「単集合」の版間の差分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
削除された内容 追加された内容
Melan (会話 | 投稿記録)
en:Singleton (mathematics)(2008年9月27日 11:47:47(UTC))の翻訳
 
m +cat
25行目: 25行目:
== 脚注 ==
== 脚注 ==
{{Reflist}}
{{Reflist}}

== 関連項目 ==
*[[ペアノの公理]]


{{DEFAULTSORT:たんしゆうこう}}
{{DEFAULTSORT:たんしゆうこう}}
[[Category:集合論]]
[[Category:集合論]]
[[Category:数学に関する記事]]


[[ca:Singletó]]
[[ca:Singletó]]

2008年11月7日 (金) 16:21時点における版

単集合: singleton)とは、唯一の元からなる集合である。例えば、{0} という集合は単集合である。

属性

例えば、{{1, 2, 3}} のような集合も単集合である。この場合、唯一の元は集合であり、その集合は単集合ではない。

単集合であることと、その集合の濃度が 1 であることは同値である。自然数を集合論的に構築する場合、1 は単集合 {0} として定義される。

公理的集合論においては、空集合の公理と対の公理の帰結として単集合の存在が導かれる。前者は空集合 {} が存在することを示し、後者は {} と {} を対にすることで、単集合 {{}} が得られる。

任意の集合 A と単集合 S があるとき、A から S への関数はただ1つ存在し、A のあらゆる元から S の唯一の元への写像である。

応用

位相幾何学において、全ての単集合が閉集合であることと、その空間がT1空間であることは同値である。

単集合で構築される構造は、様々なにおける終対象または零対象となる。

  • 単集合は、集合の圏における終対象であり、他に終対象は存在しない。
  • 任意の単集合は唯一の方法で位相空間に変換できる(全ての部分集合は開集合である)。このような単集合位相空間は位相空間および連続関数の圏における終対象である。このような圏では他に終対象となる位相空間は存在しない。
  • 任意の単集合は唯一の方法でに変換できる(唯一の元が単位元となる)。このような単集合の群は群および群の準同形の圏における零対象である。このような圏では他に終対象となる群は存在しない。

指示関数による定義

ブール値関数 で定義される集合のクラス とする。 が単集合であることと、 を使って のように定義される関数 と等価であることは同値である。

この定義はホワイトヘッドラッセルが自然数 1 を定義するために導入したものである[1]。その定義は であり、ここで である。

脚注

  1. ^ Whitehead, Alfred North; Bertrand Russell (1861). Principia Mathematica. pp. 37 

関連項目