「ヤング率」の版間の差分

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2010年10月22日 (金) 14:33時点における版

ヤング率Young's modulus縦弾性係数)は、弾性範囲で単位ひずみあたり、どれだけ応力が必要かの値を決める定数である。単位は応力と同じPa、tf/m2 など。この名称はトマス・ヤングに由来する。

[ひずみ ε ]= [応力 σ ] / [ヤング率 E ]  (フックの法則)より、

である。

一方向の引張りまたは圧縮応力の方向に対するひずみ量の関係から求める。ヤング率は、縦軸に応力、横軸にひずみをとった応力ひずみ曲線の直線部の傾きに相当する。

たとえば、ヤング率が約100GPaであるでは、断面積1mm2、長さ1mのワイヤに10kgのオモリをぶら下げると、0.1%のひずみが生じる、すなわち約1mm伸びることなどを推定することに使う値である。

結晶原子間距離の変化に対する抵抗というモデルがイメージである。原子間の凝集力が弾性的性質をきめる。したがって応力と変形の機構が同じ種類の材質間では、融点弾性係数の間にはある程度の相関がある。応力がある大きさ(比例限度)をこえると、結晶の不完全な部分が不可逆的にうごくことによって変形することになるので、応力とひずみの関係はリニア(線形)ではなくなり、応力を取り除いてももとの寸法に戻らなくなる。この現象を降伏という。

金属のヤング率は数十 - 数百GPaである。この値は100%のひずみを生じる応力の値であるが、実際の材料は1%も伸びないものが多いので、ヤング率は引張強さの数百倍の大きさである。

弾性的性質は温度によって変化するので解析時には注意が必要である。変化の近似式は

ここで E0 は0[K]でのヤング率、B, Tc は材料によって異なる定数である。一例として、1000℃における鋼のヤング率は2/3ぐらいに減少する。

樹脂においては応力ひずみ線図のリニアの領域はほとんど存在しないのでセカント係数などを用いる。

主な物質のヤング率

注:以下に載せる値は目安であり、必ずしも保証されるものではない。

主な物質のヤング率
材料 GPaでのヤング率(E) lbf/in² (psi)でのヤング率(E)
ゴム (小ひずみ) 0.01-0.1 1.5x10-1.5x10
PTFE (テフロン) 0.5 7.5x10
低密度ポリエチレン 0.2 3.0x10
HDPE 1.379 2.0x10
ポリプロピレン 1.5-2 2.17x10-2.9x10
バクテリオファージ カプシド 1-3 1.5x10-4.35x10
ポリエチレンテレフタラート 2-2.5 OR 2.8-3.1 2.9x10-3.6x10
ポリスチレン 3-3.5 4.35x10-5.05x10
ナイロン 3-7 2.9x10-5.8x10
MDF (中密度繊維板) 3.654 5.3x10
木材 (along grain) 8.963 1.3x10
木材 (along grain) 11 1.6x10
強化コンクリート (圧縮時) 30-100 4.35x10
マグネシウム 金属 (Mg) 45 6.5x10
アルミ合金 69 1.0x10
ガラス (下欄も参照) 65-90 9.4x10-1.3x10
黄銅青銅 103-124 1.x10
チタン (Ti) 105-120 1.5x10-1.75x10
(Cu) 110-130 1.6x10-1.9x10
CFRP (50/50 繊維/樹脂, unidirectional, along grain) 125-150 1.8x10 - 2.2x10
錬鉄 190-210 3.0x10
ベリリウム (Be) 287 4.15x10
タングステン (W) 400-410 5.8x10-5.95x10
炭化珪素 (SiC) 450 6.5x10
オスミウム (Os)[1] 550 7.98x10
炭化タングステン (WC) 450-650 6.5x10-9.4x10
カーボンナノチューブ [1] 1,000+ 1.45x10+
ダイアモンド (C) 1,050-1,200 1.5x10-1.75x10

脚注

  1. ^ http://www.engineeringtoolbox.com/young-modulus-d_417.html