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'''重さ'''(おもさ)あるいは'''重量'''(じゅうりょう)とは、その物体に働く[[重力]]の大きさ。例えば物を手に持った時に「重さ」を感じるのはその物が[[地球]]の[[引力]]によって[[手]]に[[力]]を及ぼすためである。地球上の場合、[[質量]]が1[[キログラム|kg]]の物体にかかる重力は約9.8N([[ニュートン]])となる。また、この同じ重力を1kgw([[キログラム重]])または1kgfと表記する。重量は[[ばねばかり]]等で測定される。
'''重さ'''(おもさ)あるいは'''重量'''(じゅうりょう)とは、その物体に働く[[重力]]の大きさである。


== 概要 ==
質量と異なり、重さは重力に比例して変化するため、同じ物体でも別の天体上では異なる重さになり、また地球上でも場所によっては異なる重さになる。そのため、基準が設定されている([[重力]]を参照せよ)。
物を手に持った時に「重さ」を感じるのはその物が[[地球]]の[[引力]]によって[[手]]に[[力]]を及ぼすためである。地球上の場合、[[質量]]が1[[キログラム|kg]]の物体にかかる重力は約9.8N([[ニュートン]])となる。また、この同じ重力を1kgw([[キログラム重]])または1kgfと表記する。重量は[[ばねばかり]]等で測定される。

質量と異なり、重さは重力に比例して変化するため、同じ物体でも別の天体上では異なる重さになり、また地球上でも場所によっては異なる重さになる。そのため、基準が設定されている。{{seealso|重力}}


== 質量と重さ ==
== 質量と重さ ==

2010年4月14日 (水) 05:38時点における版

重さ(おもさ)あるいは重量(じゅうりょう)とは、その物体に働く重力の大きさである。

概要

物を手に持った時に「重さ」を感じるのはその物が地球引力によってを及ぼすためである。地球上の場合、質量が1kgの物体にかかる重力は約9.8N(ニュートン)となる。また、この同じ重力を1kgw(キログラム重)または1kgfと表記する。重量はばねばかり等で測定される。

質量と異なり、重さは重力に比例して変化するため、同じ物体でも別の天体上では異なる重さになり、また地球上でも場所によっては異なる重さになる。そのため、基準が設定されている。

質量と重さ

上記のように、重さは重力によって異なるので、それぞれの物体に固有の性質ではない。それに当たるのは質量であるが、古くからこれらは同一視されてきた。地球上では、物体は質量に比例した大きさの力で下向きに引かれるため、この引く力を物体の性質と見なしたのが重さである。

この力は重力であるが、これは元来は質量を持つ物体の間に働く力で、ニュートン万有引力と呼び、その力について以下の特徴を指摘した。

  • 両者の重心を結ぶ直線上に、互いに引き合う方向に働く。
  • その力は両者の質量の和に比例し、距離に反比例する。

しかし地球上で人間が物体を扱う場合、その対象はいくら大きなものでも地球に比べれば無視できるほど小さい。また、地球はほぼ球形であり、その大きさは人間に比べてはるかに大きいから、その範囲での距離は地球直径に比較すればほぼ無視できる。そのため、地上で物体を扱う場合、その物体間の引力は地球との間の重力に比べて圧倒的に小さいため、地球とその物体との間の引力だけを考えてよい。また、物体の質量は地球に比べて圧倒的に小さいので、実際には両者の和ではなく、対象の物体の質量に比例した力がかかると見なせる。結果として、地球上の物体は、その質量に比例した力がかかることになるので、これの大きさを質量とみなしても実用上の問題は生じず、むしろ便利である。

ばねばかりはこの力をバネの伸びで測定する装置である。天秤ばかりは二つの物体にかかる力の大きさを比較することで、既知の質量の物体を元に未知の質量を求めるものである。

重さが量れない場合

実際には、古くから重さを元に物体の質量を扱うことが行われた来た。ニュートンらによる理論は、それが実用上は問題ないことを裏付け、同時にわずかながら違いがあること、普通の地上でない場合には様々な誤差が生じること等を示したとも言える。実際的には地上でも地域によって重力の大きさには違いがある。

上記のように、地球上において重さを質量のように見なして普通には困難はないが、実際にはまずい場合もある。たとえば地球表面は真空ではないから、そこに存在する物体は必ず浮力を受ける。人間の活動は普通は空気中で行われ、空気は人間の意識して扱う大抵の物体よりはるかに小さな密度を持つため、普段はこれに気づくことは少ない。しかし、このために空気の重さはないとの感覚が流通している。また、熱気球のように上昇するものに対して、重さと反対の「軽さ」という性質があるとの判断も過去には存在した。

拡張された意味

古来、重量は質量と同一視されてきた。その意味では、一般概念としての重さはむしろ質量に当たると見ても良いであろう。下に挙げる歴史的あるいは慣用的な重さの単位も、その意味するところは質量と見るべきである。また、一般的な用法としてはむしろ密度を念頭に使うことも多い。たとえば「綿より重い」というのはこの例である。

また上の意味から派生して、質量ではかれない概念的な物事の重大さを表す。この場合は「重み」や「重き(を置く)」の語が使われることが多い。重みという場合に、「のしかかる」ものとの印象があるのは、重さの性質を如実に反映している。重点とも言う。

重量グラム以外の重さの単位