「ジュール熱」の版間の差分

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2008年12月28日 (日) 06:09時点における版

ジュール熱(ジュールねつ、:Joule heat)は、電流のはたらきによって生じる

ジュールの法則

電気抵抗 [Ω] の物体に、 [A] の電流 間流したときに発生する熱量、すなわちジュール熱の量 [J] は、

となる。ジュール熱の量は、抵抗 と電流 の二乗の積に比例する。これはイギリス物理学者ジェームズ・プレスコット・ジュールが実験によって発見した物理法則で、ジュールの法則(ジュールのほうそく、:Joule's law)と呼ばれる。

上の式はオームの法則を用いることによって次式のように変形することができる。

ジュール熱の利用

ジュール熱の大きさは、抵抗に印加する電力によって変化させることができる。 制御が容易であるため、古くから暖房や調理器具などに利用されている。

ジュール熱の抑制

ジュール熱を利用した機器が多く存在する一方で、ジュール熱の発生が歓迎されない機器も存在する。すなわち、発生した熱を利用することを目的としない機器である。一例を挙げると、電動機発電機変圧器照明器具半導体製品などである。こうした機器においてジュール熱は損失として見なされる。発生した熱をいかに最小限に抑えるか、そしていかに逃がすかが設計の急所である。

機器だけでなく、配線に用いる電線にも抵抗が存在しており、ジュール熱は発生する。電線路における電力損失の有効分はジュール熱によるものである。発生した熱量があまりにも大きいと、電線路は溶けて断たれてしまう。したがって、電線の仕様として許容電流が定められている。

参考文献

  • 加地正義『標準 電気基礎(上)』オーム社、1994年。

関連項目