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2008年10月19日 (日) 08:44時点における版
幌(ほろ)は、風雨や砂埃などを防ぐために車両などに取り付ける覆い。トラック、オープンカー、鉄道車両、乳母車、馬車などに用いられ、これを取り付けた馬車は幌馬車と呼ばれる。
鉄道における幌
貫通幌
車両間の通路を構成する蛇腹状の覆いは貫通幌(かんつうほろ)といい、人が車両から隣の車両へと移動する際、安全に移動できるように設置されている。両側についている貫通幌を両幌、片側のみに付けられている幌は片幌といわれる。
両幌は両端に金属製の枠があり、これと車体側の枠とをつなげて使用する。多くの場合上部にはフックなどがあり、車体から外す、あるいは車体の片側に取り付けるなどの折りたたみ時にずれないようになっている。車体に固定する場合は回転式のハンドルのようなものが使われるが、鉄道会社によってそれが幌側についているもの(阪急電鉄など)と車体側についているもの(近畿日本鉄道)がある。
清掃に手間がかかったり、電車の場合は重くて整備しづらいことなどは貫通幌の難点といえる。そこで、この難点を解消する為に、最近では、自動貫通幌引出装置を搭載した車両が登場していたり、あらかじめ幌アダプターが搭載された車両が登場している。
外国の車両ではゴム製の太いパイプ状の筒を貫通路の上部と左右に配置し、連結時にゴムの弾性を利用して密着させるタイプのものがドイツで考案されており、このタイプの幌が広く普及している。日本でもこれに似たものは成田エクスプレス用の車両(253系電車)の先頭部に内蔵している。
外幌
車両間の外側に設置される幌は外幌と呼ばれている。
- 列車編成として空気抵抗やそれによる騒音を少なくするための一環として設置される。新幹線電車のものが代表例。
- 車両間にプラットホームから利用者が転落するのを防止するためのもの。「転落防止幌」とも呼ばれる。このタイプの場合、転落防止が主目的のため、車両間が密着している必要はない。
自動車における幌
- トラックの荷台部分に架装して積荷を風雨や直射日光から保護するために使用する。荷台に幌骨と呼ばれる金属製の枠組を取り付け、その上から幌をかぶせて組み立てる。素材は綿やポリエステル製の帆布が使われている。荷室の後面のみが開閉できるものが多いが、カーテン状に側面からも開閉できるものや、アコーディオン式に折りたためるものなどのバリエーションがある。
- オープンカーでは乗員が風雨や直射日光を避けるために車室上に装着する。電動格納式のものもある。詳しくはオープンカーを参照。
- 連節バスでは鉄道車両と同様に、車体間を結ぶために使用されている。
建築における幌
膜構造として分類される。
簡易なものでは溶接を用いて構築した鋼製フレームに幌をかけた店舗や住宅等の庇状のものがあり、大規模なものでは野球場の屋根を覆うものがある。