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'''長艸 敏明'''(ながくさ としあき、1948年 - )は[[刺繍]]作家・着物デザイナー・京繍[[伝統工芸士]]。[[京都]][[西陣]]生まれ。 |
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2005年11月1日 (火) 18:36時点における版
長艸 敏明(ながくさ としあき、1948年 - )は刺繍作家・着物デザイナー・京繍伝統工芸士。京都西陣生まれ。
京刺繍職人であった父・長艸芳之助の次男として、立命館大学経営学部を経て、日本刺繍の世界へ。以後、世界を舞台に幅広い分野で活躍。
1994年能衣装・小袖展(パリ・バガテル城、パリ市後援)で、日本よりも先に欧州のデザイナー・芸術家から高い評価を受ける。また、クリスチャン・ディオールの主任デザイナーとしても知られるジョン・ガリアーノのディオール復帰コレクションに大きな影響を与えたとされる。
主に、1995年エルメス本店(パリ)のディスプレイ、1998年飛騨高山祭・屋台懸装制作(龍・虎)、京都祇園祭・白楽天山(見送り幕)修復、2000年パリ・コレクション(シェレルコレクション)協力、2003年相国寺(京都)法被八角龍の修復などを手掛けている。
能装束などの舞台衣装や歴史的文化財の修復など、伝統文化とその技術を継承・保存する立場を厳しく貫く一方、欧州のコレクションへの協力やタペストリーやドレス、時計などの刺繍作品・商品などの制作で、卓越した芸術感覚と技術力により分野・国を限定せず、京刺繍の魅力を発揮させてきたといえる。
また氏は、着物における刺繍作品(商品)について、その美しさから鑑賞作品として買い求める希望も多いが、着物は着てもらうことを前提にしなければ売ることができないという信念を持っているといわれている。
日本では文化財の修復など一般には認知されにくい業績から、芸術家・デザイナーとしては、海外や特定の専門家間による評価の方が高く、伝統工芸士としては異色であるが日本を代表するデザイナーである。
妻は長艸 純恵。ともに刺繍作家・着物デザイナー・京繍伝統工芸士。夫の重厚で伝統的な作品に対し、女性的な魅力を持ち美しくも優しい作品に女性を中心とした多くの愛好者がいる。代表作に繍半襟「源氏物語五十四帖」、繍団扇「花源氏物語」などがある。