「ピッキング行為」の版間の差分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
削除された内容 追加された内容
DKK (会話 | 投稿記録)
編集の要約なし
DKK (会話 | 投稿記録)
編集の要約なし
1行目: 1行目:
{{Otheruses|鍵を開ける行為|その他|ピッキング}}

[[画像:Pin and tumbler lock picking.PNG|thumb|[[シリンダー錠]]のピッキング]]
[[画像:Pin and tumbler lock picking.PNG|thumb|[[シリンダー錠]]のピッキング]]


'''ピッキング行為''' (英語 {{lang|en|picking}}) は、[[錠前]]を、[[鍵 (道具)|鍵]]を使わずに、また破壊せずに、[[開錠]]することである。
'''ピッキング行為''' (英語 {{lang|en|picking}}) は、[[錠前]]を、[[鍵 (道具)|鍵]]を使わずに、また破壊せずに、[[開錠]]する行為である。


[[ピック]]と[[テンション]]という二つの道具を使って、正式な鍵が差し込まれている状態を再現する事で開錠操作を行う。鍵を扱う業者が[[オートロック]]のドアや、鍵が失われて開かなくなった[[金庫]]などを開ける際に用いるほか、犯罪者の中にもこの技術に長けた者がおり、これに絡む[[犯罪]]の横行が[[社会問題]]となっている。
[[ピック]]と[[テンション]]という二つの道具を使って、正式な鍵が差し込まれている状態を再現する事で開錠操作を行う。鍵を扱う業者が[[オートロック]]のドアや、鍵が失われて開かなくなった[[金庫]]などを開ける際に用いるほか、犯罪者の中にもこの技術に長けた者がおり、これに絡む[[犯罪]]の横行が[[社会問題]]となっている。

2009年3月29日 (日) 20:26時点における版

シリンダー錠のピッキング

ピッキング行為 (英語 picking) は、錠前を、を使わずに、また破壊せずに、開錠する行為である。

ピックテンションという二つの道具を使って、正式な鍵が差し込まれている状態を再現する事で開錠操作を行う。鍵を扱う業者がオートロックのドアや、鍵が失われて開かなくなった金庫などを開ける際に用いるほか、犯罪者の中にもこの技術に長けた者がおり、これに絡む犯罪の横行が社会問題となっている。

なお、鍵を使わない開錠行為には、ピッキングの他に、錠を破壊して開ける破錠がある。

概要

ピッキングにより、鍵を破壊せずに開錠できる。これを犯罪に用いると、鍵の破壊と異なり被害に気づきにくく、また、慣れた者が単純な錠を開ける場合には短時間でできるため、捜査が難航する。

従来の手法では、工具の動作音や破壊音が大きいため、周囲に気づかれやすい。ピッキングは、鍵穴を覗き込んだりしながら器具を操作して開錠するため作業中は不審だが、数分間程度で開けられてしまい、また通常の開錠操作と同じ程度の音しかせず、発見を遅らせる。

日本での動向

日本では1990年代にこれらに用いる器具が通信販売などで大量に出回って犯罪行為(窃盗やストーカーなどを目的とする住居侵入)に用いられたほか、1990年代末からは外国人集団によるディスクタンブラーを狙った犯罪が多発する。中国福建省には日本での泥棒稼業によって建てられた通称「ピッキング御殿」がある[要出典]エラー: タグの貼り付け年月を「date=yyyy年m月」形式で記入してください。間違えて「date=」を「data=」等と記入していないかも確認してください。

1990年代に顕著化したストーカー犯罪では、盗聴盗撮に利用されることもあり、特に、留守中に侵入した形跡を残さずに鍵を開けて入り込む犯罪もある。

対策

ピッキングに対応して全国防犯協会連合会は防犯性が高いと認定したものをCP認定錠、CP-C認定錠(シリンダ錠)として認定を行っている。これらでは従来のタンブラー錠を改良したものや電子ロックなど様々なタイプのものがあり、従来型のドアにも大掛かりな工事なしに取り付け可能な製品も多く出回っている。

その一方で日本において2003年(平成15年)6月に「特殊開錠用具の所持の禁止等に関する法律」(ピッキング防止法)が制定(同年9月施行)され、開錠道具の所持は、錠前業者が業務で使うなどの正当な理由が無い場合は違法行為となった。同法ではドライバー等の工具でも見咎められる場合がある。しかし一部の雑誌には依然としてピッキング関連の商品の広告を見ることができる。

なおピッキング対策を講じても、手口の異なるサムターン回しカム送り解錠での侵入を防ぐ事はできないため、それらへの対応も同時に行う事が勧められる。

またピッキング作業中は明らかに「不審な行動」であるため、心理的に周囲から見られにくい場所に被害が集中する傾向が見られる。このため被害を受けやすい玄関や勝手口などには日没後は明るい照明を付け、また塀を低くするなどして往来からそれらのドアが見えやすいようにする事で、この被害に遭う危険性が下げられることが指摘されている。監視カメラの設置なども、ピッキング犯が避ける要素であるとされている。

関連項目

外部リンク