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口語ではしばしば語句の省略が起こり、文法的に見ると不完全と考えられることがある。例えば次の例のように、質問とその答えが明白な語句の大きく省略されたものになることはよくある。
口語ではしばしば語句の省略が起こり、文法的に見ると不完全と考えられることがある。例えば次の例のように、質問とその答えが明白な語句の大きく省略されたものになることはよくある。


A: 今年の休暇はドライブに行くんだ。<br>
A: 今年の休暇はドライブに行くんだ。(私は今年の休暇はドライブに行きます。)<br>
B: どこに<br>
B: どこに?(どこにドライブに行くのですか?)<br>
A: 富士山に。<br>
A: 富士山に。(富士山にドライブに行くのです。)<br>
B: 誰と<br>
B: 誰と?(誰と行くのですか?)<br>
A: 妻とだよ。<br>
A: 妻とだよ。(妻と行くのです。)<br>
B: いつ<br>
B: いつ?(いつ行くのですか?)<br>
A: 6月。<br>
A: 6月。(6月に行くのです。)<br>


== 関連項目 ==
== 関連項目 ==

2009年5月5日 (火) 14:25時点における版

口語(こうご)とは、

  1. 言語学等における会話などで用いられる口頭での言葉遣いのこと。本項で説明する。
  2. 日本語の口語体のこと。明治以前に用いられていた文語体に対して、1を基盤として言文一致運動を経て成立した現代的な文語である。
  3. 言語学等におけるspoken language(音を媒介とする言語)のこと。音声言語参照。

口語(こうご)とは普通の日常的な生活の中での会話で用いられる言葉遣いのことである。話し言葉書記言語で使われる文語と違い、方言と呼ばれる地域差や社会階層などによる言語変種が応じやすく、これらと共通語などを使い分ける状態はダイグロシアと呼ばれる。

文語と違い規範文法が適用されないことが多く、「日本語の乱れ」等とされる言語の「ゆれ」、慣用的な言い回し、本来の意味とは違った用例も多く見られる。ただし公式に認められている言語(公用語)や共通語にもその口語があり、社会的な受容度で区別される「俗語」の概念とは多少異なる。

創作の中でも、口語に近い言葉でつくられた口語詩短歌口語短歌、こうした口調で書かれた文体のことを口語調または口語体と呼んでいる。一般に、口語に近い感覚で書かれた文章は文語的な表現より親しみやすいと考えられる。

書き言葉

書き言葉はある時点で標準化が行われるが、時代が経つと次第に話し言葉と書き言葉の間に著しい差異が生じてくる場合がある。例えば、言文一致運動前の日本語では、平安時代頃の古い時代の言葉を標準にした文語が使われていたため、庶民が話す言葉と文章に書かれる言葉の間にかなりの乖離が見られた。(スタブ)

関連書籍

  • 『江戸の声 話されていた言葉を聴く』 江戸東京ライブラリー 25 鈴木丹士郎 教育出版 ISBN 4316359401

特徴

口語は、伝統的な文法や統語論に従わないことがある。また、口語は書き言葉である文語に比べて変化が速い。(スタブ)

省略

口語ではしばしば語句の省略が起こり、文法的に見ると不完全と考えられることがある。例えば次の例のように、質問とその答えが明白な語句の大きく省略されたものになることはよくある。

A: 今年の休暇はドライブに行くんだ。(私は今年の休暇はドライブに行きます。)
B: どこに?(どこにドライブに行くのですか?)
A: 富士山に。(富士山にドライブに行くのです。)
B: 誰と?(誰と行くのですか?)
A: 妻とだよ。(妻と行くのです。)
B: いつ?(いつ行くのですか?)
A: 6月。(6月に行くのです。)

関連項目