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**[[2004年]]より、[[成人の日]]に合わせて年始開催は1月5日に1日のみ開催を行い、翌週の週末は成人の日と合わせた3日間連続開催が多い。 |
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**同じく[[2004年]]より、[[敬老の日]]に合わせて9月の3連休の開催を3つの競馬場で日程を調整し、この週は2場開催を3日間行っている。 |
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**2007年はさらに[[体育の日]]にも開催が行われた。この日の分の開催は1月の年初の開催を東西1日ずつ削ったものである。そのため[[2006年]]までは1回中山及び京都1日は1月5日に固定されていたが[[2007年]]は[[1月6日]]の開催とされた。開催日が1月5日に固定されていた |
**2007年はさらに[[体育の日]]にも開催が行われた。この日の分の開催は1月の年初の開催を東西1日ずつ削ったものである。そのため[[2006年]]までは1回中山及び京都1日は1月5日に固定されていたが[[2007年]]は[[1月6日]]の開催とされた。開催日が1月5日に固定されていた中山・京都の[[金杯]]も開催日固定の重賞競走ではなくなった。 |
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== 代替開催 == |
== 代替開催 == |
2008年10月23日 (木) 04:35時点における版
競馬の開催とは競馬が行われることである。この項目では日本において(必要に応じて海外の事例も)競馬が開催されるにあたっての各種事項や開催予定だったのが中止される場合やその事例について取り上げる。
日本における競馬の開催の概要
日本における競馬の開催については、おおよそ次のようなパターンで実施される。
- 中央競馬 - 原則として毎週土曜日・日曜日に実施[1]。4週8日の日程を1開催(○回東京□日目など)とする[2]。ただし特殊な事情で、週末以外の休日(曜日としては主に月曜日)に予定されている場合が年に1-2度程度ある。具体的な例外開催については次節を参照。
- 地方競馬 - 地区によって異なる[3]。中央競馬と商圏が重なる地域は主に平日、重ならない地域は土曜日、日曜日に開催することが多い。
中央競馬の例外的な開催事例
- 東京競馬場の開催について毎年5月5日に同競馬場に近接する大國魂神社で祭事が行われる関係上、競馬開催の土・日曜日と重複した場合でも競馬の開催は行われず、その前後に開催日を振り替えていた。しかし、2007年は5月5日に競馬を開催した(これは関東で第3場開催及び関西で開催が行われる場合も同様に振り替えていた)。
- 1975年頃までは祝日に開催される代わりに土曜・日曜の開催がなくなることもあったほか、1989年まで春の天皇賞を4月29日の天皇誕生日(当時はみどりの日、現在の昭和の日)に固定して行っていたため、4月29日が土曜日・日曜日でない場合は開催日を調整していた。なお、1990年は4月29日が暦上たまたま日曜日であった。
- 2003年11月3日の文化の日に福島競馬を施行し、同時に地方競馬の大井競馬場で同日に行われたジャパンブリーディングファームズカップ(JBC)の中央競馬所有の一部の施設での発売が行われた。しかし、11月3日の福島競馬は例年以上の売上を記録し、一方でJBCの売上は馬券販売所が福島競馬場内にしか設けられなかった事もあり、思ったほど伸びずに地方競馬を喰う形となってしまった。
- ハッピーマンデー制度の開始に伴い、土日月の3連休が増加したことから、その対応を2004年より行っている。なお祝日開催は地方競馬の売り上げの観点(2003年の文化の日の開催の反省点)から影響の少ない範囲で行っている(成人の日は年末年始明けの休日である点、また敬老の日、体育の日は秋分の日があり祝日が連続してある点)
代替開催
競馬の開催はほぼ毎年、同じような日程で行われる。しかし、競馬場が天変地異などによる被害を受けたり、改修工事を行う関係で、所定の競馬場が使えない場合に開催を他の競馬場に振り替えることがある。これを代替開催(だいがえかいさい[4])または振替開催などと呼ぶ。また、諸事情により競馬が開催できず、翌日以降に開催が繰り越される場合も代替開催と呼ぶが、これに関しては次の節で取り上げる(詳しくは開催を中止した場合の代替競馬・続行競馬を参照のこと)。
中央競馬における代替開催の事例
以下の事例でも見て分かるが、所定の競馬場が使えない場合に所定の競馬場での開催のほか、他の競馬場での開催も軒並み変更となる。これは連続開催による芝の保護の観点と馬の輸送の問題や売り上げ確保の問題が関係してくる。また、代替開催をした埋め合わせで通常行われない時期に他の競馬場の開催が該当の競馬場に振りかえられることもある。
- 1970年の万国博覧会開催のため、春の天皇賞を含む京都競馬場での開催が、阪神競馬場に振り替えられた。
- 1974年に阪神競馬場がダートコース新設工事のため、3回阪神開催を京都競馬場で代替。
- 1978年に福島競馬場がダートコース新設工事のため、1回福島開催を新潟競馬場で代替。
- 1979年から1980年にかけて京都競馬場がスタンド改築工事のため、以下の開催を代替。
- 1982年に小倉競馬場が改修工事を行ったため、1回小倉開催を中京競馬場で、2回小倉開催を阪神競馬場で、3回小倉開催を京都競馬場で代替。
- 1985年に新潟競馬場が厩舎改築工事を行ったため、1回新潟開催を福島競馬場で代替。
- 1988年に中山競馬場がスタンド新設工事を行ったため、2回、3回中山開催を東京競馬場で、2回新潟開催を福島競馬場で、4回中山開催を新潟競馬場で代替。
- 1989年に福島競馬場が改修工事を行ったため、1回福島開催[5]を新潟競馬場で代替。
- 1989年に札幌競馬場が芝コース新設工事のため、2回札幌開催を函館競馬場で代替。
- 1990年に新潟競馬場が改修工事を行ったため、1回新潟開催を福島競馬場で代替。
- 1990年から1991年にかけて阪神競馬場が改修工事のため、以下の開催を代替。この改修工事によって、阪神競馬場の最後の直線に坂が設けられるようになった。
- 1993年に中京競馬場が改修工事のため、1回中京開催を小倉競馬場で、2回中京開催を京都競馬場で代替。この改修工事によって、芝1400メートル(3000メートル)の発走地点が廃止された。
- 1994年に京都競馬場が芝馬場改修工事のため、1回から4回の京都開催を阪神競馬場で、1回、4回阪神開催を中京競馬場で、1回中京開催を小倉競馬場で代替。
- 1994年に函館競馬場が芝コースの改修工事に伴い、1回函館開催を札幌競馬場で代替し、2回函館開催はダートのみで施行された。
- 1995年の阪神・淡路大震災による阪神競馬場の被害発生により、1回、2回、4回阪神開催を京都競馬場で、3回阪神開催[6]を中京競馬場で代替。また、1月21日・22日の1回京都競馬も開催を中止したため、この代替として6月3日、4日に京都競馬を震災復興支援として開催。この年の京都競馬は異例の年8回開催となった。
- 1995年から1996年に福島競馬場が改修工事を行ったため、以下の開催を代替。この改修工事で最後の直線に坂が設けられるようになり、また下見所が2階に移設された。
- 1998年から1999年にかけて小倉競馬場が改修工事のため、以下の開催を代替。
- 2000年から2001年にかけて新潟競馬場が改修工事のため、下記の開催を代替。この改修工事によって新潟競馬場には芝の直線1000メートルが設けられた。
- 2002年から2003年にかけて東京競馬場が全面改修工事の実施に伴い、下記の開催を代替。これに伴って、通常行われている開催(平年5回中山、平年1回中山、2回中山、3回中山)を入れて、中山競馬場は7か月間連続して競馬を開催する異例の日程となった。また新潟競馬場ではグレード制導入以来初めてのGIとなるスプリンターズステークスを開催した。
- 2006年に阪神競馬場が改修工事のため、3回阪神開催を京都競馬場で、4回阪神開催を中京競馬場で代替。この改修工事によって、阪神競馬場に芝外回りコースやダート2000メートルの発走地点が設けられることとなった。
- 2009年に函館競馬場がスタンド改築工事に入る予定。
- 2010年4月から2012年1月までにかけて中京競馬場が改修工事に入る予定。
開催の中止
競馬は通常天候が悪化した場合でも開催されるが、台風や積雪などの天候災害などで競走が中止となる場合がある。また、皇族の死去に伴い喪に服すという意味、さらに公正競馬が実施できないと判断した際、馬インフルエンザや馬伝染性貧血など馬の病気が蔓延した場合、放送機器などの場内設備の故障、また厩務員のストライキによる中止もある。
開催の可否については、主催者の開催執務委員が開催当日の天気状況や交通状況などを踏まえて、開催当日の早朝に審議し、特に天候の悪化で観客や競走馬の輸送の困難、馬場状態について含有水分が多かったり、冬季の場合は積雪・凍結が発生するなど、公正な競馬の開催に支障をきたすおそれがある場合には、開催の中止を宣告する。また馬券発売を管理するコンピューターの故障や集計データの破損、激しい雷雨などにより人馬が屋外にいることが危険と判断したケースで、特定の競走のみ中止になったこともある。
また、一旦競走を通常通り開催した後に同様の状況が発生し、レース開催が困難となった場合にも途中でレースを中止(取りやめ)にすることもある。
障害競走は降雪時の障害飛越が滑りやすく危険になるため、平地競走に比べて降雪による影響を受けやすく、そのため平地競走は施行、障害競走のみ中止する場合もある。また、芝コースに雪が積もると除雪を行ってもコース凍結のおそれがあるため、ダートコースへのコース変更が行われる場合がある。芝コースで施行されるはずの重賞がダートに変更された場合にはグレードが外されて、格付けのない重賞競走として施行される。1998年2月15日のGIIIの共同通信杯4歳ステークスでは芝1800mからダート1600mに変更されたためGIIIが外され、格付けのない重賞競走として施行された[9]。
また、積雪を伴う降雪が少ない地域の競馬場では、馬場の整備すればレースは可能であったとしても、大雪などによる公共交通手段の途絶の可能性や来場者の不慣れな雪道での安全の確保を考慮して、開催が中止・順延になった事例もある[10]。
開催を中止した場合の代替競馬・続行競馬
天災地変やその他主催者の責めに帰すことのできない理由により、開催が中止になった場合には、開催を後日に振り替えることができる。その日の競走が全て取りやめとなって、振り替えた場合は代替競馬(だいがえけいば[4])と呼ぶ。代替競馬は必ずしも行われなければならないわけでなく、そのまま開催中止にすることもできる(地方競馬に多い)。ストライキによる開催の中止の場合には主催者側にも責任があるため、代替競馬を行うことが出来ない。
代替競馬は通常、当該週の開催最終予定日の翌日が多い。これは開催を順延する場合、同一開催内で開催日のみを順延する場合には各種法的な手続きは不要であるが、別の競馬場等に振り替える場合には、「事業計画の変更」の手続きが必要であり、中央競馬の場合には農林水産大臣の承認が必要となるためである[11]。
いくつかの競走が行われた後、途中で開催が打ち切られて、残りの競走を開催する場合には続行競馬(サスペンデッド)と呼ぶ。ただし、続行競馬を行うには消化された競走が開催予定の2分の1以下でなければならない[12]。
代替競馬や続行競馬が行われる場合、公正確保の観点から出馬投票をやり直して施行される。ただし、競馬の施行に支障がない場合には出馬投票をやり直さず、騎乗騎手や枠順などは変更せずに施行される。これは枠順などの変更に伴い、発売された新聞などの扱いなどの混乱を避けるためである。ただし、競馬の開催が順延されたことで、騎乗できなくなり、騎手変更が行われることはある。 競馬の円滑な施行に支障がない場合は、特別登録または出馬投票のやりなおしは行わない。
開催中止となって代替競馬や続行競馬が行われない場合の中止された競走で、重賞競走が行われる予定だった場合、その重賞競走は、後日の日程に組み込まれ順延される。一部の特別競走も同様の処置がとられる場合がある。
フランスではストライキなどにより開催ができず、代替開催をする場合、予定にない開催のために観客を入れずにレースを行う場合がある。
開催中止の事例
- 1.降雪による中止
- 2001年1月7日の京都競馬。降雪が激しく公正な競馬開催を確保できないため第10競走以後[13]の開催を取りやめ。続行競馬の開催はなく、当該競走の馬券は全て買戻しとなった。
- 2001年1月20日の京都競馬。降雪が午後から激しく公正な競馬開催を確保できないため第6競走以降を中止し、22日に続行競馬を開催した。
- 2001年1月27日と翌28日の東京競馬。27日の中止は当日の降雪状況で当日午前に中止。翌28日は出馬投票後の27日午後に中止を決定した。代替競馬は27日が29日、28日が30日に開催。
- 2002年1月4日の県営新潟競馬。降雪により第3競走以降の開催を打ち切り。続行競馬は開催されず新潟県競馬はこの日をもって廃止。事実上、第2競走が新潟県競馬の最後のレースとなった。
- 2004年12月31日の高崎競馬。積雪の影響から高崎大賞典を含む第9競走以降を打ち切り。続行競馬はなく第8競走をもって高崎競馬は廃止された。
- 2005年12月18日の中京競馬。降雪が激しく公正な競馬開催を確保できないためCBC賞[14]を含む第9競走以後の開催を取りやめ。続行競馬の開催はなく、当該競走の馬券は全て買戻しとなった。
- 同年12月23日の名古屋競馬。降雪の為、当日施行予定だった名古屋グランプリを含む全競走が開催取り止め。代替競馬はなく、名古屋グランプリは順延されなかった。
- 2008年2月3日の東京競馬。降雪の影響で安全な競馬の開催に重大な支障があるとの判断で、当日早朝に根岸ステークスを含む全競走の中止を決定。翌日に代替競馬を開催。
- 2008年2月9日の京都競馬。降雪の影響で第3競走以降を中止。当該競走の馬券は全て買戻しとなり、出馬投票をやり直して、11日に続行競馬を行った。
- 2008年2月10日の東京競馬。降雪の影響で安全な競馬の開催に重大な支障があるとの判断で、当日早朝に共同通信杯を含む全競走の中止を決定となり2週連続で日曜日の東京競馬の開催が中止となった。なお、こちらは出馬投票をやり直さず、11日に代替競馬を行った。
- 1-1.降雪による障害競走の中止
- 2003年12月27日の中山競馬。朝から降り続く雪の影響で芝コースはダートコースへ変更となった。さらにまた当日施行予定であったJGI競走の第126回中山大障害が翌年1月10日順延となった。この際には、出馬投票はやり直された。なおこの日に開催された中京競馬も降雪の影響で芝コースのレースはダートコースへ変更となった。
- 2008年2月3日の京都競馬。第4競走に障害競走が組まれていたが、降雪の影響で取りやめ。この日の京都競馬は第1競走から第3競走までは発走予定時刻を約1時間遅らせ、第5競走と第7競走はダートコースに変更の措置がとられた(この影響で第5競走は12年ぶりにダート1900mコースが使用されることとなった)。
- 2008年2月24日の京都競馬。第4競走に障害競走が組まれていたが、積雪の影響で取りやめ。この日の京都競馬は第1競走から第3競走までは発走予定時刻を最大約35分間遅らせ、芝で行われる競走は全てダートコースに変更の措置がとられた。
- 2.台風上陸に伴う中止
- 1995年9月17日の中山競馬。台風12号が関東地方に接近し、公正な競馬開催が確保できないとして全競走の開催を取り止めを決定した。代替競馬は翌18日に施行された。
- 1996年9月22日の中山競馬。台風17号が関東地方に接近し、公正な競馬開催が確保できないとして全競走の開催を取り止めを決定した。代替競馬は翌23日に施行された。
- 2002年8月31日の小倉競馬。台風15号が九州地方に接近し、公正な競馬開催が確保できないとして全競走の開催の取り止めを決定した。代替競馬は9月2日に施行された
- 2003年8月9日の新潟競馬。台風10号が甲信越地方に接近し、公正な競馬開催が確保できないとして全競走の開催を取り止めを決定した。代替競馬は2日後の11日に施行された。
- 2004年10月9日の東京競馬。台風22号が関東地方に接近し、公正な競馬開催が確保できないとして全競走の開催を取り止めを決定した。代替競馬が、2日後の11日に行われたことにより、同日に盛岡競馬場で開催された統一GI競走・マイルチャンピオンシップ南部杯を含む全競走が同場外発売所で発売され、南部杯はターフビジョン・場内テレビでの実況放映も行われた。
- 2007年7月14日の小倉競馬。台風4号が九州地方に接近したため全競走の開催を取り止め。代替競馬は7月16日に行われた。また同日開催予定の荒尾競馬も開催を取り止め、代替開催は17日に行われた。
- 3.災害に伴う中止
- 1995年1月17日に発生した阪神淡路大震災で阪神競馬場やウインズ神戸が被害に遭う。当時開催していた京都競馬場は被害は免れたが、開催近辺で発生した自然災害、さらに場外馬券売場も被災したため1月21日と22日の京都競馬は中止。22日に行なわれる予定だった日経新春杯(GII)は1月28日に順延となった。
- なお、2日分の代替競馬の扱い[15]として6月3日、4日の2日間に京都競馬場で「震災復興支援競走」が行なわれた[16]。3日には重賞の阪急杯、4日には宝塚記念がメイン競走となり[17]、売上の一部が義援金という形で寄付された。
- 4.皇族の死去に伴う中止
- 1989年1月7日に昭和天皇が崩御。7日と8日に行なわれる予定だった中山競馬と京都競馬が中止。7日分の開催が13日に、8日分の開催が20日にそれぞれ変更となった。また地方競馬も喪に服す意味で7~12日までの開催を中止した。
- 2000年6月16日に皇太后(香淳皇后)が逝去された時も翌17日に行なわれる予定だった函館競馬、東京競馬、阪神競馬が中止。6月19日に開催日が変更。同時に18、19日は弔意を示すためにファンファーレや入場行進曲の演奏が中止となった。
- 5.公正競馬が確保できない時
- 2003年7月17日に旭川競馬場で行なわれたナイター競馬は、装鞍所や検量室などの業務エリアが停電。場内や馬場は停電はなかったものの主催者側が「公正な競馬開催が確保できない」と判断。第10競走以降を中止する措置が取られた。
- 2004年12月10日に行なわれる予定だった第18回大井競馬5日目が中止となった。これは馬の飼料添加物として厩舎で使用されていたものの一部に禁止薬物(カフェイン及びテオブロミン)が含まれる「ミネラル塩」を使用した疑いのある馬が多数出走を予定、公正確保のため取り止めとなった。同一の飼料添加物が美浦トレーニングセンターでも使用されていたが、食べたとされる44頭の馬は同年12月10日に再検査を行い、全馬が陰性反応と当日中に判明され、出走取りやめはなかった。
- 2006年3月14日に行なわれる予定だった第12回船橋競馬2日目において、競馬場内の放送設備が故障してしまい、場内の発走ファンファーレを鳴らせない、場内放送ができないなどの問題が発生し、全競走が中止となった。
- 6.病気蔓延による中止
- 1969年、岩手県競馬組合(盛岡、水沢)で、法定の家畜伝染病である馬伝染性貧血の集団感染が発生、防疫上の観点から罹患馬の大量殺処分を余儀なくされ、長期間の開催休止に追い込まれた。
- 1971年12月、関東周辺で馬流行性感冒(馬インフルエンザ)が大流行。19日の第16回有馬記念も3頭の出走取消がありわずか6頭で行われた。この翌週[18]から関東地区での中央競馬は開催中止に追い込まれた。翌1972年の1回東京、2回東京開催も中止[19]となり、関東での中央競馬は1972年2月末の1回中山開催から再開された。同時期の南関東地区を初めとする全国各地の地方競馬も開催が中止された。
- 2007年8月16日、日本中央競馬会の美浦・栗東両トレーニングセンターで馬インフルエンザに感染した競走馬が発見され、中央競馬の所属馬は移動を禁止される措置が取られた。当日開催予定だった旭川競馬場のブリーダーズゴールドカップの中央競馬所属馬は競走から除外された。17日感染した競走馬が増加したとし、18・19日の新潟、小倉、札幌競馬が中止となり、8月18日に行われる予定だった新潟ジャンプステークス(J・GIII)は9月1日に、8月19日に行われる予定だった札幌記念(GII)は9月2日に順延となった(事例紹介・2007年8月18日、19日の中央競馬の中止の際の影響を参照)。代替開催は11月17日、18日に福島競馬の第9日、第10日、11月23日に東京競馬と京都競馬の第9日、11月24日、25日の中京競馬の第9日、第10日となる。影響は中央に留まらず、一部公営競馬場でも感染(の恐れのある)馬が発見され、18日以降の開催が中止されたところもある。→馬インフルエンザを参照。
- この他海外では、2001年にヨーロッパで発生した口蹄疫(ウイルス性伝染病)が流行したため、イギリス競馬公社が中止を決定したこともある。
- 7.厩務員労働組合のストライキによる中止
- 1970年代までは桜花賞や皐月賞がストライキのため延期されたことがあったが、最近では1999年4月3日の中山競馬、阪神競馬、中京競馬が中止(1980年以来19年ぶり)。同日行なわれる予定だった重賞・阪急杯は10日開催となった。
- 8.コンピューターのトラブルによる中止
- 1996年9月29日、新潟競馬場の開催で馬券発売状況を管理するコンピューターが故障、第6競走以降を中止し、月曜日に順延した。
- 2006年4月16日、福山競馬場はコンピューター故障のため、第7競走のみ取り止め、当該競走の馬券について全て買戻しを行った。
- 2007年7月24日、名古屋競馬場で過失による漏水事故のため発券システムが故障し全レース競走中止。27日に代替開催。
開催の中止に伴う影響
競馬の開催が中止となった場合、その影響は直接の競馬関係者のみならず周辺の様々な産業にも波及する。具体的には以下の様な産業で、売り上げの減少やキャンセル、差し替えなどが発生する。
- 競馬場内の食堂や売店
- 競馬場周辺のホテル・宿泊施設
- 鉄道・バスなどの交通機関
- スポーツ新聞・競馬新聞
- これらの印刷・製本・配送を請け負う企業にも影響が出る。
- テレビ・ラジオの競馬中継番組、レースダイジェストなどの競馬情報番組
事例紹介・2007年8月18日、19日の中央競馬の中止の際の影響
この節では1つの具体例として、2007年8月18日、19日の馬インフルエンザによって中央競馬が中止となった時の事例を用いて、競馬の開催が中止した際の主にマスコミへの影響について述べていく。
スポーツ新聞は競馬記事面を縮小。競馬新聞は臨時休刊。競馬ブックの週刊誌8月20日発売予定号も競馬開催有無が未定のため発売中止。週刊Gallopは通常通りに発刊した。
競馬中継、競馬情報のテレビ番組、ラジオ番組では以下の番組で、放送そのものを取りやめ、他の番組(再放送など)で穴埋めを行った。
放送そのものは行われたが、番組内容を変更して放送した番組は以下の通り。特に日曜日に競馬中継を行うフジネットワークでは東西で対応が別れた。
- 『ウイニング競馬』(テレビ東京ほか)
- 『競馬中継』(KBS京都)
- 『サタうま!』(関西テレビ放送ほか)
- 『DREAM競馬』(テレビ西日本ほか)
- 『中央競馬ワイド中継』(テレ玉・tvk・チバテレビほか)
- 『JRA MUSIC TURF』(bay fm)
もちろん、上記の番組では放送が行われたが、競馬の開催が行われない以上はいずれも通常の番組編成はできない為、以下のような番組内容を変更した。
- 馬インフルエンザという病気や、今回の一件についてのJRAの記者会見と対応などについての解説
- 競馬場・トレセンの状況、厩舍関係者・騎手の対応について収録した映像
- 過去の国内主要競走の映像、海外のGI競走などの映像の再放送[20]
- 注目の人気馬、新馬、新種牡馬などについての特集
- 番組レギュラーの解説者や競馬新聞の記者・トラックマンが、予想論やパドックの見方などを語るトークコーナー
参考
競馬場の馬場状態については、主催者の開催執務委員が実際にレース前(天候が悪化した場合は随時)に馬場を徒歩で調査し、コースの含水量を踏まえて決定する。日本の場合は、良、稍重、重、不良の4段階だが、海外ではそれを更に細分化して発表するケースもある。詳細については馬場状態を参照。
脚注
- ^ 法令上は土曜日・日曜日・国民の祝日・1月5日から7日までの間で開催可能になっている。
- ^ 2006年11月7日の競馬法施行規則の改正により2007年からは1開催につき最大12日設定可能になった。ただし、1年間の延べ開催日数は288日までで現行どおりである。
- ^ かつては原則として日曜日、月曜日、金曜日、土曜日と国民の祝日、年末年始、お盆と規定され、例外的に「当該競馬場又は他の競馬場における売得金の額に相当の影響があり、若しくは秩序の維持その他の地方競馬の公正かつ円滑な実施に相当の支障が生ずることが明らかであることその他特別の理由により前号の日取りによつて開催することが困難である地方競馬」(すなわち中央競馬と商圏がかぶる南関東、愛知、岐阜、兵庫)のみ他の曜日の開催が認められていた。しかしながら、地方競馬場で中央競馬の場外発売が行われるようになり、要件を満たす競馬場が増えたことやそもそもの開催条件が複雑すぎるため、現行法令上は、開催1回につき連続する12日間の範囲内の日取りで最大6日間設定可能となっている(例:火曜日~金曜日の4日間と翌週の火曜日・水曜日の2日間の計6日間で1開催を組むことができる)。
- ^ a b 競馬業界では「代替」を「だいたい」とは読まずに「だいがえ」と読むのが普通。JRA公式サイトの競馬用語辞典にも「だいがえけいば(代替競馬)」として記載がある。
- ^ a b c 現在の2回福島。当時は現在の春の1回福島がなく秋に福島競馬が2開催あった。
- ^ 当時は3回阪神と2回中京は開催順序が逆であった。
- ^ a b 当時は10月から11月にかけて2開催連続だった。
- ^ 現在の1回福島。当時は秋に2開催あった。
- ^ この時の勝ち馬はエルコンドルパサーである。
- ^ 競馬と比較して雪に強いとされる競艇でも、この理由で開催が中止になる事はたまにみられる。
- ^ [1]
- ^ 例えば全12レース制の開催日だと、後半最初のレースである第7競走が成立した後になって途中打ち切りとなった場合、続行競馬は行われない。
- ^ 雅ステークスは1月13日の第9レース、室町特別は1月14日の最終レースにそれぞれ編入。出馬投票やり直し。
- ^ 同年12月24日のメイン競走に編入。出馬投票やり直し。
- ^ 競馬法施行規則で開催日数が定められており、代替競馬扱いでないと開催できない。
- ^ 当時の開催地は東京競馬場と中京競馬場=阪神の代替、これに2日間限定で京都が追加された。
- ^ ライスシャワーが故障発生したのはこの競走。
- ^ 当時は年末開催は有馬記念ではなく中山大障害。
- ^ この開催分は7月と10月にそれぞれ代替。
- ^ 馬インフルエンザという事態の為、前回の1971年の馬流感騒動の渦中で行われた第16回有馬記念の映像も多く放映された。