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2008年5月18日 (日) 02:55時点における版
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ファトワー(فتوا fatwā, 複数形 فتاوى fatāwā)は、イスラム教(イスラーム)における勧告、布告、見解、裁断のこと。
ファトワーとは本来、「ムフティー」と呼ばれる、ファトワーを発する権利があると認められたイスラム法学者が、ムスリム(イスラム教徒)の公的あるいは家庭的な法的問題に関する質問に対して、返答として口頭あるいは書面において発したイスラム法学上の勧告のことである。ファトワー自体には法的拘束力はないが、著名なムフティーによるファトワーはファトワー集に編纂され、各イスラム法学派の個別事例に対する見解を示すものとして重視された。また、イスラム法にのっとって裁判を行うカーディーは、法学書の意見とともに権威あるファトワーの説に従って判決を下す義務があるとみられており、裁判の過程において裁判官が判決の参考とするためにファトワーを要請したり、原告や被告が自身の主張を法的に裏付けるためにファトワーを勧告してもらうこともあった。
高位のムフティーの発するファトワーはジハードの呼びかけや君主の改廃など政治的な目的に使われることがあり、現在でも、イランではファトワーが実際の政治に影響力を持つと言われる。また、エジプトの首都カイロにあるスンナ派イスラムの最高学府アズハルの法学者たちが発したファトワーは、スンナ派世界では高い権威をもつ勧告として尊重されている。
なお、アルカーイダのオサマ・ビンラディンの様に本来、勧告の資格がない者が権威付けの為にファトワーの語を用いる場合もある。
著名なファトワー
- 1989年2月14日 - イランの最高指導者アーヤトッラー・ホメイニーが『悪魔の詩』の著者のサルマン・ラシュディ、及び、発行に関わった者などに対する死刑宣告を行った。その後、五十嵐一の殺害をはじめおおくの傷害事件が発生した。
- 2005年のパリ郊外暴動事件において、フランス国内のイスラム団体、仏イスラム教団連盟(UOIF)が暴力をいさめるファトワーを発令した。
- スマトラ島沖地震の被害を受けたインドネシアのイスラム教における最高権威「インドネシア・ウラマー評議会」が、外国からの援助食料を食べる事を許可するファトワーを発令した。当時、援助食料はあってもイスラム教に則った処理が行なわれていない、あるいは豚肉などが含まれている可能性もある事から、ムスリムの中には援助食料に手を付けられない者もいるという状況であった。