)
- ジャッキー・スチュワート[33](元F1レーサー)
- ジョス・ストーン[34](ミュージシャン)
- ヘレン・ブルック・タウシグ[35](小児科学・心臓病学者)
- マジック・ジョンソン[23](バスケットボール選手、実業家)
- リンゼイ・ワグナー[36](女優)
- テリー・グッドカインド[37](ファンタジー作家)
- リー・クアンユー[38](シンガポール初代首相)
- ハンス・クリスチャン・アンデルセン[39](童話作家・詩人)
- Mika[40](歌手)
- オーラヴ5世[41](ノルウェー国王)
脚注
- ^ a b c NHKスペシャル「病の起源 第4集 読字障害~文字が生んだ病~」
- ^ [1][リンク切れ]エラー: タグの中に無用な文字が含まれていないかを確認してください。貼り付け年月は「date=yyyy年m月」、チップテキストに表示する文字列は「title=文字列」と指定してください。
- ^ “Times of India”. Aamir praises Abhishek. 2007年12月19日閲覧。
- ^ “The Orlando Bloom Files”. Learning Disability. 2006年7月1日閲覧。
- ^ “Detroit Free Press”. FAMILY, FORDS AND FASTBALLS: Tigers starter Jeremy Bonderman stays true to small-town, blue-jeans roots. 2006年7月1日閲覧。
- ^ Branson, Richard (1999). “A family that would have killed for each other. 1950 - 1963”. Losing My Virginity: How I've Survived, Had Fun, and Made a Fortune Doing Business My Way (1st ed.). Three Rivers Press. ISBN 0-8129-3229-3 2006年8月30日閲覧。
- ^ Slaughter, Adele (2001年5月22日). “Erin Brockovich scripts victory over dyslexia”. USA Today 2008年8月25日閲覧。
- ^ "A time to rejoice: Sweden's King Carl XVI Gustaf at 50" by Michael Jagerblom in Scandinavian Review, autumn 1996 [2]
- ^ “Cannell Helps "Cobra" Star Find Ways Around Dyslexia”. 2006年10月9日閲覧。
- ^ Cher, The First Time, ISBN 0-684-80900-1
- '^ “Books That Made a Difference to Anderson Cooper”. 'As a child, I had a problem reading. I had a mild form of dyslexia where I would see some letters backward, and I had to go to a special reading instructor'.. 2005年7月閲覧。
- ^ “MSN”. Cruise credits Scientology for his success. 2006年7月2日閲覧。
- ^ Samuel R. Delany, The Motion of Light in Water: Sex and Science Fiction Writing in the East Village ISBN 0-8166-4523-X
- ^ “Medicine.net”. Patrick Dempsey Reveals His Dyslexia. 2006年7月2日閲覧。
- ^ Joseph Fiennes
- ^ “telegraph.co.uk”. I don't want dyslexia to be an issue. 2006年7月2日閲覧。
- ^ “Famous people with Dyslexia”. DyslexiaOnline.com. 2007年4月5日閲覧。
- ^ “Last”. WashingtonPost.com (2007年9月9日). 2007年10月29日閲覧。
- ^ “American eagle latitudes”. The One and Only Anthony Hopkins. 2006年7月2日閲覧。
- ^ “Queen's university of Charlotte”. John Irving Captivates Sold-out Crowd at Queens. 2006年7月2日閲覧。
- ^ Official Bruce Jenner Website
- ^ “Mirror.co.uk”. IKEA king is world's richest man. 2006年7月2日閲覧。
- ^ a b c d e f Famous Dyslexics
- ^ “Tough Enough”. Keira Knightley has overcome childhood challenges -- including dyslexia -- to become an actress. Yet the 20-year-old says she can't be a role model.. 2007年3月13日閲覧。
- ^ “HOME BUSINESS Magazine”. Jay Leno: Leading With His Chin Success Secrets from the Host of The Tonight Show. 2006年7月2日閲覧。
- ^ “BBC News”. Profile Jamie Oliver. 2006年7月2日閲覧。
- ^ Appleyard, Bryan (2005年11月27日). “Blizzard of Oz”. The Sunday Times Magazine 2006年9月17日閲覧。
- ^ “Allmusic”. Biography. 2006年7月2日閲覧。
- ^ “bbc.co.uk”. Dyslexia. 2006年7月2日閲覧。
- ^ http://en.wikipedia.org/wiki/Richard_Rogers
- ^ http://www.lee-ryan.org
- ^ Robert David Jaffee (2006年). “Jersey-raised director Bryan Singer lives a dream in bringing Superman back to the big screen”. New Jersey Jewish News 2008年12月28日閲覧。
- ^ The Herald newspaper (Glasgow), 'Sir Jackie, was not diagnosed with dyslexia until he was 42'
- ^ “Joss Stone Gets In Touch With Witchy Side For Film Debut In 'Eragon'”. VH1 (2006年12月12日). 2007年3月4日閲覧。
- ^ “National library of medicine”. 2006年7月2日閲覧。
- ^ “USAToday.com”. Lindsay Wagner defeats dyslexia. 2006年7月2日閲覧。
- ^ [3]
- ^ Who has dyslexia by the Dyslexia Association of Singapore
- ^ Hans Christian Andersen Biography
- ^ The man of musical Marmite - that’s Mika. But love him or hate him, you can’t miss that falsetto
- ^ Word-blind: Einar Engebretsen drove his teachers to despair : 30 years later he discovered why
関連項目
外部リンク
- 読み書きのみの学習困難(ディスレキシア)への対応策(文部科学省科学技術政策研究所科学技術動向研究センター科学技術動向月報2004年12月号)
- 難読症とは何ですか?
- 小山麻紀『オックスフォード便り~ディスレクシア研究室留学記~』
- Mare Azzurro
- www.hum-molgen.org The gene DCDC2 is more than a gene of dyslexia.
- NPO法人LD・Dyslexiaセンター(LDDX)
- メアリアン・ウルフ著『プルーストとイカ:読書は脳をどのように変えるのか?』
- Dyslexia - ウェイバックマシン(2012年10月12日アーカイブ分) (英語) Medpedia「ディスレクシア」の項目。