「アカシアの雨がやむとき」の版間の差分

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NHK紅白では、20回目の記念放送となった[[1969年]]の[[第20回NHK紅白歌合戦|第20回紅白]]でも披露された。1962年に出場した際の歌唱映像は現存していないため、存在するのはこちらのみである([[モノクローム|モノクロ]]映像)。[[民間放送]]で同曲を歌う西田佐知子の映像が流れる場合、この第20回紅白の歌唱映像が貸し出されて流れる事がある。カラー映像は、1968年12月27日に[[東京放送|TBS]]系で放送された「日本レコード大賞10周年[[特別番組]]」に出演した時の物と、[[1975年]]にNHKの番組<!--(『思い出のメロディー』?)-->に出演した時の物が現存している(どちらもビデオ映像)。
NHK紅白では、20回目の記念放送となった[[1969年]]の[[第20回NHK紅白歌合戦|第20回紅白]]でも披露された。1962年に出場した際の歌唱映像は現存していないため、存在するのはこちらのみである([[モノクローム|モノクロ]]映像)。[[民間放送]]で同曲を歌う西田佐知子の映像が流れる場合、この第20回紅白の歌唱映像が貸し出されて流れる事がある。カラー映像は、1968年12月27日に[[東京放送|TBS]]系で放送された「日本レコード大賞10周年[[特別番組]]」に出演した時の物と、[[1975年]]にNHKの番組<!--(『思い出のメロディー』?)-->に出演した時の物が現存している(どちらもビデオ映像)。
[[1963年]]には、[[浅丘ルリ子]]主演、[[高橋英樹]]が相手役で西田本人も出演した歌謡映画『アカシアの雨がやむとき』が封切られた。[[2002年]]の年末、[[NHK衛星第2テレビジョン|NHK BS2]]で放送された『[[あなたが選ぶ思い出の紅白・感動の紅白|あなたが選ぶ 思い出の紅白感動の名場面]]』において、[[ビデオテープレコーダ|VTR]]出演した浅丘が「もう一度聴きたい曲」としてこの曲を挙げ、第20回紅白の映像がオンエアされた。ちなみに、この1969年は審査員で浅丘も出演していた。西田と浅丘は互いの独身時代、大変親しかったことでも知られている。
[[1963年]]には、[[浅丘ルリ子]]主演、[[高橋英樹 (俳優)|高橋英樹]]が相手役で西田本人も出演した歌謡映画『アカシアの雨がやむとき』が封切られた。[[2002年]]の年末、[[NHK衛星第2テレビジョン|NHK BS2]]で放送された『[[あなたが選ぶ思い出の紅白・感動の紅白|あなたが選ぶ 思い出の紅白感動の名場面]]』において、[[ビデオテープレコーダ|VTR]]出演した浅丘が「もう一度聴きたい曲」としてこの曲を挙げ、第20回紅白の映像がオンエアされた。ちなみに、この1969年は審査員で浅丘も出演していた。西田と浅丘は互いの独身時代、大変親しかったことでも知られている。


大ヒット以降は、カヴァー曲の定番としても知られる。往年の流行歌手では[[藤圭子]]や[[青江三奈]]等がレコードに吹き込んでいる。演歌歌手以外にも、NHKの『[[思い出のメロディー|第16回思い出のメロディー]]』([[1984年]])で[[松田聖子]]が「母がよく口ずさんでいた」という理由で披露したり、[[工藤静香]]がカヴァー・アルバム『[[昭和の階段 Vol.1]]』([[2002年]])で歌っている<ref>工藤静香のカヴァー・アルバム『[[昭和の階段 Vol.1]]』では、「アカシアの雨がやむとき」のほかに「コーヒールンバ」もカヴァーされている。</ref>。[[戸川純]]のカヴァーは、曲の初めと終わりに[[学生運動]]風の[[効果音|SE]]が収録されているのが特徴的である<ref>アルバム『昭和享年』に収録された。</ref>。
大ヒット以降は、カヴァー曲の定番としても知られる。往年の流行歌手では[[藤圭子]]や[[青江三奈]]等がレコードに吹き込んでいる。演歌歌手以外にも、NHKの『[[思い出のメロディー|第16回思い出のメロディー]]』([[1984年]])で[[松田聖子]]が「母がよく口ずさんでいた」という理由で披露したり、[[工藤静香]]がカヴァー・アルバム『[[昭和の階段 Vol.1]]』([[2002年]])で歌っている<ref>工藤静香のカヴァー・アルバム『[[昭和の階段 Vol.1]]』では、「アカシアの雨がやむとき」のほかに「コーヒールンバ」もカヴァーされている。</ref>。[[戸川純]]のカヴァーは、曲の初めと終わりに[[学生運動]]風の[[効果音|SE]]が収録されているのが特徴的である<ref>アルバム『昭和享年』に収録された。</ref>。

2009年11月14日 (土) 05:46時点における版

アカシアの雨がやむとき』(アカシアのあめがやむとき)は、西田佐知子が1960年4月に発表した楽曲。発売元はポリドール・レコード(日本グラモフォン、現:ユニバーサルミュージック)。

解説

1960年代の歌謡史を代表する歌手のひとり、西田佐知子のヒット曲で、1960年4月に原田信夫が歌う「夜霧のテレビ塔」の片面としてリリースされた(レコードA面とB面に異なる歌手の歌唱楽曲が収録されたレコード盤)。

その「夜霧のテレビ塔/アカシアの雨がやむとき」は、西田がポリドール・レコードから発売した4枚目のシングル盤。それ以前に発売された3枚も、異なる歌い手とカップリングされたレコード盤である。発売当時のレコード・ジャケットは名前の表記が「西田佐智子」であり原田信夫の顔写真も掲載されていたが[1]、本楽曲が圧倒的に広く浸透した結果、のちにレコードジャケットが西田本人のみの写真にレイアウト変更され、名前も「西田佐知子」に修正されたリニューアル盤に切り替えられていった[2]

「アカシアの雨がやむとき」がヒットした背景として、「日米安保闘争」と関連して語られることは多い[3]。その中身とは、1960年1月の「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約」調印を発端とした安保闘争後、反対運動の成果ゼロという結果に疲れた若者たちが、その乾いたヴォーカルと廃頽的な詞に共鳴して歌われたことで広まっていった、というものである[4]。そのため、テレビ番組では当時の世相を反映する楽曲として、安保闘争(とりわけ、樺美智子死亡による抗議デモ)の映像のバックで流れることが多々ある。

発売自体は1960年であったが、NHK紅白歌合戦』で初披露されたのは1962年第13回紅白。歌う順番がトリのひとり前という、華々しい位置であった[5]。なお、紅白には前年の第12回紅白に「コーヒールンバ」で初出場を果たしている[6]。紅白と並び年末風物詩である『日本レコード大賞』では、1962年の「第4回輝く!日本レコード大賞」においてロング・セールスが評価され、「特別賞」が授与された。

NHK紅白では、20回目の記念放送となった1969年第20回紅白でも披露された。1962年に出場した際の歌唱映像は現存していないため、存在するのはこちらのみである(モノクロ映像)。民間放送で同曲を歌う西田佐知子の映像が流れる場合、この第20回紅白の歌唱映像が貸し出されて流れる事がある。カラー映像は、1968年12月27日にTBS系で放送された「日本レコード大賞10周年特別番組」に出演した時の物と、1975年にNHKの番組に出演した時の物が現存している(どちらもビデオ映像)。

1963年には、浅丘ルリ子主演、高橋英樹が相手役で西田本人も出演した歌謡映画『アカシアの雨がやむとき』が封切られた。2002年の年末、NHK BS2で放送された『あなたが選ぶ 思い出の紅白感動の名場面』において、VTR出演した浅丘が「もう一度聴きたい曲」としてこの曲を挙げ、第20回紅白の映像がオンエアされた。ちなみに、この1969年は審査員で浅丘も出演していた。西田と浅丘は互いの独身時代、大変親しかったことでも知られている。

大ヒット以降は、カヴァー曲の定番としても知られる。往年の流行歌手では藤圭子青江三奈等がレコードに吹き込んでいる。演歌歌手以外にも、NHKの『第16回思い出のメロディー』(1984年)で松田聖子が「母がよく口ずさんでいた」という理由で披露したり、工藤静香がカヴァー・アルバム『昭和の階段 Vol.1』(2002年)で歌っている[7]戸川純のカヴァーは、曲の初めと終わりに学生運動風のSEが収録されているのが特徴的である[8]

この楽曲で歌われるアカシアは、本当のアカシアではなくニセアカシアとされる。また、「アカシアの雨が止むとき」「アカシアの雨が止む時」「アカシヤの雨が止む時」など表記はいくつか見受けられるが、近年発売される西田のベスト・アルバムでは「アカシアの雨がやむとき」で統一されている。なお、歌っている西田自身は「お経みたいな辛気臭い歌」と、あまり好んではいなかった。

作者名

  • アカシアの雨がやむとき (3:32)
    作詞: 水木かおる、作曲・編曲: 藤原秀行

収録作品

アカシアの雨がやむとき


関連項目

カヴァーした主な歌手

脚注

  1. ^ ベストアルバム『GOLDEN☆BEST 西田佐知子』(2003.11.26、ユニバーサルミュージック)のCDジャケットに掲載されている。
  2. ^ リニューアル盤の西田の写真も複数パターンが存在する。
  3. ^ CD-BOX西田佐知子歌謡大全集』(2007.3.28、ユニバーサルミュージック)に封入されたブックレット掲載のライナーノーツでも触れられている。
  4. ^ 室伏哲郎・著『ニッポン風俗・芸能グラフィティ』2003年、自由国民社刊。
  5. ^ 対戦相手はフランク永井。トリは白組が三橋美智也、紅組は島倉千代子
  6. ^ 映像は第12回紅白・第13回紅白のどちらも現存しない。資料写真のみ存在する。ちなみに、西田の現存する最古の紅白出演映像は「エリカの花散るとき」を歌った1963年第14回紅白
  7. ^ 工藤静香のカヴァー・アルバム『昭和の階段 Vol.1』では、「アカシアの雨がやむとき」のほかに「コーヒールンバ」もカヴァーされている。
  8. ^ アルバム『昭和享年』に収録された。