「ぬらりひょんの孫の登場人物」の版間の差分

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; 雪麗(せつら)
; 雪麗(せつら)
: 11月1日生まれ、身長153cm、体重は秘密。
: 11月1日生まれ、身長153cm、体重は秘密。
: 江戸時代の奴良組にいた雪女。ぬらりひょんの妾でつららの母親。ぬらりひょんと口づけをする事を目標にしている(凍死しかねないため、ぬらりひょんは嫌がっている)。羽衣狐戦では、茨木童子と交戦。ぬらりひょんの最も側に居た女性とう立場から普段は大胆な行動が多いが、他人の前で名前を呼ばれると羞恥心から動揺する。
: 江戸時代の奴良組にいた雪女。ぬらりひょんの妾でつららの母親。ぬらりひょんと口づけをする事を目標にしている(凍死しかねないため、ぬらりひょんは嫌がっている)。羽衣狐戦では、茨木童子と交戦。ぬらりひょんの最も側に居た女性とう立場から普段は大胆な行動が多いが、他人の前で名前を呼ばれると羞恥心から動揺する。
; [[青坊主|青田坊]](あおたぼう)
; [[青坊主|青田坊]](あおたぼう)
: 声 - [[安元洋貴]]
: 声 - [[安元洋貴]]
: 7月23日生まれ、身長220cm、体重128kg。
: 7月23日生まれ、身長220cm、体重128kg。
: 奴良家に棲む妖怪の一人で、リクオの側近。鉄紺色の僧衣を纏った、見上げるような大男の[[破戒僧]]。屈強な肉体と妖怪を一撃で殴り殺す怪力の持ち主で、奴良組の主力。愛称は「青(あお)」。「奴良組の突撃隊長」を自称し、戦いでは黒田坊と共に先陣を切ることが多い。
: 奴良家に棲む妖怪の一人で、リクオの側近。鉄紺色の僧衣を纏った[[破戒僧]]。屈強な肉体と妖怪を一撃で殴り殺す怪力の持ち主で、奴良組の主力。愛称は「青(あお)」。「奴良組の突撃隊長」を自称し、戦いでは黒田坊と共に先陣を切ることが多い。
: リクオが妖怪の姿に覚醒してからは人間に化けて'''倉田(くらた)'''と名乗り、雪女(つらら)と共に同じ学校に通学している(つらら同様リクオには気付かれなかった)。原作ではクラスへの所属ははっきりしていないが、アニメ版では雪女同様一年一組所属という設定になっている。リクオをパシリに使おうとした人間を懲らしめた後に、いつのまにか暴走族「'''血畏無百鬼夜行(ちいむひゃっきやこう)'''」の頭(ヘッド)になってしまっている。後にリクオと七分三分の盃を交わした。
: リクオが妖怪の姿に覚醒してからは人間に化けて'''倉田(くらた)'''と名乗り、雪女(つらら)と共に同じ学校に通学している(つらら同様リクオには気付かれなかった)。原作ではクラスへの所属ははっきりしていないが、アニメ版では雪女同様一年一組所属という設定になっている。リクオをパシリに使おうとした人間を懲らしめた後に、いつのまにか暴走族「'''血畏無百鬼夜行(ちいむひゃっきやこう)'''」の頭(ヘッド)になってしまっている。後にリクオと七分三分の盃を交わした。
:; 剛力礼讃(ごうりきらいさん)
:; 剛力礼讃(ごうりきらいさん)
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: 声 - [[鳥海浩輔]]
: 声 - [[鳥海浩輔]]
: 12月13日生まれ、身長195cm、体重83kg。
: 12月13日生まれ、身長195cm、体重83kg。
: 奴良家に棲む妖怪の一人。黒い[[袈裟]]を着た風貌に[[笠]]をかぶっている。青田坊とは破戒僧同士仲が良いらしく、出入りの際には常に勝負を競っている「もう一人の突撃隊長」。愛称は「黒(くろ)」。手にした錫杖以外にも法衣の中に無数の暗器を仕込み、不意打ちを得意とする'''暗殺破戒僧'''の異名を持ち、「卑怯」を最高の褒め言葉と受け取る。
: 奴良家に棲む妖怪の一人。黒い[[袈裟]]を着[[笠]]をかぶっている破戒僧。青田坊とは破戒僧同士仲が良く、出入りの際には常に勝負を競っている「もう一人の突撃隊長」。愛称は「黒(くろ)」。手にした錫杖以外にも法衣の中に無数の暗器を仕込み、不意打ちを得意とする'''暗殺破戒僧'''の異名を持ち、「卑怯」を最高の褒め言葉と受け取る。
: リクオが正式に跡目候補となってからは、ビジネスマンに擬態して護衛(登下校の護衛及び裏口の見張り)に回ることになった。人間には基本的に無関心であるが、[[痴漢]]疑惑を晴らしてくれた鳥居に関しては恩義を抱いている。後にリクオと七分三分の盃を交わした。
: リクオが正式に跡目候補となってからは、ビジネスマンに擬態して護衛(登下校の護衛及び裏口の見張り)に回ることになった。人間には基本的に無関心であるが、[[痴漢]]疑惑を晴らしてくれた鳥居に関しては恩義を抱いている。後にリクオと七分三分の盃を交わした。
: 人間、妖怪を問わず女性関係に於いて、ふとしたことでトラブルになることが多い。淡島からは「エロ田坊」と呼ばれている。
: 人間、妖怪を問わず女性関係に於いて、ふとしたことでトラブルになることが多い。淡島からは「エロ田坊」と呼ばれている。
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: 400年前の若い頃はかなりの長身で、当時の長い錫杖には刀が仕込まれていたが、京都での羽衣狐との決戦以降、急激に現在の体型に近づいた。
: 400年前の若い頃はかなりの長身で、当時の長い錫杖には刀が仕込まれていたが、京都での羽衣狐との決戦以降、急激に現在の体型に近づいた。
; 三羽鴉(さんばがらす)
; 三羽鴉(さんばがらす)
: カラス天狗の子供で三兄妹。浮世絵町の多数の烏を従えており、諜報役として活躍する。馬頭丸の操る巨大な妖怪を一瞬にして蹴散らすなど、戦闘能力も高い。背中に翼を有する人間の姿と、妖怪の2つの姿を持っている。
: カラス天狗の子供で三つ子の兄妹。浮世絵町の多数の烏を従えており、諜報役として活躍する。馬頭丸の操る巨大な妖怪を一瞬にして蹴散らすなど、戦闘能力も高い。背中に翼を有する人間の姿と、妖怪の2つの姿を持っている。妖怪の姿になると言葉づかいも古風な感じに変わる。
;; 黒羽丸(くろうまる)
;; 黒羽丸(くろうまる)
:: 声 - [[下野紘]]
:: 声 - [[下野紘]]
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; [[邪魅]](じゃみ)
; [[邪魅]](じゃみ)
: 10月27日生まれ、身長203cm、体重90kg。
: 10月27日生まれ、身長203cm、体重90kg。
: 顔を何重もの護符で覆い隠した大男の妖怪。
: 顔を何重もの護符で覆い隠した妖怪。
: 元は無名だが君主に忠実な若侍。勤勉で君主の秀島藩藩主・菅沼定盛を心から尊敬し、そして自身も定盛に信頼されていたが、定盛の妻に嫉妬され、いわれのない罪を着せられて屋敷の地下牢に監禁された。その時に、後に「地ならし」と呼ばれた大津波が起こり、命を散らす。その後、一生守ると誓った定盛より先に死んでしまった無念で成仏できずに妖怪となり現世を彷徨っていた。
: 元は無名だが君主に忠実な若侍。勤勉で君主の秀島藩藩主・菅沼定盛を心から尊敬し、そして自身も定盛に信頼されていたが、定盛の妻に嫉妬され、いわれのない罪を着せられて屋敷の地下牢に監禁された。その時に、後に「地ならし」と呼ばれた大津波が起こり、命を散らす。その後、一生守ると誓った定盛より先に死んでしまった無念で成仏できずに妖怪となり現世を彷徨っていた。
: 土地を狙っていたヤクザによって邪魅騒動の名目で不当に扱われ、これをリクオと共に退治する。その後にリクオと七分三分の盃を交わし、百鬼夜行に加わった。
: 土地を狙っていたヤクザによって邪魅騒動の名目で不当に扱われ、これをリクオと共に退治する。その後にリクオと七分三分の盃を交わし、百鬼夜行に加わった。
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: 声 - [[吉野裕行]]
: 声 - [[吉野裕行]]
: 6月28日生まれ、身長162cm、体重58kg。
: 6月28日生まれ、身長162cm、体重58kg。
: 牛鬼(梅若丸)の腹心の妖怪で、牛鬼組若頭。髷を結い左目を前髪で隠した青年。冷淡かつ残忍な性格で、牛鬼(梅若丸)と馬頭丸以外の妖怪は基本的に見下している。また、他者を見くびる性格ゆえに後先考えず暴走することも多く、そのせいで容易く罠にはめられることもある。幼い頃から馬頭丸と共に牛鬼(梅若丸)の側に仕え、馬頭丸と並び牛鬼(梅若丸)からの信頼が最も厚い部下である。呪文を聞かせることで人間を操ったり惑わせることができ、「爪」と呼ばれる日本刀を使って戦う。傀儡糸を使って人間を操ることもできるが、馬頭丸のものとは違い少々乱暴である。甘いものが嫌い(ドラマCD番外編より)。
: 牛鬼(梅若丸)の腹心の妖怪で、牛鬼組若頭。髷を結い左目を前髪で隠した青年。冷淡かつ残忍な性格で、牛鬼(梅若丸)と馬頭丸以外の妖怪は基本的に見下している。また、他者を見くびる性格ゆえに後先考えず暴走することも多く、そのせいで容易く罠にはめられることもある。幼い頃から馬頭丸と共に牛鬼(梅若丸)の側に仕え、馬頭丸と並び牛鬼(梅若丸)からの信頼が最も厚い部下である。呪文を聞かせることで人間を操ったり惑わせることができ、「爪」という銘の日本刀を使って戦う。傀儡糸を使って人間を操ることもできるが、馬頭丸のものとは違い少々乱暴である。甘いものが嫌い(ドラマCD番外編より)。
: 油断した雪女(つらら)を圧倒して負傷させ、駆けつけたリクオと互角の勝負を展開。最後は背中の爪ごと身体を切り裂かれて敗北した。牛鬼(梅若丸)の処分に伴い、牛鬼組の跡目候補として、本家あずかりの身となるが、雪女(つらら)とはいまだに敵対している。事実上本家の人質という立場にあるが、カラス天狗からぬらりひょんの護衛任務を与えられるなど、それなりに実力は買われている様子。平和ボケした本家の空気を嫌っているが、リクオに対しては多少興味を抱いている。
: 油断した雪女(つらら)を圧倒して負傷させ、駆けつけたリクオと互角の勝負を展開。最後は背中の爪ごと身体を切り裂かれて敗北した。牛鬼(梅若丸)の処分に伴い、牛鬼組の跡目候補として、本家あずかりの身となるが、雪女(つらら)とはいまだに敵対している。事実上本家の人質という立場にあるが、カラス天狗からぬらりひょんの護衛任務を与えられるなど、それなりに実力は買われている様子。平和ボケした本家の空気を嫌っているが、リクオに対しては多少興味を抱いている。
:; 牛頭陰魔爪(ごずいんまそう)
:; 牛頭陰魔爪(ごずいんまそう)
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: 声 - [[保志総一朗]]
: 声 - [[保志総一朗]]
: 2月25日生まれ、身長162cm、体重51kg。
: 2月25日生まれ、身長162cm、体重51kg。
: 牛鬼(梅若丸)の腹心の妖怪で、牛鬼組若頭補佐。常に馬の頭骨を頭にかぶっており、その素顔は中性的な顔立ち故、少女のようにも見える。傀儡糸を使って人間を操ることができるが、牛頭丸のような武器や攻撃能力は持たないため、主に補助役に回ることが多い。牛頭丸と共に牛鬼(梅若丸)が最も信頼を寄せる妖怪だが、牛頭丸には牛鬼(梅若丸)により認められたいが故のライバル意識を抱いており、常に牛頭丸の先に行こうと競っている(しかし、仲が悪いわけではない)。年少であるためか、牛頭丸に比べると少し間の抜けていて、楽天的かつ幼稚なところがある。
: 牛鬼(梅若丸)の腹心の妖怪で、牛鬼組若頭・牛頭丸の補佐。常に馬の頭骨を頭にかぶっており、その素顔は中性的な顔立ち故、少女のようにも見える。傀儡糸を使って人間を操ることができるが、牛頭丸のような武器や攻撃能力は持たないため、主に補助役に回ることが多い。牛頭丸と共に牛鬼(梅若丸)が最も信頼を寄せる妖怪だが、牛頭丸には牛鬼(梅若丸)により認められたいが故のライバル意識を抱いており、常に牛頭丸の先に行こうと競っている(しかし、仲が悪いわけではない)。年少であるためか、牛頭丸に比べると少し間の抜けていて、楽天的かつ幼稚なところがある。
: 牛頭丸とともにリクオ(とその仲間)の始末にかかったが、捩眼山温泉での戦いではゆらや三羽鴉の登場という不測の事態に慌てていた。牛鬼(梅若丸)降伏後は牛頭丸と共に奴良組へ復帰した。リクオを始め本家の妖怪をそれほど嫌ってはおらず、必要以上に危険なことに手を出すことは躊躇っているが、[[自己中心的]]に行動する牛頭丸に振り回されることが多い。
: 牛頭丸とともにリクオ(とその仲間)の始末にかかったが、捩眼山温泉での戦いではゆらや三羽鴉の登場という不測の事態に慌てていた。牛鬼(梅若丸)降伏後は牛頭丸と共に奴良組へ復帰した。リクオを始め本家の妖怪をそれほど嫌ってはおらず、必要以上に危険なことに手を出すことは躊躇っているが、[[自己中心的]]に行動する牛頭丸に振り回されることが多い。
:; うしおに軍団(-ぐんだん)
:; うしおに軍団(-ぐんだん)
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; 猩影(しょうえい)
; 猩影(しょうえい)
: 4月25日生まれ、身長225cm、体重108kg。
: 4月25日生まれ、身長225cm、体重108kg。
: 奴良系「関東大猿会」二代目会長で狒々の息子の若頭。日本刀を携え、今時の洋服の上から黒いフードつきの羽織を着た人間の姿。立ち上がれば一つ目入道を見下ろすほどの長身だが、真の姿は本人でも「大きすぎる」という。利己的な幹部たちを相手に仁義を説くなど潔い性格だが、まだ若手のためか感情的になりやすい面もある。首無やつららなど本家の妖怪たちを「兄貴」や「姐(ねえ)さん」と呼んで慕っている。
: 奴良系「関東大猿会」二代目会長で狒々の息子の若頭。日本刀を携え、今時の洋服の上から黒いフードつきの羽織を着た人間の姿。立ち上がれば一つ目入道を見下ろす長身だが、真の姿は本人でも「大きすぎる」という。利己的な幹部たちを相手に仁義を説くなど潔い性格だが、まだ若手のためか感情的になりやすい面もある。首無やつららなど本家の妖怪たちを「兄貴」や「姐(ねえ)さん」と呼んで慕っている。
: リクオ同様に人間として世を生きていくと決めており(リクオと同じ混血なのかは不明)、最早妖怪の世界には戻らないとも心を決めていたが、狒々の死に伴い組長となるためリクオに呼び戻される。父を殺した四国の妖怪たちを憎み、「親父と同じ目に遭わせてやる」と固く誓っていた。その後京都へ向かうリクオ達に同行した。父親の形見とも思える能面を持っていて、宝船を真正面から素手で支える怪力の持ち主。その際は顔を能面で覆い、手足が獣のように変化した。
: リクオ同様に人間として世を生きていくと決めており(リクオと同じ混血なのかは不明)、最早妖怪の世界には戻らないとも心を決めていたが、狒々の死に伴い組長となるためリクオに呼び戻される。父を殺した四国の妖怪たちを憎み、「親父と同じ目に遭わせてやる」と固く誓っていた。その後京都へ向かうリクオ達に同行した。父親の形見とも思える能面を持っていて、宝船を真正面から力尽くで支える怪力の持ち主。その際は顔を能面で覆い、手足が獣のように変化した。


==== 独眼鬼組 ====
==== 独眼鬼組 ====
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; 島 二郎(しま じろう)
; 島 二郎(しま じろう)
: 声 - [[柿原徹也]]
: 声 - [[柿原徹也]]
: 清継の取り巻きの一人。いつも清継の味方に付く少年。下の名前は不明。リクオの小学校時代からの知り合いで、現在浮世絵中学校1年2組の同級生。つらら(雪女)に好意を抱いている。実はサッカー部員でU-14(14歳以下)[[サッカー日本代表]]選手<ref>2008年夏の『[[週刊少年ジャンプの増刊号|赤マルジャンプ]]』によって判明。</ref>。
: 清継の取り巻きの一人。いつも清継の味方に付く少年。リクオの小学校時代からの知り合いで、現在浮世絵中学校1年2組の同級生。つらら(雪女)に好意を抱いている。実はサッカー部員でU-14(14歳以下)[[サッカー日本代表]]選手<ref>2008年夏の『[[週刊少年ジャンプの増刊号|赤マルジャンプ]]』によって判明。</ref>。


=== 花開院家 ===
=== 花開院家 ===

2010年7月15日 (木) 03:59時点における版

ぬらりひょんの孫 > ぬらりひょんの孫の登場人物

ぬらりひょんの孫の登場人物は、椎橋寛の漫画『ぬらりひょんの孫』の登場人物の一覧。

はドラマCD・VOMIC・テレビアニメ共に共通。

奴良組

奴良組本家

頭領の家系

奴良 リクオ(ぬら リクオ)
声 - 福山潤喜多村英梨(幼少時)
本作の主人公。現在中学1年生(12歳)。9月23日生まれ、身長148cm、体重48kg。
ぬらりひょんの血を4分の1引いているで、人間と妖怪のクオーター混血)である(名前はぬらりひょんのクオーターである事に由来する[1])。覚醒時は、体内に流れている妖怪の血のせいで姿形、性格がガラリと変わる。屋敷の妖怪たちからは「若」「リクオ様」などと呼ばれている。どちらの人格でも恋愛ごとには非常にうとい。
人間時のリクオ
初めは、覚醒時のリクオは覚醒前の事もすべて把握していたようであったが、人間の時のリクオに覚醒時の記憶は残っていなかった。その後、牛鬼との戦い頃より人間時でも妖怪時の記憶が残るようになり(その際にガゴゼ・蛇太夫を殺した時の記憶も戻っている)、組を守る後継ぎとしての自覚を持つようになる。が、それ故に無理をすることも多く、対四国戦の前には、不眠不休で夜のパトロールをして倒れたこともある。
謀反を起こした牛鬼に何一つ処分を下さず再び奴良組に戻るよう説得するなどし、ぬらりひょんからは「まだまだ甘い」と言われているが、昼の姿でも決して無能というわけではなく、木魚達磨や牛鬼(梅若丸)に「ある意味昼の姿の方がぬらりひょんの本質に近い」と評される程の、人の懐に軽々と入り込む天性のしたたかさも持ち合わせている模様。
極道一家「奴良組」三代目候補(若頭)であるが、人間の血が多く、争いごとを好まないため、他の妖怪たちからは反対されていた。現在でも、祖父であるぬらりひょんに悪事をしないよう窘めている。妖怪絡みの厄介ごとに巻き込まれることが多い為、妖怪を悪と見なしている節もあるが、組員を家族として大切に思っている。自身が妖怪に襲われることも多いからか、常に祢々切丸を隠し持っていると思われる節がある。
中学では「人様から当てにされ、褒められてこそ立派な人間だ」と信じ、頼まれごとは何でも喜んで聞くよう振る舞っているが、それ故に周囲から体良くパシリにされている(そのためカナや屋敷の妖怪らには「イジメを受けているのでは」と心配されている)。青田坊がパシリをさせる人間を懲らしめてからは、そのようなことはなくなったと見られるが、その気の利いた行いの数々は密かに学校中で有名になっており、殆どの生徒達には「文字通り良い奴(苗字が「奴良」であることから)」とかなり好意的に見られている。
ちなみに運動神経も抜群で、成績もなかなか優秀らしい描写がよく見られる。小学生の頃は50m走で6秒9の記録を出していたが、中学生になった現在は5秒台らしい(番外編より)。
妖怪時のリクオ
9月23日生まれ、身長175cm、体重66kg。
リクオが覚醒し妖怪となった姿で、鋭い目付きと棚引く長髪の、若かりし頃のぬらりひょんとよく似た容姿をした長身の青年。リクオが8才の時に初めて覚醒した。4年後、鴆を助けようとして変身したのを初めとして、感情が高ぶると変身するようになった。四国八十八鬼夜行との決戦以降、夜になると勝手に変身するようになった。現在、夜・闇の中・妖気の強い場所ではこの姿となる。
人間時のリクオが「昼の姿」「昼のリクオ」と呼ばれるのに対し、「夜の姿」「夜のリクオ」と呼ばれていて、一人称も「ボク」から「オレ」に代わる。口調も少々荒くなり、性格も覚醒前と比べるとかなり大胆になる。当初は意図的には変化出来なかったが、後に闇に乗じればいつでも変化出来るようになった。
覚醒時はまさに極道の親分と言えるこの上なく頼れる存在で、その姿に畏怖する者は組の中にも多数存在する。また一般人に危害を加える妖怪は勿論だが、無害な妖怪のことを悪く言いふらし、誇りを汚すような存在はたとえ人間であっても容赦しない。
主に武器として扱う『祢々切丸(ねねきりまる)』は、ぬらりひょんから譲り受けた長ドスで、本来は妖怪のみを斬ることができる陰陽師の刀(陽の力で斬る為、本来妖怪の使える代物ではない)。敵に対しては冷徹であり、止めは全て「一刀両断」である。また、妖怪としての能力はぬらりひょんから引き継いだものである。
夜のリクオは既に昼(人間)は昼のリクオの領分、夜(妖怪)は自分の領分であると割り切っていて、それ故妖怪たちをまとめることに苦戦する昼のリクオを諭すこともある。また、そんなカリスマ性に溢れた彼を昼のリクオは認めているが、自身は羨望の眼差しを向けている。
昼と夜の混ざり合った姿
玉章との戦いの最中、夜が明けてきたことで妖怪時から人間時の姿に戻りかけたリクオの姿。この状態で初めて「鏡花水月」を使用した。
奥義・明鏡止水"桜"(おうぎ・めいきょうしすい さくら)
酒を利用した奴良家秘伝の技。盃に波紋が広がる間敵を焼き尽くす。元は人間が生み出した陰陽術で、かつて百鬼を制したぬらりひょんが手にした力である。
明鏡止水 (めいきょうしすい)
リクオの鬼撥(はつ)。畏れを発動することで相手を威圧し、相手に認識されなくなる技。祖父の技を、見様見真似で習得した。ぬらりひょんは「波の立たない水面」と例えている。
鏡花水月(きょうかすいげつ)
リクオの鬼憑(ひょうい)。相手がリクオの姿を認識してそれに攻撃しても、何ら手応えはなくリクオに攻撃が通り、見えているリクオが幻影だと気づいても、その時にはすでに隙ができた(リクオの畏れに飲まれた)相手は突如現れたリクオから攻撃を受けてしまう技(相手の隙を利用して攻撃するカウンターアタックでもある)。簡単に言うならば自身の「畏」の位置をずらすことで、相手の認識をずらして相手の「畏れ」を断つ技。見えていても触ると波紋が立って消えてしまう「水面に映った月」の様にぬらりくらりとして本質を掴ませない、ぬらりひょんの本質を表しているとも言える。
玉章との決戦で発動、玉章を倒した。その後遠野での京妖怪との戦い、イタク達との修行を経て完全に習得した。ぬらりひょんが使えるかどうかは不明だが、少なくともカラス天狗や木魚達磨にとっては「未知の畏」である。
画図百鬼夜行」より
ぬらりひょん
声 - 大塚周夫
1月31日生まれ、身長143cm、体重40kg。
リクオの祖父で、妖怪の総大将。初代頭領だが、二代目となった息子・鯉伴が早逝した為、隠居の身でありながら頭領を務める。昔は悪行の限りを尽くし、「闇世界の主」と言われていたらしいが、現在はその妖術を無銭飲食などのせこい手段に使ったりしている。過去には妖怪の天敵である陰陽師の本家・花開院家で飯を食って帰って来た事もある(この時初めて花開院秀元と出会った)。三代目を継ぐのはリクオであると強く思っているが、リクオが自分のように人様に迷惑をかける事を嫌がっている点は、あまり良く思っていない。大雑把に計算しても、年齢は軽く千を超えているが、羽衣狐に生き肝を抉り取られた事により、寿命は大幅に減らされているらしい。
若い頃は覚醒時のリクオによく似た伊達男だったが、一人称は今と変わらず「ワシ」だった(江戸時代初めには「オレ」ということもあった)。背中と両目の下に入れ墨がある。普段は自由気ままに振る舞っているが、いざとなれば周りの助言にも耳を貸さず決定を下す信念の持ち主。また実力も、孫のリクオを圧倒するだけの力はある。
真・明鏡止水(ぬらりひょんのめいきょうしすい)
「畏」を発動してその圧倒的な存在感で威圧することにより、相手から自分の姿を認知されなくする。
真・鏡花水月(きょうかすいげつ)
奴良 鯉伴(ぬら りはん)
4月9日生まれ、身長181cm、体重73kg。
ぬらりひょんと珱姫の息子で、リクオの父親。父や息子とは違い、髪の色は黒一色である。奴良組二代目頭領で、奴良組の全盛期を築き上げたが、リクオの幼少期に復活した羽衣狐一派の手によって殺害されている。彼の死を境に、奴良組の弱体化が徐々に始まった。

本家直属の組員

雪女(ゆきおんな)/及川氷麗(おいかわ つらら)
声 - 堀江由衣
1月11日生まれ、身長150cm、体重は秘密。
奴良家に棲む妖怪の一人で、リクオの側近をしている。妖怪たちからは単に「雪女」と呼ばれているが、リクオからは「つらら」と呼ばれることが多い。外見はリクオと同い年ぐらいの美少女。トレードマークのマフラーは母親の真似(冷気を逃がさないためという意味もある)。奴良家の家事全般を担当している様子(リクオ曰く「美味しいが冷めている食事」が多い)で、リクオが学校に持って行く弁当も作っている(やはり凍っている)。リクオの幼少期には逆さに吊るされるなど、よくリクオに遊ばれていた。リクオとの信頼関係は本家の中でも最も強い部類に入り、特に夜のリクオの凛々しさには頬を赤らめるなど恋愛感情らしき描写も多い。ただ、それ故に時に強引な行動に出ることもある。得意技は主に吹雪を起こして敵を凍りつかせることだが、氷で薙刀を作って接近戦をするのも得意。
リクオが妖怪の姿に覚醒して以来、お供として人間に化けてリクオと同じ学校に通学している(リクオは4年間気付かなかったが、学校行事の際には青田坊とともに常に同じ写真に写っている)。氷麗は人間時の名前である。妖怪の天敵である陰陽師が大の苦手で、潜入当初はゆらに対して怯えっぱなしであったが、ゆらに正体がばれてからは開き直って彼女に堂々と接している。学校では登下校して部活動(清十字団)に参加したりしているが、潜り込んでいるためにクラスには所属しておらず、授業にも出ていない模様(アニメ版では一年一組所属という設定になっている)。後にリクオと七分三分の盃を交わした。
マフラーの他にも、「畏」の旗や「ぬ」のハンカチなどの様々な小道具を持っている。
呪いの吹雪・雪化粧(のろいのふぶき・ゆきげしょう)
吹雪で相手を凍りつかせ粉々に破壊する。
呪いの吹雪・風声鶴麗(のろいのふぶき・ふうせいかくれい)
強力な吹雪で相手を氷漬けにし、動きを封じる。
口上「我が身にまといし眷族氷結せよ 客人を冷たくもてなせ 闇に白く輝け 凍てつく風に畏れおののけ」
呪いの吹雪・雪山殺し(のろいのふぶき・ゆきやまごろし)
浴びせた吹雪の寒さで相手を眠らせる。
雪麗(せつら)
11月1日生まれ、身長153cm、体重は秘密。
江戸時代の奴良組にいた雪女。ぬらりひょんの妾でつららの母親。ぬらりひょんと口づけをする事を目標にしている(凍死しかねないため、ぬらりひょんは嫌がっている)。羽衣狐戦では、茨木童子と交戦。ぬらりひょんの最も側に居た女性という立場から普段は大胆な行動が多いが、他人の前で名前を呼ばれると羞恥心から動揺する。
青田坊(あおたぼう)
声 - 安元洋貴
7月23日生まれ、身長220cm、体重128kg。
奴良家に棲む妖怪の一人で、リクオの側近。鉄紺色の僧衣を纏った破戒僧。屈強な肉体と妖怪を一撃で殴り殺す怪力の持ち主で、奴良組の主力。愛称は「青(あお)」。「奴良組の突撃隊長」を自称し、戦いでは黒田坊と共に先陣を切ることが多い。
リクオが妖怪の姿に覚醒してからは人間に化けて倉田(くらた)と名乗り、雪女(つらら)と共に同じ学校に通学している(つらら同様リクオには気付かれなかった)。原作ではクラスへの所属ははっきりしていないが、アニメ版では雪女同様一年一組所属という設定になっている。リクオをパシリに使おうとした人間を懲らしめた後に、いつのまにか暴走族「血畏無百鬼夜行(ちいむひゃっきやこう)」の頭(ヘッド)になってしまっている。後にリクオと七分三分の盃を交わした。
剛力礼讃(ごうりきらいさん)
髑髏の数珠飾り・"骸の数珠"を外すことにより、制限していた本来の力を発揮する。
黒田坊(くろたぼう)
声 - 鳥海浩輔
12月13日生まれ、身長195cm、体重83kg。
奴良家に棲む妖怪の一人。黒い袈裟を着てをかぶっている破戒僧。青田坊とは破戒僧同士仲が良く、出入りの際には常に勝負を競っている「もう一人の突撃隊長」。愛称は「黒(くろ)」。手にした錫杖以外にも法衣の中に無数の暗器を仕込み、不意打ちを得意とする暗殺破戒僧の異名を持ち、「卑怯」を最高の褒め言葉と受け取る。
リクオが正式に跡目候補となってからは、ビジネスマンに擬態して護衛(登下校の護衛及び裏口の見張り)に回ることになった。人間には基本的に無関心であるが、痴漢疑惑を晴らしてくれた鳥居に関しては恩義を抱いている。後にリクオと七分三分の盃を交わした。
人間、妖怪を問わず女性関係に於いて、ふとしたことでトラブルになることが多い。淡島からは「エロ田坊」と呼ばれている。
暗器黒演舞(あんきくろえんぶ)
法衣の袖から無数の暗器を繰り出して敵を不意打ちする。
首無(くびなし)
声 - 櫻井孝宏
6月15日生まれ、身長168cm、体重62kg。
奴良家に棲む妖怪の一人。「常州の弦殺師」の異名を持つ。二枚目な青年なのだがその名の通り、頭部と胴体が離れて頭部の方が宙に浮いている。人間、妖怪を問わず女性に甘い一面があり、リクオや毛倡妓などからもその点を心配されている。酒に弱い。
絡新婦の糸に毛倡妓の髪をより合わせた"黒弦(こくげん)"と呼ばれる糸が武器で拘束や絞殺を得意とする。畏を纏わせると鋼のような硬さの太い縄に変化する。江戸時代から奴良組に入った模様。
リクオが正式に跡目候補となってからは無い首をマフラーをして隠し、サングラスを掛けて人間に擬態。護衛(登下校の護衛及び校門の見張り)に回ることになった。
背格好がリクオに似ているため、影武者として摺り変わったこともある。後にリクオと七分三分の盃を交わした。
弦術・"殺取""くさり蜘蛛"(げんじゅつ・あやとりくさりぐも)
黒弦を使い相手の四肢の動きを封じ、首を締めながら吊るし上げる。
河童(かっぱ)
10月30日生まれ、身長135cm、体重40kg。
奴良家に棲む妖怪の一人。忍装束を着て、頭の上にタマゴの殻に似た巨大な皿をかぶり、普段は庭の池に住んでいる。かなりマイペースな性格でのんびりとした言動が目立つ。水を自在に操れるが、水のない陸地だとまったく力が出せなくなる。人間(ヘッドフォンをつけた少年)に化ける事が出来るが、水かきは消えない。度々人に目撃されてマスコミ査定を受けている。リクオが正式に跡目候補となってからは彼も護衛(登下校の護衛及び屋上からの見張り)に回ることになった。後にリクオと七分三分の盃を交わした。
河童忍法秘伝・ミズチ球(かっぱにんぽうひでん・みずちだま)
水で球を作り、敵に投げつける。投擲武器として用いるほかに、相手を中に取り込んで窒息させることも可能。
毛倡妓(けじょうろう)
声 - かかずゆみ
7月19日生まれ、身長164cm、体重49kg。
ウェーブがかかった長髪の女の妖怪。首無曰く、「一度惚れたら離さない性格」。奴良家の台所で家事をしている姐御肌な巨乳美女。清継たちが奴良家を訪れた時にうっかり姿を見せたため、それ以来彼らとの間では「リクオのお姉さん」として振舞っている。戦闘においては髪を生きているように操って相手を締め上げる特技を使う。ネズミが嫌い。
リクオが正式に跡目候補となってからは彼女も人間に擬態して護衛(登下校の護衛及びスロープ上からの見張り)に回ることになったが、護衛役の中でなぜかリクオと盃を交わした描写がない。
カラス天狗(からすてんぐ)
声 - 間島淳司
5月17日生まれ、身長38cm、体重3kg。
奴良家に棲む妖怪の一人。愛称は「カラス」。小さな身体(作者自ら「ヒヨコ天狗」と例えるほど)に短い錫杖を持っていて、携帯電話やパソコンも使用している。リクオの世話係である妖怪たちのまとめ役であるが、たまに空回ることもしばしば。昼夜を問わず思い切った行動に出るリクオに手を焼いている。そのせいか、最近ではぬらりひょんにさえ「リクオに対して過保護だ」とまで言われている。
400年前の若い頃はかなりの長身で、当時の長い錫杖には刀が仕込まれていたが、京都での羽衣狐との決戦以降、急激に現在の体型に近づいた。
三羽鴉(さんばがらす)
カラス天狗の子供で三つ子の兄妹。浮世絵町の多数の烏を従えており、諜報役として活躍する。馬頭丸の操る巨大な妖怪を一瞬にして蹴散らすなど、戦闘能力も高い。背中に翼を有する人間の姿と、妖怪の2つの姿を持っている。妖怪の姿になると言葉づかいも古風な感じに変わる。
黒羽丸(くろうまる)
声 - 下野紘
8月31日生まれ、身長173cm、体重65kg。
三羽鴉の長男。父親や弟妹は山伏のような服装だが、鎧を着ている。得物は錫杖。規則に厳しく、真面目すぎるとまで言われた。名前の由来は「カラス」の英訳「crow」より。  
トサカ丸(トサカまる)
声 - 入野自由
8月31日生まれ、身長178cm、体重68kg。
三羽鴉の次男。モヒカン刈り頭が特徴。家族の中ではただ一人頭巾をかぶっていない。得物は錫杖。カラス天狗曰く「ワシに似てワイルド」らしい。
ささ美(ささみ)
声 - 小清水亜美
8月31日生まれ、身長170cm、体重56kg。
三羽鴉の長女。眼鏡を掛けた鉄火肌の男勝りで、妖怪の時は嘴だけを変化させていることが多い。名前を気に入ってはいない。錫杖の他にを持っていて、ややSの傾向がある。六巻の裏表紙で名付けられていたが由来は不明。
納豆小僧(なっとうこぞう)
声 - 新井里美
10月16日生まれ、身長40cm、体重4kg。
奴良家に棲む妖怪の一人。頭部が納豆の藁筒状で隙間から目がのぞく。なにかと廊下をせわしなく走っている。ぬらりひょんによれば「納豆臭い」らしい。
頭は一応食べられるらしい。
3の口(さんのくち)
納豆小僧がよくつるんでいる小さな妖怪の一匹。口の形が「3」に似ていることから名がついた。
豆腐小僧(とうふこぞう)
納豆小僧がよくつるんでいる小さな妖怪の一匹。外観は「一つ目小僧」に似ている。
小鬼(こおに)
納豆小僧がよくつるんでいる小さな妖怪の一匹。昔から奴良組に棲み着いていて、酒が好き。昔はリクオと鬼ごっこをしていた。400年ほど前は黒髪であったが、現在は白髪となり頭頂部ははげている。
邪魅(じゃみ)
10月27日生まれ、身長203cm、体重90kg。
顔を何重もの護符で覆い隠した妖怪。
元は無名だが君主に忠実な若侍。勤勉で君主の秀島藩藩主・菅沼定盛を心から尊敬し、そして自身も定盛に信頼されていたが、定盛の妻に嫉妬され、いわれのない罪を着せられて屋敷の地下牢に監禁された。その時に、後に「地ならし」と呼ばれた大津波が起こり、命を散らす。その後、一生守ると誓った定盛より先に死んでしまった無念で成仏できずに妖怪となり現世を彷徨っていた。
土地を狙っていたヤクザによって邪魅騒動の名目で不当に扱われ、これをリクオと共に退治する。その後にリクオと七分三分の盃を交わし、百鬼夜行に加わった。
朧車(おぼろぐるま)
奴良家に棲む妖怪の一人。奴良組の乗り物でもある。炎が苦手である模様。

奴良組傘下

達磨会

木魚達磨(もくぎょだるま)
声 - 辻親八
1月8日生まれ、身長182cm、体重72kg。
奴良系「達磨会」会長。奴良組の相談役。容姿とともに人間そのものであるリクオが、妖怪一家である奴良組次期頭領になることに疑問を抱くが、真の姿を知り徐々に認めていくことになる。リクオのよき相談役。江戸時代は、頭巾をかぶっていた。羽衣狐戦では、しょうけらと交戦。

牛鬼組

牛鬼(ぎゅうき)/梅若丸(うめわかまる)
声 - 中田譲治
12月6日生まれ、身長185cm、体重83kg。
奴良系「牛鬼組」組長。物静かで慎重に物事を考える性格のため、周囲からは「行動が鈍い」「牛の歩み」と揶揄されることもある。幻術を用いた戦いを得意とし、剣術も覚醒後のリクオと互角の実力を誇る。。
元々は「梅若丸」という名の平安貴族の人間であり[2]、過去においてぬらりひょんや鞍馬山の大天狗からは梅若丸とも言われた場面が存在する。幼い頃に今生の別れとなった母親を、かつて捩眼山を支配していた牛鬼に喰われ、それがきっかけで魔道に墜ち妖怪と化し(その辺りの描写からは「」になったと解釈できる)、山の妖怪を引き連れ人里を襲ううちに彼自身が「牛鬼」と呼ばれるようになった。母の菩提を弔うため、数多くの人間を殺したが、奴良組との三日三晩の抗争の後敗北し傘下に加わる。その時に当時の頭領であったぬらりひょんと親子の盃を交わしてた。400年前の羽衣狐戦でも、ぬらりひょんに感情的になるなと諭すも、大阪城に同行した。孫であるリクオにもぬらりひょん同様に成長してほしいと期待していた。
奴良系一派のリクオ三代目襲名否定派の一人で、 旧鼠を影で操っていた「ボス」の正体。しかし幹部会での的を射た発言ゆえに他の否定派の者からさえも煙たがられていた。謀反の動機は、内憂外患を山と抱え込んだ奴良組の将来を案じたがためであった。捩眼山に清十字怪奇探偵団と共にやってきたリクオと自ら闘いその器を試すが、最後はリクオと相討ちになり、責任を取るべく自決しようとする。しかしリクオに止められ、また昼のリクオからも三代目を引き継ぐ決意を聞かされたことからリクオを認める。若頭襲名の席にて改めてその罪を許され、再び奴良組の傘下に戻ることとなった。木魚達磨と並んでリクオが最も信頼する相談役となる。
牛頭丸(ごずまる)
声 - 吉野裕行
6月28日生まれ、身長162cm、体重58kg。
牛鬼(梅若丸)の腹心の妖怪で、牛鬼組若頭。髷を結い左目を前髪で隠した青年。冷淡かつ残忍な性格で、牛鬼(梅若丸)と馬頭丸以外の妖怪は基本的に見下している。また、他者を見くびる性格ゆえに後先考えず暴走することも多く、そのせいで容易く罠にはめられることもある。幼い頃から馬頭丸と共に牛鬼(梅若丸)の側に仕え、馬頭丸と並び牛鬼(梅若丸)からの信頼が最も厚い部下である。呪文を聞かせることで人間を操ったり惑わせることができ、「爪」という銘の日本刀を使って戦う。傀儡糸を使って人間を操ることもできるが、馬頭丸のものとは違い少々乱暴である。甘いものが嫌い(ドラマCD番外編より)。
油断した雪女(つらら)を圧倒して負傷させ、駆けつけたリクオと互角の勝負を展開。最後は背中の爪ごと身体を切り裂かれて敗北した。牛鬼(梅若丸)の処分に伴い、牛鬼組の跡目候補として、本家あずかりの身となるが、雪女(つらら)とはいまだに敵対している。事実上本家の人質という立場にあるが、カラス天狗からぬらりひょんの護衛任務を与えられるなど、それなりに実力は買われている様子。平和ボケした本家の空気を嫌っているが、リクオに対しては多少興味を抱いている。
牛頭陰魔爪(ごずいんまそう)
背中から最大8本の巨大な爪を繰り出す。
馬頭丸(めずまる)
声 - 保志総一朗
2月25日生まれ、身長162cm、体重51kg。
牛鬼(梅若丸)の腹心の妖怪で、牛鬼組若頭・牛頭丸の補佐。常に馬の頭骨を頭にかぶっており、その素顔は中性的な顔立ち故、少女のようにも見える。傀儡糸を使って人間を操ることができるが、牛頭丸のような武器や攻撃能力は持たないため、主に補助役に回ることが多い。牛頭丸と共に牛鬼(梅若丸)が最も信頼を寄せる妖怪だが、牛頭丸には牛鬼(梅若丸)により認められたいが故のライバル意識を抱いており、常に牛頭丸の先に行こうと競っている(しかし、仲が悪いわけではない)。年少であるためか、牛頭丸に比べると少し間の抜けていて、楽天的かつ幼稚なところがある。
牛頭丸とともにリクオ(とその仲間)の始末にかかったが、捩眼山温泉での戦いではゆらや三羽鴉の登場という不測の事態に慌てていた。牛鬼(梅若丸)降伏後は牛頭丸と共に奴良組へ復帰した。リクオを始め本家の妖怪をそれほど嫌ってはおらず、必要以上に危険なことに手を出すことは躊躇っているが、自己中心的に行動する牛頭丸に振り回されることが多い。
うしおに軍団(-ぐんだん)
馬頭丸の傀儡糸によって操られる複数の巨大な妖怪集団。宇和島(うわじま)根香(ねごろ)など他多数。

薬師一派

(ぜん)
声 - 杉田智和
8月12日生まれ、身長177cm、体重64kg。
奴良系「薬師一派」(別名「鴆一派」)組長。リクオの義兄弟で、三代目を継ごうとしないリクオを諭す為にぬらりひょんが呼び寄せた。荒々しい性格の青年の姿をしており、怒ると猛毒を持つ羽を飛ばして攻撃する。自身が持つ毒のために身体を蝕まれ余命は長くもなく、毒の影響でよく吐血する。一度は三代目を継ごうとしないリクオに愛想を尽かすも、自身の部下に裏切られ殺されそうになった所を覚醒したリクオに助けられ、改めて義兄弟の盃を交わした。未だに「昼のリクオ」には苛立ちを見せるものの、不仲ではなくなり、かつての友好関係を取り戻した。
薬と医術の知識に精通していて、「薬鴆堂」という病院を営む。
蛇太夫(へびだゆう)
声 - 矢部雅史
鴆の一の部下。自在に伸びる首で攻撃する。鴆が最も信頼していた部下だが、元より忠誠心などなく、彼の命が長くないと知ると反旗を翻した。しかし駆け付けたリクオに阻まれ、刀で真っ二つに殺された。

化猫組

良太猫(りょうたねこ)
声 - 石井真
11月23日生まれ、身長148cm、体重48kg。
奴良系「化猫組」の頭領。旧鼠組が支配する前の浮世絵町一番街の支配者の猫又。博徒として街を長く治めてきたが、旧鼠組に乗っ取られてしまい、リクオに助けを求める。旧鼠が倒された後は再び一番街に於いて権力を取り戻した。
三郎猫(さぶろうねこ)
「化猫組」の一員。早朝店じまいをしている中で運悪く玉章らに出くわしてしまい、鞭に切り裂かれ重傷を負った。

関東大猿会

狒々(ひひ)
7月8日生まれ、身長225cm、体重114kg。
奴良系「関東大猿会」(別名「狒々組」)前会長。振分け髪に巫女装束を纏い、顔のサイズに合わない小面の能面をつけた怪童。奴良組の中でも長老格と呼ばれる存在(ぬらりひょん曰く「よく一緒にカフェ〜もするほどの仲」)だったが、四国八十八鬼夜行に配下の妖怪と共に殺された。若い頃は能面にも収まる小顔の美丈夫で、羽衣狐戦で鬼童丸と交戦。
猩影(しょうえい)
4月25日生まれ、身長225cm、体重108kg。
奴良系「関東大猿会」二代目会長で狒々の息子の若頭。日本刀を携え、今時の洋服の上から黒いフードつきの羽織を着た人間の姿。立ち上がれば一つ目入道を見下ろす長身だが、真の姿は本人でも「大きすぎる」という。利己的な幹部たちを相手に仁義を説くなど潔い性格だが、まだ若手のためか感情的になりやすい面もある。首無やつららなど本家の妖怪たちを「兄貴」や「姐(ねえ)さん」と呼んで慕っている。
リクオ同様に人間として世を生きていくと決めており(リクオと同じ混血なのかは不明)、最早妖怪の世界には戻らないとも心を決めていたが、狒々の死に伴い組長となるためリクオに呼び戻される。父を殺した四国の妖怪たちを憎み、「親父と同じ目に遭わせてやる」と固く誓っていた。その後京都へ向かうリクオ達に同行した。父親の形見とも思える能面を持っていて、宝船を真正面から力尽くで支える怪力の持ち主。その際は顔を能面で覆い、手足が獣のように変化した。

独眼鬼組

一ツ目入道(ひとつめにゅうどう)
声 - 松山鷹志
奴良系「独眼鬼組」組長で、奴良組幹部。一つ目の大男の妖怪。利己的で、目下と見なした者には大きな態度を取る、決して潔いとは言えない性格の持ち主。奴良系一派のリクオ三代目襲名否定派の一人。
やたらと「組のために」と口にし、リクオによる牛鬼(梅若丸)の処分にもただ一人納得しなかったが、それが却って自らボロを出し派閥内での孤立をも招く結果となり、遂にはリクオ相手に理論でやり込められる。四国八十八鬼夜行襲撃の際には自分の身の安全ばかりを考え(一ツ目入道に限ったことではないが)、真の策を表に出さず会議を行うリクオらを、何の対策もしないものと見なして批判してばかりいる。牛鬼曰く、「馬鹿な奴」。
しかし400年前の羽衣狐との戦いでは、現在のそれとは比べ物にならないほど凛々しい風貌をし、また「妖怪はもともとは闇の化身。誰も死など恐れてはいない。」と言い放つ男気にあふれた豪儀な性格であり、それを聞いた牛鬼(梅若丸)に心底「かなわないな。」と思わせるほどの豪傑だった。その後、救出された苔姫に懐かれる。その際にも、「涙が真珠になろうともあの娘は笑顔が一番似合う。」と言うなど、その性格は現代とはかけ離れたものだった。

その他

ガゴゼ
奴良系「ガゴゼ会」頭領。子供をさらい喰う妖怪。数多くの子供を殺害してきたことで、悪行の数では右に出る者はいないと、妖怪の中でも評価が高かった。
奴良家次期頭領の座を狙っており、邪魔なリクオの命を狙う。弱い人間を殺すことを自慢していたため、覚醒時のリクオには「小者」と揶揄された。リクオの同級生たちを襲ったことでリクオの怒りにふれ、最後は刀で真っ二つに斬り捨てられた。
旧鼠(きゅうそ)
奴良系「旧鼠組」頭領。浮世絵町の歓楽街で暗躍するネズミ妖怪。星矢(せいや)という源氏名でホストクラブのナンバーワンとして振舞うが、それは餌にする娘を得るためにすぎない。その昔、知恵のない粗暴なものとして破門させられた。
奴良組時期総大将の座を奪うためにゆらとカナを人質にとり、リクオに要求した。しかし、奴良組の返り討ちにあい最期は覚醒したリクオの『明鏡止水・桜』に焼き殺された。
もったいないお化け(もったいないおばけ)
奴良系「御化組」組長。会議中、他の妖怪たちが騒いでいても、無視して食事を続けている。
算盤坊(そろばんぼう)
奴良系「妖怪商人連合」会長。
大ムカデ(おおむかで)
奴良系「百足一族」族長。
浅茅ヶ原の鬼女(あさじがはらのきじょ)
奴良系「鬼女組」組長。老婆と童女の二人一組。
三ツ目八面(みつめやづら)
奴良系「三ツ目党」党主。
歯黒べったり(はぐろべったり)
奴良系「のっぺら組」の妖怪。のっぺらぼうだが口があり、歯には鉄漿が塗ってある。
山地乳(やまちち)
奴良系「山姥組」の妖怪。
あんた&よめっこ
正式な名称は不明。「あんた」は鴉のような外見の妖怪で、「よめっこ」は「あんた」の嫁。連携して罠を仕掛け、通りすがりの者の目玉を喰らう。
置行堀(おいてけぼり)
奴良組に属す下っ端の妖怪。庭の小さな池に潜んでおり、物を盗んでは池の中へ引きずり込む。返してもらうには盗んだものよりいいものを置行堀に与えなければならない。
宝船&屋形船(たからぶね & やかたぶね)
奴良組名物戦略空中妖塞。巨大な宝船の周りをいくつもの小型の屋形船が警護し、空中を航行することができる。船の両脇から扇子を持った腕が生えており、これを動かすことで船自体も動くことが可能。乗り物であるが意思も持っているため、朧車と同様の妖怪と考えられる。

土地神

千羽(せんば)
土地神の一柱。「千羽」と書かれた暖簾を頭にかぶっている。千羽鶴を自分の祠に供えた人の祈りで病気を治す力を持っている。何年も人に詣でられなかったために小さくなってしまい、力も弱っていたが、ひばりの信仰心により力を取り戻し、袖モギ様の呪いで生命力を毟り取られた鳥居を回復させた。その後、バレンタインデーには鳥居からチョコレートをお供えでもらった。
苔姫(こけひめ)
土地神の一柱。振分け髪を耳の上辺りで左右に結んでいる平安装束の童女で、普段は神社に住んでいる。かなりのお洒落好き。
袖モギ様に襲われて呪われそうになったが、潜伏していた黒田坊に間一髪で助けられた。
元々は人間の姫君であり、涙が真珠になる不思議な力を持っていた。その力が故に、淀殿(羽衣狐)に狙われ、大阪城に連れて来られた。奴良組によって助け出された後、苔姫は江戸ヘと移り、人々に崇められて後に土地神となった。一ツ目入道に懐いている。

四国八十八鬼夜行

隠神刑部狸(いぬがみぎょうぶだぬき)
四国の妖怪たちを束ねる長。老齢のため力も衰え、統率できる妖怪たちも少なくなっている。遥か昔人間と争って敗れ、封印されたことがある。ぬらりひょんとは旧知の仲であるが、人間と争う時にぬらりひょんからの助力を断っている(助力を受けてしまえばぬらりひょんの百鬼夜行に加わることになると判断したため)。若い頃は真の姿の玉章によく似た姿だった。玉章の本州襲撃の件はまったく知らず、ぬらりひょんの来訪によって初めてその真実を知らされた(仮面や服の柄が少し違う)。
玉章の葉(たまずさのは)
化け狸が使うことのできる神通力
「玉章」とはカラスウリの別名で、狸が化けたり神通力を使うときにその葉を使う。
隠神刑部 玉章(いぬがみぎょうぶ たまずき)
四国八十八鬼夜行組長。隠神刑部狸の88番目の嫁の8人目の息子にして、隠神刑部狸の神通力を最も強く受け継いだ妖怪。高校生ぐらいの少年の外見をしている。妖怪の中だけでなく人間の中でもずば抜けたカリスマ性を発揮し、浮世絵町に来る前の学校では生徒会長を務めていた。しかし裏の顔は敵に苦痛を与えることを好む残虐非道なサディストであり、自らの力を誇示するために、部下であろうが自らを慕ってきたものであっても容赦なく斬り捨てる。幼少の頃から野心を抱いており、奴良組が支配する浮世絵町でより多くの畏を奪い、支配権を強奪することを企む。真の姿は長髪に歌舞伎風の仮面をしており、髪の毛を自在に操ることができる。
魔王の小槌』という、妖怪を殺すことで力を無限に増長する刀をある人物から預けられており、当時、自分を見下した兄たちを皆殺しにしてその畏から自分についてきた妖怪たちと共に新しい四国八十八鬼夜行を作り出した。
百鬼夜行大戦でリクオと彼の仲間の妖怪たちに押され、役に立たないと自分の仲間を斬って百鬼夜行を全て背負おうとしたが、新しいぬらりひょんの力『鏡花水月』を使ったリクオに斬られた際に吸収した百鬼の力が抜け落ちてしまった。その後、猩影に親父の仇と斬られそうになったところをぬらりひょんに止められ、共に来ていた隠神刑部狸に懇願されたリクオの命で、犠牲になった四国の妖怪を全て弔うことを条件に手打ちにされた。
「玉章」の読みは本来「たまずさ」だが、彼は「たまず」つまり「玉座を狙う」という意味に名前を改めている。
(ムチ)
玉章や犬神と共に浮世絵町に来た刺客。紳士の風体をしているが、その正体はかまいたちに似た風の妖怪で、高知県山奥に現れるという。指を長く伸ばして猛毒の風を操り、あらゆるものを切り裂き病に侵す(ゆらは短時間で回復している)。その風音が鞭のしなる音に似ていることから「ムチ」と呼ばれる。狒々を殺害した張本人。部下数人と共にぬらりひょんとゆらを襲うが、部下はゆらに倒され、自身もまた『真・明鏡止水』を使ったぬらりひょんにドスで身を貫かれ、その直後風に流されて四散した。
怪異・八陣風壁(かいいはちじんふうへき)
毒風で作り出した小規模な竜巻を相手にぶつける。
袖モギ様(そでもぎさま)
四国八十八鬼夜行幹部「七人同行」の一人。袖モギ信仰の地蔵のような小柄な妖怪。服の袖を掴まれて振り向いてしまうと、袖を破って袖モギ様に差し出さなければ呪い殺されてしまう。裏を返せば差し出す袖が無ければ殺されてしまうので、袖が無くなるまで毟り取られることもある。袖モギ様を殺さない限り呪いは解けないが、早く殺さなければ手遅れになることもある。土地神を襲い、その信仰を自分の畏に変えてしまう。
鳥居を呪いで殺しかけたことでリクオ達の怒りを買い、黒田坊によって倒され瀕死状態でも挑発し続けたためリクオによって止めを刺された。
犬神(いぬがみ)
四国八十八鬼夜行幹部「七人同行」の一人(ただし、七人同行の姿では描かれていない)。見た目は好青年だが、平安時代に犬神の呪いを行って失敗し、犬神憑きとなった術者を先祖に持つ。人を妬み恨む想いが頂点に達すると本性を現し、鋭い牙で相手の喉笛を噛み切る。首だけで移動することも可能。恨む想いが強ければ強いほど力を発揮する。また巨大な犬の姿に変化することも出来る。
元々は玉章と同じ中学校に通う学校の生徒で、彼が率いる取り巻きにリンチを受けてしまうが、ある日犬神憑きの力を解放して全員を殺害、それがきっかけで玉章に誘われて傘下に入った。舌を出していることが多く(出していない時には妖気も消えている)、青田坊や首無から「舌野郎」と呼ばれている。妖怪は人間から疎まれる存在と思っており、妖怪としてのカリスマ性を持つ玉章や妖怪でありながら人間から慕われるリクオを憎んでいる(ただし玉章に関してはむしろ彼を羨む気持ちのほうが強い)。
リクオらが通う中学校に潜入し、妖怪なのに人間達と仲良くしているリクオに激しい嫉妬を覚える。生徒会長選挙の時に清継の推薦に立ったリクオ(正体は首無)が全校生徒から歓声を浴びる光景を見て、人間への恨めしさが頂点に達し選挙中に正体を現す。正体を現す直前に「お前(リクオ)みたいになりたかった」と心の中で吐露している。首無の妨害を受けて巨大な獣に変化しリクオと死闘を演じるが、最後はリクオに一刀両断される。変化が解けた後もしぶとくリクオと戦おうとするが、リクオへの憎しみが畏れに変わったことから力を失っており、玉章に見捨てられて神通力で体を木の葉に変えられ、始末された。しかし、玉章のしたことは四国の妖怪たちには「奴良組の仕業」として伝えられ、彼らを鼓舞するきっかけとなった。
夜雀(よすずめ)
四国八十八鬼夜行幹部「七人同行」の一人。玉章の側近的な存在で、顔と頭を狐文字で書かれた経文で覆い、髪をそれで束ねている女の鳥妖怪。
百鬼夜行大戦でリクオと雪女(つらら)の光を奪ったが、左目を凍らせて羽根を防いでいた雪女(つらら)の『風声鶴麗』に氷漬けにされた。
戦いの後、『魔王の小槌』を持って何処かへと消え去った。しかし作中で三つ目八面に化けた山ン本五郎左衛門に『魔王の小槌』を返す場面が有った所から、本当は山ン本五郎左衛門の部下と推測できる。
幻夜行(げんやこう)
背中の翼から放たれる黒い毒の羽根を相手の目に刺すことによって光を奪い、完全なる闇を作り出す。
手洗い鬼(てあらいおに)
四国八十八鬼夜行幹部「七人同行」の一人。巨大な巡礼僧の姿をした妖怪。
百鬼夜行大戦で青田坊と対峙し、力比べで押し倒すまでに至ったが、『剛力礼讃』で真の力を発揮した青田坊の一撃で地面にめり込んだ。
その後、『魔王の小槌』の贄にされそうなところを助けられ、玉章と共に四国へ帰った。
犬鳳凰(いぬほうおう)
四国八十八鬼夜行幹部「七人同行」の一人。口から火炎を吐く鶏の妖怪。
百鬼夜行大戦で玉章に盾として利用され、リクオの『奥義明鏡止水"桜"』を受け死亡するという悲惨な最期を迎えた。
岸涯小僧(ガンギこぞう)
四国八十八鬼夜行幹部「七人同行」の一人。その名の通り池の辺に住む小柄な半魚人の妖怪。歯車を回すようにギザギザの歯がついた口を回転させ獲物を喰らう。玉章の集会に潜入した牛頭馬頭を怪しみ襲うが、牛頭丸の幻術にかかり利用されてしまう。また、このとき歯を折られるなど散々な目に遭っている。
百鬼夜行大戦で河童と対峙。逃げる河童を追い詰めたが、彼の巨大なミズチ球を食らって敗れた。後に玉章と共に四国へ帰った。
針女(はりおんな)
四国八十八鬼夜行幹部「七人同行」の一人。髪を振り乱した女性の妖怪。髪の一本一本が鉤針になっていて、これで獲物を引っ掛けることができる。
百鬼夜行大戦で首無と対峙し、犬神の最期を語られる。確かな忠誠を持っていた仲間を平気で殺す玉章の恐ろしさが大将の器だと思い付き従っていた。首無に動きを封じられた直後、『魔王の小槌』に斬られ死亡。

京妖怪

羽衣狐(はごろもぎつね)
京都の妖怪を統べる大妖怪。花開院家の天敵で、かつて魑魅魍魎の主と呼ばれた存在。リクオにとっては父親を殺した仇敵。性別は女性。本体は狐の妖怪。転生妖怪と呼ばれ、乱世の世に現れ、自らの目にとまった幼年期の人間に依代として取り憑き、世の怨み・恨み・妬みといった"負の感情"を吸収して成長し、やがて成年となった依代の体を完全に支配する。そして依代の人間が通常の寿命を迎えると次の依代を求めて彷徨う。つまり、人間という名の"羽衣"を羽織り、繰り返し世に君臨し、人間の世界をも支配する強力な妖怪である(秀元によれば、このような行動は「既に妖としての範疇を超えている」らしい)。また転生妖怪であるため、本体を倒さない限り羽衣狐は死ぬことはない。更に転生を重ねれば重ねる程、羽衣狐もより強大になる。
"生き肝信仰"の元、人間の生き肝を喰らって妖力を高め、1000年かけて百鬼夜行を集めた。自らが転生した数(現在9本)と言われる巨大な狐の尾を操って圧倒する。また「余興」という言葉を好んでおり、予想外の敵襲も、開花院家の陰陽師との全面戦争も羽衣狐は「余興」としか捉えていない。その真の目的は自身のやや子を出産し、この世を妖怪達によって闇の支配下にすることにある。
江戸時代初期に時の権力者淀殿として君臨し、ぬらりひょんと激戦を繰り広げ敗れ、ぬらりひょんと、彼に協力した花開院秀元に強い呪詛の言葉を残して逃げ去るが、その後400年の時を経て復活を遂げる。現在は富豪の令嬢に宿っており、常に黒いセーラー服を着ている。その肉体が幼少期の時、リクオの父親を殺害しているような描写がある。
上記の通り、ぬらりひょんと花開院家の血筋の者に呪いをかけており、両家の本家の男子は必ず早世するようになっている。
本人の口から明言されたわけではないが、今代の羽衣狐は黒色を好むらしい。リボン以外は全て黒一色というデザインのセーラー服に身を包み、寝具なども黒一色。髪や瞳にもハイライトが描かれておらず、作画は徹底的に「」にこだわって描かれている。
今代の依代はハイティーンの少女で、家が富豪らしい事と学生らしい事を除けば、名前も含め素性は何も判っていない。家族も登場しておらず、身の回りの世話はメイド達が行っているようだが、屋敷の中に妖怪が集まっている事や彼女の奇行には気付いていない。幼い頃に既に羽衣狐の意思が目覚めていたようである。
鏖地蔵(みなごろしじぞう)
京妖怪幹部の一人。羽衣狐の側近で、京妖怪たちの参謀的存在。長い頭の老人の妖怪で、額に巨大な一つ目、両目に傷跡がある。心に闇を持つ人間に乗り移りその身体を自在に操ることが可能。秋房に乗り移り相剋寺を襲撃する。破軍を使ったゆらに吹き飛ばされたが、復活した。その際羽衣狐から「気持ち悪いな」と評されている。
鬼童丸(きどうまる)
京妖怪幹部の一人。強面の老人の妖怪。江戸時代には二刀流と角を生やした魔物を使役して、狒々と交戦。江戸時代は二刀流だったが、現在では刀は一本しかもっていない。また黒髪だった400年前とは異なり現在では白髪である。
2人の部下を連れて遠野に人材の派遣を要請しにやってくる。断られて一旦帰ろうとするも、帰り道にリクオを見つけぬらりひょんと間違え襲撃する。リクオがぬらりひょんの孫と分かった後は宣戦布告と羽衣狐への手土産の為にリクオの首を取ろうとした。リクオの鏡花水月を危険視し、始末しようとしたが、冷麗にはばまれ京都に帰っていった。
イタクに「只者じゃない強さ」と言わしめるほどの実力者であり、リクオの明鏡止水をたやすく破ることが出来る。
茨木童子(いばらきどうじ)
京妖怪幹部の一人。青年の姿をしているが、胸当りから木の板のようなものが生えていて顔の半分が隠れている。かなり短気で好戦的な性格であり、主君である羽衣狐にもため口をたたく。江戸時代には雪女(雪麗)と交戦した。実はロックバンドに興味があり、ボーカル名は"IBARAKI"。そのため現代ではロック系の服も着るようになっている。
しょうけら
京妖怪幹部の一人。江戸時代から羽衣狐に仕えていて、十字架のネックレスを身に付けたクリスチャンの青年の姿をしているが、服装は江戸時代と現在では異なり、江戸時代では武士のような格好だったが、現在は神父を思わせるような格好になっている。その信仰心は厚く、人を殺しては教会で懺悔をしている様で、羽衣狐には「変わった妖怪だな」と称されている。江戸時代には、ぬらりひょんを攻撃しようとするも、木魚達磨に阻まれる。
狂骨(きょうこつ)
父娘で羽衣狐に仕えている。
狂骨(父)
400年前の京妖怪の一人。江戸時代に羽衣狐に仕えていた。顔の片側を包帯で隠した棍の使い手で、常にげらげらと笑っている。鴉天狗と交戦。
狂骨(娘)
京妖怪幹部の一人。少女の姿をしていて、好奇心旺盛な性格は子供そのものだが、人間に対しては冷徹。常に手に持っている頭蓋骨から無数の蛇を繰り出し、自身の畏に呑み込まれた者の目玉を喰らう。父親よりも有能らしい。手鞠歌が歌える。主君である羽衣狐を「お姉様」と呼び慕っている。
土蜘蛛(つちぐも)
京妖怪の一人。般若の面の様な顔をした四本の腕を持つ大男。相剋寺の第二の封印と共に封印されていた。常に退屈そうに煙管をふかしている。羽衣狐に対する忠誠心はなく、ただ強者との戦いを求めている。
太古から存在する妖怪で、圧倒的な力を誇って関西を中心に暴れまわり、誰にも忠誠を誓うこともなく、また倒せない。秀元すら400年前には戦わず封印するにとどめていた。空腹であるときは人、妖怪はおろか、神ですら喰らい尽すと言われ、曰く「絶対に遭遇してはならない妖」。
がしゃどくろ
京妖怪幹部の一人。巨大な骸骨の妖怪。羽衣狐を過度といえるほど慕い、彼女の制止を無視することもある。西方願寺の第四の封印と共に封印されていたが解放され、百鬼夜行に加わる。ただ巨大なだけでなく、結界を易々と破ることが出来る強力な妖怪。
鞍馬山の大天狗(くらまやまのおおてんぐ)
京妖怪の一人。鞍馬山に住む天狗で、牛鬼(梅若丸)とは旧知の仲。江戸時代では羽衣狐側の妖怪として、牛鬼と交戦した。
白蔵主(はくぞうず)
京妖怪の一人。鞍馬山上空を守護する京の門番。僧衣を身に纏い、髑髏のような狐の面を模した顔をしている。武士道を弁えた潔い妖怪で、相手がいかなる者であろうと武人としての礼儀を欠かさない。
屋形船一艘を軽々と振り回す怪力を持つ。巨大な三又の槍「荼枳尼(だきに)」に畏を纏わせ、威圧感で敵の身動きを封じたところを一気に突き殺す。リクオと一対一で戦うが鏡花水月を使ったリクオに荼枳尼を破壊され、降伏を勧められる。羽衣狐への忠誠心から奴良組には加わらなかったが、リクオに伏目稲荷神社へ向かうよう教えた。俳句も読むがあまり達者ではなく、リクオから「変だけど面白い」と言われた。
火間虫入道(ヘマムシにゅうどう)
京妖怪の一人。全身に縞模様が描かれており、自由自在に首を伸ばすことができる。降伏した白蔵主に代わり、京都守護の指揮を執る。首を伸ばして宝船を締め付け破壊しようとするが、イタクの鎌でバラバラに切り裂かれる。
二十七面千手百足(にじゅうななめんせんじゅむかで)
京妖怪の一人。千手観音のような姿をしているが、その名の通り無数の顔と腕を持つ妖怪で、口からは百足が顔を覗かせる。その顔の数だけの性格を持つと考えられる。
京の外殻の地脈を守護する妖怪で、伏目稲荷神社に張り巡らせた迷宮・鳥居の森を守護する。迷宮の入り口に置いてある「重軽石」で畏れを受け取ったものを、神隠しのように自らの世界へと引きずり込む。その世界には無数の鳥居が存在し、二十七面千手百足の無数の腕がその鳥居を経由して襲いかかる。また鳥居をくぐると別の鳥居の場所に現れる仕掛けになっている。矛や斧、短刀などあらゆる武器を自由自在に操る。
人間の子供の心に巣食う妖怪で、その子供が持つ恐怖心が大きくなるに比例して、二十七面千手百足自体も強くなる。媒体となった子供の恐怖心を取り除かなければ倒すことはできない。
迷宮に飲み込まれた淡島と交戦。鳥居の迷宮に迷い込んだ子供の恐怖心を餌にして、力をつけていた。淡島の畏の前に一刀両断された上、最期は竜二に封印される。
凱朗汰(がいろうた)
400年前の京妖怪の一人。江戸時代に羽衣狐に仕えていた。羅生門に千年棲まう巨大な鬼の妖怪で、巨大な鉄棒を振り回して攻撃する。しかしぬらりひょんに一刀両断で倒された。
雷錕棒・豪風(らいこんぼう・たけかぜ)
振り回した棍棒の風圧で敵を吹き飛ばす。

奥州遠野一家

赤河童(あかがっぱ)
奥州妖怪を統率する巨大な顔の妖怪。
なまはげ
奥州妖怪。面のような巨大な顔を持つ。地面を殴ると地響きを起こす。
イタク
奥州妖怪の一人。かまいたち。バンダナを頭に巻いた青年。リクオの指導係に抜擢された。遠野での仕事は木こり。6本の鎌(名前はその取っ手に由来して、それぞれ布・木・竹・鉄・刀・フライパン)を使い、あらゆるものを薙ぎ払う。(淡島曰く、「おめー、センスねーよな。」)京妖怪のことを快く思っていない。昼は小さいイタチの姿になってしまう。
妖怪忍法レラ・マキリ
イタクの鬼憑の技。鎖鎌に畏を纏わせ、切り裂く。
雨造(あめぞう) 
奥州妖怪の一人。トカゲの様な風貌の沼河童。遠野での仕事は風呂掃除。「常州の弦殺師」首無のファン。一人称は「オイラー」。時折コマの片隅で、ひっそりと特撮ヒーロー由来らしき技を披露している。
淡島(あわしま)
奥州妖怪の一人。あまのじゃく。昼は男、夜は女の妖怪。さばさばした性格の好青年で、夜でもリクオのように口調及び性格が変わることはなく、基本的に男として振舞う。イタクと同じく京妖怪が嫌いな模様。遠野での仕事は薪割り。常に竹串の様なものを咥えている。
「鬼神」の父と「天女」の母を持つ半妖怪で、戦闘においては、鬼神と天女の二つの鬼憑を使いこなす。「淡島」の名は古事記にあるイザナギイザナミの第二子に由来している。
戦乙女演武(いくさおとめえんぶ)
淡島の鬼發の一つ。乙女のごとく艶やかな舞で翻弄する。
完全なる母性-伊弉冉(イザナミ)
天女の鬼憑。優しい母のごとき抱擁で他人に発せられた畏を断ち切る。
完全なる父性-伊弉諾(イザナギ)
鬼神の鬼憑。恐ろしい鬼のごとき威圧感で畏を断ち切る。
冷麗(レイラ)
奥州妖怪の一人。雪女。遠野での仕事は風呂沸かし。京都では猩影を手伝って、墜落寸前の宝船を止めた。土蜘蛛襲撃時に、土彦に庇われるが共に直撃を受けてしまう。その後は生死不明。
紫(ゆかり)
奥州妖怪の一人。座敷童子。少女の妖怪。喘息持ち。
土彦(どひこ)
奥州妖怪の一人。経立。猿のような妖怪。土蜘蛛に襲撃されそうになった冷麗を庇うが、共に直撃を受けてしまう。その後は生死不明。

その他の妖怪

牛鬼:過去
現在の牛鬼・梅若丸の名の由来となった「捩目山」を支配していた巨大妖怪。手下に命じては山にやって来た人間を攫って喰らっていた。
梅若丸の母親を喰い殺し、梅若丸をも喰おうとしたが、母を殺された恨みで魔道に墜ちて妖怪となった彼に喉笛を突き破られて死亡した。
雲外鏡(うんがいきょう)
「紫の鏡」の都市伝説で有名な、別名"魔を照らす鏡"。紫色の鏡を見た人間の夢に現れ、その人間を13歳の誕生日の日に殺すと言われる。"13"という数字は妖怪の世界では成人の歳にあたり、すなわちその誕生日は吉日となる。夕暮に自転車に乗って現れ、対象の人間を鏡の世界に閉じ込め、自分の体内に取り込んで殺す。
7年前同じく鏡を見たカナの友人たちを殺し、さらにカナの13歳の誕生日の日に現れ、彼女を鏡の世界に閉じ込めたが、間一髪のところでリクオに顔に当たる鏡を割られて倒された。
山ン本五郎左衛門(さんもとごろうざえもん)
奴良組幹部である三ツ目八面に化けて奴良組に潜伏していた。玉章に『魔王の小槌』を与えた人物。

人間

清十字怪奇探偵団

清十字 清継(きよじゅうじ きよつぐ)
声 - 谷山紀章金野潤(幼少時)
浮世絵中学校1年3組に通うリクオの同窓生。リクオの小学校時代からの知り合い。常に気取ったカッコつけな性格で、同級生を男女問わず取り巻きにしているが、認めた「仲間」に対しては深い友情と思いやりを見せる。
かつては妖怪の存在を否定し、当時のリクオをもバカにしていたが、トンネルでの事件以来、妖怪の存在を信じるようになった。特に「夜のリクオ」に助けられて以降は(正体を知らずに)彼に惚れ込み、妖怪探しを通じて再び接点を持とうとしており、気絶していた時は夢に見るほど、再会を切望している。
小学生の頃から情報収集力に優れており、時折妖怪らの核心に徐々に近づく事もあり、リクオをひやひやさせている。「清十字怪奇探偵団」を結成、祖父が大学教授であり、家は金持ちで、妖怪に関する資料がずらりと置かれている[3]
生徒会長選挙では犬神の起こした一連の騒動が全て彼の演出と誤解されたお蔭で、1年にして当選を果たした。
家長 可奈(いえなが かな)
声 - 平野綾廣田詩夢(幼少時)
本作のヒロイン。通称カナちゃん。6月23日生まれのA型。身長152cm、体重39kg。
浮世絵中学校1年2組に通うリクオのクラスメイト。上級生達から「今年の1年生の中で3本の指に入る」と言われる程の美少女で、告白やプレゼントも何度かされている。また、人気雑誌「ピチしモン」に鳥居達が送った写真に写っていた事により、読者モデルのスカウトもされている。リクオとは幼稚園時代からの幼馴染。気丈で明るい性格だが、6歳の頃から雲外鏡の夢を毎晩のように見ていたため、妖怪や幽霊など怖いものは苦手。にもかかわらず、なぜか「清十字怪奇探偵団」の一員になっている。リクオにまつわる妖怪がらみの話についてはほぼ知らない。ゆらと共に旧鼠に捕えられたことを始めとして(その際リクオ(夜)と奴良組の妖怪たちに助けられた)、度々妖怪絡みの事件に巻き込まれることが多い。現在までで清十字怪奇探偵団のメンバーの中では一番夜のリクオとの接触回数が多い。
リクオ(昼)に密かな好意を抱いている節があり、彼に気があるように見える女子には警戒心が強く、リクオとつらら(雪女)の関係を怪しんだりしつこくリクオの事を聞き出そうとするゆらを牽制したりしていた。しかし雲外鏡の一件から夜のリクオにも惚れてしまっている様子。ゆらを除き、唯一リクオの正体に関してほぼ核心に近い状態だが、「リクオ=あの方(夜のリクオ)」であるとは微塵も思い至らぬようで、「2人は友達同士」だと思い込んでいる。
花開院 ゆら(けいかいん ゆら)
声 - 前田愛
京都の陰陽師で陰陽道の頂点に立つ「花開院家」本家の娘。祖父・花開院秀元(27代目)は有名な陰陽師。妖怪退治の修行の為、浮世絵中学校1年3組に転校してきたリクオのクラスメイト。当初リクオ達に対しては敬語だったが、仲良くなってからは京言葉を使う。
要領がよくおっとりとした性格だが、陰陽師としてのプライドが高く『悪い』妖怪は全て滅するという信念を持っている。勝利の為なら己が身を滅ぼす事すら厭わない激情と、安全圏へと退避させた非戦闘員を「足手纏い」と言い切る非情さを併せ持つ。式神を使役し妖怪を滅する能力についてはぬらりひょんも驚愕する才能の持ち主であり、修行中の身でも陰陽師としては優秀な方らしいが、肝心要の所で失敗をすることがあり、雲外鏡や玉章相手にも歯が立たなかった。
いつか妖怪の総大将であるぬらりひょんを倒す事を目指し、旧鼠からリクオに助けられてもその思いは変わっていない。生徒会長選挙の日以来リクオを怪しんでいだが、京都から兄の竜二らが来た事により、遂にリクオの正体を知る。今までの夜のリクオの行動が理解できなかったが、今回全てを理解し、羽衣狐の襲撃に備えるべく京都へ戻った[4]
清継から「清十字怪奇探偵団」一の専門家として信頼されているが、その活動にはそれほど乗り気ではない模様。一人暮らしをしているせいか貧乏で、金欠になりやすいのが悩みの種で、式神の力を移すのに手頃な紙がレシートしか無い事も。主婦に紛れてスーパーマーケットのタイムセールに駆け込んだりしている。番外編などではその点が誇張され、「(高価な)食べ物」のこととなると性格が豹変する様が描かれている。TKG玉子かけご飯)をこよなく愛しており、よく食べている。
貪狼(たんろう)
ニホンオオカミの姿をした式神。妖怪を喰い殺す。
巨門(きょもん)
巨大なの姿をした式神。妖怪を踏み潰す。腹には名が刻まれている。
禄存(ろくそん)
エゾジカの姿をした式神。角で攻撃する。脚力も抜群。
廉貞(れんてい)
金魚の姿をした式神。「式神改造・人式一体」によりゆらの左腕に一体化し、花開院流陰陽術「黄泉送葬水包銃(よみおくり・ゆらMAX)」を放つ(このような名称なのは、自身が現代っ子であるためと思われる)。
武曲(ぶきょく)
落ち武者の姿をした式神。素顔は骸骨。ゆらに忠誠を誓っており、人語を話す。槍を使って戦う。
破軍(はぐん)
花開院陰陽術秘儀で、花開院家の中でも「破軍」を扱える者は別格とされているほど。先神(今は亡き、花開院家の歴代当主たち)を呼び出し、その霊力を以て極限にまで術者の"才"を増幅する。
ゆらは破軍を出せるけど使いこなせなかったので、捩目山で襲撃された時点では使わなかったが、羽衣狐たちと対峙した際に出してから先神の一人として登場した秀元(13代目)から使いこなす術を教わった。
その他技系の札
相手に投げつけた札が爆発する術が施されている「」、自身の周囲に張り巡らせ攻撃から身を守る「」「」等がある。
なお、貪狼・巨門・禄存・廉貞・武曲・破軍は北斗七星を構成する星の中国名である。
鳥居 夏実(とりい なつみ)
声 - 平田真菜
清継の取り巻きの一人。黒髪の女子。リクオの小学校時代からの知り合い。清十字怪奇探偵団の一員だが、打算的な付き合いで、妖怪には興味がない。捩眼山の温泉での戦い以降、ゆらから対妖怪用の戦いの稽古を無理やりやらされていたが、痴漢騒ぎの一件から防衛意識に目覚めた模様。笠を被ったお坊さん(黒田坊)に感謝している。
巻 紗織(まき さおり)
声 - 阿澄佳奈
清継の取り巻きの一人。茶髪の女子。巨乳が自慢。リクオの小学校時代からの知り合い。清十字怪奇探偵団の一員だが、打算的な付き合いで、妖怪には興味がない。鳥居と同じく、ゆらから稽古を無理やりやらされている。高校生の兄がいるらしい。
島 二郎(しま じろう)
声 - 柿原徹也
清継の取り巻きの一人。いつも清継の味方に付く少年。リクオの小学校時代からの知り合いで、現在浮世絵中学校1年2組の同級生。つらら(雪女)に好意を抱いている。実はサッカー部員でU-14(14歳以下)サッカー日本代表選手[5]

花開院家

花開院 ゆら
上記参照。
花開院 竜二(けいかいん りゅうじ)
花開院本家の陰陽師で、ゆらの実兄。妖怪を完全な「黒(悪)」とみなし、徹底的に滅するという思想に傾倒している。また、リクオや秋房といった中立的な「灰色」の存在もあまり快く思っていない。刃向かうものはゆらですら容赦しない冷徹さを持つ。ゆらとは違い標準語で喋る。竹筒に入れた液体の式神を操る他、嘘と真実を織り交ぜた巧みな話術で言霊を操り、敵を惑わせる戦法を得意とする。ゆらとは何かといがみ合うことが多いが仲が悪いわけではなく、また彼女の才能も認めている。
言言(げんげん)/餓狼(がろう)
液体の式神。敵の体内に侵入し、体液を暴走させる。餓狼は攻撃時の名称及び形態で、巨大な狼の頭が襲いかかる。
仰言(ぎょうげん)
液体の式神。水よりも純度が高く、あらゆるものを溶かす金生水でできた式神。攻撃の型は「花」「陣」など様々。
金生水の流星(こんじょうすいのりゅうせい)
仰言を使った応用技。攻撃された際の出血や涙と見せかけて仰言をばら撒き、飛沫にして襲いかからせる。
狂言(きょうげん)
液体の式神。猛毒の水で作られた自らの分身で敵を惑わせる。毒を受けると、一分以内に竜二の持つ解毒剤を投与しなければ死に至るという。
花開院 魔魅流(けいかいん まみる)
花開院家の陰陽師。竜二と行動を共にしている。ゆらとは幼馴染のようだが、現在の彼はまるで別人であるという。妖怪を悪とみなし、相手が死ぬまで攻撃をやめない。雷系の式神を操り、竜二と連携攻撃を行うこともある。
式神融合・滅(しきがみゆうごう・めつ)
竜二の式神で濡れた相手に対し、腕に仕込んだ式神符で電撃を浴びせる。
花開院 秀元(27代目)
現代の花開院家の陰陽師を統べる27代目当主。13代目当主と同名。京都に現れた京妖怪を前に為す術なく、全てをゆらと奴良組に託す。
花開院 秋房(けいかいん あきふさ)
妖刀制作の名門、花開院分家「"八十流"」の次男。第一の封印「弐條城」を守護。若いながら知謀に長ける策士。花開院家の陰陽師の中では、ゆらには「秋房義兄(にい)ちゃん」と呼ばれ慕われている存在で、彼女に陰陽術の心得を教えた。3歳で妖刀を製作するなど幼い頃から天才的な才能を見せ、次期当主になると疑われなかったが、破軍を使うゆらに対抗するため独自に憑鬼術を開発した。竜二とは陰陽術に対する見解の違いで対立していた。「不敗の槍」と呼ばれる妖槍『騎億(きおく)』を操る。自らの陰陽術に対し絶対的な信念を持っており、常に自分が正しいと信じて疑わない性格で、「妖刀作りなら、十三代目を超えた」と自負するほど。
鹿金寺で破戸、雅次と共に羽衣狐と対峙する。しかし自身の術への僅かな不信感とゆらへの嫉妬心が生み出した心の闇を鏖地蔵につけ込まれて憑依されてしまい、京妖怪と共に相剋寺を襲撃する。竜二の狂言を浴びて倒れ、ゆらにより鏖地蔵から解放された。
憑鬼槍(ひょうきそう)
花開院八十流陰陽術。式神を騎憶及び自身に憑依させ、妖怪そのものへと姿を変貌させる。不安定な人の心を持ったままだと魔道に陥りやすくなるため、禁術に分類される。
花開院 破戸(けいかいん ぱと)
花開院分家「"愛華流"」の陰陽師。第二の封印「相剋寺」を守護。自らが創り出した式神を操り、「創造式神使い」とあだ名される。小柄で、自由気ままな性格。常に浮いているが、どういう仕組みかは不明。
強毛裸丸(ゴモラマル)
破戸の操る式神。一つ目の巨人で怪力を武器とする他、結界術で妖怪の動きを封じる。しかし羽衣狐には歯が立たなかった。
花開院 雅次(けいかいん まさつぐ)
結界術を得意とする花開院分家「"福寿流"」の陰陽師。第三の封印「鹿金寺」を守護。冷静な性格。結界術の達人。
洛中洛外全方位金屏風(らくちゅうらくがいぜんほういきんびょうぶ)
花開院福寿流結界術。洛中洛外の全方位を覆う金色に輝く結界。がしゃどくろに破壊されてしまう。
花開院 灰吾(けいかいん はいご)
花開院分家「"井戸呂流"」の陰陽師。第五の封印「清永寺」を守護。43歳。当主になるために長年研究を重ねてきた。あだ名は「教頭」。結界を狙う京妖怪と戦うが、羽衣狐に瞬殺される。
"陽力"投与即神剤(ようりきとうよそくしんざい)
井戸呂流陰陽術を宿した錠剤。陽の力を直接身体に取り込み、肉体を強化する。
花開院 豪羅(けいかいん ごうら)
花開院家の陰陽師。褐色の肌の大男。第六の封印「龍炎寺」を守護。狂骨(娘)と戦うが彼女の畏に呑まれ、殺された。
弁慶の薙刀(べんけいのなぎなた)
豪羅が使う陰陽術。
花開院 是人(けいかいん これと)
花開院家の陰陽師。第七の封印「柱離宮」を守護。京妖怪に殺された。
花開院 秀爾(けいかいん しゅうじ)
花開院家の陰陽師。第八の封印「伏目稲荷神社」を守護。京妖怪に殺された。

登場人物の親族

奴良 若菜(ぬら わかな)
声 - 水野理紗
リクオの母で、所謂極道の妻だが性格は至って温厚。30歳。夫・鯉伴(=リクオの父、ぬらりひょんの息子)を早くに亡くしている。
鳥居 ひばり(とりい ひばり)
夏美の祖母。千羽の祠が祭られている近所の病院で入院中。若い頃から千羽に対する信仰が強く、現在もただ一人千羽の元へ詣でている。

四百年前の京都・大阪

珱姫(ようひめ)
京のとある公家屋敷の娘で、リクオの祖母。京都一と謳われる程の絶世の美女で、あらゆる難病も瞬く間に治す「不思議な力」を持っていた。また、自分を狙って倒された妖にも手を合わす程の慈悲深く、純粋な心の持ち主でもある。が満開の日に生まれ、そのため桜をこよなく愛し、着物も桜模様の物が多い。
その美貌と力により、生き肝信仰を持つ妖達から狙われ、花開院の陰陽師に厳重に守られていたが、ある月夜に当時のぬらりひょんと出会い、彼に好意を寄せられる。しかしその後、彼女の生き肝を狙った羽衣狐により大坂城へ"側室"として連れてこられてしまう。
他の姫2人が目の前で生き肝を食われ、彼女も羽衣狐に肝を食われそうになるが、ぬらりひょんに助けられ、同時に自分の為に命をかけて戦った彼に惚れ込み、彼と共に江戸へ渡り、祝言をあげた。この時既に極道の妻としての器量を身に付けていた。その後息子・鯉伴(リクオの父)を生み、生涯ぬらりひょんを慕い尊敬した模様。
400年経った現在は故人であり、ぬらりひょんの部屋には彼女を祀った、桜装飾の仏壇が安置されている。
ちなみに、現在リクオが所持する袮々切丸は、珱姫の護身刀が元になった物である。
淀殿(よどどの)
豊臣秀頼の母親で、豊臣秀吉が絶った豊臣家を支配する女性。羽衣狐の表世界での姿。豊臣家の滅亡と妖が活動し難くなる徳川の時代を危惧し、妖力を蓄えるために大量の人間の生き肝を集め食らっていた。
宮子姫(みやこひめ)/髪長姫(かみながひめ)
珱姫同様、秀頼の"側室"として連れてこられた姫。本人によれば、5歳まで髪の毛が生えず、絶望して海へ身投げしたが、そこに沈んでいた金色の仏像を丁重に祀った所、「日本一美しい髪」を授かったらしい[6]。美貌では珱姫に勝っていると自負していた。
何も知らずに大坂城に連れてこられ、接吻により羽衣狐に生き肝を吸い食われ、状況が呑み込めぬまま息絶えた。
貞姫(さだひめ)
珱姫同様、大坂城に連れてこられた姫。言動からして、「未来を見る力」を持っていた模様。
自分が妖に殺されると予見していたが、宮子姫が肝を食われた事によりそれを確信する。駆けつけた人間の武士に助けを求めるが、その武士も目の前でしょうけらに首を刎ねられてしまい、絶望にうちひしがれたまま生き肝を食われ、息絶えた。
苔姫(こけひめ)
#土地神を参照。
花開院 秀元(けいかいん ひでもと)(13代目)
異能の陰陽師と言われた天才で、兄の是光を差し置いて花開院家の13代目当主になった。才能、実力ともに高いが性格は飄々として子供っぽく、一人称も「ボク」。ぬらりひょんに興味を持っていて、既に顔馴染みの仲とまで言えるほど。祢々切丸や京の八つの結界を作った本人でもある。現代では「破軍」で召喚された先神(今は亡き、花開院家の歴代当主たち)の一人として登場。他の先神と異なり生身の様な姿で登場し、竜二からは霊力が高いためではないかと推測される。ゆらを始め、花開院家の人間や奴良組に助言をする。
式紙(しきかみ)
秀元がよく使う童子の姿をした2体の式神。小さく紙の様にペラペラしているが使用用途は多く、手を鳥の羽の様に変えれば、背に乗って空を移動する事も可能。よく是光の事をからかっている。
破軍(はぐん)
ゆらが使うものと同様の陰陽術。羽衣狐戦では彼女の動きを封じ、ぬらりひょんを援護した。相当な才能が無ければ使いこなすことはできないという。
花開院 是光(けいかいん これみつ)
花開院家の陰陽師。秀元の兄で剃髪。28年も凄まじい修行をしたらしいが、当主の座を弟の秀元にとられた(この事は秀元の式紙や納豆小僧らにおちょくられている)彼の才能を認めながらも、その掴みどころのない所業に手を焼いている。珱姫に護身用にと祢々切丸を授けた。また、子孫には「ぬらりひょんが来ても飯を食わせるな」という意味の言葉を文書に遺した。
天海(てんかい)
作中では存在のみが語られる謎の人物。ぬらりひょんが羽衣狐と戦った際に天海の部下と思わしき男がその様子を探っていた。

その他

化原(あだしばら)
作家であり妖怪研究家。みすぼらしい身なりだが、どこか不気味な雰囲気を漂わせる中年男性。清継が尊敬する人物である。馬頭丸に操られていた。
菅沼 品子(すがぬま しなこ)
清十字怪奇探偵団に邪魅騒動の解決を依頼した、武家屋敷の娘。先祖・菅沼定盛の直系故と地元の神主に言われていたが、神主の企みを知り、邪魅に対して感謝した。

脚注

  1. ^ 単行本第一巻8ページ
  2. ^ 人間時代の話については、能「隅田川」や歌舞伎などで脚色された木母寺に伝わる悲談「梅若伝説」と同旨。
  3. ^ モデルは百鬼夜行シリーズ(京極堂シリーズ)の主要人物で「薔薇十字探偵社」の私立探偵として登場する榎木津礼二郎と思われる。
  4. ^ ちなみに帰りの電車内(青春18きっぷの列車)で、竜二に渡された手紙の通りはっか飴をコーラに入れて、大惨事になった(俗に言うメントスガイザー)。
  5. ^ 2008年夏の『赤マルジャンプ』によって判明。
  6. ^ 道成寺蔵『宮子姫伝記』における髪長姫こと藤原宮子文武天皇妃)のエピソードがモデルとなっている。