「泣く女」の版間の差分
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2009年5月9日 (土) 01:06時点における版
『泣く女』(なくおんな)は、パブロ・ピカソが1937年に描いた絵画作品。ピカソが写真家であり絵も描いた愛人ドラ・マール(本名、アンリエット・テオドラ・マルコヴィッチ)をモデルにした、有名な作品の一つ。
ドラ・マールをモデルに描かれた作品には『ドラ・マールの肖像』など油彩に限らず他にもあるが、最もよく知られるのはこの「泣く女」である。ただし「泣く女」をモチーフとした作品には100種類以上のバリエーションがあるといわれる。
作風
その作風は極めていろいろある。目玉が飛び出るほど泣く女。嘆き悲しむ泣く女。ハンカチを食いしばって泣く女。空に叫ぶかのように泣く女。だが、どれも「青の時代」に描かれたものなのに珍しく「青」「黒」に加えて「黄」「赤」「緑」「オレンジ」などの色も追加されている。これは、ピカソの「狂った波調」によるものと考えられる。
ゲルニカに使用された泣く女
ピカソの代表的な作品『ゲルニカ』にも「泣く女」は登場している。ゲルニカ左下部にある兵士の上には「死んだ子供を抱きかかえてなく母親」がある。これも名称はちがっていれど、泣く女の影響である。死んだ子供は白目をむいて手も足も垂れ下がっている。それを抱きかかえる母親は泣きに泣いて天に向かって叫んでいるように思えるほどである。口の中から飛び出るように出ている舌がその証拠である。泣く女として書かれている「ゲルニカのための習作」は飛びだした目、鏃(やじり)の形をした鼻孔、そしてひどくとんがった舌が代表的。