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*手古奈(政子・時子・頼盛の侍女):[[上原美佐 (1983年生)|上原美佐]]
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*五足(孤児、清盛の禿(密偵)):[[北村有起哉]]
*五足(孤児、清盛の禿(密偵)):[[北村有起哉]]
**義経と仲がよかったが、身寄りがなくぼろぼろの服を着ていた。後に清盛の家来として聴力が衰えた彼の「耳」となって情報を収集。清盛が亡くなる直前の命である「庭園を燃やす」ことを実行に移したがその後殺害された。
**義経と仲がよかったが、身寄りがなくぼろぼろの服を着ていた。後に清盛の家来として聴力が衰えた彼の「耳」となって情報を収集。清盛が亡くなる直前の命である「庭園を燃やす」ことを実行に移したがその後殺害された。
*烏丸(孤児、朱雀の翁の従者):[[高橋耕次郎]]
*烏丸(孤児、朱雀の翁の従者):[[高橋耕次郎]]
*大日坊春慶(うつぼの兄):[[荒川良々]]
*大日坊春慶(うつぼの兄):[[荒川良々]]

2009年6月19日 (金) 14:42時点における版

義経』(よしつね)は、2005年1月9日 - 12月11日に放送された44作目のNHK大河ドラマである。原作・宮尾登美子。脚本・金子成人。主演・滝沢秀明タッキー&翼)。

義経
ジャンル ドラマ
原作 宮尾登美子
脚本 金子成人
演出 黛りんたろう 他
出演者 滝沢秀明
松平健
上戸彩
石原さとみ
稲森いずみ
後藤真希
小澤征悦
勝村政信
鶴見辰吾
阿部寛
市川左團次
萬田久子
高橋英樹
平幹二朗
財前直見
小林稔侍
松坂慶子
丹波哲郎
中井貴一
渡哲也 他
製作
製作総指揮 諏訪部章夫
制作 日本放送協会
放送
放送国・地域日本の旗 日本
放送期間2005年1月9日 - 12月11日
放送時間44分30秒
放送枠大河ドラマ
回数49
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あらすじ


注意:以降の記述には物語・作品・登場人物に関するネタバレが含まれます。免責事項もお読みください。


平治の乱で平清盛に敗れた源義朝の愛妾・常盤御前は、三人の子を連れて京を逃れるが実母が平家方に捕らえられている事を知り、清盛に出頭する。清盛により、末子・牛若(後の義経)との生活を許された常盤であったが、清盛との関係がその正妻・時子の知るところとなり、常盤は清盛の元を去り、牛若は鞍馬寺に預けられる事になった。

清盛を実の父と信じて疑わず、清盛が目指そうとする「新しき国」に淡い憧れを抱いていた牛若は、自分がその敵である義朝の子である事を知り、愕然とする。やがて逞しい青年へと成長し、奥州の藤原秀衡のもとへ身を寄せた義経は、兄・頼朝のもとへ参じて源平の戦いに身を投じる。

しかし、清盛をはじめとする平家方を敵と割り切る事ができない。そして同じ源氏である木曽義仲と戦わねばならない葛藤…、兄弟としての情を求める義経は武家政権のリーダーとして理を重んじる頼朝と徐々にすれ違っていくようになる。

作品内容と反響

家族の絆、親子の絆をコンセプトに、疑似家族としての主従の絆、貿易立国の建設を目指す清盛との親子的なつながり、武家政権を樹立するために弟を切らねばならない頼朝の「政治家」そして「兄」としての葛藤と苦悩などを新しい解釈も取り入れて描いた。清盛・頼朝らとの葛藤や義経の想いを描くにあたって「新しき国」との言葉が何度も用いられ、これが物語上でも重要な要素となっている。また老獪な後白河法皇に翻弄される源平双方の悲哀は従来通りで、平幹二朗演じる後白河法皇と夏木マリ演じる丹後局コンビの怪演が異彩を放った。

源義経が大河ドラマの題材となるのは1966年の『源義経』以来2回目で、『源義経』の作者である村上元三が資料提供として名を連ねた。また「源義経」で架空の人物として登場したうつぼが『義経』でも登場(キャラクター設定は別)し、京に住む孤児うつぼを通じた現代の目線からの義経像が描かれた。なお、源平合戦の時代が大河ドラマとして描かれたのは1993年7月から1994年3月の『炎立つ』以来となる。

原作が平家物語であることもあって、平清盛とその妻時子を中心とした平家一族の描写が丁寧にされたが、義経周辺(義経主従、静御前など)の物語は比較的少なく、淡々と描写された印象が残った。

滝沢の大河ドラマ出演は『元禄繚乱』(1999年吉良義周役)以来で、主演は初。2年連続でのジャニーズ事務所所属タレントの主演となった。また、役の石原さとみ(『てるてる家族』)、建礼門院徳子役の中越典子(『こころ』)をはじめ、戸田菜穂(『ええにょぼ』)、高野志穂(『さくら』)などNHK朝の連続テレビ小説のヒロインが多く出演した。他にも重鎮クラスのベテランから、中堅、若手、アイドル、お笑いに至るまで幅広いキャスティングがされた。

メインディレクター・黛りんたろうの独特の美学に基づいた演出は、「時代絵巻」ともいえる美しい映像表現を生み出した。五条の大橋壇ノ浦の戦い鶴岡八幡宮での舞といった物語のクライマックスとなる場面において、それぞれ桜、金粉紅葉を大量に撒き散らす大胆な演出を試みている。 最終回での「義経が自害した後、持仏堂の屋根から“白く輝く光”が噴き出す」という演出は金子成人との打ち合わせで生まれたという。

第1回の一の谷の合戦のシーンでは「播磨国一ノ谷」とクレジットが出たが正しくは「摂津国」である。再放送では「摂津国一ノ谷」と訂正された。ちなみに、古戦場の西にあたる垂水区との境にある境川が、摂津国と播磨国の国境である。

スタッフ

義経紀行

キャスト

義経周辺の人々

義経主従

  • 牛若→遮那王→源義経上井聡一郎神木隆之介滝沢秀明
    • 少年時代、清盛の元で育ったため、自分の父親の存在を知らずにいた。そのため清盛を自分の父親と思っていた。少年時代はやんちゃな一面も持ち、清盛が描かせた福原の絵に墨でいたずら書きをしてしまいとがめられると誰もが思う一幕もあった。但し、清盛自身が自ら舟の絵を描くことでこの騒動は治まったが、この時の出来事が平宗盛の反発を招くこととなる。その後源行家と出会い、自らの出生の秘密を知る。このため平家追討におけるリーダー格と言える存在なる。
  • 武蔵坊弁慶松平健
    • 自らいわれのない罪で寺を追われた事により、その鬱憤を晴らすため薙刀を奪うようになる。あと一本で1000本目になるというその時、義経と出会い、彼との対戦で負けたことにより逆に彼に魅力を感じるようになり、家来になる。以降は命懸けで義経を守るようになり、その最期も義経をかばいながら死ぬという壮絶なものだった。
  • 伊勢三郎南原清隆
  • 駿河次郎うじきつよし
    • 義経主従の中ではムードメーカーとしての側面を強く持つ。
  • 喜三太伊藤淳史
  • 佐藤忠信海東健
  • 佐藤継信宮内敦士
  • 鷲尾三郎→鷲尾義久長谷川朝晴

義経をめぐる人々

源氏

鎌倉方

木曽方

その他の源氏方

平家

奥州藤原氏

朝廷

京の人々

  • お徳(組紐屋、古くから清盛を知る。語りを兼任):白石加代子
  • 朱雀の翁(京の裏社会の実力者):梅津栄
  • 手古奈(政子・時子・頼盛の侍女):上原美佐
  • 五足(孤児、清盛の禿(密偵)):北村有起哉
    • 義経と仲がよかったが、身寄りがなくぼろぼろの服を着ていた。後に清盛の家来として聴力が衰えた彼の「耳」となって情報を収集。清盛が亡くなる直前の命である「庭園を燃やす」ことを実行に移したがその後殺害された。
  • 烏丸(孤児、朱雀の翁の従者):高橋耕次郎
  • 大日坊春慶(うつぼの兄):荒川良々
  • 順慶(弁慶の友人):大島宇三郎
  • 十蔵(吉次の配下):中西良太
  • 熊七(吉次の配下):江良潤
  • 持覚(鞍馬の学僧):齊藤尊史
  • 瑞雲(鞍馬の学僧):吉澤宙彦
  • むじな(孤児):後藤和夫川島大
  • 黒漆(平家嫡流の鎧を奪った盗賊):大村波彦
  • 不動(義経が説得した盗賊):清水宏
  • 赤目(同上):飯泉征貴
  • 白鷺(同上):池田鉄洋

その他の人々

放送

放送日程

第1回と最終回は1時間拡大版である。第36回は衆議院選挙特番の為地上波7:15~8:00の放送である。

放送回 放送日 演出 義経紀行 視聴率
第1回 1月9日 運命の子 黛りんたろう 六波羅蜜寺(京都市) 24.2%
第2回 1月16日 我が父清盛 厳島神社(広島県宮島町) 25.5%
第3回 1月23日 源氏の御曹司 木村隆文 鞍馬(京都市) 25.9%
第4回 1月30日 鞍馬の遮那王 黛りんたろう 鞍馬寺(京都市) 23.6%
第5回 2月6日 五条の大橋 五条大橋(京都市) 26.9%
第6回 2月13日 我が兄頼朝 木村隆文 蛭ヶ小島(静岡県韮山町) 24.0%
第7回 2月20日 夢の都 寂光院(京都市) 23.6%
第8回 2月27日 決別 黛りんたろう 小松谷(京都市) 22.2%
第9回 3月6日 義経誕生 中尊寺(岩手県平泉町) 24.3%
第10回 3月13日 父の面影 柳川強 毛越寺(岩手県平泉町) 22.7%
第11回 3月20日 嵐の前夜 医王寺、大鳥城跡(福島市) 22.6%
第12回 3月27日 驕る平家 木村隆文 徳音寺(長野県日義村) 19.6%
第13回 4月3日 源氏の決起 園城寺(滋賀県大津市) 19.0%
第14回 4月10日 さらば奥州 黛りんたろう 平等院(京都府宇治市) 20.1%
第15回 4月17日 兄と弟 対面石(静岡県三島市) 21.9%
第16回 4月24日 試練の時 柳川強 鶴岡八幡宮(神奈川県鎌倉市) 19.9%
第17回 5月1日 弁慶の泣き所 能福寺(神戸市兵庫区) 20.7%
第18回 5月8日 清盛死す 木村隆文 若一神社(京都市) 19.0%
第19回 5月15日 兄へ物申す 墨俣川古戦場(岐阜県墨俣町) 19.6%
第20回 5月22日 鎌倉の人質 黛りんたろう 伊豆山神社(静岡県熱海市) 19.7%
第21回 5月29日 いざ出陣 倶利伽羅古戦場(富山県小矢部市) 21.0%
第22回 6月5日 宿命の上洛 柳川強 石清水八幡宮(京都府八幡市) 21.7%
第23回 6月12日 九郎と義仲 比叡山延暦寺(滋賀県大津市) 18.9%
第24回 6月19日 動乱の都 木村隆文 法住寺陵(京都市東山区) 20.9%
第25回 6月26日 義仲最期 義仲寺(滋賀県大津市) 19.3%
第26回 7月3日 修羅の道へ 一木正恵 篠山(篠山市) 18.7%
第27回 7月10日 一の谷の奇跡 黛りんたろう 須磨浦公園(神戸市須磨区) 19.5%
第28回 7月17日 頼朝非情なり 柳川強 清水八幡(狭山市) 16.9%
第29回 7月24日 母の遺言 黛りんたろう 牛若丸誕生井碑
胞衣塚(京都市北区)
18.5%
第30回 7月31日 忍び寄る魔の手 大関正隆 養寿院(川越市) 17.3%
第31回 8月7日 飛べ屋島へ 一木正恵 逆櫓の松跡の碑(大阪市福島区) 15.3%
第32回 8月14日 屋島の合戦 木村隆文 安徳天皇社(香川県高松市) 16.9%
第33回 8月21日 弁慶走る 大関正隆 闘鶏神社(和歌山県田辺市) 18.1%
第34回 8月28日 妹への密書 黛りんたろう 西楽寺(山口県下関市) 15.4%
第35回 9月4日 決戦·壇ノ浦 壇ノ浦古戦場(山口県下関市) 21.1%
第36回 9月11日 源平無常 一木正恵 赤間神宮(山口県下関市) 18.8%
第37回 9月18日 平家最後の秘密 木村隆文 長楽寺(京都市東山区) 18.4%
第38回 9月25日 遠き鎌倉 大関正隆 興福寺(奈良県奈良市) 16.3%
第39回 10月2日 涙の腰越状 黛りんたろう 満福寺(鎌倉市) 15.7%
第40回 10月9日 血の涙 一木正恵 朝夷奈切通し(鎌倉市) 13.5%
第41回 10月16日 兄弟絶縁 柳川強 平宗盛胴塚(滋賀県野洲市)
義経元服池(滋賀県竜王町)
15.5%
第42回 10月23日 鎌倉の陰謀 大山祇神社(愛媛県今治市) 13.5%
第43回 10月30日 堀川夜討 大杉太郎 若宮八幡宮(京都市下京区) 15.3%
第44回 11月6日 静よさらば 木村隆文 吉水神社(奈良県吉野町) 16.5%
第45回 11月13日 夢の行く先 静神社(京都府京丹後市)
神泉苑(京都市)
16.3%
第46回 11月20日 しずやしず 黛りんたろう 羽黒神社
静御前の墓(新潟県栃尾市)
15.6%
第47回 11月27日 安宅の関 柳川強 安宅の関(石川県小松市)
如意の渡(富山県高岡市)
15.0%
第48回 12月4日 北の王者の死 木村隆文 須須神社(石川県珠洲市) 16.9%
最終回 12月11日 新しき国へ 黛りんたろう 義経堂(岩手県平泉町) 19.7%
平均視聴率19.4%(視聴率は関東地区ビデオリサーチ社調べ)

総集編スペシャル

2005年12月24日25日に放送。滝沢が義経と邂逅する新撮映像と主従座談会の一部が番組の前後に追加された。

放送回 放送日 放送時間
第1部 12月24日 19:30~20:45 義経誕生
第2部 12月25日 16:45~18:00 軍神降臨
第3部 12月25日 19:30~20:45 英雄伝説
  • 主従座談会(2005年12月16日 21:15~21:58 24日 13:05~13:48)

ドラマの描写と異説

義経及び周囲の人々の生涯については歴史的資料及び軍記物語などに残された記述にそれぞれかなりの相違がある。そこで、このドラマで採用された解釈とそれとは異なる歴史的あるいは物語上の解釈とを以下にまとめる。全体としてはドラマで採用された解釈が歴史学会の通説に即している場合もあるが、通説に矛盾した後世の創作と考えられる解釈をとっている場合もある。なお「うつぼ」などのこのドラマ固有の架空の登場人物については省略する。

題材 ドラマによる描写 異説による描写
義経の師匠 鞍馬山の天狗の鬼一法眼 師匠は鞍馬天狗。法眼は陰陽道の法師で伝家の兵書『六韜』の持ち主で人間。義経の師匠ではない。義経は法眼の娘と通じて『六韜』を盗み学んだ。(『義経記』他)
弁慶が比叡山を出た理由。 比叡山と園城寺の抗争の首謀者として(本当は首謀者ではないのに)責任を取らされた。 弁慶の乱暴狼藉があまりにひどかったので追い出された。(『義経記』)
殿下の乗合 重盛は激怒し、息子資盛の報復をした。 重盛が制止したが清盛が報復した。(『平家物語』)。ただし、この場合ドラマの方が史実に忠実。平重盛参照。
義経の元服 源義朝が殺された、尾張国知多郡野間で元服 平治物語』では近江国蒲生郡(今の竜王町)鏡の宿で元服。
『義経記』では頼朝の母の実家尾張国熱田神宮で元服。
清盛の遺言 「頼朝の首を墓前に供えよ」との遺言を、一門の結束を強めるために時子が捏造する 「頼朝の首を墓前に供えよ」と遺言する(『平家物語』)[2]
義仲が死の直前巴と別れた理由 義高の事を巴に任せる為。 死ぬときまで女を連れていたと言われては恥だと考えた為(『平家物語』)。
巴は女なので逃げる道もあるだろうと考えた為、形見の小袖を故郷の木曾に届けるよう命令した(能の『』)。[3]
義仲の最後 追い詰められて応戦。額を矢で打ち抜かれて死ぬ。 深田に馬の脚を取られた所に額を矢で射られた。(『平家物語』)
義経の実母 常盤御前 源平戦間に病死 義経の都落ちの後、義経の妹と共に鎌倉方に一時拘束されている。(『吾妻鏡』)
扇の的 能子(廊御方)が小舟で現れ、那須与一が扇を射落とした。平家はそのまま退却。 美女が小舟で現れ、那須与一が扇を射落とした。その後平家の武者が与一を褒め称えて舞を舞ったが、義経の命令により与一が武者を射殺した。激怒した平家は再び源氏と戦う。(『平家物語』)
壇ノ浦の戦いでの八艘跳び 平知盛に追い詰められて飛んでいる[4] 平教経に追い詰められて飛んでいる(『平家物語』)[5]
安徳天皇の入水 壇ノ浦の合戦で入水したのは、すり替えられた弟 守貞親王[6] 安徳天皇は壇ノ浦で入水した。[7]
京での戦 頼朝の命で土佐坊昌俊が義経を襲った事を聞いたが、京が戦場になるのを避ける為、頼朝と戦わなかった。 頼朝の命で土佐坊昌俊が義経を襲った事を聞いた後、叔父の源行家らとともに京で頼朝打倒の旗を挙げた。源義経参照。
義経の正妻 郷御前 頼朝との対立時に鎌倉へ帰された。 義経一行とともに平泉へ落ち延び、娘とともに義経に殉じる(『吾妻鏡』)
舟弁慶 知盛の亡霊を退散。難破の後吉野へ。師匠の鬼一法眼が義経一行を助ける。吉野で静が別れを申し出た為、静と別れる。 吉野で弁慶が静と別れる事を提案した為、静と別れる。その後知盛の亡霊を退散。(能の『舟弁慶』)[8]。義経の師匠は登場せず。[9]
忠信の死 静を京に送る役目をまかされて義経と別れたが、静を鎌倉方に奪われてしまった。静を取り返すべく奮戦して死ぬ。 吉野で義経の身代わりとなって踏み止まり、義経一行を逃がす。都に潜伏した所を鎌倉側に発見され奮戦したのち六条堀川で自害。(『義経記』)
鶴岡八幡宮の舞 静は子を出産したが殺された。その後頼朝の前で舞を舞う。 『吾妻鏡』では先に舞、後で子を出産し殺される。ただし、ドラマの順番は『義経記』と同じ。
木曽義仲の愛妾 巴御前 落ち延びて北陸の村で第二の人生を送る 鎌倉方に捕らえられて和田義盛の妻になってその子を産み、義盛の挙兵による敗死後は尼僧になったという説がある(『源平盛衰記』)[10]
安宅 関守の富樫は山伏達の正体に気付いたが、泣きながら義経を打擲する弁慶に感動したので不問にした。 ドラマの描写は歌舞伎の『勧進帳』に基づいているが、『勧進帳』のもとになった『義経記』や能の『安宅』では単に関守が騙されただけであり、義経であることが見破られる記述は越中の如意の渡でのことになっている。
伊勢三郎 衣川で義経を守って討ち死に[11] 義経一行が平泉に向かうときにはぐれて畿内で捕らえられて梟首(『玉葉』)
義経の最期(衣川の館 主従で抗戦の後に一人で自刃 抗戦せず、正妻の郷御前と実娘とともに自害(『吾妻鏡』)
  • 源平物では必ず登場する平敦盛平教経などが登場せず、敦盛と熊谷次郎直実との一騎打ちは描かれていない。
  • 屋島の合戦では「弓流し」のエピソードが描かれなかった。
  • 主要な登場人物でも、史談で有名なエピソードが描かれなかったケースとして、梶原景季が挙げられる。景季はドラマの早い段階で登場して義経主従と関係していたが、その最も有名なエピソードである宇治川の戦いにおける佐々木高綱との先陣争いが省かれ、鉦を演奏していたとのエピソードがある鶴岡八幡宮での静の舞のシーンにも登場しなかった。

脚注

  1. ^ 宮田は既に故人であるため、作品集の中からオープニングタイトルに「黒髪」「中世」などが、エンドタイトルにはその回の内容に合わせて「厳島神社」「静御前」などが使用された。
  2. ^ 今日ではこの遺言の存在自体は当時の武家の慣習からして文学的創作ではないかと歴史学上疑問がもたれている。
  3. ^ ちなみに手塚治虫の『火の鳥乱世編』には別れのシーンはないが、義仲は今際の際に、ドラマと同様、息子の事を巴に頼む。
  4. ^ 『吾妻鏡』では教経は一の谷で戦死したとされるので解釈は近い。ちなみに手塚治虫の『火の鳥乱世編』でも知盛が追い詰めている。
  5. ^ 『玉葉』では教経は一の谷で死んでいないとされるので矛盾はない。
  6. ^ 『平家物語』は、維盛の息子・六代が斬られて平家の血筋が絶えることで物語を終えるが、この設定では源氏の滅亡後まで平家の血筋が残されたことになる。また、ドラマでは触れられてないが、承久の乱後に後堀河天皇の父親として院政を行った後高倉院が実は安徳天皇だったことになる。
  7. ^ 安徳天皇が実は生きて残っていたという伝説は全国に残り、歌舞伎の義経千本桜でも生きていたという説を取っているが、ドラマと違い、どうやって生き残ったのかは不明。
  8. ^ 『義経記』でも静との別れは弁慶が提案した事になっている
  9. ^ 能の『鞍馬天狗』では、義経の師匠である鞍馬天狗が後に義経を助ける事を約束しているので、ドラマの描写はあるいはこの影響かもしれない。
  10. ^ ただし『吾妻鏡』による義盛の子の生年に合わないので後世の創作とされている。
  11. ^ 『義経記』と同様の解釈である。

ソフトウェア

NHK大河ドラマ・ストーリー

  • 義経 前編・後編

CD

DVD

車体広告

  • 京阪電車 8000系 「義経」(2005年1月~11月)「弁慶」「静」(2005年2月~12月)
  • 山陽電車 5000系 「源平号」(2005年3月~11月)

外部リンク

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