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*ムカデ亜綱 Epimorpha
**ジムカデ目 Geophilomorpha
**オオムカデ目 Scolopendromorpha
*ゲジ亜綱 Anamorpha
**ナガズイシムカデ目 Craterostigmomorpha
**イシムカデ目 Lithobiomorpha
**ゲジ目 Scutigeromorpha
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'''ムカデ'''('''百足・蜈蜙・蜈蚣''')とは[[多足亜門]] '''ムカデ綱'''(=[[唇脚綱]])に属する[[節足動物]]の総称。脚の数が多く、運動性に富む捕食性の虫である。英名のCentipedeはラテン語の百(centi)脚(ped)に由来する。
'''ムカデ'''('''百足・蜈蜙・蜈蚣''')とは[[多足亜門]] '''ムカデ綱'''(=[[唇脚綱]])に属する[[節足動物]]の総称。脚の数が多く、運動性に富む捕食性の虫である。英名のCentipedeはラテン語の百(centi)脚(ped)に由来する。


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== 生息環境 ==
== 生息環境 ==
小型のものは[[土壌動物]]として生活しているものが多い。イシムカデ類は、比較的短い体形で軽快に走り回り小動物を捕らえる。地中に棲む傾向の強い種は単眼数が少なかったり無眼の場合もあり、淡い体色で体毛が少なく肢や触角が短い。地中(朽木を含む)生活に特化したジムカデ類は無眼で黄色や赤、白、緑などの体色を示し、非常に細長い体に短い足を多数持ち、土壌中を[[ミミズ]]のようにはい回る。つつくと尾端を頭部と擬態して後ずさりしたりとぐろを巻くように体を丸める種が知られている。地下5mほどの餌となる土壌生物の密度が薄い層からも得られることがあり、活発な垂直移動をしていると思われる種もある。また、発光生物として知られている数種を含んでいる。オオムカデ類もほとんどの小型種は無眼で土壌動物である。一部の大型種は4個程度の単眼を持ち樹上などを徘徊して獲物を襲って食べる、この仲間に日本本土最大の種「[[アカズムカデ]]」が含まれる。特に大型のものは[[セミ]]のような大型で活発な[[昆虫]]やネズミ[http://www.youtube.com/watch?v=8CL2hetqpfg]、飛行中のオオ[[コウモリ]][http://video.google.com/videoplay?docid=8313878609430213933]さえ補食することが知られている。ゲジ類は長い歩肢と[[複眼]]や背面の大きな[[気門]]などにより[[徘徊]]生活に特化しており、樹上での待ち伏せでは長い脚を空中に巡らせて飛行中の[[蛾]]などを採食している。
小型のものは[[土壌動物]]として生活しているものが多い。イシムカデ類は、比較的短い体形で軽快に走り回り小動物を捕らえる。地中に棲む傾向の強い種は単眼数が少なかったり無眼の場合もあり、淡い体色で体毛が少なく肢や触角が短い。地中(朽木を含む)生活に特化したジムカデ類は無眼で黄色や赤、白、緑などの体色を示し、非常に細長い体に短い足を多数持ち、土壌中を[[ミミズ]]のようにはい回る。つつくと尾端を頭部と擬態して後ずさりしたりとぐろを巻くように体を丸める種が知られている。地下5mほどの餌となる土壌生物の密度が薄い層からも得られることがあり、活発な垂直移動をしていると思われる種もある。また、発光生物として知られている数種を含んでいる。オオムカデ類もほとんどの小型種は無眼で土壌動物である。一部の大型種は4個程度の単眼を持ち樹上などを徘徊して獲物を襲って食べる、この仲間に日本本土最大の種「[[アカズムカデ]]」が含まれる。特に大型のものは[[セミ]]のような大型で活発な[[昆虫]]やネズミ<ref>「[http://www.youtube.com/watch?v=8CL2hetqpfg Giant centipede eating mouse.]」YouTube動画</ref><!--飛行中の-->[[コウモリ]]<ref>「[http://video.google.com/videoplay?docid=8313878609430213933 Giant Bat-Eating Centipede]」Googleビデオ動画</ref>さえ補食することが知られている。ゲジ類は長い歩肢と[[複眼]]や背面の大きな[[気門]]などにより[[徘徊]]生活に特化しており、樹上での待ち伏せでは長い脚を空中に巡らせて飛行中の[[蛾]]などを採食している。


==人間の生活との関わり==
==人間の生活との関わり==
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「非常に凶暴で攻撃性が高い」というイメージや、「絶対に後ろに下がらない(後退しない)」という[[俗信]]から、[[戦国時代 (日本)|戦国時代]]にはムカデにあやかり[[甲冑]]や[[日本刀|刀装具]]等にムカデのデザインを取り入れたり([[伊達政宗]]の従兄弟、[[伊達成実]]が兜の前立とした事は有名である)、[[旗]]差物にムカデの絵を染め抜いた物を用いた武将もいた。武田家の金堀り衆は、トンネル戦法を得意とする工兵部隊で百足衆と呼ばれたとも言われる。[[相馬中村藩]]に起源する[[相馬野馬追]]においては「下がりムカデ」の旗が軍師の指物と指定されている。足の多いことにより、伝令をムカデに例えることも一般的。
「非常に凶暴で攻撃性が高い」というイメージや、「絶対に後ろに下がらない(後退しない)」という[[俗信]]から、[[戦国時代 (日本)|戦国時代]]にはムカデにあやかり[[甲冑]]や[[日本刀|刀装具]]等にムカデのデザインを取り入れたり([[伊達政宗]]の従兄弟、[[伊達成実]]が兜の前立とした事は有名である)、[[旗]]差物にムカデの絵を染め抜いた物を用いた武将もいた。武田家の金堀り衆は、トンネル戦法を得意とする工兵部隊で百足衆と呼ばれたとも言われる。[[相馬中村藩]]に起源する[[相馬野馬追]]においては「下がりムカデ」の旗が軍師の指物と指定されている。足の多いことにより、伝令をムカデに例えることも一般的。


[[赤城山]]などの神体として、また『[[毘沙門天]]』の使いとされ神格化されている。男体山の[[大蛇]]と[[日光]]の[[戦場ヶ原]]で決闘した伝説、[[藤原秀郷]](俵藤太)の百足退治伝説などが知られる。大蛇が[[河川]]を[[象徴]]し[[砂鉄]]の採集や[[製鉄]]の[[技術]]者[[集団]]を表すことと比して、ムカデは地下[[坑道]]を掘り進み[[自然金]]などの[[鉱石]]を採集する[[技術者]][[集団]]を表しているという[[]]がある。
[[赤城山]]などの神体として、また『[[毘沙門天]]』の使いとされ神格化されている。男体山の[[大蛇]]と[[日光]]の[[戦場ヶ原]]で決闘した伝説、[[藤原秀郷]](俵藤太)の百足退治伝説などが知られる。大蛇が[[河川]]を[[象徴]]し[[砂鉄]]の採集や[[製鉄]]の[[技術]]者[[集団]]を表すことと比して、ムカデは地下[[坑道]]を掘り進み[[自然金]]などの[[鉱石]]を採集する[[技術者]][[集団]]を表しているという説がある<ref>[http://www.geocities.jp/tyuou59/akagijinnjya.htm 赤城山と俵藤太]([[藤原秀郷]])</ref>


== 分類 ==
== 分類 ==
=== ナガズイシムカデ目 Craterostigmomorpha ===
=== ムカデ亜綱 Epimorpha===
====ジムカデ目 [[:w:Geophilomorpha|Geophilomorpha]]====
* ナガズムカデ科 Craterostigmidae:ナガズムカデ(オセアニア産)

=== ジムカデ目 Geophilomorpha ===
* マドジムカデ科 Chilenophilidae:フタマドジムカデ、ミドリジムカデ(国内の土中に優占)
* マドジムカデ科 Chilenophilidae:フタマドジムカデ、ミドリジムカデ(国内の土中に優占)
* ベニジムカデ科 Dignathodontidae:ベニジムカデ(全国に分布、朽木に多い)
* ベニジムカデ科 Dignathodontidae:ベニジムカデ(全国に分布、朽木に多い)
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* マツジムカデ科 Schendylidae:サキブトジムカデ、エスカリジムカデ、チチブジムカデ、モモジムカデ
* マツジムカデ科 Schendylidae:サキブトジムカデ、エスカリジムカデ、チチブジムカデ、モモジムカデ


=== イシムカデ目 Lithobiomorpha ===
==== オオムカデ目 [[:w:Scolopendromorpha|Scolopendromorpha]] ====
* メナシムカデ科 Cryptopidae:メナシムカデ(歩肢対数21、曳航肢に変形、西南諸島~黒潮圏、北米産の種がイシムカデを称して市販されたことがある)、アカムカデ(北海道を含む全国、北米:普通種を含む)
* オオムカデ科 Scolopendromorpha:オオムカデ(北海道を除く全国:世界最大種など含む)、アオムカデ(西南諸島~九州沿岸部)

=== ゲジ亜綱 Anamorpha ===
==== ナガズイシムカデ目 [[:w:Craterostigmomorpha|Craterostigmomorpha]] ====
* ナガズムカデ科 Craterostigmidae:ナガズムカデ(オセアニア産)

==== イシムカデ目 [[:w:Lithobiomorpha|Lithobiomorpha]] ====
* イッスンムカデ科 Ethopolidae:イッスンムカデ(地表棲、普通種)
* イッスンムカデ科 Ethopolidae:イッスンムカデ(地表棲、普通種)
* トゲイシムカデ科 Henicopidae:メクライシムカデ(洞穴)、ゲジムカデ(地表棲、普通種)、トゲイシムカデ
* トゲイシムカデ科 Henicopidae:メクライシムカデ(洞穴)、ゲジムカデ(地表棲、普通種)、トゲイシムカデ
* イシムカデ科 Lithobiidae:イシムカデ(コスモポリタン)、ヒトフシムカデ(国内に優占)
* イシムカデ科 Lithobiidae:イシムカデ(コスモポリタン)、ヒトフシムカデ(国内に優占)


==== [[ゲジ目]] [[:w:Scutigeromorpha|Scutigeromorpha]] ====
=== オオムカデ目 Scolopendromorpha ===
* メナシムカデ科 Cryptopidae:メナシムカデ(歩肢対数21、曳航肢に変形、西南諸島~黒潮圏、北米産の種がイシムカデを称して市販されたことがある)、アカムカデ(北海道を含む全国、北米:普通種を含む)
* オオムカデ科 Scolopendromorpha:オオムカデ(北海道を除く全国:世界最大種など含む)、アオムカデ(西南諸島~九州沿岸部)

=== ゲジ目 Scutigeromorpha ===
[[Image:House centipede.jpg|thumb|ゲジの一種]]
[[Image:House centipede.jpg|thumb|ゲジの一種]]
* ゲジ科 Scutigeridae:ゲジ(全国)、[[オオゲジ]](全国:背中に橙色の紋)
* ゲジ科 Scutigeridae:ゲジ(全国)、[[オオゲジ]](全国:背中に橙色の紋)
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==外部リンク==
==外部リンク==
* [http://www.j-poison-ic.or.jp/tebiki20070907.nsf/SchHyodai/6BB0BB756D0AEBB7492567DE002B89CF/$FILE/M70269.pdf ムカデ] (財)日本中毒情報センター
* [http://www.j-poison-ic.or.jp/tebiki20070907.nsf/SchHyodai/6BB0BB756D0AEBB7492567DE002B89CF/$FILE/M70269.pdf ムカデ] (財)日本中毒情報センター
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[[category:節足動物|むかて]]
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2008年6月4日 (水) 17:54時点における版

ムカデ
分類
: 動物界 Animalia
: 節足動物門 Arthropoda
亜門 : 多足亜門 Myriapoda
上綱 : ムカデ上綱 Opisthogoneata
: ムカデ綱唇脚綱
Chilopoda
英名
House centipede
亜綱
  • ムカデ亜綱 Epimorpha
    • ジムカデ目 Geophilomorpha
    • オオムカデ目 Scolopendromorpha
  • ゲジ亜綱 Anamorpha
    • ナガズイシムカデ目 Craterostigmomorpha
    • イシムカデ目 Lithobiomorpha
    • ゲジ目 Scutigeromorpha

ムカデ百足・蜈蜙・蜈蚣)とは多足亜門 ムカデ綱(=唇脚綱)に属する節足動物の総称。脚の数が多く、運動性に富む捕食性の虫である。英名のCentipedeはラテン語の百(centi)脚(ped)に由来する。

特徴

現在は、増節変態をする改形亜綱のゲジ目、イシムカデ目、ナガズイシムカデ目(日本未産)と、一般に雌雄同形で自由生活ステージでは変態しない整形亜綱のジムカデ目、オオムカデ目に分類される。狭義のムカデはオオムカデ目のトビズムカデやイシムカデ目のイッスンムカデなど人目につきやすい所謂ムカデ型の生物を指すが、広意にはゲジや微小な土壌動物なども含む。

ムカデ類の体は頭部と歩肢の並んだ胴部からなる。頭部には1対の触角と口器がある。頭部の次の体節には、歩肢がなく、その代わりに顎の形になった顎肢がある。全てのムカデは顎肢に毒腺を持ち、このを用いて昆虫などの動物を捕食する。 それに続く体節には、それぞれ1対の歩肢がある。歩肢の数は分類群によって異なり、イシムカデ目、ゲジ目の成体は15対、オオムカデ目では21又は23対、ジムカデ目では種によって異なり27対から37対、41対、47対などを示し多い種は100対を越し173対まである。ジムカデの歩肢対数には多くの個体変異がみられるが、発生による制約があるらしく偶数対の歩肢対をもつ個体は稀な奇形である。最後の節には1対の尾脚=曳航肢と、改形類の雌では生殖肢がある。

どの種も肉食で、小動物を捕食する。オオムカデ類はヒトに対して能動的に攻撃をかけるものがあり、噛まれるとかなり痛む。人命に係る被害はほとんど無いが、南米に産する最大級のオオムカデ(ペルーオオムカデまたはペルビアンジャイアントと呼ばれている)は400mmに達し、幼児の被害や首などの急所を咬まれた場合には例外的に死亡の報告もある。他に鼻孔などから侵入したムカデが副鼻腔内で生存して慢性的な疾患の病原となる事例が知られている。なお、日本国内に於いては、漁船の船長が操舵手として操船中に船内にいたムカデに指を咬まれ一時意識を喪失して消波ブロックに衝突する事故が発生した事例報告がある。しかし、ムカデの咬害により死亡した例は報告されていない。大型種の多くは人間による拘束状況下において狂暴で触れたものには手当たりしだいに噛み付く。

生息環境

小型のものは土壌動物として生活しているものが多い。イシムカデ類は、比較的短い体形で軽快に走り回り小動物を捕らえる。地中に棲む傾向の強い種は単眼数が少なかったり無眼の場合もあり、淡い体色で体毛が少なく肢や触角が短い。地中(朽木を含む)生活に特化したジムカデ類は無眼で黄色や赤、白、緑などの体色を示し、非常に細長い体に短い足を多数持ち、土壌中をミミズのようにはい回る。つつくと尾端を頭部と擬態して後ずさりしたりとぐろを巻くように体を丸める種が知られている。地下5mほどの餌となる土壌生物の密度が薄い層からも得られることがあり、活発な垂直移動をしていると思われる種もある。また、発光生物として知られている数種を含んでいる。オオムカデ類もほとんどの小型種は無眼で土壌動物である。一部の大型種は4個程度の単眼を持ち樹上などを徘徊して獲物を襲って食べる、この仲間に日本本土最大の種「アカズムカデ」が含まれる。特に大型のものはセミのような大型で活発な昆虫やネズミ[1]コウモリ[2]さえ補食することが知られている。ゲジ類は長い歩肢と複眼や背面の大きな気門などにより徘徊生活に特化しており、樹上での待ち伏せでは長い脚を空中に巡らせて飛行中のなどを採食している。

人間の生活との関わり

主に夏場、山林に近い民家では、ゴキブリなどを捕食するためにムカデがしばしば家屋の内部に侵入する。この場合、靴の中や寝具に潜んだりすることから咬害が多く、衛生害虫としても注意が必要である。

産業との関連は少ない。近年の日本では不快害虫忌避効果を目的とした薬剤にムカデ・ヤスデの侵入防止効果を謳う場合が多い。オオムカデ類の油漬けや乾物は火傷や切り傷に効果があるとされ、民間薬として知られており、一部に市販の例もある。韓国では干したオオムカデを鶏の腹に詰めて煮込む薬膳がある。漢方では生薬名を蜈蚣(ごしょう)といい、平・止痙・解毒消腫の効果があるとされる。こうした薬用の意図の無い一般の食用とされた報告は皆無。観賞魚などの餌として冷凍のオオムカデが輸入されて市販されている。昆虫やクモサソリなどがかなり頻繁にアクセサリーやグラフィックのモチーフになることに比べるとムカデについては僅少な例しか無い。ペット(広意)としての飼育は、輸入種を中心に拡大傾向にある。現在、さまざまな種類が入荷しており大型種ほど高値で販売されている。

家庭用殺虫剤等では急ぐには死なない(近年はムカデ用の殺虫剤が市販され、冷却により動きを止め効果の解り易さを演出している)。

「非常に凶暴で攻撃性が高い」というイメージや、「絶対に後ろに下がらない(後退しない)」という俗信から、戦国時代にはムカデにあやかり甲冑刀装具等にムカデのデザインを取り入れたり(伊達政宗の従兄弟、伊達成実が兜の前立とした事は有名である)、差物にムカデの絵を染め抜いた物を用いた武将もいた。武田家の金堀り衆は、トンネル戦法を得意とする工兵部隊で百足衆と呼ばれたとも言われる。相馬中村藩に起源する相馬野馬追においては「下がりムカデ」の旗が軍師の指物と指定されている。足の多いことにより、伝令をムカデに例えることも一般的。

赤城山などの神体として、また『毘沙門天』の使いとされ神格化されている。男体山の大蛇日光戦場ヶ原で決闘した伝説、藤原秀郷(俵藤太)の百足退治伝説などが知られる。大蛇が河川象徴砂鉄の採集や製鉄技術集団を表すことと比して、ムカデは地下坑道を掘り進み自然金などの鉱石を採集する技術者集団を表しているという説がある[3]

分類

ムカデ亜綱 Epimorpha

ジムカデ目 Geophilomorpha

  • マドジムカデ科 Chilenophilidae:フタマドジムカデ、ミドリジムカデ(国内の土中に優占)
  • ベニジムカデ科 Dignathodontidae:ベニジムカデ(全国に分布、朽木に多い)
  • ツチムカデ科 Geophilldae:スミジムカデ、ホソツチジムカデ、ヨコジムカデ(深層からも産する大型種を含む)、ツチムカデ、シマジムカデ(西南諸島)
  • オビジムカデ科 Himantariidae:ヨシヤジムカデ(歩肢対数多)
  • ナガズジムカデ科 Mecistocephalidae:ツメジムカデ(多産)、ナガズジムカデ(=メキストケファルス:中~大型種)、ニブズジムカデ、タカシマジムカデ、タイワンジムカデ、モイワジムカデ(西南諸島・北海道)、ヒロズジムカデ(中~大型種)、アゴナガジムカデ(大顎が前方に伸びる:台湾・西表)
  • オリジムカデ科 Oryidae:ヒラタヒゲジムカデ
  • マツジムカデ科 Schendylidae:サキブトジムカデ、エスカリジムカデ、チチブジムカデ、モモジムカデ

オオムカデ目 Scolopendromorpha

  • メナシムカデ科 Cryptopidae:メナシムカデ(歩肢対数21、曳航肢に変形、西南諸島~黒潮圏、北米産の種がイシムカデを称して市販されたことがある)、アカムカデ(北海道を含む全国、北米:普通種を含む)
  • オオムカデ科 Scolopendromorpha:オオムカデ(北海道を除く全国:世界最大種など含む)、アオムカデ(西南諸島~九州沿岸部)

ゲジ亜綱 Anamorpha

ナガズイシムカデ目 Craterostigmomorpha

  • ナガズムカデ科 Craterostigmidae:ナガズムカデ(オセアニア産)

イシムカデ目 Lithobiomorpha

  • イッスンムカデ科 Ethopolidae:イッスンムカデ(地表棲、普通種)
  • トゲイシムカデ科 Henicopidae:メクライシムカデ(洞穴)、ゲジムカデ(地表棲、普通種)、トゲイシムカデ
  • イシムカデ科 Lithobiidae:イシムカデ(コスモポリタン)、ヒトフシムカデ(国内に優占)

ゲジ目 Scutigeromorpha

ゲジの一種
  • ゲジ科 Scutigeridae:ゲジ(全国)、オオゲジ(全国:背中に橙色の紋)

外部リンク

  • ムカデ (財)日本中毒情報センター