「レールパワーGG20B形ハイブリッド機関車」の版間の差分
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2010年4月1日 (木) 09:57時点における版
レールパワーGG20B形ディーゼル機関車は、車軸配置B-Bの、レールパワー・テクノロジーズ製のハイブリッドディーゼル機関車である。スイッチャータイプである。グリーン・ゴート(緑のヤギ)というメーカーによる愛称がある。本項では、プロトタイプとなったGGS2000D形についても述べる。
GGS2000D形
GGS2000D形は、2001年にプロトタイプとして完成した。ロードナンバーとしてRPRX2001が与えられ、エメラルドという愛称も与えられた。
のちのレールパワー各車ともっとも異なる外観上の特徴は、ロング・フードが後継車種の半分ほどの低さであり、かつ長いことである。これは、後継車種より発電セットが小型であり、容量の小さな制御弁式バッテリーを装備しているためである。発電セット用のディーゼルエンジンは、当初は90馬力のものを装備していたが、のちに130馬力のものに換装されている。バッテリーからの電力との合計出力は2000馬力である。
フード側面にグリルの類はなく、上面に、バッテリーの開放口があるのみである。
GG20B形
解説
GG20B形は、発電セット1基とバッテリーを搭載した機関車である。出力の比は1:2となり、バッテリーからの電力供給がメインとなる。そのため、レイルパワーはこれをバッテリー・ドミナント・ハイブリッド方式としている。ロング・フード内を3等分するような割合で、運転室側からバッテリー、バッテリー、発電セットという順でに納められている。
搭載するディーゼルエンジンは、必要に応じて200kwから500kwのものを搭載している。バッテリー容量は1,200アンペア時である。
レールパワー・テクノロジーズによれば、このエンジンを採用し、必要に応じて使用しないエンジンを停止することにより、燃費3540-60%改善、窒素酸化物と粒子状物質(PM)を80-90%低減、厳しい基準で知られるカリフォルニア州大気資源局が定める「機関車の超低公害排出ガス基準」に適合するほか、粘着牽引力の増大、メンテナンスの省力化も図れるとしている。
Tier2対応の新型スイッチャーの価格が130万ドルほどであるのに対して、Tier4にも対応できるであろう本形式は、種車を5万ドルとした場合、92万5,000ドルである。
車体
完全なる新製ではなく、老朽車両のリビルドで製造する。種車から流用するのは、台枠、台車、駆動用モーター、連結器、砂撒器など、いわゆる下回りであり、フードなどは新製する。運転室は、流用することも、新製することも可能である。
種車はEMDのGP38形またはGP9形がほとんどである。ユニオン・パシフィック鉄道(UP)はGE製の機関車を用いることが多い。
燃料電池試験車
2007年、カナディアン・パシフィック鉄道の1704号が燃料電池車両として試験的に改造された。納入先はBNSF鉄道で、1205号となった。燃料電池のシステムは燃料電池推進研究所(Fuelcell Propulsion Institute)とBNSF鉄道が開発したもの。燃料電池は250kw相当で、当初はロングフード上部に、のちにロングフード内の発電セットがあった部分に移設されている。車体下部の燃料タンクは撤去されている。
主要諸元
- 製造年月:2004年
- 軸配置:B-B
- 機関搭載数:1基
- 最大出力:2,000馬力(1500kw)
- 粘着牽引力:49,300重量ポンド(219.30kN)以上
- 重量:27万5,000ポンド (124.74t)
- 最高速度:65mph(105km/h)