「シークレット・ドクトリン」の版間の差分

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『'''シークレット・ドクトリン'''』(The Secret Doctrine)とは[[ブラヴァツキー夫人]]の著作。日本語では「秘密教義」とも表記。彼女が実在を主張する古代文献『[[ジャーンの書]]』の逐語訳に注釈を加えるという形をとっている。世界の各聖典からの引用も含まれている。[[1888年]]に二分冊で刊行されたが未完。のちに[[アニー・ベサント]]により第三巻が刊行された。二種類の版が流通している。一方はポイント=ローマ派の出版した二巻本で、初版の復刻である。もう一方はアディヤール派によって再構成された通称アディヤール版で、ブラヴァツキー人の未発表原稿を含んだ膨大な大冊となっている。
『'''シークレット・ドクトリン'''』(''The Secret Doctrine'')とは[[ブラヴァツキー夫人]]の著作。日本語では「秘密教義」とも表記。彼女が実在を主張する古代文献『[[ジャーンの書]]』の逐語訳に注釈を加えるという形をとっている。世界の各聖典からの引用も含まれている。[[1888年]]に二分冊で刊行されたが未完。のちに[[アニー・ベサント]]により第三巻が刊行された。二種類の版が存在する。一方はポイント=ローマ派の出版した二巻本で、初版の復刻である。もう一方はアディヤール派によって再構成された通称アディヤール版で、ブラヴァツキー人の未発表原稿を含んだ膨大な大冊となっている。


第一巻では宇宙の創世が、第二巻では[[レムリア]]や[[アトランティス]]を舞台とした第四[[根本人種]]の歴史といった人類の起源と[[進化]]について記述している。本書に叙述された人類史、人種発生は[[ルドルフ・シュタイナー]]の『アカシャ年代記』と[[アドルフ・ヨーゼフ・ランツ|ランツ・フォン・リーベンフェルス]]の『神聖動物学』に影響を与えた。
第一巻では宇宙の創世が、第二巻では[[レムリア]]や[[アトランティス]]を舞台とした第四[[根本人種]]の歴史といった人類の起源と[[進化]]について記述している。本書に叙述された人類史、人種発生の物語は[[ルドルフ・シュタイナー]]の『アカシャ年代記より』と[[アドルフ・ヨーゼフ・ランツ|ランツ・フォン・リーベンフェルス]]の『神聖動物学』に影響を与えた。


==参考文献==
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2010年1月1日 (金) 20:54時点における版

シークレット・ドクトリン』(The Secret Doctrine)とはブラヴァツキー夫人の著作。日本語では「秘密教義」とも表記。彼女が実在を主張する古代文献『ジャーンの書』の逐語訳に注釈を加えるという形をとっている。世界の各聖典からの引用も含まれている。1888年に二分冊で刊行されたが未完。のちにアニー・ベサントにより第三巻が刊行された。二種類の版が存在する。一方はポイント=ローマ派の出版した二巻本で、初版の復刻である。もう一方はアディヤール派によって再構成された通称アディヤール版で、ブラヴァツキー夫人の未発表原稿を含んだ膨大な大冊となっている。

第一巻では宇宙の創世が、第二巻ではレムリアアトランティスを舞台とした第四根本人種の歴史といった人類の起源と進化について記述している。本書に叙述された人類史、人種発生の物語はルドルフ・シュタイナーの『アカシャ年代記より』とランツ・フォン・リーベンフェルスの『神聖動物学』に影響を与えた。

参考文献

  • 田中恵美子訳『シークレット・ドクトリン (宇宙発生論 上)』神智学協会ニッポン・ロッジ、1994年、ISBN 978-4897413174

第一巻の前半の翻訳。全六冊予定だが、2009年12月現在一巻のみ刊行で、絶版の状態が続いている。

全体の抄訳。

  • 横山茂雄 『聖別された肉体 オカルト人種論とナチズム』 白馬書房、1990年

外部リンク