「ノルム (体論)」の版間の差分

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2005年9月19日 (月) 14:16時点における版

体論において、ノルム (norm) は、の拡大(とくにガロア拡大などの代数拡大)に付随して現れる写像の一種で、拡大体の元をもとの体の元に移す性質を持つ。

定義

の有限次元拡大 L / K に対し、L の元 α のノルム NL/K(α) は以下のように定義される。

KL を含む代数閉包 K^ を固定し、σi: LK^ (1 ≤ in) を K の元を固定する同型の全体とするとき

L を複素数体 C, K を実数体 R とすると、R の代数閉包は C であり、R を固定する C の自己同型は恒等写像と複素共役をとる写像の 2 つであるから、任意の複素数 α = a + ibに対して

が拡大 C / R に関する α のノルムである。

性質

  • 拡大 L / K について、L の任意の元 α に対し、NL/K(α) は K の元になる。
  • 拡大 L / KL の元 α, β に対し
  • 拡大の列 L / M / KL の元 α に対し
  • ヒルベルトの定理 90: 体の拡大 L / K が有限次巡回拡大でそのガロア群が σ で生成されるとき、以下の 2 つの条件が同値である。
    1. NL/K(α) = 1.
    2. α = β / σ(β) を満たす L の元 β が存在する。

一般化

有限群 GG 上の加群 M に対して、写像

G-加群 Mノルム写像という。x の "ノルム"

G の作用に対して不変である。すなわち、MG-不変な元全体のなす部分加群を MG とあらわすと Im(NG) ⊂ MG が成り立つ。

ガロア拡大 L / K に対して、乗法群 L* をガロア群 G = Gal(L / K) 上の加群と見なすとノルム写像 NG は拡大のノルム NL/K となる。

関連項目