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'''ポイント'''は、[[出版]]において使用される[[長さの単位]]である。[[文字]]のサイズや[[余白]]の幅などの、版面の構成要素の長さを表す場合に使われる。“pt” |
'''ポイント'''は、[[出版]]において使用される[[長さの単位]]である。[[文字]]のサイズや[[余白]]の幅などの、版面の構成要素の長さを表す場合に使われる。“pt”と略記されることが多く、「ポ」と略記されることもある(例:「11ポ」)。後述するように、歴史的にポイントの定義は数種類あるが、現在は[[DTP]]アプリケーションにおいて広く使用されている'''DTP ポイント'''が一般的である。これは1 pt = 1/72 [[インチ|in.]] (= 25.4/72 [[ミリメートル|mm]] = 0.352 777 7... mm) とされ、[[1981年]]に[[ゼロックス]]社が発売した世界初の[[ビットマップ画像|ビットマップ]][[ディスプレイ (コンピュータ)|ディスプレイ]]を実装した製品である[[Xerox Star|Xerox Star(ゼロックス・スター)]]で採用され、以後[[DTP]]アプリケーション等において標準となった。版面のレイアウトの単位をポイントにしておくと、文字が占める量を計算しやすいというメリットがある。なお日本の[[活字]]は'''号数'''制が基本であるが、歴史上では'''ポイント活字'''も使われた時期があった。そのときは、1 pt ≒ 0.351 4 mm が用いられた。 |
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==ポイントの歴史と定義== |
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金属活字のポイントには、アメリカン・ポイントと、ヨーロッパで使用されるディドー・ポイント、フルニエ・ポイントがある。アメリカン・ポイント(パイカ・ポイント)は約 0.351 4 mm で、日本の出版場面ではこちらが主に使われていた<ref>[[日本工業規格]]の [[日本工業規格(その他)の一覧#JIS Z 8000~8999|JIS Z 8]]305-1962 (JIS Z 8305:1962)「活字の基準寸法」では 2. (2) に「1ポイントは 0.351 4 mm とする」と定められている。『日本工業規格活字の基準寸法』日本規格協会、1967年12月、1ページ。</ref>。<!-- 72.282 2 で割ると近似値が出る。ディドーポイントは約 0.357 9 mm。近似値は ÷ 70.969 5 で出せ |
金属活字のポイントには、アメリカン・ポイントと、ヨーロッパで使用されるディドー・ポイント、フルニエ・ポイントがある。アメリカン・ポイント(パイカ・ポイント)は約 0.351 4 mm で、日本の出版場面ではこちらが主に使われていた<ref>[[日本工業規格]]の [[日本工業規格(その他)の一覧#JIS Z 8000~8999|JIS Z 8]]305-1962 (JIS Z 8305:1962)「活字の基準寸法」では 2. (2) に「1ポイントは 0.351 4 mm とする」と定められている。『日本工業規格活字の基準寸法』日本規格協会、1967年12月、1ページ。</ref>。<!-- 72.282 2 で割ると近似値が出る。ディドーポイントは約 0.357 9 mm。近似値は ÷ 70.969 5 で出せる。 |
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ちなみに現在コンピューターで使用されている[[Microsoft Word]]等のアプリケーションでは、一般的にDTPポイント (1 pt = 1/72 in. = 0.352 777 7... mm) を採用している。[[DTP]]ポイントはアメリカン・ポイントとの近似性を持たせるために、1/72 in.を採用したと考えられる。 |
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なお上述の通り、アメリカン・ポイントは DTP ポイントと異なる。このため、小さなポイント数ならばともかく紙面全体となってくるとかなりのズレが生じることになる。ゆえにポイント基準で製作された過去の書籍を[[組版|組み]]直す際には、当時の組版指示書をそのまま使えないことがある。 |
なお上述の通り、アメリカン・ポイントは DTP ポイントと異なる。このため、小さなポイント数ならばともかく紙面全体となってくるとかなりのズレが生じることになる。ゆえにポイント基準で製作された過去の書籍を[[組版|組み]]直す際には、当時の組版指示書をそのまま使えないことがある。 |
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2010年9月6日 (月) 11:08時点における版
ポイントは、出版において使用される長さの単位である。文字のサイズや余白の幅などの、版面の構成要素の長さを表す場合に使われる。“pt”と略記されることが多く、「ポ」と略記されることもある(例:「11ポ」)。後述するように、歴史的にポイントの定義は数種類あるが、現在はDTPアプリケーションにおいて広く使用されているDTP ポイントが一般的である。これは1 pt = 1/72 in. (= 25.4/72 mm = 0.352 777 7... mm) とされ、1981年にゼロックス社が発売した世界初のビットマップディスプレイを実装した製品であるXerox Star(ゼロックス・スター)で採用され、以後DTPアプリケーション等において標準となった。版面のレイアウトの単位をポイントにしておくと、文字が占める量を計算しやすいというメリットがある。なお日本の活字は号数制が基本であるが、歴史上ではポイント活字も使われた時期があった。そのときは、1 pt ≒ 0.351 4 mm が用いられた。
ポイントの歴史と定義
ポイントは複数の地域や時代に種々のシステムが成立したため、定義も一様でない。最も古いポイント・システムはフルニエ・ポイント (Fournier's point) とされ、次にディドー・ポイント (Didot's point) が1783年ごろ成立する。これら二つのシステムはフランスで誕生し、大陸で広く使われた。フルニエ・ポイントは、フルニエ (Pierre-Simon Fournier)[1] により提案されたものである。シセロ (Cicéro) 格の 1/12 を基準として、ポイントを定義したのである。ディドー (François-Ambroise Didot)[2] はこのフルニエのシステムを改善し、「王のインチ」(Pied de roi) と呼ばれるフランスのインチ格に、1 ptを1/72インチとして適合させた[要出典]エラー: タグの貼り付け年月を「date=yyyy年m月」形式で記入してください。間違えて「date=」を「data=」等と記入していないかも確認してください。。フルニエ・ポイントにおいては、1 pt ≒ 0.348 82 mm で、ディドー・ポイントでは 1 pt ≒ 0.375 9 mm に相当する。
欧州大陸では主にディドーのポイント・システムが使用されていたが、英米では定まったポイント・システムは普及しなかった。アメリカで活字のサイズが統一されるのは、1886年に MS&J (Mackellar, Smiths and Jordan, Letter Founder) のジョンソン・パイカ (Johnson pica) を共通的に使用することが確認されてからである。これをアメリカン・ポイント (American point, American printers' point) という。ジョンソン・パイカは 83 picas = 35 cm とするもので、1 pt = 1/12 picas ≒ 0.351 4 mm である。ジョンソン・パイカが 83 picas = 35 cm とし、それが結局アメリカン・ポイントとして選択されたのは、サイズ体系を維持することで、活字の改鋳を極力避けるためであった。多くの有力な活字鋳造業者がジョンソン・パイカを使用していたため、アメリカン・ポイントを 1 in. = 6 picas、1 picas = 12 pt にしようと運動したホークスの提案は退けられたのである。アメリカン・ポイントは築地活版によって1900年代後半に紹介され、日本でも普及した。
1973年、ディドー・ポイントは 1 pt = 3/8 mm (= 0.375 mm) と定義されなおされた[要出典]エラー: タグの貼り付け年月を「date=yyyy年m月」形式で記入してください。間違えて「date=」を「data=」等と記入していないかも確認してください。。
互換性
金属活字のポイントには、アメリカン・ポイントと、ヨーロッパで使用されるディドー・ポイント、フルニエ・ポイントがある。アメリカン・ポイント(パイカ・ポイント)は約 0.351 4 mm で、日本の出版場面ではこちらが主に使われていた[3]。
- ^ fr:Pierre-Simon Fournier
- ^ fr:François-Ambroise Didot
- ^ 日本工業規格の JIS Z 8305-1962 (JIS Z 8305:1962)「活字の基準寸法」では 2. (2) に「1ポイントは 0.351 4 mm とする」と定められている。『日本工業規格活字の基準寸法』日本規格協会、1967年12月、1ページ。