Xbox ネットワーク

Xbox Live（エックスボックス　ライブ）はマイクロソフトが提供するオンラインコミュニティである。

Xboxの発売に合わせてコンシューマーゲーム向けのサービスを開始し、後継機種であるXbox 360でも受け継がれた。各種オンライン対応ゲームに対応し、ユーザーの情報等を共通して使用することができる。

2006年現在、ゴールドとシルバーの二つのメンバーシップ契約があり、ゴールドは有料。また、マイクロソフトの次期パソコン用OS「Windows Vista」でも実装され、Xbox360とWindowsパソコン間でのオンライン対戦プレイもサポートされる。

特徴

完全なオペレーティングシステムを持たないコンシューマゲームにおいてオンラインゲームを展開する際に、ネットワークやアカウントの設定などがゲームごとに必要になるのではユーザーの利便を損なうことになる。

そこでXbox Liveでは本体の機能として接続情報と会員情報を管理し、オンラインゲームはその情報を利用することによりゲームごとに登録するわずらわしさを解消している。

ゲーマータグ

Xbox Live会員の「ニックネーム」。アカウントの設定時に英数字で設定する。すでに使用されているゲーマータグを重複して使用することはできないため、Xbox Liveにおいてプレイヤーを特定することができる。Xbox 360では本体よりゲーマータグの変更が可能になっている（有料:800マイクロソフトポイント）。

また、ゲーマータグはXbox.com内のフォーラムにおけるハンドルネームとしても扱われる。

マッチング

基本的に各プレイヤーは会員情報としてゲームでの成績によるレーティングが管理されており、できるかぎり同じレーティングのプレイヤーが対戦を行うことができる。またゲームによっては既に開かれているセッションの中から条件を指定して検索しそのセッションに参加する形で対戦相手を選ぶ事が可能。また、既に参加枠が埋まったセッションにおける対戦を観戦できるソフトもある。

チャット

Xboxのオンラインゲームでの意思伝達手段はキーボードによるテキストチャットではなくボイスチャットを標準としている（一部ソフトは例外としてキーボードも使用できる）。またゲーム以外でもメッセージを送る事ができる。またXbox.comでもメッセージを確認する事ができ、ゴールドメンバーシップであればXbox.comでメッセージを送信する事も可能。

また周辺機器であるXbox Liveビジョンカメラを使用する事で、対応ソフトではお互いの顔を見ながらの通信プレイができる他、ビデオチャットや写真付きのメッセージの送信が可能（ゴールドメンバーシップが必要）。

また、2007年5月に行われたアップデートでWindows Live Messengerとの間でのメッセージ送受信も可能になった。

フレンドリスト

仲がよくなった他のプレイヤーを登録しておくことができる機能。他のプレイヤーが接続中かどうか（そして何をプレイしているか）を確認でき、さらに現在プレイしているゲームに招待したり、ボイスメッセージを送ることも可能である。

また、Xbox360やXbox.com内のMy Xboxでは自分とフレンドの実績（後述）をゲーム単位で比較する事も可能。

2007年12月より、13才以上のプレイヤーは自分のフレンドリストをフレンドに対して公開できるようになった。18才以上であればフレンド以外への公開も可能であり、また年齢に応じて定められた初期設定を上限として更に公開範囲を制限することも可能。

自動アップデート

ゲームのバランス調整、バグ修復のパッチや、システム自体のアップデートはLive接続時に自動的に確認、ダウンロードされる。パソコン用ゲームのような煩雑なパッチの適用が不要となっている。なおアップデートが行われる際は一度Xbox Liveから切断され、更新を行わないと再接続できない（ゲームに対するアップデートを行わなかった場合はそのゲームを終了しダッシュボードに戻った時点で再接続される）。

不快な行為への対策

不正行為やボイスチャットで他のプレイヤーからハラスメント行為などがあった場合はゲーム中からそのプレイヤーをマイクロソフトに通報することが可能となっている。マイクロソフトが必要と判断すればボイスチャットの一定期間使用禁止などの措置がとられる。またチート対策からか2007年5月より内部のプログラムが改造されている本体を自動的にXbox Liveから排除するシステムが運用されている。

なお、この通報は後述する「評判」とは無関係。

また、2008年3月25日より外部ツールなどを使用して不正に実績を入手し、ゲームスコアを改竄したアカウント所持者には以下のような制裁が下される事となった。

• ゲーマースコアが0になる。（ゲームスコアのリセット）
• ゲーマーカードに「ごまかし行為者」（日本語の場合）と表示される。
• ゲーマースコアが0になる前にプレイしたゲームで解除された実績を再び解除しても、ゲーマースコアを取得出来ない。

なお、Xbox Liveの使用やリセット後にプレイするゲームの実績の解除は可能である。

ダウンロードコンテンツ

ゲームの体験版、Xbox Live Arcadeのゲーム（後述）やゲームのデモムービーなどをダウンロードする機能。

Xbox360ではダウンロードだけなら無料の「シルバーメンバーシップ」でも行えるようになっている（無料ダウンロードコンテンツについてはブルードラゴン等シルバーメンバーシップのメンバーに対してはゴールドメンバーシップのメンバーに対して1週間遅く配信開始されるケースがある他、一部ゴールドメンバーシップ限定の物も存在する）。特にElectronic Entertainment Expoや東京ゲームショウなどのイベントで発表された新作ゲームのデモムービーなどに力を入れている。

ゲーマープロフィール

Xbox360ではゲーマープロフィールと呼ばれるプレイヤーのステータスがゲーマータグに関連づけられている。これには以下のものが含まれる。

• ゲーマーアイコン（一般用とフレンド用を別に用意する事ができ、フレンド用はXbox Liveビジョンカメラで撮影した写真も使える）
• 進行度ややり込み度に応じた実績と、それに対応するゲーマースコア
• Xbox Liveでのプレイスタイルを表すゲーマーゾーン
• 自己紹介や信条を表明できるモットー
• オンラインで一緒にプレイしたプレイヤーの評価による評判

ゲーマースコアはパッケージタイトル（ディスク媒体で販売されている物）は1本につき1,000、Xbox Live Arcadeのタイトルでは1本につき200となっており、制作者はそれを複数（パッケージタイトルでは5以上、Xbox Live Arcadeでは本体で12）の「実績」と呼ばれるゲームの進行度ややり込みの項目に分配する事になる。その分配は均等でもいいし、難易度に応じて重みを付ける事も可能。実績に対するゲーマースコア配分に下限はなくソフトによっては0ポイントの実績が存在する他、その実績を持っているプレイヤーとオンラインでプレイすることで感染するタイプの実績も存在する。

なお2007年2月1日にマイクロソフトが発表した新基準では、この他にダウンロードコンテンツに関連する25%(パッケージタイトルでは250、Xbox Live Arcadeタイトルでは50)までの上乗せが可能となっている他、基本ポイントの一部を無償のダウンロードコンテンツに割り当てる事も可能となっている。以下は基本ポイントの一部をダウンロードコンテンツに割り当てた一例である。

• ライオットアクトでは初期状態では43項目合計で900ポイントであり、ダウンロードコンテンツで7項目350ポイントが追加された。この追加された350ポイントの内140ポイント（2項目あり、100ポイントと40ポイント）は無料ダウンロードのみを利用したソロプレイでも獲得可能であり、40ポイント（20ポイントが1つと10ポイントが2つの計3項目）は無料ダウンロードのみ利用している者でも有料ダウンロード利用者との協力プレイで獲得することが可能である（内10ポイントの項目1つは元々協力プレイに関する物）。残る2項目170ポイント（20ポイントと150ポイント）は有料ダウンロードを利用しなければ獲得できない。
• EXITでは初期状態では12レベルまでしかないが実績については200ポイントの枠内で22レベルまで用意されている（12レベルまでで6項目85ポイント）ため、13レベル～22レベルを追加し6項目115ポイントを提供する為のダウンロードコンテンツは無料でなければならないことになっており、後に2回に分けて無料ダウンロードで配信された。

またプレイヤーのゲーマープロフィール情報の内以下のデータのRSSフィードを提供するXbox Community Developer Programも存在する。

• ゲーマースコアと評判の現在値
• 最近プレイしたソフトと、ゲーム単位でのゲーマースコアおよび実績獲得状況
• 現在使用している一般用ゲーマーアイコン・モットー
• 現在のゲーマーゾーンと国籍
• プレイヤーの状態（オンラインであれば現在プレイ中のゲームと現在の状況、オフラインであればオフラインになった時期）

日本でこのシステムを利用しているのはマイクロソフトが運営しているコミュニティサイトXbox Friendsのみであるが、日本以外ではこのシステムを利用して様々なサービスを提供しているサイトがいくつか存在する。以下はその一例。

• MyGamerCard.net - Xbox Liveが標準で提供している物とは異なるタイプのゲーマーカード
• 360voice.com - 1日にプレイしたゲームをリストアップしての自動記述型blog

この他Windows Live SpacesのモジュールにもXbox Liveのゲーマーカードと最近プレイしたゲームのモジュールが存在する。

Xbox Live Arcade(XBLA)

Xbox Live Arcade(略称、XBLA)は、Xboxでは専用クライアントディスク、Xbox 360では本体のメニューの機能。各種ゲームをマイクロソフトの専用サーバーからダウンロードしてプレイすることができる。

Xbox360ではガントレットやスマッシュT.V.、フロッガー、ギャラガといったクラシックゲーム、海外の携帯電話向けのコンパクトなアクションパズルゲームの移植版などが中心だが、順次本体の性能を生かしたフルポリゴンゲームも投入されている。なお、Xbox 360用ハードディスクには出荷状態でアレクセイ・パジトノフのパズルゲーム「HEXIC HD」がプリインストールされている。

また、UNOなど周辺機器のXbox Liveビジョンカメラを接続することでボイスチャットだけでなく顔を見ながらの対戦プレイが可能な物もある。

基本的にほとんどのゲームが無料でお試し版をダウンロードでき、気に入ればマイクロソフトポイントを使用してフルバージョンを解放する形で購入できる。

配信ソフトについては、Xbox Live Arcadeの配信ゲームタイトル、Category:Xbox Live Arcade対応ソフトを参照。

Xboxクラシックス

Xbox 360において2007年12月4日に開始された、旧Xbox用ソフトのダウンロード販売サービス。価格は1本1,200マイクロソフトポイント。Xbox 360上での互換機能を利用するため、ソフトの挙動は実際に旧Xboxソフトを動作させた場合と同等となっている。

日本において2007年12月4日から配信されたのは以下の5本。また、米国などでは「Xbox originals」と呼称され、配信ソフトが一部異なっている。

• Halo
• クリムゾンスカイ: High Road To Revenge
• 魔牙霊 (MAGATAMA)
• フェイブル
• ぷよぷよフィーバー（セガ）

マイクロソフトポイント

詳細は「マイクロソフトポイント」を参照

料金

2008年1月末現在のXbox Liveに関する料金および周辺機器の価格は以下の通り。

日本での料金・価格

価格は全て消費税込み。

ゴールドメンバーシップ

• 1ヶ月 - 819円
• 3ヶ月 - 2079円
• 1年間 - 5229円（プリペイドカードでは1ヶ月のボーナス有り）

ゴールドメンバーシップの購入もマイクロソフトポイントの購入と同様にオンラインもしくはプリペイドカードの購入が可能なほか、2007年5月25日からEdyを利用して携帯電話のみで購入することも可能になった。また、2007年3月以降に発売された一部のソフト（コール オブ デューティ3やTest Drive Unlimited等）には、オンラインプレイに限定した（メッセージ送受信などの機能は利用できない）48時間の無料利用コードが添付されている（ただしこれはシルバーメンバーシップになっている者に対してのみ有効）。

マイクロソフトポイント

• クレジットカード決済 - 500ポイント740円、1,000ポイント1,480円、 2,000ポイント2,960円、 5,000ポイント7,400円の4種類。
• プリペイド方式 - 700ポイント1,050円、1,400ポイント2,100円、3,500ポイント5,250円 の3種類。

周辺機器など

• Xbox 360 ヘッドセット - 2,625円

  コントローラの拡張端子に接続して使うヘッドセット。

• プレミアムゴールドパック - 7,140円

  1年間のゴールドメンバーシップ・200マイクロソフトポイント・ヘッドセット・テトリス ザ・グランドマスターACEのセット。

• Xbox Live ビジョン - 4,200円

  カメラの他にヘッドセット・1ヶ月分のゴールドメンバーシップ・Xbox Live Arcadeゲーム『UNO』の利用コード（このコードで完全版の無料ダウンロードが可能）付き。

• Xbox 360 ワイヤレス ヘッドセット - 6,300円

  ケーブル接続することなくボイスチャットが出来るワイヤレスヘッドセット。ワイヤレスコントローラ同様、本体と約10m離れて利用できる。電源は充電式で、満充電状態で8時間程度使用可能。

• Xbox 360 メッセンジャー キット - 3,150円

  コントローラと合体させる小型キーボード「チャットパッド」とヘッドセットのセット。なお付属のヘッドセットは仕様が変更されており、初期に発売されたヘッドセットを接続することはできない。

日本以外における料金・価格

ゴールドメンバーシップ

• アメリカでは1ヶ月7.99ドル・3ヶ月19.99ドル・12ヶ月49.99ドル。
• イギリスでは1ヶ月4.99ポンド・3ヶ月14.99ポンド・12ヶ月39.99ポンド。
• ヨーロッパでは1ヶ月6.99ユーロ・3ヶ月19.99ユーロ・12ヶ月59.99ユーロ。
• オーストラリアでは1ヶ月10.95ドル・3ヶ月29.95ドル・12ヶ月79.95ドル。
• スウェーデンでは1ヶ月60クローナ・3ヶ月179クローナ・12ヶ月549クローナ。

マイクロソフトポイント

• アメリカではオンラインでは100ポイント当たり1.25ドル、プリペイドカードでは1600ポイントで20ドル。どちらの場合も1ポイントにつき1.25セントの計算。
• イギリスではオンラインでは100ポイント当たり0.85ポンド(1ポイント当たり0.85ペンス)、プリペイドカードでは2100ポイントで17.5ポンド(1ポイント当たり0.83ペンス)。
• カナダでは100ポイントにつき1.55ドル(1ポイント当たり1.55セント)、プリペイドカードは1400ポイントにつき20ドル(1ポイント当たり1.4セント)で、2800ポイントで40ドルのプリペイドカードもある。

Xbox Live ビジョンの価格 - 地域によっては日本と同様(ただし日本ではマーケットプレースのメニューで別にダウンロードできるXbox Live Arcadeゲーム『TotemBall』に付いてもコードが入っている)のパッケージの他に、メンバーシップが12ヶ月分でありXbox Live Arcadeゲーム『ロボトロン2084』と200マイクロソフトポイントも入っているゴールドパッケージも存在する。

• アメリカでは標準パッケージが39.99ドル、ゴールドパッケージが79.99ドル。
• カナダでは標準パッケージが49.99ドル、ゴールドパッケージが89.99ドル(ただしゴールドパッケージには『TotemBall』のコードは入っていない)
• ヨーロッパでは標準パッケージが34.99ユーロ、ゴールドパッケージは59.99ユーロ

問題点

• Xbox・Xbox360ともにADSL～FTTHのブロードバンドにしか対応しておらず、64kbps程度の速度しかないナローバンドには対応していない。そのため、ADSLが提供されていない地域（主に村・離島）ではオンライン専用のゲームや、またはオンラインを用いた対戦をプレイできず、あまねく全域での公平なプレイができない。これはPS3やその他の家庭用ゲーム機・アーケードによるオンラインゲームでも同様の問題といえる（日本における情報格差 (通信格差)参照）。
• Xboxが日本ではあまり普及していないため、外国のプレイヤーと対戦しなければならないことがほとんど。日本でのみ発売されているゲームに至っては発売直後以外は対戦相手すら満足に存在しないこともある。（360では、日本のユーザー増加に伴い、ある程度は改善されている。）

• ボイスチャットの声にエフェクトを掛けて素の声をわかりづらくする機能があるが、完全なものではない。
• Xboxで最初に始まったXbox Liveはクレジットカードの登録が必須であり、クレジットカードを所持できない18才未満の者や学生が単独でオンライン接続を行うことが不可能（ただし、家族のうち1人がクレジットカードを持っていれば、大抵のケースではその1名が複数のIDを持つ事により仮想的に家族全員に個別のIDを持たせることも可能ではあるが、ゲームで親のクレジットカードを使うことになるため、そのことに同意が得られない問題もままある）。これはXbox360の新しいxbox Liveでプリペイドカードが用意されたことにより解消されている（なおXbox 360用のサービスではWindows Live IDとなるメールアドレスが必要だが、本来のメールアドレスを持っていなくてもHotmailのアカウントがあればそれをIDとすることで利用できる）。

• マーケットプレースで配信されているコンテンツに対する国の格差が大きく、アメリカ用のアカウントを別に取得した日本やヨーロッパの会員も多い。これがコンテンツ配信元との契約に関して問題になったためか、2007年5月より一部のコンテンツに対し利用者の接続元により制限を行うシステムが組み込まれている。

• 2007年12月5日のアップデートでプロフィール機能が追加されたが、住所に「竹島」と入れると不適切な表現だとして訂正を求められる。これは竹島の領土問題を考慮してのことだと思われるが、韓国、北朝鮮側の呼称である「独島」は利用可能である。この問題に関し、2007年12月6日にマイクロソフトはXbox.comにおいて、不適切な入力チェックが行われていることを認め、文字フィルターの修正作業に着手したと発表した。

関連項目

• Category:Xbox Live Arcade対応ソフト
• Games for Windows - LIVE

外部リンク

• Xbox.com | Xbox Live - TOP