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通常の意味での職業ではないが、[[主婦]]、[[学生]]さらには[[無職]]を、便宜上、職業の1つとみなすこともある。
通常の意味での職業ではないが、[[主婦]]、[[学生]]さらには[[無職]]を、便宜上、職業の1つとみなすこともある。


職業の目的は人それぞれではあるが、ほとんどの場合、生計を立てるため、つまり生活するのに必要な(衣食住などの)物資やサービスを得るため、現代であれば主としてそれを得るために必要な[[金銭]]を得るためになされている。[[被雇用者]]の場合は、主としてそれを[[給与]]の形で、[[個人事業主]](自営業)の場合は[[利益]] の形で得ている。<ref>農業や漁業を行っている人の場合は、自身が収穫した農産物や海産物が、そのまま自身や家族の食料となる部分もあり、必ずしも生計のすべてが貨幣経済の制度に組み込まれてしか成り立たないとは限らない。</ref>
職業の目的は人それぞれではあるが、ほとんどの場合、生計を立てるため、つまり生活するのに必要な(衣食住などの)物資やサービスを得るため、現代であれば主としてそれを得るために必要な[[金銭]]を得るためになされている。[[被雇用者]]の場合は、主としてそれを[[給与]]の形で、[[個人事業主]](自営業)の場合は[[利益]] の形で得ている。<ref>農業や漁業を行っている人の場合は、自身が収穫した農産物や海産物が、そのまま自身や家族の食料となる部分もあり、必ずしも生計のすべてが貨幣経済の制度に組み込まれてしか成り立たないとは限らない。<br/>
企業によっては、生計の足しになる何らかの物資(食品や衣料品)を、従業員に「現物支給」しているケースもある。<br/>
また、例えば[[社宅]]なども、衣食住のうちの「住」を、金銭の形ではなく、直接的に得ていると言える。
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'''職'''、'''生業'''、'''[[仕事]]'''などともいう。なお、職業に就くことを'''就職'''、'''就労'''という。
'''職'''、'''生業'''、'''[[仕事]]'''などともいう。なお、職業に就くことを'''就職'''、'''就労'''という。

2010年2月9日 (火) 06:40時点における版

職業(しょくぎょう)とは、日常的に従事する業務労働のこと。

ただし、一般に、アルバイトパートタイムなど、短時間かつ短期間で生活を支えるに足る特殊な技能や専門性を必要としないものは含めない。

通常の意味での職業ではないが、主婦学生さらには無職を、便宜上、職業の1つとみなすこともある。

職業の目的は人それぞれではあるが、ほとんどの場合、生計を立てるため、つまり生活するのに必要な(衣食住などの)物資やサービスを得るため、現代であれば主としてそれを得るために必要な金銭を得るためになされている。被雇用者の場合は、主としてそれを給与の形で、個人事業主(自営業)の場合は利益 の形で得ている。[1]

生業仕事などともいう。なお、職業に就くことを就職就労という。

歴史

人間社会の中では、まず食料の収集、栽培、収穫に携わる、狩猟農業漁業といった第一次産業が職業として誕生し、そして食品の加工から、その運搬交換として経済活動に関係した職業が始まり、工場制手工業などの産業革命により、工場労働、労働管理といった新たな職業(第二次産業)が近代の職業を彩った。

19世紀から20世紀にかけては、さらにサービス業や知的専門職といった第三次産業に属する職業がさらに発展した。

職業の役割・選択

職業(職種)を選択するに当っては、次の「職業の三要素」が大切である、とする人もいる。

  • 経済性:収入を得て、生計を支える事。
  • 社会性:社会の中での役割を担う事により、社会に貢献する事。
  • 個人性:自分個人の人生の目標生きがいを充足させ、実りあるものにする事。

この3要素のいずれを重要視するか、どのように優先順位をつけるか、どの程度のバランスで組み合わせるか、ということにより、選択できる職業(職種)が大きく左右されることになる。

3要素は別とは限らず、相互に連動していることがあり、「社会に貢献」することと「生きがい」は何かしら連動していると見なされていることも多く、特に「社会に貢献することこそが自分の生きがいである」と思っている人の場合は、2者はほぼ同一のことを意味することになる。

安易に「収入が良いから」といった理由だけで職業を選んでしまったものの、それが自分固有の人生の目的生きがいに矛盾するようなものであったりすると、ノイローゼに陥ってしまうことがあることは知られている。ただし、生きがいに合致しているからと言って、収入の次元をまったく無視し、(あらかじめ資産を持っている人や、他に収入源がある人でもない限り)生計を支えられない収入の職業を選択してしまうとそれはそれで困難な状況に陥ることになる。

職業によらない収入源がある人や、すでに年配で年金が支給されている人(の中でも充分な支給額を得ている人の場合)は、純粋に「生きるはりあい」や「生きがい」のために職業をつづけることがある。

失業問題

職業は生活を支えているだけではなく、それに従事する各人の精神的な支えともなっている事が多い。それは、職業上高い地位を得た者だけが享受しているのではない。職業に従事できている、経済的に自立している、という事自体が、無意識的ではあるものの個人の尊厳を支えている面があるのである。このため、職業を失ってしまうこと(失業)は、経済的な面だけでなく、精神的な面にも悪影響を及ぼし、うつ病自殺の要因・誘因となる事も稀ではない。

そのため、政府は、経済的な観点からだけでなく、国民の(心の)健康の維持のためにも、失業率を低く抑えるようにつとめるべきだということは言われている。[2]

就職活動

職を得るためには通常、就職活動を行う必要がある。バブル経済のような好景気期には売り手市場となり就職は容易であり、バブル経済崩壊後のような不景気期には買い手市場となるため、就職が困難になるのが一般的である。

一般に、最初の就職の機会は中学校卒業後である[3]。続いて高等学校卒業後、それに続いて短大専門学校大学卒業後、それに続いて大学院卒業後などが主な機会である。

職業とワークライフバランス

ワーク・ライフ・バランスとは日本語では「仕事と生活の調和」とも表現されるものである。職業人としての時間と、家庭人(あるいはひとりの人間)としての時間のバランスのことである。

一部の例外を除いて、ほとんどの職業(仕事)には何らかのストレスがつきまとっている。適度なストレスはそれを克服しようとする個人の人間力や能力の拡大を促すきっかけとなるが、過度のストレスは体調・健康に悪影響が出る。ストレス対策には、「気持ちの切り替え」をうまく行なったり「心のゆとり」を持つことが有効である。過剰な残業休日出勤精神疾患の温床となることは指摘されている(起きている時間のほとんどすべてが職業のための時間となると、ストレスが大きくなりすぎるのである)。職場を離れた場で、友人と本音で話しあったり、家族と気持ちを通わせたり、気分のリフレッシュにつながる趣味の時間を持つことは、人が健康でいるためには必要であることは言われるようになり、過度な残業・休日出勤をさせ従業員の健康を害した企業は賠償請求をされるケースも出てきている。そのため残業・休日出勤を減らす工夫をする企業も次第に増えてきている。

脚注

  1. ^ 農業や漁業を行っている人の場合は、自身が収穫した農産物や海産物が、そのまま自身や家族の食料となる部分もあり、必ずしも生計のすべてが貨幣経済の制度に組み込まれてしか成り立たないとは限らない。
    企業によっては、生計の足しになる何らかの物資(食品や衣料品)を、従業員に「現物支給」しているケースもある。
    また、例えば社宅なども、衣食住のうちの「住」を、金銭の形ではなく、直接的に得ていると言える。
  2. ^ WHOの健康の定義にも、精神的な要素に加えて、経済状況の要素が盛り込まれている。
  3. ^ 例外として、役がすでについている子供の俳優(子役)などは、小学生などの段階ですでに職に就いていることになる。

関連項目